○ドヴォルジャーク 交響曲第3番 チョン・ミュンフン/ウイーン・フィル 1995年2月
○ドヴォルジャーク 交響曲第7番 チョン・ミュンフン/ウィーン・フィル 1995年2月
どちらも芯の通った堂々とした、そして推進力のある演奏と思います。
3番は、ケルテスの演奏に馴染み過ぎてしまっているので、どうしてもケルテスを基準に聴いてしまいますが、このチョン・ミュンフンの演奏も中々良いのではと思います。
7番は、1楽章の第1主題の経過部でホルンがソロで出てくるところが音量がもの足りなかったりとか、2楽章の出だしがちょっと早すぎる感じるなどの部分もありますが、それにも増して、1楽章の展開部、コーダ、2楽章中間部での堂々たる運びなどは他の追随を許さないのでは思うくらいです。
ウィーン・フィル独特のオーボエの音色、そしてまさに太鼓という響きのティンパニなど魅力一杯です。そのティンパニ、終楽章の最初の部分でこれでもかという力をこめて叩いています。
チョン・ミュンフンはこの後、6番、8番を録音して、ウィーン・フィル初の全集に発展するのではと期待しましたが、それで止まってしまいました。残念なことです。
○ドヴォルジャーク 交響曲第7番 モントゥー/ロンドン交響楽団 1959年10月
○エルガー エニグマ変奏曲 モントゥー/ロンドン交響楽団 1958年6月
モントゥーののドヴォルジャークというとこれくらいしかないのでは。
それがなぜ7番という疑問をいつも持っていましたが、最近になってモントゥーということでなく、ロンドンということなのなかと思い始めました。
ドヴォルジャークの7番は、ロンドンのフィルハーモニー協会の依頼により作曲された曲で初演もロンドンで行われています。所縁ある曲ゆえロンドン交響楽団が録音したということなのかなと。
さて、演奏ですが、1楽章の主題の出だしの後半で低弦のやりとりがちょっとちくはぐだったり、その後もそのような場面があり少し気になるところですが、コーダでは素晴らしい盛り上がりを見せ、終わりも低弦がくっきり奏されていて印象的です。
2楽章は、特に中間部後半で、木管楽器から弦楽器に移るところが、とてもつましくそして美しい音でヴァイオリンが入り、絶品です。
3楽章はとても活気に満ちていて、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンのかけあいが対向配置で効果的です。
終楽章は、最後のコーダのところで突然テンポを上げていて意表をつかれます。
エニグマは、先日聴いた群響のほの暗いイメージで始まる出だしと対照的で、早めのテンポで明るく明確に演奏しています。全体的に活気に満ちた素晴らしい演奏です。