英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

バスケットボール女子 日本代表強化試合 チャイニーズ・タイペイ代表戦

2018-06-11 17:32:36 | スポーツ
 メンバーに吉田、渡嘉敷、大﨑(間宮)がいない……
 間宮は妊娠中、渡嘉敷は体調不良ということだったが(代表には選出)、吉田亜沙美は代表メンバーから外れたということだ。


 これはかなりの衝撃
 サッカーはあまり詳しくないが、W杯サッカー(1998年フランス大会)代表メンバーからカズ(三浦知良)が外されたと同じくらいの出来事だろうか?
 とにかく、長年、日本女子バスケットをけん引してきた吉田。それは“過去”扱いにできるものではなく、昨シーズンもJX-ENEOSサンフラワーズのポイントガードとしてWリーグ、全日本選手権優勝に多大に貢献しており、“(現在の)日本のナンバー1のポイントガード”と評しても、全く異論は出ないであろう(“日本女子バスケ史上最高のポイントガード”と評しても同様)。

 さらに、全日本の精神的支柱的存在は言うまでもなく、ポイントゲッター渡嘉敷のポテンシャルを最大限に生かすことのできるのは吉田である。渡嘉敷は有能な選手で、彼女単独やたのPGとのコンビでも相当な活躍が予想されるが、やはり、“吉田&渡嘉敷コンビ”は絶品である(ただし、国内レベルの話で、国際レベルでは通用しないことも考えられる)。

 このように、吉田を日本代表から外す理由はないように思われる
 納得しがたいので、ネットで調べると

『バスケット・カウント』5月30日記事
 代表を率いるトム・ホーバスは
「いろいろあったんですがコンディションが足りなかった」と2人の落選理由を説明し、
「あれぐらいの経験のある、吉田がいないのは残念です」とトムコーチも吉田不在を嘆くも、
「今の4人のポイントガードは全然悪くない。逆にチャンスがある」とネガティブに捉えず、下の世代のステップアップに期待を寄せた
とある。

また、“吉田の後継者”と目されている藤岡麻菜美(JX)へのインタビュー記事(6月1日)では
「正直に言うと、思っていたより早かったというタイミングだと思いました。ただ、リュウさんから代表から外れた気持ちはストレートに聞いています」
と後継のタイミングについては驚いた部分もあったと藤岡は言う。
とある。
 藤岡は昨秋のWリーグの開幕直後に骨盤の剥離骨折と腱断裂を負い、リーグ戦の出場はわず22試合のみで、現在も完調には遠い状態。吉田には怪我の事など、いろいろ相談しているらしい。


これらの記事から、いくつかの推論が浮上する(完全に独立しているわけでなく、関係し合っている)
【推論①】吉田が完調ではない
 ホーバスHCの「コンディションが足りなかった」という言葉通り、吉田が完調ではないという理由。
 ≪吉田が軽い故障や慢性的故障を抱えていて、その回復期間を設ける≫、≪フル活動させることによる、悪化や疲労の蓄積を避ける≫などの理由。
 さらに、吉田以外のポイントガードを起用し、各選手の特性を見極めるという目的も考えられる。

【推論②】トム・ホーバスHCの目指すバスケットに吉田はマッチしない
 ホーバスHCの目指すスタイルのひとつに「全員が3ポイントシュートを決められる」があり、吉田は3Pシュートを含むジャンプシュートがやや苦手である。
 しかし、選出メンバーには吉田より苦手な選手はおり、吉田も若手時代はもっとジャンプシュートを決めていたので、ジャンプシュートのセンスに欠けているという訳でなく、今後の練習で充分スキルアップが見込まれる。
 とは言え、私がホーバスHCのバスケット理論を把握しているわけではなく、≪氏の目指すバスケットに吉田が向いていない≫という説は否定はできない。

