○ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番
○ブラームス ドイツ・レクイエム
会田莉凡(Vn)、森麻季(S)、甲斐栄次郎(Br)、大友直人/群馬交響楽団・合唱団
ブルッフは、ソロの出だしのところ、ほんの少しアレッと思うところもありましたが、全体的に艶やかな音色で素晴らしい演奏と思いました。曲自体がそうなのかも知れませんが、オーケストラは、少しくすんだ感じがしていて、もう少しクリヤな感じが出ればよいと思いました。
ブラームスは、初めて聴く曲なので、なんとも言えませんが、全体的にとても美しい演奏であったと思います。また、ヴィオラの活躍場面が多い曲と感じました。そんな中、盛り上がるところでのティンパニが印象的でした。
(群馬音楽センター)
○ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 バックハウス(Pf)、クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル 1962年5月31日(ライヴ)
アン・デア・ウィーン劇場が老朽化に伴う改修工事を終え、再開場したときの演奏会を収録したものです。
バックハウスは、前年5月、この曲をフリッチャイ/スイス・ロマンド管弦楽団と共演していますが、基本的に同じイメージです。
クナッパーツブッシュはゆったりしたテンポのもと無骨な表現であるのに対して、バックハウスは早めのテンポと、それぞれ我が道を行くという感じで、それがピアノとオーケストラとのやりとりにいたるや、なんともちくはぐな感じです。そこが面白いところでもありますが。
フリッチャイとの共演でも似たようなところがありました。
解説には、岩城宏之さんと属啓成さんの対談が載っています。
そこにクナッパーツブッシュの練習嫌いのことが触れてあり、さらにフリッチャイのことについても触れられています。「・・・ウィーン・フィルっていうのは、ものすごく練習のときにお行儀が悪いんです。フリッチャイぐらいの指揮だったらね、おとなしくならないです。うしろのほうでパンをかじってるやつだっている。・・・」(岩城)
いつのことを言っているのだろう。フリッチャイが、ウィーンでウィーン・フィルの演奏会を指揮したのは、1961年10月の定期演奏会だけですが・・・
バイエルン国立オペラのときも、クナッパーツブッシュとの逸話(フリッチャイが劇場の風呂場を整備させたことをクナッパーツブッシュが皮肉った)が残っていますが、ウィーンでもこんな話があるとは。