○ブルックナー 交響曲第8番 セル/クリーヴランド管弦楽団 1969年(ライヴ)
恐らく昨日紹介したスタジオ録音の前か後に行われた演奏会のライヴと思われます。
スタジオ録音の精度を保ちつつ、より躍動感、推進力のある演奏です。特に4楽章の出だしの推進力とティンパニの強打は、スタジオ録音盤を遥かにしのぎます。3楽章は4分、4楽章は1分ほど早い演奏時間です。
統率力の強い、あいまいさのない明確な演奏です。
モノラル録音で、またラジオ放送からの録音と思われるノイズがあって残念なのですが、音はスタジオ録音並みにくっきり捉えています。
これがきちんとした録音だったら、この曲のベストになってもよいくらいの名演と思います。
○ブルックナー 交響曲第3番「ワグナー」 クーベリック/バイエルン放送交響楽団 1980年10月13、14日
クーベリックのブルックナーは、1979年に録音した「ロマンチック」が大変素晴らしい演奏で、その後の交響曲録音が期待されましたが、スタジオ録音として残したのは、4番とその翌年に録音された3番のみでした。
決して力まず、おおらかな演奏です。各楽器が柔らかく豊かな響きを奏でます。先日の群響の演奏の力のこもった演奏と違い、また別の魅力があります。
第1楽章第1主題の伴奏のヴァイオリンのさざなみが、右(第2)、左(第1)と交互に聴こえ、対向配置の効果がよくわかります。
2楽章の途中で若干せせこましく感じるところがあり、ちょっと気になるところです。
先日の群響定期で解説の渡辺さんが版についてくわしく言及していましたが、クーベリックはエーザー版と呼ばれる第2稿を使用しています。
○三大怪獣 地球最大の決戦 1964年12月東宝
「地球の危機・滅亡を予言する自称・金星人が現れた。その予言に呼応するように阿蘇火口からラドンが復活、さらに横浜港にはコジラが出現した。そして、黒部谷に落下した大隕石からは金星の文明を滅亡させた宇宙超怪獣《キングギドラ》が出現、猛威を振るう。未曽有の危機にインファント島から招聘されたモスラは、コジラとラドンを説得、ここに地球三大怪獣の地球最後の決戦が始まる!」(DVDの解説から)
この映画が公開された頃は、怪獣映画が盛んで、安中市にも映画館がありました。場所は市役所あたりの旧国道18号沿いにありました。
子供の頃、見たかったけれど、結局見ることのできなかった映画ですが、DeAGOSTINIによって数年前にDVD化され、ようやく見ることができました。
一番興味があったのが、キングギドラです。設定では、宇宙怪獣ですが、竜のような顔からして日本の神話時代から蘇った怪獣という感じがします。圧倒的な強さ、3頭という、とごか不気味で神秘的な感じから、当時あこがれたものです。それと小美人役のピーナッツの二人は、とても澄んだ声で素晴らしいハーモニーを奏でます。
○ベルク 「ヴォツェック」から第3幕第1場、第2場 フリッチャイ/バイエルン国立オペラ 1960年7月4日?(ライヴ、オランダ音楽祭)
フリッチャイがバイエルン国立オペラと1960年のオランダ音楽祭に参加した際の演奏を収録した10分程度の録音です。
ラジオ・ネーデルランド・トランスクリプション・サービスによる1960年オランダ音楽祭の記録レコードです。4年くらい前にヤフー・オークションに出たものの落札できずとても残念だったのですが、最近、eBayに出て、それも即決だったので、即、落札しました。お値段も超格安でした。
録音は、内縁の妻マリーの不貞を責めるヴォツェックがマリーを殺してしまうというこのオペラの悲劇の頂点とも言える部分で、最後の部分での暗い感じの盛り上がりが印象的です。マリー役はオウグスト・ジーダー、ヴォツェック役はアルブレフト・ペーターと思われます。
