英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018名人戦 第6局 1日目

2018-06-19 23:29:41 | 将棋
 今日は名人戦第6局の一日目。

 封じ手の局面では先手の佐藤天名人が指しやすいのではないかと言われている。“封じ手の局面”と言うより、“序盤早々”から佐藤名人名人の方が指しやすいと言われていた。8五にいる佐藤名人の飛車(歩越し飛車で窮屈)を捕まえに行く△2四歩を見送ったが、羽生竜王に誤算があったのではと見られている。


 2手目、羽生竜王が△6二銀と“注文を付けた”。さらに、△7四歩と突いて力戦に持ち込もうとした。

 この指し方は山崎八段や糸谷八段が良く指しており、先日もNHK杯戦で糸谷八段が採用していた。また、山崎八段も昨年度のJT杯準決勝で羽生棋聖(王座を失冠し一冠となっていた)にこの戦法を駆使して勝利していた。
 また、2手目△6二銀は羽生竜王も数局採用している(谷川名人相手のタイトル戦でも採用。王座戦だったと記憶しているが、自信なし)。

 問題の局面は第2図。

 ここで先手の8五の飛車を2筋に戻らせない△2四歩はなかったのだろうか?
 控室の研究や前例では、≪後手(羽生竜王)も指せる≫という見立てだったし、注文を付けた羽生竜王が、注文を取り下げてしまったように感じる。

 指し掛けの局面は、まだまだこれからの将棋だが、1歩損が大きい気がする。持ち歩が0対1というのが大きい。同じ1歩損でも、持ち歩が1対2に比べると、1歩の差が非常に大きい。
 横歩取りと同様に本局の“7四歩取らせ戦法”は、≪先手が歩を取るのに手数を費やし、その間に攻撃布陣を先に整え、主導権を握る≫のが主張点。
 なので、先手が飛車の動きに手を費やしている間に、金銀を盛り上げ飛車を圧迫していくのが、この戦法を採用した趣旨に沿っている。
 もちろん、佐藤名人も目算を立てて8五に飛車を移動させたと考えられ、▲6五歩の決戦策が見えている局面で角頭の歩を突くのは怖いところではある。
 それでも、△2四歩は突くべきだったのでは?と思ったが、△2四歩以下▲6五歩△7三銀に▲7五歩が好手で先手が少し良いようだ。
 指し掛け図は争点がなく、持ち歩のない後手からは仕掛けて行くのが難しい。局面がゆっくりになると、≪手が進んでいる≫という主張点がどんどん小さくなっていく。

 飛車の捕獲のような細かく際どい読みを要する特異な戦いは羽生竜王の土俵と言えるが、本局の進行のように駒の効率を活かして陣形を整えていくのは佐藤名人の得意とするところだ。佐藤名人ペースだ…… 
コメント (2)
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