白骨死体の正体は“毒人間”だった。
“毒人間”とは、その人間が犯した犯罪による被害者だけでなく、周囲の人間をも自分の犯罪に巻き込むなど、存在するだけで周囲を不幸の底に引きずり込むような人間を言う
(“毒人間”……私の造語。“放射能人間”の方が適切のような気がするが、“放射能”という言葉は原発事故を連想させるので、使用を控えることにした)
『渡る世間は鬼ばかり』では、犯罪にはならないが、“毒人間”の性質を持つ登場人物が多く出てくるので、私は視聴に耐えられない。
そんなわけで、今回の犯人の介護福祉士・対馬遥香(沢井美優)には同情をしてしまう。
毒人間と関わりを持たなければ、もっといい人生を送れていたはずだ。
折角、逃げて介護福祉士になったというのに……シロアリ駆除詐欺の現場で鉢合わせしてしまい、その挙句、殺人まで……
詐欺を警察に密告すればよかったのに…
そもそも、こんな男を野放しにしておく警察にも大きな責任があるが、今回の特捜9の連中は誰も自覚していない。
今週のポイント……31か条の覚え書き
第31条「家のリフォームは絶対しない」
死体発見を防ぐためだが、これを書いたと思われた妻は体が不自由で犯行は不可能。
となると、
①共犯者がいたのか?……夫の泰三(小松政夫)かリフォーム業者の村田肇(伊東孝明)?
②泰三の単独犯行で、認知症を自覚したので忘れても大丈夫なように“覚え書き”に書き足した
実際はそのどちらでもなく、真犯人の介護士・対馬遙香による細工だった。
たまたま宗方班長(寺尾聰)が泰三の妻から送られてきた葉書に「対局」という言葉が書いてあって、真犯人の名字の対馬の「対」と照合できた。(無論、葉書がなくてもその気になれば検証は可能)
筆跡鑑定の結果が90%と判定された時、微妙な数字だと思ったら、最後の書き足したからだったと一瞬納得したが、分量だけだと比率としては正しいが、「最後の1条だけ変」ということに気がつかなければならない。「筆跡鑑定がいいかげんだった」と言わざるを得ない。
泰造は、≪妻が殺人の罪を犯して、それを庇った≫のではなく、≪自分の犯行と勘違い≫したようだ。
でも、前者の方がドラマ的であろう。
【その他のポイント】
①伊東四朗と小松政夫の共演。『電線音頭』を思い出したおじさんが多かったはず。
②泰三の娘役の松岡由美さんは、『はぐれ刑事純情派』の安浦刑事の長女役……こちらも懐かしい
『はぐれ刑事』だけでなく、いろんな作品に出演しているが、やはり、ミステリーやサスペンスが多いようだ
③サブタイトルの「床下の白骨死体」って、何の捻りもない…
『31か条の覚え書き』にまつわる細工やそれから生じた死体発見防止の推理、妻の夫への愛情(我儘そうだったが)、加奈子への村田肇の忍ぶ愛など、人情刑事ドラマとしては面白かった。
「第1話」 「第2話」 「第3話」
【ストーリー】番組サイトより
フリーライター・三好加奈子(松岡由美)の自宅床下から白骨遺体が見つかり、直樹(井ノ原快彦)らは現場に駆けつけた。加奈子は自宅を改装中で、遺体を発見したのはリフォーム工事を請け負っていた業者・村田肇(伊東孝明)たちだった。鑑識課の猪狩(伊東四朗)によると、遺体は男性で、死後5年以上が経過しているという。
加奈子は母を1年前に亡くし、父はグループホームに入居中で、現在ひとり暮らし。そんな加奈子の父・泰三(小松政夫)の名を聞いて、猪狩は驚く。なんと泰三は猪狩とかつて同じ所轄署にいた、元警視庁交通機動隊の副隊長だったのだ。
直樹は猪狩と共にグループホームで暮らす泰三を訪ねるが、泰三は認知症を患っており、猪狩のことを思い出せないばかりか、亡き妻の幻影に話しかけていた。ところが、リフォーム工事中に白骨遺体が見つかったことを知らせるとなぜか突然、リフォームだけはダメだと激しく取り乱す。
監察医・真澄(原沙知絵)の鑑定の結果、白骨遺体の死因は撲殺と判明。志保(羽田美智子)、村瀬(津田寛治)、青柳(吹越満)、矢沢(田口浩正)は遺体とともに見つかった遺留品から身元を探るべく捜査を進める。
そんな中、加奈子の家には7年前、シロアリ駆除業者が入ったことが判明。直樹や新藤(山田裕貴)がその駆除業者を当たったところ、意外な事実が浮かび上がる…!
その矢先、泰三が突然、猪狩を呼び出した。先日と違ってしっかりとした様子の泰三は一時的に記憶を取り戻したのか、猪狩と宗方班長(寺尾聰)の前で、「自分がやった」と殺人を告白するのだが…!?
ゲスト:三好泰三………小松政夫
三好加奈子………松岡由美
村田 肇………伊東孝明
脚本:岡崎由紀子
監督:田村孝蔵
“毒人間”とは、その人間が犯した犯罪による被害者だけでなく、周囲の人間をも自分の犯罪に巻き込むなど、存在するだけで周囲を不幸の底に引きずり込むような人間を言う
(“毒人間”……私の造語。“放射能人間”の方が適切のような気がするが、“放射能”という言葉は原発事故を連想させるので、使用を控えることにした)
『渡る世間は鬼ばかり』では、犯罪にはならないが、“毒人間”の性質を持つ登場人物が多く出てくるので、私は視聴に耐えられない。
そんなわけで、今回の犯人の介護福祉士・対馬遥香(沢井美優)には同情をしてしまう。
毒人間と関わりを持たなければ、もっといい人生を送れていたはずだ。
折角、逃げて介護福祉士になったというのに……シロアリ駆除詐欺の現場で鉢合わせしてしまい、その挙句、殺人まで……
詐欺を警察に密告すればよかったのに…
そもそも、こんな男を野放しにしておく警察にも大きな責任があるが、今回の特捜9の連中は誰も自覚していない。
今週のポイント……31か条の覚え書き
第31条「家のリフォームは絶対しない」
死体発見を防ぐためだが、これを書いたと思われた妻は体が不自由で犯行は不可能。
となると、
①共犯者がいたのか?……夫の泰三(小松政夫)かリフォーム業者の村田肇(伊東孝明)?
