みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

省エネ・創エネ製品が日本の製造業を救う - 白物家電が15年ぶりの好調

2011-10-25 | いとすぎから見るこの社会-全般
原発13基分もの節電効果と言われるLED照明ばかりでなく、
省エネ家電が売れている。省エネでないと売れない、とも言える。

円高で輸出が苦しい今、真に急がなければならないのはTPPではない。
国内市場は殆ど為替水準に関係ない(輸入価格を除く)ばかりでなく
電力不足が予想されている冬に向け、効率化は喫緊の課題である。

冬期は太陽電池の威力が大きく落ちる。
鍵を握るのは言う迄もなく「熱」である。
家庭では暖房と給湯の二つが節電の鍵であり、
ヒートポンプとガスコージェネの威力が大きくなる。

夏と冬とは選択集中の分野を切り替えねばならない。
冬期の電力料金を引き上げてもこの二つの補助金に移転すべきだ。
日本の製造業の高い技術を活かす好機である。

▽ ヒートポンプだけで40兆円とも言われる巨大市場

『ニッポンの環境エネルギー力 ―IT産業立国からエコ産業立国に大変身を遂げる「日本の底力」』


白物家電出荷、15年ぶり高水準=上半期、省エネ製品好調(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2011102500547

”日本電機工業会(JEMA)が25日発表した2011年度上半期(4~9月)の
 国内白物家電の出荷額は、前年同期比1.4%増の1兆2032億円で、上半期で
 は1996年度以来15年ぶりの高水準となった。東日本大震災に伴う電力不足に
 より、エアコンなどの省エネ製品が好調だったため。


 → 沈滞した日本の内需で伸びる分野は貴重である。
   政府は何故この分野を政策支援しないのか。

   省エネ製品だけに限れば1.4%どころか
   もっと凄まじい伸びになっている筈だ。


本社世論調査:「生活程度下がっても電力消費減を」65%(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/science/news/20110920k0000m040095000c.html

”毎日新聞は9月、東日本大震災発生から半年を控え、全国世論調査を面接方式で行
 った。東京電力福島第1原発事故を受け、電力供給や消費のあり方を尋ねたところ、
 「生活程度は低くなっても電力消費を少なくすべきだ」が65%に上り、「生活程
 度を維持するために電力供給を増やすべきだ」の32%を上回った。今後の日本の
 原発については、「危険性の高いものから運転を停止し、少しずつ数を減らす」が
 60%と最も多く、段階的な原発削減志向がうかがえる。
 「生活程度は低くなっても電力消費を少なくすべきだ」と回答した人を性別でみる
 と、男性60%、女性70%。年代別では若年層の高さが目立ち、30代で71%、
 20代で67%と続いた。
生活程度より電力消費の見直しを優先する人の内、原発
 について「少しずつ数を減らす」と答えた人は66%を占めた。
 原発を今後どうすべきかとの設問では、「少しずつ数を減らす」(60%)に次い
 で、「数は増やさずに運転を続ける」(20%)、「できるだけ早くすべて停止す
 る」(12%)、「今ある原発の運転と新設も進める」(6%)の順だった。福島
 第1原発事故は収束しておらず、「脱・原発依存」を目指す回答が7割に達してい
 る。

 〔中略〕
 調査は9月2~4日に面接方式で実施した。対象者4378人のうち有効回答者は
 2413人で回答率は55%だった。【中山裕司】
    ◇
 東日本大震災による被害が大きかった岩手、宮城、福島3県は調査対象に含まれて
 おりません。”

こちらが毎日新聞の世論調査。
「生活水準が低くなっても」という文言は不正確だと思うが
(「生活が多少不便になっても」の誤りだろう)
国民は従来の電力供給政策を明確に拒否している。

経済政策もこの民意を反映して省エネによる経済成長を目指すべきだ。
ドイツや北欧は既に排出二酸化炭素を抑制した経済成長を実現している。
我々も負けずに、優れた技術で不可能を可能にできる筈だ。
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あなた方は99%ではなく、3%にも満たないのだ。- 日本で反格差デモが支持されない理由

2011-10-24 | いとすぎから見るこの社会-格差の拡大
中東の独裁国家での民衆の抵抗が注目され勇気を讃えられる一方で、
先進諸国でのデモや抗議活動はその行儀の悪さで嫌厭され、
ある種の嘲笑を受ける場合すらある。

日本の場合は更に深刻で、欧米より相対的に失業率が低いため
デモや抗議活動の「数の力」は極度に弱く、
貧困層が少数派として孤立する可能性が非常に高い。

もともと日本社会の多数派が社会的弱者にかなり冷淡であるのは
大阪大の大竹文雄教授が何度も指摘されている通りである。
驚くべきことに
日本で「政府が弱者を救うべき」とする者の割合は
中国にすら劣っていて先進国中で最低水準
である。





『格差と希望―誰が損をしているか?』(大竹文雄,筑摩書房)


