昨日(8/7)は、まさしく青天の霹靂。朝は晴天、最高気温は37℃ほどに上がると予報は告げていたのに、夕方の雷雨は尋常ではなかった。
カミサンは小石川植物園へお出かけ。なんでも「狸のカミソリ」という植物があるらしいと、小石川植物園の小さな表示で知った。キツネノカミソリは知っているが、狸もあるんだ、どんなものだろうと興味津々。それを観に行くというのだ。この暑いのに、と思うが、「女房元気で留守が良い」とどこかで聞いたCMを思い出して、送り出した。
お昼頃、葉書を出しに近所のポストまで出かける。かんかんと照りつける日射しは容赦がない。ほんの十分ほどなのに、汗びっしょりになる。途中でおなじ団地の五階に住む90歳に出会った。いつもは自転車で何十キロと走っている元気な方。ご挨拶をする。でもこの暑いのに・・・という私の思いが顔に出たのか。
「いや、家に居るだけじゃあ、お腹が空かなくてね」
と、妙な返事が返ってくる。暑いから出かけない。そうすると腹が減らないから、食事がすすまない。これじゃあダメだ、歩かなくちゃあと外出しているという。
ははは、そりゃあそうだ。でも、何もこの一番暑い時刻でなくてもいいだろうに。元気がいいとこのくらいは誤差のうちか。自分も外にいるのに、それを忘れて他人のことを嗤っている。
「狸のカミソリ」だけなら、早く帰ってくるだろうと思っていたのに、カミサンはなんと4時頃に帰宅した。
「狸は見つけたかい?」
「それがね、やっぱりないのよ。近場で何かを調べていた人に聞いたのね」
と、たのしそうに話しはじめる。
「すっかりなくなって、いまは別の所で養生している。うまくいくと、今秋にも植え戻す。遅くとも来春には戻すってことです。でも、私の専門担当ではないから、精確なところをお話ししているわけではありません」
と、丁寧な応対をしてくれたそうだ。ここ小石川植物園は、東大大学院生の研究機関だ、とも耳にしたようだ。では、日光植物園は学部生の研究所なのか? と私はおもったが、重ねて聞くことはしなかった。
「それにしても長い時間かけたね」
「それがね、たのしいのよ。いろいろと」
と、どうせ私に話してもわからないでしょうし、と口にはしないが、そういいたい気分は良くわかる。だが独りで、狸のカミソリに惹かれてこの暑い中を出歩き、5,6時間過ごしてくるなんて、八十路の年寄りとしては上出来じゃないかとおもった。むろん口にはしない。
カミサンはTVの録画を観ながら、4時を過ぎたのでと言い訳をしながら、ワインを傾けている。私もPCを離れてソファに寝ころんで、本を開く。最初はTVの音がうるさいのかと思っていた。おっ、違うぞ、と起き上がり、カーテンの隙間から外を覗く。
何と、ものすごい雨だ。ざあざあと庭を叩き、しぶきを跳ね上げ、土を跳ね飛ばす。垣根のイヌツゲが雨粒に叩かれて大きく揺れている。みているうちに、ど~ん、がらがらと雷が響く。急いでPCの電源を抜いて、落雷の衝撃が及ばないようにする。この雷雨が、このあと数時間続いた。今朝のTV報道を見ると、埼玉県では洪水になった所もある。落雷は、言わずもがな。
カミサンも、この音に驚き、ひゃあ、雨も落ちてなかったのにと、青天の霹靂に出喰わさずにすんだと、よろこんでいる。何だか、昔の夕立の風景が戻ってきたようで、私はなんとくなく、口元がほぐれていくようだった。
カミサンは小石川植物園へお出かけ。なんでも「狸のカミソリ」という植物があるらしいと、小石川植物園の小さな表示で知った。キツネノカミソリは知っているが、狸もあるんだ、どんなものだろうと興味津々。それを観に行くというのだ。この暑いのに、と思うが、「女房元気で留守が良い」とどこかで聞いたCMを思い出して、送り出した。
お昼頃、葉書を出しに近所のポストまで出かける。かんかんと照りつける日射しは容赦がない。ほんの十分ほどなのに、汗びっしょりになる。途中でおなじ団地の五階に住む90歳に出会った。いつもは自転車で何十キロと走っている元気な方。ご挨拶をする。でもこの暑いのに・・・という私の思いが顔に出たのか。
「いや、家に居るだけじゃあ、お腹が空かなくてね」
と、妙な返事が返ってくる。暑いから出かけない。そうすると腹が減らないから、食事がすすまない。これじゃあダメだ、歩かなくちゃあと外出しているという。
ははは、そりゃあそうだ。でも、何もこの一番暑い時刻でなくてもいいだろうに。元気がいいとこのくらいは誤差のうちか。自分も外にいるのに、それを忘れて他人のことを嗤っている。
「狸のカミソリ」だけなら、早く帰ってくるだろうと思っていたのに、カミサンはなんと4時頃に帰宅した。
「狸は見つけたかい?」
「それがね、やっぱりないのよ。近場で何かを調べていた人に聞いたのね」
と、たのしそうに話しはじめる。
「すっかりなくなって、いまは別の所で養生している。うまくいくと、今秋にも植え戻す。遅くとも来春には戻すってことです。でも、私の専門担当ではないから、精確なところをお話ししているわけではありません」
と、丁寧な応対をしてくれたそうだ。ここ小石川植物園は、東大大学院生の研究機関だ、とも耳にしたようだ。では、日光植物園は学部生の研究所なのか? と私はおもったが、重ねて聞くことはしなかった。
「それにしても長い時間かけたね」
「それがね、たのしいのよ。いろいろと」
と、どうせ私に話してもわからないでしょうし、と口にはしないが、そういいたい気分は良くわかる。だが独りで、狸のカミソリに惹かれてこの暑い中を出歩き、5,6時間過ごしてくるなんて、八十路の年寄りとしては上出来じゃないかとおもった。むろん口にはしない。
カミサンはTVの録画を観ながら、4時を過ぎたのでと言い訳をしながら、ワインを傾けている。私もPCを離れてソファに寝ころんで、本を開く。最初はTVの音がうるさいのかと思っていた。おっ、違うぞ、と起き上がり、カーテンの隙間から外を覗く。
何と、ものすごい雨だ。ざあざあと庭を叩き、しぶきを跳ね上げ、土を跳ね飛ばす。垣根のイヌツゲが雨粒に叩かれて大きく揺れている。みているうちに、ど~ん、がらがらと雷が響く。急いでPCの電源を抜いて、落雷の衝撃が及ばないようにする。この雷雨が、このあと数時間続いた。今朝のTV報道を見ると、埼玉県では洪水になった所もある。落雷は、言わずもがな。
カミサンも、この音に驚き、ひゃあ、雨も落ちてなかったのにと、青天の霹靂に出喰わさずにすんだと、よろこんでいる。何だか、昔の夕立の風景が戻ってきたようで、私はなんとくなく、口元がほぐれていくようだった。
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