②泰三の単独犯行で、認知症を自覚したので忘れても大丈夫なように“覚え書き”に書き足した
実際はそのどちらでもなく、真犯人の介護士・対馬遙香による細工だった。
たまたま宗方班長(寺尾聰)が泰三の妻から送られてきた葉書に「対局」という言葉が書いてあって、真犯人の名字の対馬の「対」と照合できた。(無論、葉書がなくてもその気になれば検証は可能)
筆跡鑑定の結果が90%と判定された時、微妙な数字だと思ったら、最後の書き足したからだったと一瞬納得したが、分量だけだと比率としては正しいが、「最後の1条だけ変」ということに気がつかなければならない。「筆跡鑑定がいいかげんだった」と言わざるを得ない。
泰造は、≪妻が殺人の罪を犯して、それを庇った≫のではなく、≪自分の犯行と勘違い≫したようだ。
でも、前者の方がドラマ的であろう。
【その他のポイント】
①伊東四朗と小松政夫の共演。『電線音頭』を思い出したおじさんが多かったはず。
②泰三の娘役の松岡由美さんは、『はぐれ刑事純情派』の安浦刑事の長女役……こちらも懐かしい
『はぐれ刑事』だけでなく、いろんな作品に出演しているが、やはり、ミステリーやサスペンスが多いようだ
③サブタイトルの「床下の白骨死体」って、何の捻りもない…
『31か条の覚え書き』にまつわる細工やそれから生じた死体発見防止の推理、妻の夫への愛情(我儘そうだったが)、加奈子への村田肇の忍ぶ愛など、人情刑事ドラマとしては面白かった。
「第1話」 「第2話」 「第3話」
【ストーリー】番組サイトより
フリーライター・三好加奈子(松岡由美)の自宅床下から白骨遺体が見つかり、直樹(井ノ原快彦)らは現場に駆けつけた。加奈子は自宅を改装中で、遺体を発見したのはリフォーム工事を請け負っていた業者・村田肇(伊東孝明)たちだった。鑑識課の猪狩(伊東四朗)によると、遺体は男性で、死後5年以上が経過しているという。
加奈子は母を1年前に亡くし、父はグループホームに入居中で、現在ひとり暮らし。そんな加奈子の父・泰三(小松政夫)の名を聞いて、猪狩は驚く。なんと泰三は猪狩とかつて同じ所轄署にいた、元警視庁交通機動隊の副隊長だったのだ。
直樹は猪狩と共にグループホームで暮らす泰三を訪ねるが、泰三は認知症を患っており、猪狩のことを思い出せないばかりか、亡き妻の幻影に話しかけていた。ところが、リフォーム工事中に白骨遺体が見つかったことを知らせるとなぜか突然、リフォームだけはダメだと激しく取り乱す。
監察医・真澄(原沙知絵)の鑑定の結果、白骨遺体の死因は撲殺と判明。志保(羽田美智子)、村瀬(津田寛治)、青柳(吹越満)、矢沢(田口浩正)は遺体とともに見つかった遺留品から身元を探るべく捜査を進める。
そんな中、加奈子の家には7年前、シロアリ駆除業者が入ったことが判明。直樹や新藤(山田裕貴)がその駆除業者を当たったところ、意外な事実が浮かび上がる…!
その矢先、泰三が突然、猪狩を呼び出した。先日と違ってしっかりとした様子の泰三は一時的に記憶を取り戻したのか、猪狩と宗方班長(寺尾聰)の前で、「自分がやった」と殺人を告白するのだが…!?
ゲスト:三好泰三………小松政夫
三好加奈子………松岡由美
村田 肇………伊東孝明
脚本:岡崎由紀子
監督:田村孝蔵
伊東四朗さんと小松政夫さんの共演をみて「電線音頭」を連想してしまいました。ちなみに私は40代半ばです。
そういえば、回想シーンで泰三が初詣の交通整理をしている場面が出てきましたが、その時流れていたお囃子が「電線音頭」のそれにそっくりでした。狙ってますよね、絶対に。
ちなみに、村田肇役の伊藤孝明さんは伊東四朗さんの息子さんなんですね。初めて知りました。今までもドラマやCMで何度も共演しているようですね。
今回のストーリーですが、「加奈子が7年前に一度来ただけのシロアリ駆除業者の顔をはっきりと覚えていたこと」、「介護記録の筆跡」、「7年前の件が震災直後だったこと」、「泰三が交通機動隊の所属だったこと」などの伏線をうまく回収していたと思います。
第3話と第4話を見ただけですが、個人的には好印象です。
>伊東四朗さんと小松政夫さんの共演をみて「電線音頭」を連想してしまいました。
本文でも書きましたが、連想しますよね。御囃子も確かに似ていました。
>伏線をうまく回収していたと思います。
ええ、そうですね。
ただ、「7年前の計画停電~蝋燭の蝋」のエピソードが死体が埋められた時期の糸口となり、捜査が動き始めるといったキーポイントでなかったのが、残念です。
伊東孝明さんについては、書き忘れました。補足、ありがとうございます。