問題はそれだけではない。
下掲書によると、日本の所得税の負担割合は
年収1000万円以上の層の納税額が80%を占めていて、
年収300万円以下の層の比率は僅か3.3%に過ぎない。
(だから年収800万円以下は政府から貰う額の方が多いと言われている)

北欧のような強烈な逆進税をかけてくるなら話は別だが、
もともと貧困対策に予算をかけられる税制になっていないのだ。

『国債・非常事態宣言 「3年以内の暴落」へのカウントダウン』(松田千恵子)


一部の者の生活習慣や行動規範にも、
概して一般の有権者からの強い嫌悪感を招く点がある。

下掲書は所謂底校ルポであるが、
意欲の低さや暴力、衝動性、劣悪な家庭環境といった根深い問題が分かる。
問題改善には相当のコストと労力を覚悟しなければならない。

▽ 特に理由もなく中退する者や就職に役立つ実習すら億劫がる生徒

『ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所』


生活保護受給層の問題としては、受給の世代間継承や教育軽視、
深刻な家庭問題、担当職員の抱える強いストレスが指摘されている。
よく言われるように、自立を助ける仕組みも殆どない。

『大貧困社会』(駒村康平,角川SSコミュニケーションズ)


「怒れる若者たち」集会 世界と連動、約100人 都心で反貧困、反原発(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111019dde012040017000c.html

” ◇「我々は99%」の仲間だ まとまらず、あいまい…「勝手に声」が今どき
 「東京を占拠せよ!」。何人かの友人から“過激”なメッセージが転送されてきた。
 ニューヨークで続く反格差デモ「ウォール街を占拠せよ」の日本版。「アラブの春」
 以来、民衆の怒りは野火のように世界に広がっているが、果たして日本では……。
 「怒れる若者たち」の声を集会会場で聞いた。【浦松丈二】
 「貧乏人はカネも権力もないけれど、仲間はいるぞ! 集まるぞ!」
 六本木ヒルズなど高層ビルが建ち並ぶ東京都港区六本木。15日正午すぎ、ビルの
 谷間の三河台公園にツイッターなどの呼びかけに応じた約100人が集まった。
 20代から40代ぐらいが大半だ。
 激しい雨が上がった公園の中央には野菜カレーの大鍋やコーヒーポット、スローガ
 ンを書くための段ボールとペンがあった。従来のデモや集会にはない光景。手ぶら
 で来た人たちも空腹を満たし、主張を訴えられるようにする工夫だという。
 「古代ギリシャで市民が集まって買い物や議論をした広場(アゴラ)のイメージで
 す。ニューヨークの活動拠点の公園は、ボランティアが毎日掃除し、花壇や古本市
 までできています。メディアはデモの衝突や逮捕シーンを報道しますが、公園では
 豊かで心地よい空間がつくられている」
 アジアを中心に貧困問題に取り組み、この日の集会を呼びかけたNPO「アジア太
 平洋資料センター」の内田聖子事務局長(40)はこう語る。東京都内では同日、
 別の2カ所でデモが呼びかけられていたが、ここではできるだけ参加者に発言して
 もらいたいと、集会にした。
 集まった人たちが一番多く掲げたのは「WE ARE THE 99%(我々は99
 %)」というウォール街発のスローガンだ。格差是正、特権批判などさまざまな意
 味が読み取れる。どうやらこの「99%」がキーワードらしい。
 「若者も怒ってるよ!! 怒!怒!怒!」「格差是正・反失業」「富はすべての人
 のために」「原発輸出反対」「兵器より社会保障を」と手書きされた段ボールも掲
 げられた。政党や労組が呼びかけるデモや集会にはみられない多彩さ。つまりは、
 あいまいさやまとまりのなさが特徴だ。
   ■
 集会が始まった。内田さんが「先進国の市民が『我々は99%』と言い始めた。ア
 ジアやアフリカなどの途上国でも貧困は解決されてこなかった。途上国と先進国の
 貧しい人たちがようやく同じ地平に立てた記念すべき日です。一人一人が声を上げ
 ることから始めたい」と語りかけた。司会役の女性が続ける。「いつもなら動員さ
 れてきた何々組合の誰々さんお願いします、となるんですが。きょうは言いたいこ
 とあるぞ、という人から」
 「生活保護受給者は二級市民なんかじゃない」という自作プラカードを持って参加
 した東京都在住の加藤孝さん(49)は、「週刊誌の広告に『生活保護費3兆円の
 衝撃』とあった。だから何なんだ。人の命を財源で語るな。1%の人々の富を上手
 に再分配すれば問題は消える
」と訴えた。
 なぜ発言を? 加藤さんは「昨日のアルバイトで仕切り役から『普段は何してるの』
 と聞かれてね。恥ずかしくて生活保護で暮らしていると言えなかった。仲間の生活
 保護申請に同行して、励ましてきたのに。きょうは大勢の前で本当の気持ちを伝え
 ることができてうれしかった」と打ち明けた。
 〔中略〕
 集会会場で仲間たちとドラムをたたいていた中央大学商学部の平野健・准教授(ア
 メリカ経済論)に「99%」の意味を聞いてみた。
 「99%と1%の間に線を引くことで階級的な区別を示しつつ、同時に99%の中
 のいろんな階層や立場の人々すべてが仲間なんだというメッセージにもなっている。
 多様性を受け入れることは運動の創造性を高めるだろう。彼らは具体的な要求を掲
 げるタイミングをできるかぎり引き延ばし、幅広い層を巻き込もうとしている
わけ
 だ」〔以下略〕”

