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信越線住民の好きなもの~フリッチャイ、鉄道・・・

フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その28

2024-07-07 11:57:22 | フリッチャイ
○ベートーヴェン フィデリオ
セッション録音1種とライヴ録音2種の3種があります。
(1) エンゲン(Br)、フィッシャー= ディースカウ(Br)、ヘフリガー(T)、リザネック(S)、フリック(Bs)、ゼーフリート(S)、レンツ(T)
  バイエルン州立歌劇場管弦楽団・合唱団 1957年5月30日~6月12日、7月11日、9月24日(セッション録音、DG)(S)
 ア DG盤(ヘリオドール)
 イ DG盤(初CD化)
 ウ DG盤(フリッチャイ・エディョン日本盤)
 エ DG盤

(2) ウェルス(S)、オットー(S)、パンチェフ(Bs)、メッテルニヒ(Br)、アンダース(T)、フリック(Bs)、ワイザー(T)
  スイス・ロマンド管弦楽団、ジュネーヴ大劇場合唱団 1951年11月6日(ライヴ録音)(M)
 ア Gebhardt盤
 イ Relief盤

(3) ドウ(S)、アンダース(T)、ペトリ(Bs)、グエルフィ(Br)、リッコ(Br)、ロベレ(S)
  サンカルロ劇場管弦楽団・合唱団 1951年4月11日(ライヴ録音、Gebhardt)(M)(2幕のみ)


演奏時間
 (1)   序曲 6’26 1幕 61’52 2幕 45’40
 (2) ア 序曲 6’33 1幕 56’08 2幕 42’10
   イ 序曲 6’38 1幕 64’07 2幕 57’15(レオノーレ序曲第3番を含む、除くと42’55)
 (3)                    2幕 60’17(レオノーレ序曲第3番を含む、除くと44’35)

演奏について
フィデリオは、フリッチャイが1949年にベルリン市立歌劇場の音楽総監督に就任する際のお披露目公演の演目であり、このときフリッチャイは、オーケストラの編成を小規模にして、室内楽的な響きを実現するとともに、緊張感のあるアンサンブルを構築しました。8年後の(1)のセッション録音でもそれを踏襲しているようで、集中力の高い引き締まった演奏を繰り広げています。(2)、(3)はベルリンから何名かの歌手を連れてナポリとジュネーブで上演したときのライヴ録音です。(2)は(1)と同様に小編成のオーケストラと思われ、特に1幕の5番の三重唱での弦楽器の出だしがとても切れ味が鋭いです。また2幕に入ってから熱気が入ってきます。なおセリフが入っていません。(3)の編成ははよくわかりません。とても熱気のある演奏で、スリリングです。

(1)の音質等について
DG初のステレオ録音ですが、初CD化された際のイ、日本盤のウは、チャンネルが左右逆になっているようです。その後発売されたエでは正しくなっています。
(2)、(3)の音質等について
(2)はア、イともクリアな音質ですが、特にイで時々大きな音のところなどで歪む箇所があります。一方、アは、曲の出だしが僅かに欠けている箇所があります。(3)の音質は(2)と比べると劣ります。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その27

2024-07-06 12:29:51 | フリッチャイ
○ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
ライヴ録音が1種があります。
◎ バックハウス(Pf)、スイス・ロマンド管弦楽団 1961年5月24日(ライヴ録音)(M)
 ア ロココ盤
 イ Classici Ivano盤
 ウ VIBRATO盤


演奏時間
 Ⅰ 17’46 Ⅱ  4’50 Ⅲ 10’16 

演奏について
淡々としているようでとても味わいの深い演奏と思います。バックハウスとフリッチャイのテンポのとりかたが微妙に異なるところかあり、興味深いです。特に第1楽章の6分過ぎ、ピアノと木管がやりとりをする箇所ではピアノと木管が交互に速さを変えていて、印象的です。

