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フリッチャイ同曲異演、同演異盤 その25

2024-07-04 12:26:55 | フリッチャイ
○ベートーヴェン 交響曲第9番
セッション録音とライヴ録音(一部)各1種の2種があります。
(1) ゼーフリート(S)、フォレスター(A)、ヘフリガー(T)、フィッシャー=ディースカウ(Br)
  ベルリン・フィル 1957年12月28日~1958年1月2日、4月28、29日(セッション録音、DG)(S)
 ア DG盤(ヘリオドール日本盤)
 イ DG盤(日本盤)
 ウ DG盤(オリジナルス)
 エ DG盤(新星堂)

(2) ストックホルム・フィル 1957年2月27日(第4楽章一部ライヴ録音、BIS)(M)


演奏時間
 (1) Ⅰ 16’41 Ⅱ 10’31 Ⅲ 18’00 Ⅳ 23’13
 (2) Ⅳ 2’28(一部)

演奏について
(1)は、第9の初のステレオ録音ということと、フィッシャー=ディースカウが唯一歌った第9という点で話題になった録音ですが、そういったトピックスだけでなく、演奏自体が大変素晴らしいと思います。雄々しく立派で、フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの音がまだ残っている感じがします。第3楽章は、ゆったりと歌い上げられていて、とても美しいです。この楽章のクライマックスでの金管楽器は、重厚な音で、とてもインパクトがあります。一方、終楽章は録音のせいもあるのか、質感が瘠せている感じがします。
(2)は、終楽章の一部2分程度なので、評価のしようがありません。(1)があれば十分と思います。

(1)の音質等について
演奏の項で終楽章の質感について触れましたが、それは録音のせいかもしれません。この録音は、1957~1958年の年末年始と1958年4月に録音されています。これは私の推測ですが、声楽のある終楽章を同じメンバーでの演奏会と合わせた年末年始に、1~3楽章を4月に録音したのではないかと思います。この4か月間で録音の質が良くなったのではないかと思います。
また、2楽章は異なるテイクを用いている盤があるようです。違いは第1部、第3部冒頭のティンパニの強さ、そして1分55秒くらいのときのヴァイオリンのピチカートです。イとウは、第1部のティンパニの音は小さく、3部は大きいです。また、ピチカートは1部ではよく聴こえません。(3部の同じ箇所はよく聴こえます)一方、アとエは、ティンパニの音の差は、イ、ウほどではありません。ピチカートは1部、3部ともよく聴こえます。
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