【推論③】ふたりの相性が悪い(あくまで推論)
 バスケットに対する理論やスタイルが異なることも考えられる。
 もちろん、吉田選手の方が折れると思うが、吉田選手ほどの選手となると、HCとしてもそう再々意見を異にはしにくく、気を使わなければならない。
 吉田選手は他のチームメイトへの影響力が強いので、どこかギクシャクした空気があると、チーム全体もまとまりが悪くなる。

【推論④】2年後の吉田選手の衰え
 吉田選手をメンバーに入れた場合、当然、吉田がスターティングメンバーで、吉田主体のオフェンスや起用プランになる(吉田のプレータイムが長い)。
 今年一年ならともかく2年後となると、吉田のパフォーマンスが落ちてくることが考えられる。吉田の場合、10%マイナスとなったとしても、並の選手よりも上だと思うが、能力が漸減傾向にある選手を主力に据えてのチーム作りをするのは合理的ではない。
 2年後を見据えて、吉田には引いてもらった。

 推論④のような気がするが、①の休養(療養)を経て、吉田のパフォーマンスの低下を避け、他のポイントガードの特性を見極めるというような複合的事情なのではないだろうか。吉田の代表復帰もあり得る。



★4人のポイントガード
 藤岡麻菜美(JX)、町田瑠唯(富士通)のアジアカップ優勝メンバー、リオ五輪代表の三好南穂(トヨタ自動車)、ここにきて成長著しい本橋菜子(東京羽田)の4選手がメンバーに入っている。
 藤岡選手は“吉田の後継者”と期待され、その期待に応えるようなプレーをしていたが、上述したように故障の回復途上の段階で、不出場。
 スターターは町田選手。リーダーシップ(ガッツと冷静さ)、視野の広いアシスト、高いオフェンス能力など藤岡選手と遜色ないポイントガード。強化試合もまずまずの内容だった。
 本橋選手も良いプレーをしていて(16分の出場でチームトップの12アシスト)、控えのポイントガードの役割を果たせそう。

 三好選手は3Pシュートが得意(昨シーズンの3ポイントシュート王)。強化試合では2本の3Pシュートを決め、10得点。7本中2本と成功率は低いが、ベンチからはとにかく打つことを求められているそうだ。だったら、シューティングガードで良いと思うが……
 まず自分が攻撃することを第一に考えているようで(求められている?)、ボールを持つと気持ちがアシストよりリングに向かう。もちろん是が非でもシュートというのではないが、リングに向かうのが難しくなった時点でパスを出すというシーンが多い(“ディフェンスを引き付けておいてパス”という性質ではない)。
 なので、パスを出す時にはディフェンダーに接近されているので。パスコースも限られて、苦しいパスになってしまう。他の選手も、第2オプションでパスが来るので、タイミングも合わせにくい。1試合観ただけで、判断するのは早計とは思うが……

★他の選手
 町田の他のスターターは、髙田真希(デンソー)、長岡萌映子(トヨタ自動車)、宮澤夕貴 (JX)、水島沙紀(トヨタ自動車)。
 高田はアシストも巧く、シュート力もドライブ力もある1番から5番ポジションをこなせるのではないかと思える万能選手。長岡も宮澤も3番、4番ポジションどちらでも行ける。宮澤は3Pシュート力が高く、かと思えばドライブでゴールに切れ込むスピードや巧さもある。守備力も高い。(水島選手は良く分からなかった。ごめん)
 控えのメンバーでは、馬瓜エブリン(トヨタ自動車)が目立った。3Pシュートがいつもより決まったらしく、宮澤タイプの選手になりそう。インタビューの受け答えも面白かった。
 オコエ桃仁花(デンソー)はポテンシャルは高いが、プレーが雑。赤穂姉妹も柔らかい動きができる。


 リオ五輪の時も強かった(抽選運が良ければベスト4は望めた)。
 五輪に出られなかったロンドン五輪当時も強かった(予選敗退はベンチの采配ミス)。
 しかし、現チームはさらに強力だとは思う。ホーバスHCによってさらに飛躍するかもしれない(墜落の危険性もある)

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