音質等について
アの音質はあまりよくありませんでしたが、イになって飛躍的に改善されました。しかし、ウは音質の改善はみられるものの、イほどはよくありません。(ロココ原盤と表記されています)なお、イはMP3による販売です。また、私は所有していませんが、このほかにProfilから発売されたバックハウス・エディションにも収録されています。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その26

2024-07-05 12:46:15 | フリッチャイ
○ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番
セッション録音1種とライヴ録音2種の3種があります。
(1) フィッシャー(Pf)、バイエルン州立管弦楽団 1957年12月3日(セッション録音、DG)(S)

(2) フィッシャー(Pf)、バイエルン州立管弦楽団 1957年12月2日?(ライヴ録音)(M)
 ア PALLADIO盤
 イ PALEXA盤

(3) アンダ(Pf)、ベルリン放送交響楽団 1961年2月5日(ライヴ録音、PASSION & CONCENTRATION)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 16’13 Ⅱ  9’38 Ⅲ 9’15
 (2) Ⅰ 16’06 Ⅱ  9’30 Ⅲ 8’44
 (3) Ⅰ 18’03 Ⅱ 11’05 Ⅲ 9’35

演奏について
(1)は、ピアノとオーケストラともに研ぎ澄まされた硬質な音の緊張感のある演奏で、特に第1楽章の終わりの部分は堂々としていて印象的です。一方、(2)は(1)のセッション録音の前日の演奏会と思われるライヴ録音で、似ていますがこちらのほうが熱気がこもっています。低弦とティンパニのパワーは物凄いです。(3)は、(1)、(2)と比べテンポが遅く、深い音楽となっていますが、少し大人しくなってしまった感じがします。なお、(2)の演奏の記録は、ア、イとも1957年、ベルリン放送交響楽団となっていますが、該当するものがなく、前述のとおり演奏が(1)と似ていることから、プーフェンドルフのデータにある(1)の前日の演奏会のものと思われます。

(2)の音質等について
ア、イとも1楽章に1か所音飛びとテープの伸びと思われる箇所があり、2楽章にも音飛びがありますが、それほど気にはなりません。音質については、それほどの差異はないと思われます。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その25

2024-07-04 12:26:55 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第9番
セッション録音とライヴ録音(一部)各1種の2種があります。
(1) ゼーフリート(S)、フォレスター(A)、ヘフリガー(T)、フィッシャー=ディースカウ(Br)
  ベルリン・フィル 1957年12月28日~1958年1月2日、4月28、29日(セッション録音、DG)(S)
 ア DG盤(ヘリオドール日本盤)
 イ DG盤(日本盤)
 ウ DG盤(オリジナルス)
 エ DG盤(新星堂)

(2) ストックホルム・フィル 1957年2月27日(第4楽章一部ライヴ録音、BIS)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 16’41 Ⅱ 10’31 Ⅲ 18’00 Ⅳ 23’13
 (2) Ⅳ 2’28(一部)

演奏について
(1)は、第9の初のステレオ録音ということと、フィッシャー=ディースカウが唯一歌った第9という点で話題になった録音ですが、そういったトピックスだけでなく、演奏自体が大変素晴らしいと思います。雄々しく立派で、フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの音がまだ残っている感じがします。第3楽章は、ゆったりと歌い上げられていて、とても美しいです。この楽章のクライマックスでの金管楽器は、重厚な音で、とてもインパクトがあります。一方、終楽章は録音のせいもあるのか、質感が瘠せている感じがします。
(2)は、終楽章の一部2分程度なので、評価のしようがありません。(1)があれば十分と思います。