 → もし社会的連帯があるなら、全体の税負担を引き上げて
   再分配を求めるのが当然である。
   せいぜい200万人程度の日本国内の富裕層に課税しても
   問題は解決しない。貧困層の数が多過ぎるのだ。

   低い国民負担率を選べば手厚いサービスは出来ない。
   それを理解できなければ今の日本のような最悪財政になる。

   仕事で忙しい中間層の大多数にとってこのデモは
   予算要求行動にしか見えない。


どうなる?!私の年金 パートやアルバイトに厚生年金適用(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/111014/trd11101408200010-n1.htm

”パートやアルバイトの人が「厚生年金」に入れるよう、制度変更が検討されている。
 現在は働く時間が一定時間に満たないと、厚生年金には入れない。このため事業主
 の中には、短時間勤務のアルバイトを増やして保険料負担を回避する動きもみられ
 る。厚生年金に入らない場合は国民年金への加入が義務。だが、アルバイトの単身
 者では未納になるケースもあり、老後の年金につながらないことが懸念されている。
 (佐藤好美)
 東京都内に住むアルバイト、小川隆さん(24)=仮名=は、平日は日に約5時間
 を民間学童で働く。1週間の労働時間は25時間程度と短いため、厚生年金には入
 れない。国民年金に加入義務があるが、何年か前から保険料を納めていない「未納」
 だ。
 小川さんは「年収は150万円くらい。月の手取りだと12万~13万円です。1
 人暮らしなので、最大の出費は家賃の5万円ですが、通勤を考えると、そうは下げ
 られない。国民年金保険料の月1万5千円は、1カ月分の食費とさして変わらない。
 払う余裕がありません」という。
 収入が低いため、かつて2年ほど国民年金保険料の「全額免除」を受けたことがあ
 る。保険料を納めなくても老後に年金の一部を受けられる仕組みで、手続きをすれ
 ば「未納」にもならないし、万が一のときも障害年金などを受けられる。
 しかし、収入が全額免除の基準をわずかに上回り、手続きが滞った。「4分の3免
 除」や「半額免除」「4分の1免除」の仕組みもあるが、小川さんは「そういうの
 があると知らなかった。ずるずると未納になっています」という。
 子供が好きだから、将来は保育士の資格を取ろうと勉強中だ。わずかだが貯蓄もし
 ている。年金制度には「僕らの世代は本当にもらえるのか」と、不信感がある。し
 かし、アルバイトでも厚生年金に加入できるような制度変更は歓迎だという。「僕
 らのような低所得の若者世代のことを考えて、ぜひ、制度を変えてほしい」と話し
 ている。
 〔中略〕
 千葉県に住むアルバイト、加山直樹さん(22)=仮名=はレンタカーの事業所で
 週35~40時間働く。年収は200万~250万円。いずれは絵を描いて収入を
 得るつもりだから、今の仕事はそれまでのつなぎだ。

 アルバイトでも働く時間が正社員の4分の3以上なら、事業主は働く人を厚生年金
 に入れる義務がある。一般的な正社員の労働時間は週40時間だから、目安は週3
 0時間。加山さんの働き方は厚生年金の対象だ。だが、厚生年金の保険料は事業主
 と労働者の折半だから、アルバイトを厚生年金に入れたがらない事業所もある。加
 山さんも給与から厚生年金保険料は引かれていない。
 厚生年金に入っていない場合、国民年金に加入義務があるが、加山さんは納めてい
 ない。「収入が不安定で、多いときも少ないときもある。20~30代は消費マイ
 ンドが高い。消費か年金かとなると、どうしても将来のことが後回しになる
」と話
 す。だから、厚生年金の適用拡大にも賛同できない。「僕らの世代は雇用が不安定
 で収入は上がらない。手取りが減って老後に年金を受け取るより、手元の金が増え
 るようにしてほしい」
 背景には年金への不信感があるが、一定以上の収入があれば、保険料負担は義務だ。
 〔以下略〕”

このように、社会保険料控除すら理解していないばかりでなく、
政府が税制優遇している社会保障がいかに有利かも分かっていない。

必死で働いている母子家庭の親とは違う暢気な低所得者もおり、
有権者は決して彼らへの税投入を容認しないであろう。

駒村康平教授は、目先のことを重視し将来を考えない者は
年金保険料を払わない傾向がある
ことを調査で明らかにされている。

歳入庁をさっさと作って税とともに徴収した方がいい。
Comments (2)
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EU調査団、ギリシャ追加支援の必要性を言明 -「債務の持続可能な水準のためにヘアカット最大60%を」