このレコードは、10インチLP4枚組で、他にクーベリックによるマーラー交響曲第10番、クロムホールによるヤナーチェク「イェヌーファ」の一部、ジュリーニよるレスピーギ「古代舞曲」、ヴェルディ「聖歌四篇」、ジュリアード四重奏団によるハイドン弦楽四重奏曲作品74の3などが収められています。
今日は、イオン上里店で、辛島美登里さんのミニライヴが14時と16時の2回ステージ、太田市新田文化会館では、群響東毛定期が東京公演、定期と同じプログラムで15時から開かれていました。
当初の予定では、辛島さんの1回目のステージを聴いて、新田文化会館に移動、プログラムの後半、ワグナー交響曲を聴くつもりでした。
ところが・・・一昨日から腰が痛みだして、昨日の朝は立ち上がれないような状況でした。しばらくは家の中を這って移動するような状況でしたが、ようやく立ち上がることができ、整形外科に行ってきました。原因は、海の日にやった農作業のようですが、時間差が大きいです。年のせいなのかな、もちろん違和感は少しありましたが。先生は、私の話を聞いただけで、特に触診することもなく「治ります。」それだけ。どうしたいかと聞かれたので、痛み止めと湿布をもらってきました。
ということで、昨日の定期はなんとか聴きにいきましたが、本日は大事をとってキャンセルし、自宅療養にしました。残念!
○ウェーバー 「オベロン」序曲
○ワグナー ヴェーゼンドンクによる5つの詩
○ブルックナー 交響曲第3番「ワグナー」
小川明子(Ms)、沼尻竜典/群馬交響楽団
今日も、素晴らしい演奏でした。
特にワグナー交響曲、昨日に増して力のこもった演奏で、迫力満点でした。
弦楽器は、しなやかで美しい第1ヴァイオリン、時に存在感を示す第2ヴァイオリン、ヴィオラとそれぞれ素晴らしかったですが、特に低弦のずっしりした力強く迫りくる音が圧倒的でした。そして美しい木管、質感のあるホルン、輝かしいトランペット、金管、力の限りを尽くしたティンパニと全てが迫りくる迫力。本当に良かったです。
最近、定期での拍手のフライング、今日もありました。
しかし、今日は様子が違っていました。ワグナー交響曲の最後の音が消えないうちに拍手が始まりましたが、すぐに止まりました。その後、パラパラ拍手が始まりましたが、また止まる。そして長い沈黙の後、沼尻さんがようやく指揮棒を降ろして、万来の拍手が始まりました。
大半の皆さんは、拍手のフライングにはつられないようになりました。
やはり、じっくり余韻を楽しみたいものです。
(群馬音楽センター)
○ウェーバー 「オベロン」序曲
○ワグナー ヴェーゼンドンクによる5つの詩
○ブルックナー 交響曲第3番「ワグナー」
小川明子(Ms)、沼尻竜典/群馬交響楽団
当初、仕事が終わってから駆け付ける予定でしたが、用事が2件入ったことからお休みをとったため、余裕で会場に行けました。
「オベロン」は、最初、ちょっとたどたどしく感じましたが、テンポが早くなっルところから、俄然ドライヴがかかり、気持ち良かったです。
一番良かったのは、ヴェーゼンドンクの詩で、初めて聴く曲でしたが、とても惹かれました。特に3曲目は、暗い感じで推移し、その中で池田さんのヴィオラのソロが心に沁みいるようでした。
ワグナー交響曲は、1楽章の第1主題を全奏するところで、後半が弱くなってしまい、少し残念でした。「語尾をはっきり」してほしいという感じです。でも全体としては、芯のある分厚い響きで、素晴らしい演奏でした。特に終楽章は充実していたように感じました。まだまだこれからというところで、急にトランペットがファンファーレを奏しコーダ入って、終わってしまうという意表をつく曲で、やはりカットし過ぎということでしょうか?
(すみだトリフォニーホール)