(1)の音質等について
演奏の項で終楽章の質感について触れましたが、それは録音のせいかもしれません。この録音は、1957~1958年の年末年始と1958年4月に録音されています。これは私の推測ですが、声楽のある終楽章を同じメンバーでの演奏会と合わせた年末年始に、1~3楽章を4月に録音したのではないかと思います。この4か月間で録音の質が良くなったのではないかと思います。
また、2楽章は異なるテイクを用いている盤があるようです。違いは第1部、第3部冒頭のティンパニの強さ、そして1分55秒くらいのときのヴァイオリンのピチカートです。イとウは、第1部のティンパニの音は小さく、3部は大きいです。また、ピチカートは1部ではよく聴こえません。(3部の同じ箇所はよく聴こえます)一方、アとエは、ティンパニの音の差は、イ、ウほどではありません。ピチカートは1部、3部ともよく聴こえます。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その24

2024-07-03 13:09:56 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第8番
セッション録音と放送録音各1種の2種があります。
(1) ベルリン・フィル 1953年4月8、9日(セッション録音、DG)(M)
(ジャケットはデッカから発売されていたときのもの)

(2) RIAS交響楽団 1954年1月11、12日(RIAS放送録音、audite)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ  8’49 Ⅱ 3’48 Ⅲ 4’26 Ⅳ 7’43
 (2) Ⅰ 10’04 Ⅱ 4’00 Ⅲ 4’44 Ⅳ 7’49

演奏について
(1)は、極めて速い演奏で、特に1楽章と4楽章は、まるで何かに向かって一直線に突進しているかのような勢いです。田代秀穂は、1954年に発刊した『世界の指揮者』(音楽之友社)で、この(1)の演奏について「トスカニーニの解釈をもってワインガルトナーの表現を創造したとも言うべき」と評しています。(2)は、(1)と比べると中庸なテンポで、ティンパニが目立ちます。第2楽章は、(2)のほうが明晰かつエレガントな感じがします。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その23

2024-07-02 13:31:46 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第7番
セッション録音と放送録音各1種の2種があります。
(1) ベルリン・フィル 1960年10月3~5日(セッション録音、DG)(S)

(2) RIAS交響楽団 1953年1月19、20日(RIAS放送録音、audite)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 13’14 Ⅱ 9’57 Ⅲ 8’36 Ⅳ 7’25
 (2) Ⅰ 11’44 Ⅱ 8’12 Ⅲ 7’34 Ⅳ 7’03(3楽章に一部(1)にない反復あり)

演奏について
(1)はどっしりと重心の低い演奏です。第2楽章はゆったりと進行し、ティンパニやホルンは神々しいまでのような響きです。一方、(2)はいきいきとした躍動感ある演奏です。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その22

2024-07-01 14:32:53 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第5番
セッション録音とライヴ録音各1種の2種があります。
(1) ベルリン・フィル 1961年9月25、26日(セッション録音、DG)(S)

(2) ベルリン放送交響楽団 1952年3月17日(ライヴ録音)(M)
 ア En Larmes盤
 イ TREASURE OF THE EARTH盤
 ウ ORGANUM盤

演奏時間
 (1) Ⅰ 9’10 Ⅱ 13’18 Ⅲ 6’23 Ⅳ 9’28
 (2) Ⅰ 9’12 Ⅱ 13’11 Ⅲ 6’32 Ⅳ 9’26
(参考)
 カラヤン盤(1962年録音)
   Ⅰ 7’14 Ⅱ 10’01 Ⅲ 4’55 Ⅳ 8’57
 イッセルシュテット盤(1968年録音)
   Ⅰ 8’09 Ⅱ 10’29 Ⅲ 6’01 Ⅳ 9’01

演奏について
(1)はDGのセッション録音、(2)はその少し前に行われたベルリン放送交響楽団の定期演奏会のライヴ録音で、演奏内容は似ています。極めて遅いテンポで、この曲の演奏時間の最も遅い部類に属します。病気で弱った身体を奮い立たせ、力の限りを尽くしたような壮絶な演奏です。特に(2)の1楽章の出だしは一音一音かみしめるように遅く衝撃的です。
(2)は、アから順に9月8日、10日、9日と表記されていますが、どれも同じ演奏です。プーフェンドルフのデータによれは、9日の録音が存在することがわかっていますので、全て9日と思われます。