2011-10-23 | 注目投資対象・株価の推移
           ↑ USD/JPY(infoseek)金曜の突発的な下抜け

今、当局による為替介入のトリガーに指がかかっている筈だ。
チャート的には下に崩れかけた状況で、76円前後が定着すると
浮上が難しくなる分岐点にある。

欧米市場が明るくなってきているので
介入しにくい状況だが輸出企業を援護するためには仕方ない。

日本の政府当局に知恵があれば、韓国ウォンとのペッグ制を導入すると
脅してスペックを震え上がらせられるのだが
その水準に迄至っていないのが残念だ。

「先導するのはNY市場ではないかと思われる」

と先週書いたのは幸いにも的中したが、
ドル円が突然に下抜けしたのは全く予想していなかった。

間隙を衝いたスペックの売り仕掛けだろうと見ていたが
広瀬さんのブログによればWSJの寄稿記事が原因では、とのこと。

真偽は分からないが今週は波乱を予感させる。
小康状態のユーロ圏も根本解決から程遠い。


「先週は転機を感じさせる動きがあった」

「ユーロ圏も米経済も結論としては
 不安症な市場関係者が懸念するほど
 深刻な悪化からは逃れられることになりそうだ」

「ユーロの下落が止まったのでDAXの復活が近い」

と当ウェブログではコメントしてきたが、
依然として想定内の動きだろう。


概況は先々週書いた通り。予想より市況の落ち込みは深刻で急回復は望み薄。

「今年は本当に東証がアウトパフォームしてしまうかもしれない」

「香港も大きく下げており、アメリカ経済の影響度の大きさと
 デカップリングの難しさが改めて浮かび上がっている。
 暫くはDAXの方がましかもしれない」

「米経済の回復ペースが鈍化しているのは間違いありませんが
 当ウェブログで書いたように大勢は上です。それは揺らぎません。
 問題はどの地域、どの企業、どのセクターの回復が早いかです」

との見方も引き続き変わりませんが回復は遅れるでしょう。
ユーロの下落が止まったのでDAXが元気に復活中!!


今週もユーロに関し以下のような見通しを維持します。
第2のギリシャショックはほぼ過ぎたと判断しました。
ただユーロ圏の経済停滞と利下げのリスクは残っています。

ECBが本当に利下げしたらユーロ100円割れもあり得る。
 ユーロ圏の債務問題は2年3年で解決できるものではない。
 国家間と政府対世論の対立で無駄に時間が過ぎるだろう」

ゴールドに関しては「警戒すべき水準」との判断を維持します。
FRBの利上げ観測で完全に相場が終わるでしょう
バブルは崩壊する寸前に大きく上昇して人を幻惑することが多い。

「ゴールドは高値波乱です。素人は手出し無用

「ゴールドが1400ドル台で苦戦しています。
 ここから中長期のポジションはくれぐれも注意。
 寧ろ今年中に売り時が来ると考えた方が良い」


↓ EUR/JPY(infoseek)意外に強く、切り返しそう!


↓ AUD/JPY(infoseek)続伸の気配濃厚。



NY市場の大幅高で安心してはいけません。
欧州金融機関に大きな驚異が迫っています。
時限爆弾と呼んでも間違いではない。


ギリシャ債務安定化、50─60%のヘアカット必要=調査団報告(reuters)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-23755720111021

”欧州連合(EU)などによる調査団は、ギリシャに対する第2次支援の規模を7月
 に合意した1090億ユーロ(1510億ドル)に維持し、同国の債務を2020
 年までに持続可能な水準にするには、民間部門のヘアカット(債務元本の減免)率
 を最大60%まで拡大する必要があるとの見解を示した

 EU・欧州中央銀行(ECB)・国際通貨基金(IMF)の3者合同調査団が内部
 報告書をまとめ、ユーロ圏の財務相が21日、これに基づいて協議を行った。欧州
 首脳は26日に民間部門の関与について決定する見込み。
 報告書は「ギリシャ債務の持続可能にするためには、現在検討されている民間部門
 の関与拡大が不可欠だ」と指摘している。
 報告書は「50%の債務減免率が適用されれば、2020年末までに債務の対国内
 総生産(GDP)比率を120%を若干上回る水準に引き下げることができる」と
 した。
 また「資本市場への復帰が依然として遅れていることから、大規模な追加的な公的
 支援の必要性が残る可能性がある」とし、市場への復帰が遅れた場合、必要な公的
 支援の額は約1140億ユーロになるの試算を示した。
 「債務水準をさらに引き下げるには、民間部門関与の拡大が必要」と指摘。202
 0年までに債務の対GDP比率を110%以下に引き下げるには、少なくとも60
 %の債務減免か、公的支援の一段の条件緩和のいずれかまたは両方が必要になる

