ダイヤモンドの歯科特集はかなり良い。
少し前の薬剤師特集は関係者には耳の痛い話でも
なかなか力の入った力作だったが、今度の歯科特集も良い。
歯科医の評価が難しいという内情も伝えているし、
歯科特有の「矯正」の分野での厄介さも分かる。
(これは今週のエコノミスト誌でも良いコラムがあるので参考にされたい)
最も意外だったのは歯科医不足の兆候があることで、
歯科医余りを懸念した政府が国試を意図的に難化させて
若手の数を絞り込み歯科医の平均年齢が上がっていること、
医師と同じで女子学生の方が成績優秀で女医率が高まり労働投入が減ること、
(20代は女医率5割に迫るとか、日本独特のジェンダーがここでも悪影響を与えよう)
医師と同様に都市部に集中して地方に行かないなど諸事情が絡んでいるようだ。
他方、私立薬学・薬科大と同様に深刻なのは私立歯科大の惨状で、
既に入試倍率が2倍を下回っている大学・学部があり
「高校に毎日真面目に通っていれば合格できる」と言われているとか!
医師の世界でも偏差値的には宜しくない大学でも
手術の巧拙では殆ど無関係という話もあるので
国試に大苦戦であっても有能な歯科医になる者はいそうだが、
社会学の定説通りに「親の社会的地位を子に継承させる」
私立歯科大は典型的な階層固定化の手段になり下がっているようだ。。
それにしても歯科医も医師と同様、客観的評価が難しい。
何らかの指標が複数あっても良さそうなものだが..
グーグル口コミでは話にならない、何か良案はないのだろうか?
今週号も最も宜しくないのは矢張り佐藤優氏の連載。
賢明な読者はこれが典型的なロシア寄りの主張であることを
たちどころに見抜けることであろうよ。。
ゼレンスキーの必死の奇襲によるクルスク占領を「単純」な作戦と称する氏は、
キーウ攻略に大失敗したプーチンには何ひとつ言っていないのだ。
二枚舌と云うか、宜しくない意味で一貫していると云うか。
氏の主張を鵜呑みにする「単純」な読者には、
氏がかつて「北朝鮮はロシアに弾薬を送らない」と
まるっきり事実と違う説を何度も主張していた事実、
ロシア軍がミコライウを窺う(現在もその気配はない)と
ロシアの言い分を鵜呑みに伝えていた事実を教えておこう。
(そう言えば最近、トランプは生まれ変わったと力説していた(爆))
英国側の情報をデマ呼ばわりするのは勝手だが、
クルスク奪回のためにカリーニングラードから増援を呼んだとの
英側からの情報があるのはデマなのだろうか?
東部戦線からの増援をケチって予備兵力だけで
クルスクを容易に奪還出来るかどうか、
氏の言説の真贋がまたしても試されることとろう。
(なお兵家の古典では、長距離の援軍は不利とされている)
個人的には、クルスク占領による捕虜交換が実現した点で
既にゼレンスキーの目的の一つは達成出来たし、
ウクライナ側の士気を改善させる効果は既に得られたと見ている。
フォーリン・アフェアーズや小泉悠氏の指摘通りウクライナは劣勢だが
クルスクはウクライナ南部戦線のような備えが殆どないから
ロシア側が大損害を受けるのは間違いないと断言しておく。
氏の云うような「テロ行為として片付ける」程度では済まない。
プーチンがクルスクを犠牲にして東部で攻勢を維持するという
「単純」な方針を維持して大勢の兵士を犠牲にしているからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の特集は非常に宜しくない。
これで「逆指標」と読者に目されることが決まってしまったのではないか。
「日本株の先高期待はまだ強い」と強弁する編集部は、
「まだはもうなり」という格言を噛み締めて反省して欲しい。
ユルミズの中期楽観も鵜呑みにすべきではない。
しかも次週のエコノミストでは「円高で日本企業の業績見通し下振れ」との分析が出る。
数少ない良記事としてはユーグレナの件かな。
バイオ燃料の採算性が大問題なのは分かりきった話で、
東南アジアからパーム椰子の残り滓を大量輸入する
愚劣なバイオマス発電と同じで根本的に仕組みがまずいのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストのネット銀行特集は中々面白い。
デジタル化に加えてリアル店舗の使い勝手を悪くした
メガバンクの最近の改悪でネット銀行が急成長。
言わばメガバンクが「敵に塩を送っている」ような体たらくで
ネット銀行の預金残高が急伸、特に楽天とauじぶんの成長度が凄い。
既に有力地銀に迫っており、これから成長格差は広がる一方だろう。
そのうちネット銀行は楽天グループの強大な武器になるかもしれないな。
市岡繁男氏の分析は非常に重要。
FRBの最初の利下げの後は不況になることを明言しており、
日本株についても円の投機売りの巻き戻しが予想されると警告している。
勘の良い人ならピンときたろうが今の市況を完璧に言い当てていて
東洋経済の言い訳特集より遥かに有益である。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目はエコノミスト、ただ重要なのは「市場の乱高下」で慌てた「NISAの見直し」ではない。
▽ レポート「年金財政検証2024」では「多くの不公平と矛盾内在する制度」と言い切っている
▽ 毎年連呼し過ぎて「すごい」ように見えなくなった、東洋経済のベンチャー特集
かつてもてはやされたメルカリは失速、期待のポケトークも「「鬼門」の米国市場 収益化への遠い道筋」だそうだ。。
少し前の薬剤師特集は関係者には耳の痛い話でも
なかなか力の入った力作だったが、今度の歯科特集も良い。
歯科医の評価が難しいという内情も伝えているし、
歯科特有の「矯正」の分野での厄介さも分かる。
(これは今週のエコノミスト誌でも良いコラムがあるので参考にされたい)
最も意外だったのは歯科医不足の兆候があることで、
歯科医余りを懸念した政府が国試を意図的に難化させて
若手の数を絞り込み歯科医の平均年齢が上がっていること、
医師と同じで女子学生の方が成績優秀で女医率が高まり労働投入が減ること、
(20代は女医率5割に迫るとか、日本独特のジェンダーがここでも悪影響を与えよう)
医師と同様に都市部に集中して地方に行かないなど諸事情が絡んでいるようだ。
他方、私立薬学・薬科大と同様に深刻なのは私立歯科大の惨状で、
既に入試倍率が2倍を下回っている大学・学部があり
「高校に毎日真面目に通っていれば合格できる」と言われているとか!