(2)の音質等について
ア、イ、ウともそれほどの差異はないと思います。私は最初と終わりに拍手の入っているアを聴いています。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その21

2024-06-30 12:22:56 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
セッション録音とライヴ録音各1種の2種があります。
(1) ベルリン・フィル 1958年10月7、13日(セッション録音、DG)(S)

(2) ベルリン放送交響楽団 1961年2月5日(ライヴ録音)(M)
 ア PASSION & CONCENTRATION盤
 イ EMI CLASSICS盤


演奏時間
 (1)  Ⅰ 15’37 Ⅱ 15’27 Ⅲ 6’22 Ⅳ 12’38
 (2)ア Ⅰ 16’27 Ⅱ 18’18 Ⅲ 6’42 Ⅳ 13’12
 (2)イ Ⅰ 17’12 Ⅱ 19’06 Ⅲ 7’05 Ⅳ 13’10

演奏について
(1)は、手術の直前の録音ですが、そんな感じは微塵もなく、生命力溢れる演奏です。第3楽章トリオのホルン三重奏はとても豪快です。また、終楽章はコーダから曲の終わりまで緻密な造形のもとスケールの大きな音楽を構築していると思います。
(2)を最初に聴いたときは衝撃でした。(2)は(1)より6分以上遅くなっていて、暗く深淵な音楽を奏でています。随所に聴かれる地の底から鳴り響いてくるようなティンパニは神々しいまでのようです。特に第1楽章での力の限りを振り絞っているかのような連続和音の箇所では、驚いてのけぞってしまうようでした。第2楽章では遅いテンポの中、厳粛な祈りが込められているようです。前回の「四季」で紹介したエールマンが、同じ紹介文の中で「フリッチャイによるベートーヴェンの第3と第5交響曲の演奏は、経験や知覚を越えた驚くべき啓示とでもいうべきもの」と評していますが、それがまさにこの(2)の演奏であり、また次に紹介する第5の演奏であると思います。(1)、(2)とも同じようなところでテンポを変化(リタルダンド)させていますが、(1)がさりげないのに対して、(2)では驚くほど強調されています。
もし、あえて楽章ごとに好みを言うならば、1、2楽章が(2)、3、4楽章が(1)でしょうか。(と言っても、これを通して聴いてみたらおかしなものになってしまうでしょうが)

(2)の音質等について
アは第1楽章冒頭の最初の和音が少し欠けています。また、アとイでは再生速度が若干異なっています。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その20

2024-06-29 13:12:15 | フリッチャイ
○ハイドン 四季
セッション録音とライヴ録音各1種の2種があります。
(1) トレッチェル(S)、ルートヴィヒ(T)、グラインドル(Bs)
  RIAS交響楽団・室内合唱団、聖ヘドヴィッヒ大聖堂聖歌隊 1952年1月21~28日(セッション録音、DG)(M)

(2) シュターダー(S)、ヘフリガー(T)、グラインドル(Bs)
  ベルリン放送交響楽団、聖ヘドヴィッヒ大聖堂聖歌隊 1961年11月11日(ライヴ録音)
 ア DG盤(フリッチャイ・エディション)(M)
 イ DG盤(a life in music)(M)
 ウ DG盤(DG録音全集)(M、冬のみS)


演奏時間
 (1) 春 33’43 夏 41’49 秋 33’03 冬 32’03
 (2) 春 33’35 夏 40’42 秋 31’21 冬 29’59
 ((2)は、冬の34番のカヴァティーネがカットされています)