 分析した。
 このケースでは追加的に必要な公的支援の額を1090億ユーロにとどめることが
 できると試算した。
 その一方で、債務元本の減免率を21%のままにすれば、ユーロ圏に必要な支援額
 は既存の融資の借り換えなどを含め、2020年までに約2520億ユーロに達す
 るとの見方を示した。しかし、ギリシャ債務の対GDP比は同年に152%にしか
 低下しないという。
 報告書はギリシャの経済成長率について2011年は5.5%、2012年は3.0
 %のマイナスと予想。2013─14年は平均で約1.25%のプラス成長に回復
 し、2015─20年は景気循環や構造改革の効果により同2.7%に加速すると
 みている。2012─30年は潜在成長率に沿った1.7%と予想した。
 「2020年までの実質GDPは、7月時点の見通しよりも全体として7.25%
 低くなるとみられる」としている。
 2020年までの民営化による収入は460億ユーロへ下方修正した。
 基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字は2014─16年にGDP比4
 .5%へ改善した後、2017─20年は4.25%、2021─25年は4%にな
 ると予想している。
 報告書はギリシャが国債市場へ復帰できる状況として、成長率が3年間プラスとな
 ることや、債務のGDP比が150%を下回ることなどを挙げた。
 ギリシャの銀行セクター支援に必要な追加資金は200億ユーロ程度としている。
 〔以下略〕”

 → 週末に出た最重要のロイター報道。
   問題はこのヘアカットによる欧州金融機関の損失額で、
   もうこの時点で既に嫌な予感を漂わせている。

   最後にEFSFのギリシャ向け融資の件にも触れてあります。
   金利上昇の見込みと気になる指摘もあります。
   詳しくは元記事をどうぞ。


円が対ドルで史上最高値更新、一時1ドル=75.78円(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201110220015.html

”21日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時1ドル=75.78円に上昇
 し、史上最高値を更新した。
 市場関係者によると、英系の決済銀行筋やマクロファンド筋から大口のドル売りが
 出でドル安・円高が進み、その後76.30円─75.90円近辺のストップ注文を
 巻き込む形でドル安・円高の動きが加速した

 FXソリューションズ(ニュージャージー州)の首席ディーラー、トミー・モロイ
 氏は「特定の材料があったわけではなく、日銀が円安政策を導入しないことに一般
 投資家が業を煮やした格好だ」
と述べた。
 スイスでは9月に中銀がスイスフランの上限目標を掲げ、目標達成に向け必要に応
 じて無制限の介入を実施する方針を示しており、日本の通貨当局もスイスにならう
 可能性があるとの見方から、最近の円相場は上昇に一定の歯止めがかかっていた

 電子取引システムEBSで、ドル/円は一時75.78円に下落、8月につけた最
 安値の75.941円を更新した。その後、邦銀からとみられるドル買いが76.0
 0円の水準で入るなか、ドルはやや値を戻し、1%安の76.09円近辺で推移。
 一日の下げとしては8月26日以降で最大となる勢い。
 こうしたなか、欧州連合(EU)首脳会議を控え、ユーロが対ドルで上昇。ロイタ
 ーデータによると、一時1.3900ドルをつけ、その後0.5%高の1.3846
 ドル近辺で推移した。
 ユーロ/円は0.5%安の105.35円。ユーロ/スイスフランは0.6%下落し
 た。
 主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数は0.87%安の76.30
 5。週間では2週連続での下落となる勢い。”

 → これが金曜日、ドル急落の際の報道。
   チャートでも分かるように突発的動きでした。

   この記事ではスイス当局の為替政策に言及していますが、
   為替介入警戒と米金利上昇の方が影響大では?


ユーロ上昇、EFSF拡大の合意報道受け=NY市場(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201110190023.html

”18日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが上昇した。欧州金融安定ファシリ
 ティー(EFSF)を2兆ユーロに拡大することで、フランスとドイツが合意した
 との英紙ガーディアンの報道を受けて値を上げた。