医師の世界でも偏差値的には宜しくない大学でも
手術の巧拙では殆ど無関係という話もあるので
国試に大苦戦であっても有能な歯科医になる者はいそうだが、
社会学の定説通りに「親の社会的地位を子に継承させる」
私立歯科大は典型的な階層固定化の手段になり下がっているようだ。。
それにしても歯科医も医師と同様、客観的評価が難しい。
何らかの指標が複数あっても良さそうなものだが..
グーグル口コミでは話にならない、何か良案はないのだろうか?
『週刊ダイヤモンド』2024年9/14・21合併特大号 (後悔しない歯医者選び) |
今週号も最も宜しくないのは矢張り佐藤優氏の連載。
賢明な読者はこれが典型的なロシア寄りの主張であることを
たちどころに見抜けることであろうよ。。
ゼレンスキーの必死の奇襲によるクルスク占領を「単純」な作戦と称する氏は、
キーウ攻略に大失敗したプーチンには何ひとつ言っていないのだ。
二枚舌と云うか、宜しくない意味で一貫していると云うか。
氏の主張を鵜呑みにする「単純」な読者には、
氏がかつて「北朝鮮はロシアに弾薬を送らない」と
まるっきり事実と違う説を何度も主張していた事実、
ロシア軍がミコライウを窺う(現在もその気配はない)と
ロシアの言い分を鵜呑みに伝えていた事実を教えておこう。
(そう言えば最近、トランプは生まれ変わったと力説していた(爆))
英国側の情報をデマ呼ばわりするのは勝手だが、
クルスク奪回のためにカリーニングラードから増援を呼んだとの
英側からの情報があるのはデマなのだろうか?
東部戦線からの増援をケチって予備兵力だけで
クルスクを容易に奪還出来るかどうか、
氏の言説の真贋がまたしても試されることとろう。
(なお兵家の古典では、長距離の援軍は不利とされている)
個人的には、クルスク占領による捕虜交換が実現した点で
既にゼレンスキーの目的の一つは達成出来たし、
ウクライナ側の士気を改善させる効果は既に得られたと見ている。
フォーリン・アフェアーズや小泉悠氏の指摘通りウクライナは劣勢だが
クルスクはウクライナ南部戦線のような備えが殆どないから
ロシア側が大損害を受けるのは間違いないと断言しておく。
氏の云うような「テロ行為として片付ける」程度では済まない。
プーチンがクルスクを犠牲にして東部で攻勢を維持するという
「単純」な方針を維持して大勢の兵士を犠牲にしているからだ。
◇ ◇ ◇ ◇
東洋経済の特集は非常に宜しくない。
これで「逆指標」と読者に目されることが決まってしまったのではないか。
「日本株の先高期待はまだ強い」と強弁する編集部は、
「まだはもうなり」という格言を噛み締めて反省して欲しい。
ユルミズの中期楽観も鵜呑みにすべきではない。
しかも次週のエコノミストでは「円高で日本企業の業績見通し下振れ」との分析が出る。
『週刊東洋経済』2024年9/14号 (株の道場 乱高下でも勝てる株) |
数少ない良記事としてはユーグレナの件かな。
バイオ燃料の採算性が大問題なのは分かりきった話で、
東南アジアからパーム椰子の残り滓を大量輸入する
愚劣なバイオマス発電と同じで根本的に仕組みがまずいのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
エコノミストのネット銀行特集は中々面白い。
デジタル化に加えてリアル店舗の使い勝手を悪くした
メガバンクの最近の改悪でネット銀行が急成長。
言わばメガバンクが「敵に塩を送っている」ような体たらくで
ネット銀行の預金残高が急伸、特に楽天とauじぶんの成長度が凄い。
既に有力地銀に迫っており、これから成長格差は広がる一方だろう。
そのうちネット銀行は楽天グループの強大な武器になるかもしれないな。
『週刊エコノミスト』2024年9/17号【特集:ネット銀行&ポイント経済圏】 |
市岡繁男氏の分析は非常に重要。
FRBの最初の利下げの後は不況になることを明言しており、
日本株についても円の投機売りの巻き戻しが予想されると警告している。
勘の良い人ならピンときたろうが今の市況を完璧に言い当てていて
東洋経済の言い訳特集より遥かに有益である。
◇ ◇ ◇ ◇
次週の注目はエコノミスト、ただ重要なのは「市場の乱高下」で慌てた「NISAの見直し」ではない。
▽ レポート「年金財政検証2024」では「多くの不公平と矛盾内在する制度」と言い切っている
『週刊エコノミスト』2024年9/24・10/1合併号【特集:NISAの見直し術】 |
▽ 毎年連呼し過ぎて「すごい」ように見えなくなった、東洋経済のベンチャー特集
『週刊東洋経済』2024/9/21・9/28合併号 (すごいベンチャー100 2024年最新版) |
かつてもてはやされたメルカリは失速、期待のポケトークも「「鬼門」の米国市場 収益化への遠い道筋」だそうだ。。