演奏について
(2)は、結果としてベルリンでの最後となった演奏会のライヴ録音です。この演奏には、人生の最後に近づいたフリッチャイが、達観しているかのような深遠な音楽があるように思えます。音楽評論家のヴェルナー・エールマンが、没後15年を記念して発売されたフリッチャイ・エディションでのフリッチャイの紹介文の中で、「ハイドンのオラトリオ《四季》はフリッチャイにとって、生きていることへの喜ばしい回顧となり、同時にそれは、彼岸の高き世界を敬虔な心で仰ぎ見る結果となった」と記しているように、まさに記念碑的な演奏と思います。(1)の演奏は、真面目、几帳面なものですが、(2)の演奏を聴いてしまうと表面的で少し物足りないと感じてしまいます。

(2)の音質等について
アは没後15年を記念して発売された「フリッチャイ・エデイション」(LP)、イは生誕90年を記念して発売された「a life in music」(初めてCD化)ですが、音質は同じです。ウは没後50年、生誕100年を記念して発売されたDG録音全集で、冬のみステレオとなり臨場感が格段に増しています。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その19

2024-06-28 13:25:45 | フリッチャイ
○ハイドン 交響曲第101番「時計」
セッション録音1種とライヴ録音2種の3種があります。
(1) RIAS交響楽団 1951年9月18、19日(セッション録音、DG)(M)

(2) ボストン交響楽団 1953年11月(ライヴ録音)(M)
 ア MOVIMENT MUSICA盤
 イ Theatre Disques盤

(3) ローザンヌ室内管弦楽団 1951年11月19日(ライヴ録音、ETERNITIES)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 6’41 Ⅱ 7’38 Ⅲ 5’58 Ⅳ 4’32
 (2) Ⅰ 6’01 Ⅱ 7’24 Ⅲ 7’48 Ⅳ 4’15(3楽章に一部(1)にない反復あり)
 (3) Ⅰ 6’39 Ⅱ 7’58 Ⅲ 7’38 Ⅳ 4’16(3楽章に一部(1)にない反復あり)

演奏について
(1)は真面目な演奏と思います。一方(2)のライヴは、驚くほど大胆に強弱をとるなど、覇気が感じられます。フリッチャイは「ボストン交響楽団はとてもいいオーケストラだ」(フェレンツ・フリッチャイ著、フリードリヒ・ヘルツフェルト編/野口剛夫訳『伝説の指揮者 フェレンツ・フリッチャイ』)とオーボエ奏者のストーチによく語っていたといいますが、まさにそのよいオーケストラに接した気持ちが伝わってくるようです。(3)は、切れ味の鋭い演奏ですが、アンサンブルがちょっと危なっかしいところがあるなど少し劣っているように感じます。

(2)の音質等について
ア、イともそれほどの差異はないと思います。セッション録音ほどのクリアさはありません。
(3)の音質等について
ライヴ録音ではありますが、とてもクリアな音です。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その18

2024-06-27 13:08:59 | フリッチャイ
○ハイドン 交響曲第98番
セッション録音とライヴ録音各1種の2種があります。
(1) RIAS交響楽団 1954年9月14、16日(セッション録音、DG)(M)

(2) ケルン放送交響楽団 1952年6月23日(ライヴ録音、audite)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 8’03 Ⅱ 7’16 Ⅲ 6’32 Ⅳ 6’07(第1楽章提示部反復あり、反復を除くと6’12)
 (2) Ⅰ 6’18 Ⅱ 7’34 Ⅲ 5’58 Ⅳ 6’07

演奏について
(1)、(2)との差異は、ほとんどありませんが、1楽章では(1)が躍動的、(2)が落ち着いた感じ、3、4楽章では一部(2)が(1)より表情豊かな箇所が見受けられます。

(2)の音質等について
44番と同様、ライヴ録音ではありますが、(1)のセッション録音にひけをとらないほどクリアな音です。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その17

2024-06-26 13:18:34 | フリッチャイ
○ハイドン 交響曲第44番
セッション録音とライヴ録音各1種の2種があります。
(1) RIAS交響楽団 1953年6月20日(セッション録音、DG)(M)