 同紙が欧州連合(EU)筋の話として報じたところによれば、仏独首脳はまた欧州
 の銀行は資本増強が必要との認識で一致した他、ギリシャ国債保有者の一段のヘア
 カット(債務元本の減免)でも合意した。
 10月の独ZEW景気期待指数が予想を下回り、2008年11月以来の低水準と
 なったことや、フランスの格付けをめぐり、同国がトリプルAを失う可能性が指摘
 されたことなどで、ユーロの地合いは当初悪化していたが、ガーディアン紙の報道
 や株高を受けて改善した。
 その後、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが、スペイン政府債の格付けを
 「Aa2」から「A1」に引き下げたと発表したことを受けて、ユーロは上げ幅を
 縮小。 
 ユーロ/ドルは一時EBSで1ドル=1.3818ドルまで上昇していたが、ニュ
 ーヨーク市場終盤は1.3737ドルで取引されている。 
 フォレックス・ドット・コムのチーフストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏は
 「独仏がEFSFに5倍のレバレッジをかけ、2兆ユーロに規模を引き上げるとの
 報道を受けて、午後の取引で株、ユーロが上昇した」と指摘した。
 ただアナリストの間では、欧州連合(EU)首脳会議で十分な対策が打ち出されな
 いといった報道が再び流れれば、ユーロが値を下げる可能性もあるとの見方が出て
 いる。
 ドーラン氏は「EFSFの規模拡大は市場が待ち望んでいたものだ。2兆ユーロと
 いう規模は適切とみられる。ただメルケル独首相は以前、EU首脳会議で大型合意
 は予想していないとの認識を示しており、今回の報道は割り引いて考える必要があ
 る」と述べた。
 メルケル首相はこの日、今週末に開かれるEU首脳会議で、ギリシャ問題への対応
 策として、同国に対する債務監視団の常設化を含む「作業計画」を策定することを
 明らかにした。
 ドイツは、国内への配慮から、思い切った危機対策の策定には消極的な姿勢を示し
 ている。

 米IBMの決算がさえなかったことや、ゴールドマン・サックスの決算が赤字にな
 ったことも、投資家のリスク志向を弱める要因となった。
 ドル/円は0.04%安の1ドル=76.76円。
 ユーロ圏債券市場では、ムーディーズがフランスの格付け見通しを3カ月以内に
 「ネガティブ」に変更する可能性があると表明したことを受けて、フランス国債の
 対独連邦債スプレッドが19年ぶりの水準に拡大した。
 三菱東京UFJ銀行(ロンドン)の為替エコノミスト、リー・ハードマン氏は「万
 が一フランスがAAAの格付けを失えば、EFSFの融資能力が低下したり、融資
 保証を強化する必要が生じる可能性が高い」
と指摘。
 野村(ロンドン)の為替エコノミスト、ジェフ・ケンドリック氏は「G20首脳会
 議で銀行の資本再編について具体的な行動が取られなければ、ユーロは急落し1.
 30ドルを割り込むだろう」
と述べた。”

 → この報道は水曜日、ユーロのリスク要因に言及しています。
   これらは今週も影響を与える可能性があり、熟読が必要です。

   最も警戒すべきはフランスのAAAからの陥落。
   スプレッドの反応を見ても分かるように、
   まだ市場が織り込んでいるとは言えません。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄、NY原油先物は依然として強い。

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 → 608 / 494 → 577 / 540 → 577
             541 / 529

 三菱商事(東証一部 8058) 1,970 / 1,622

 エルピーダメモリ(東証一部 6665) 1,048 / 920

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087 → 1,284
                     1,146 → 1,526
                     1,341

 東京建物(東証一部 8804) 298

 マツダ(東証一部 7261)  232 / 178

 タカラレーベン(東証一部 8897) 458 → 472
                  544

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

UAは日経がスクープした上方修正に沈黙している。


追加緩和の用意=景気下振れリスク強い―米FRB副議長(時事通信)
www.asahi.com/international/jiji/JJT201110220031.html

”【ワシントン時事】イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は21日、コ
 ロラド州デンバーで講演し、米経済の下振れリスクが極めて強いとの認識を示した
 上で「景気回復を促進するため適切な方策を講じる用意がある」と述べ、経済動向
 次第では一段の金融緩和に踏み切る考えを示した。
 前日にはタルーロ理事が、状況が改善しなければ追加緩和が必要との考えを表明。
 金融政策を協議する11月1、2両日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、
 FRB高官らが追加緩和に傾いている可能性がありそうだ。


 → FRB周辺からの「口先緩和」。
   週末のドル突発安を予見するものでした。
   今週も激動の予感。。


『会社四季報』2011年4集 秋号


    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

矢張りユーロは戻り売りの局面でした。
豪ドルショートヘッジとユーロショートを入れて
週末迄に解消しています。

米ドルの急落が計算外。。
ですが為替介入かその警戒買戻しを見込みドルロング。

 2010/10/21 76.15 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/07/11 80.40 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/08/05 82.27 AUD/JPY Lev ×1.5

    現在 > 106.00 ユーロ/円(損益123%)← 今年の損益率
         76.26 米ドル/円
         79.13 豪ドル/円

 ◎ 2010年の損益率(手数料等除外)> 147%
 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み

 2010/09/12 80.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/29 103.76 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/14 115.03 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/08/26 110.48 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/08/08 78.19 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/08/08 80.20 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/08/05 111.33 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/08/03 83.16 AUD/JPY Lev ×1.5
 2010/07/29 77.17 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/07/19 111.86 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/06/18 80.14 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/07/07 116.59 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/07/01 116.53 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/05/26 114.70 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/05/06 80.14 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/03/22 114.97 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/27 81.64 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/05/06 117.35 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/04/19 118.08 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/04/15 119.82 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/03/31 117.55 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/05/03 87.43 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/03/31 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/03/25 81.42 USD/JPY Lev ×1.5
 2010/03/17 127.12 GBP/JPY Lev ×1.5
 2010/01/06 108.40 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/10 77.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/03/01 133.60 GBP/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/02/10 82.65 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/02/03 111.36 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/01/27 82.87 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/01/21 112.38 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/01/14 110.19 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/12/29 107.80 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/12/23 83.12 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/12/08 84.10 USD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/26 111.24 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/15 113.30 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/11/04 115.10 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/16 79.57 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/24 112.68 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/07/15 76.20 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/29 77.09 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/17 78.07 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/04 78.18 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/07/22 76.77 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/21 86.74 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/23 86.88 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/04/13 86.28 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/01 86.40 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

中長期的な見通しは変わりません。72円が当面の底になりそう。

「90円から72円のレンジ圏を想定」

豪ドルに割安感が出ています。
好機ですが急反落に注意。
依然として中国経済の減速が警戒要因。

「豪ドルに依然として割安感、反転が続くか」

ユーロ円は為替介入と乱高下に注意。

ドル円の反転上昇トレンドは腰折れ、
為替介入の可能性高く要警戒。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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『週刊エコノミスト』10月25日号 -「高い分配金に魅せられリスクを認識しない」とイボットソン島田氏

2011-10-21 | 『週刊エコノミスト』より
今週の『週刊エコノミスト』の特集は「投資信託に気をつけろ」でした。

個人的には通貨選択型投信は市況悪化の際に買い、
1年程度で売るべきと考えているので
だらだらと保有する人がいると知って驚いた。
資源国通貨で外国株に投資するファンドなど正気の沙汰ではない。

…ただ、この特集で警告されている棚瀬氏や中空氏とは逆に、
通貨選択型のハイイールドやリートは今こそ好機だと思いますが。
(但しくれぐれもレアルは慎重に)

『エコノミスト』2011年 10/25号


P22「毎月分配型投信の運用成績ワースト10」
P23「新興国株保有に匹敵する 通貨選択型投信のリスク」がお薦めです。

イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの島田知保編集長の
力作の図表は絶対に見ておいた方がいいです。

「為替は投機」など適当なことを言っている評論家よりも
資産別・通貨別の分析の方が質が高く、遥かに役立つ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

P44では浅井春夫・立教大学教授が
「上昇する子供の貧困率 所得・進学援助など総合的政策を」
と題する論考を書いておられますが。。

経済学を学ばないとまともな処方箋が出てこない好例です。

貧困改善のためGDP1%を投入すべきとの主張ですが
今の日本の財政と高齢化でそんなカネが出る筈ない。

「政治に本気と決意がない」というのは誤りで
有権者が貧困に冷淡であり(同情は口だけで金を出さない)
税率引き上げに同意しないのが根本原因です。

「賃金および雇用条件の悪化を政策的に生み出した」も事実誤認。
高度成長期の賃金上昇は政策が生み出したものではありません。
失業率も賃金も政策で統制できるものではない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』は「強い大学」特集でした。

殆どルーティン化しているので、もうひと工夫ですね。。
大体、大学生の質も二極化している訳だから、
エスタブリッシュ狙いの難関校・とにかく就職の中堅校で
分けた方がいいと思いますけどね。

この特集は子供のためよりも学生集めに知恵を絞っている
大学に対する営業のためですね。

『週刊東洋経済』2011年 10/22号


投資関連ではP126が必見。
リチャード・カッツ氏が東証とNYの連動性を示しています。
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カネと情報操作に汚染された電力に決別し、エネルギーの民主化へ -「原発を廃止し、新エネルギー開発を」

2011-10-20 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
我が国の電力供給体制はまるで赤い社会主義体制で、
情報隠蔽・政官との癒着・利権擁護・説明責任無視と、
民主主義国家としてはあり得ない惨状である。

根本にあるのは地域独占体制の害毒であり、
この旧時代の遺物が滅びない限り、癒着と腐敗は根絶できない。
安定供給を口実とした事業占有を許してはならないのだ。
地域独占でなくとも電力が安定供給されている国は幾らでもある。

癒着した政官財によって牛耳られてきたエネルギー政策を
民主化するための方法は大きく二つある。

一つは発送電分離と自由化推進によって情報隠蔽を許さないこと、
もう一つは需要者がエネルギーを選択できるようにすることだ。

民主主義国の有権者にとって、天下り官庁や癒着企業からの
エネルギーのベストミックスの説教は大きなお世話である。
天下りや原子力関連外郭団体へのバラマキが彼らの本性を示している。

彼らは操作されていない客観的な情報だけ出せば良い。
最終的に判断するのは有権者である。


▽ 北欧やドイツでは国民がエネルギー源を選択している

『北欧のエネルギーデモクラシー』(飯田哲也,新評論)


▽ それに比べ茶番劇の日本の電力政策、審議会は官庁の操り人形

『原子力の社会史―その日本的展開』(吉岡斉,朝日新聞社)