(2) ケルン放送交響楽団 1953年10月5日(ライヴ録音、audite)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 7’23 Ⅱ 4’01 Ⅲ 5’37 Ⅳ 3’42
 (2) Ⅰ 7’21 Ⅱ 4’10 Ⅲ 5’17 Ⅳ 3’39

演奏について
(1)、(2)ともにシンプルで見通しのよい演奏と思います。特に第3楽章は美しいです。

(2)の音質等について
ライヴ録音ではありますが、(1)のセッション録音にひけをとらないほどクリアな音です。また、(1)と比べ若干ですが臨場感もあるように思います。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その16

2024-06-25 13:01:50 | フリッチャイ
○モーツァルト 魔笛
セッション録音が1種あります。
□ グラインドル(Bs)、ヘフリガー(T)、シュトライヒ(S)、シュターダー(S)、フィッシャー= ディースカウ(Br)、オットー(S)、ボルイ(Bs)
  ヴァンティン(T)、ボルヒェルト(Bs)、ヴァンデンブルグ(Bs)、シュナイダー(Bs)、シェヒ(S)、ロッシュ(S)、ローゼ(Ms)
  ギョーム(S)、ライト(S)、エウストラーティ(S)
  RIAS交響楽団・室内合唱団、ベルリン・モテット合唱団 1955年6月1~15日(セッション録音、DG)
 ア DG盤(ヘリオドール)(E)
 イ DG盤(日本盤)(M)
 ウ Cascade盤(DVD(PAL)、ザルツブルク・マリオネット劇場、ZDF制作)(M)


演奏時間
 ア、イ 序曲 6’44 1幕 58’32 2幕 77’28
 ウ          1幕 44’29 2幕 38’55

演奏について
序曲の後のタミーノが大蛇に追われる場面で、フリッチャイは極めて速く演奏することで、非常に緊張感に満ちた場面を演出しています。フィッシャー=ディースカウが歌うパパゲーノは若々しく雄弁、そしてシュトライヒの夜の女王のアリアはとても美しいです。ヴァンティンのモノスタートスは、語り掛けるような歌い方が異色。

音質等について
アは疑似ステレオです。確かにステレオ感は少しありますが、やはりステレオにはかないません。最近はオリジナルのモノラルがほとんどです。ウは「後宮」と同様、ザルツブルク・マリオネット劇場でのものです。序曲はナレーションのときにほんに一部分が聴こえるだけです。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その15

2024-06-24 13:17:20 | フリッチャイ
○モーツァルト ドン・ジョバンニ
セッション録音、放送録音、ライヴ録音各1種の3種があります。
(1) フィッシャー= ディースカウ(Br)、コーン(Bs)、クレッペル(Bs)、ユリナッチ(S)、ヘフリガー(T)、シュターダー(S)
  サルディ(Bs)、ゼーフリート(S)
  ベルリン放送交響楽団、RIAS室内合唱団 1958年9月15~26日、10月9日(セッション録音、DG)(S)

(2) フィッシャー= ディースカウ(Br)、ベリー(Bs)、グラインドル(Bs)、グリュンマー(S)、グローブ(T)、ローレンガー(S)
  サルディ(Bs)、ケート(S)
  ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団 1961年9月23日(SFB放送録音)(M)
 ア BMGビクター盤(LD)
 イ ARTHAUS盤(DVD)

(3)フィッシャー= ディースカウ(Br)、ベリー(Bs)、グラインドル(Bs)、グリュンマー(S)、グローブ(T)、ローレンガー(S)
  サルディ(Bs)、ケート(S)
  ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団 1961年9月24日(ライヴ録音)(M)
 ア Golden Melodram盤
 イ KARNA MUSIK盤


演奏時間
 (1) 序曲 6’04 1幕 80’42 2幕 78’52
 (2) 序曲 6’13 1幕 83’50 2幕 82’37
 (3) 序曲 6’02 1幕 84’56 2幕 83’26

演奏について
(1)の演奏は、弾力性に満ちています。弦楽器、木管楽器がとてもいきいきしています。(2)、(3)ともベルリン・ドイツ・オペラこけら落とし公演の演奏です。(2)はドレス・リハ、(3)は初日(とされている)の演奏。(2)は全体にわたって緊張感を持続させ、引き締まった演奏をしています。時々晩年特有のおどろおどろしい音が響きます。(3)は、よりスケールの大きな演奏で、またいくつかの部分でよりテンポを落としているところが印象的です。前日のドレス・リハとティンパニの打ち方が異なるので、奏者が交替しているのではないかと思われます。

音質等について
(1)は、ステレオ録音ですが、ドン・ジョバンニの「乾杯の歌」の終わる前で少しの間、音声がモノラルになってしまっています。(2)は、ア、イとも音質の差異はそれほどなく、序曲の後半で少しの間、音声がこもったような感じになります。映像については、アよりイのほうがよくなっています。(3)は、ア、イとも音質にそれほど差異はなく、一部音が同じ箇所で歪んでいます。
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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その14

2024-06-23 12:41:18 | フリッチャイ
○モーツァルト フィガロの結婚
セッション録音と放送録音各1種の2種があります。
(1) フィッシャー= ディースカウ(Br)、シュターダー(S)、ゼーフリート(S)、カペッキ(Br)、テッパー(Ms)、ベニングセン(Ms)、キューン(T)
  レンツ(T)、サルディ(Bs)、ヴィーター(Bs)、シュバイガー(S)
  ベルリン放送交響楽団・室内合唱団 1960年9月12~22日(セッション録音、DG)(S)
 ア DG盤(ヘリオドール、日本盤)
 イ DG盤(輸入盤)

(2) シェフラー(Br)、グリュンマー(S)、ギューデン(S)、クンツ(Br)、シュレム(Ms)、ベニングセン(Ms)、キューン(T)、カセック(T))
  シルプ(Bs)、ヴィルヘルムス(Bs)、ヴァイゲルト(S)、デニケ(S)、イェンケル(S)
  ケルン放送交響楽団・合唱団 1951年5月16~20日(WDR放送録音)(M)
 ア WALHOLL盤
 イ Relief盤


演奏時間
 (1)ア 序曲 4’15 1幕 39’13 2幕 44’39 3幕 38’06 4幕 31’51
 (1)イ 序曲 4’20 1幕 40’29 2幕 46’04 3幕 40’09 4幕 33’19
 (2)ア 序曲 3’49 1幕 35’04 2幕 39’10 3幕 33’53 4幕 27’52
 (2)イ 序曲 4’07 1幕 37’18 2幕 41’29 3幕 35’50 4幕 29’42


演奏について
(1)は、温かみのある穏やかな演奏です。華やかではありませんが、弦と木管の掛け合いなど、一音一音に至るまで、フリッチャイの細やかな息遣いを感じます。カペッキはおどけた感じのフィガロを演じています。
(2)は、(1)より速めのテンポで演奏しています。クンツのフィガロ、ギューデンのスザンナ、シェフラーの伯爵、グリュンマーの伯爵夫人と歌手が粒ぞろいで、中でもシュレムの歌うケルビーノがかわいらしく、憧れに満ちた歌唱で魅力的です。

音質等について
(1)はテイクの異なる2種の盤があります。第2幕の中の効果音が異なるのと、第3幕でのスザンナと伯爵夫人のレチタティーヴォとデュエット「そよ風によせて」と第4幕でのスザンナのレチタティーヴォとアリア「とうとうその時が来たわ~早くおいで、美しい喜びよ」のテンポが異なっています。現在は、遅いほうのテイク(イ)が使用されています。
(2)は、アとイでは再生速度が大きく異なっています。またアは再生レベルが低く、遠くから聴こえている感じです。
コメント
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