新エネルギー開発、85%が積極的=原発廃止派6割―時事世論調査(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011101600095

”東京電力福島第1原発事故を受けて、時事通信社が実施した世論調査で、新エネル
 ギーの開発について「国を挙げて取り組むべきだ」とする回答が85.8%に上っ
 たことが分かった。
 調査は9月1日から11日、全国の成人男女4000人を対象に個別面接方式で
 実施し、回収率は32%。回答者が0~10の点数で段階評価し、「どちらでもな
 い」は5点とする方法で調べた。
 新エネルギーの開発については、「国を挙げて全力で取り組むべきだ」(10点)
 とした人が53.9%と最多。開発に積極的な6点以上の回答が85.8%を占めた

 のに対し、開発を不要とする4点以下は3.9%だった。
 原発の今後のあり方については、廃止を志向する人の割合は63.7%で、7月の
 前回調査の64.7%とほぼ変わらなかった。


 → 福島の事故で当事者の無能が曝け出された今、
   世論が脱原発に傾くのは当然である。

   あとは夏期のピーク対策に太陽電池、
   冬期のピーク対策にガスコージェネ、
   風力発電とヒートポンプで底支えするといった、
   現実的で適材適所のエネルギー政策提案が必要だ。


電力5社、経営陣が動員関与…会社ぐるみ常態化(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110802-OYT1T01188.htm

”原子力発電所に関するシンポジウムや住民説明会に、電力会社が社内や関連会社な
 どの関係者を動員した問題で、四国電力以外にも東北、中部、中国、九州の4電力
 会社で、当時の副社長や社長が動員を指示したり、了承したりしていたことがわか
 った。
 社員らの動員はこれまで四国電力など6社で判明しているが、このうち5社で経営
 陣の関与が認められたことになる。

 副社長が関与していたのは、2006~10年に開かれた東北電力女川(宮城県)、
 中部電力浜岡(静岡県)、中国電力島根(島根県)、四国電力伊方(愛媛県)の各
 原発についてのプルサーマル計画に関するシンポジウムなど。
 東北電力では09年12月、火力原子力本部長の副社長が幹部との打ち合わせで、
 「出席できる人は出てください」と述べ、出席した部長らが部下に伝え、管理職や
 関連会社への参加要請が行われた。中国電力では、08年12月に電源事業本部長
 の副社長や島根原子力本部長の常務らが集まった会議で、社員らに参加を要請する
 ことが了承された。中部電力では07年8月に開かれたシンポジウムについて、同
 社広報部は「副社長が報告を受けて了承した」としている。
 九州電力では、昨年5月の川内原発3号機増設に関する「第1次公開ヒアリング」
 で、社長が動員要請を事前に把握していた。”

 → 国民にはベストミックスと騙っておきながらこのざまだ。
   誰がこのような企業を信用するだろうか。


九電社員、農家装い「売れ行きに原発影響ない」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110930-OYT1T00165.htm

”九州電力の「やらせメール」問題に関する第三者委員会の調査結果で、またも驚く
 べき事実が判明した。
 2005年のプルサーマル発電を巡る佐賀県主催の公開討論会で、県と九電が事前
 に進行を打ち合わせ、九電社員が農家になりすまして発言する
など巧妙な世論操作
 の実態が浮かび上がった。
   ◆周到な準備◆
 討論会は05年12月25日、佐賀県唐津市のホテルで開かれた。科学ジャーナリ
 ストをコーディネーターに、推進派と慎重派の学者ら6人がパネリストとして参加
 した。
 第三者委の調査結果によると、九電は討論会を成功させるため、県に対する全面的
 な協力体制を敷いた
。事前の県との打ち合わせで質問者の配置を決め、議事録にま
 とめていたという。
 3連休の最終日で、クリスマス当日だったこともあり、来場者が少なくなることを
 懸念し、社員らを徹底して勧誘。その結果、約700人で埋まった会場の半数を九
 電関係者が占めた。
 6ブロックに分けられた会場で「仕込み質問者」を分散させ、それぞれに支援部隊
 を20人ずつ配置。プルサーマル発電の安全性を印象づけるため、最後は「推進の
 質問」で終わるようなシナリオを作成し、県に渡していた。
「コーディネーターに
 質問者の着席位置を伝えておく」と記載された社内資料も残っているという。
  ◆7人が九電関係者◆
 討論会では、18人が質問に立ち、賛成派8人のうち7人が九電関係者だった。ほ
 とんどが九電が用意した原稿を読み上げる形で発言。
 最初に質問した社員は手帳を見ながら、「危ない、危ないと言われて、玄海1号機
 が運転を開始して30年近くたつが、私の家で作っている米とか野菜が放射能の影
 響で売れなくなったことはない」と農家を装った。”

このような事実が発覚したのを決して忘れてはならない。
国民に嘘をつき、騙しても何とも思わない相手だということだ。

事故がなければ、このような腐敗もメディアが
取り上げることはなかっただろう。恐ろしい話だ。
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