ずっと辛抱を重ね、ようやく逆転したかと思えた2日目の夜、羽生竜王が決めに出た△7七とを放置しての▲1三歩成が鮮烈だった……
“7四歩取らせ戦法”……飛車で歩を取らせその間に陣形的優位を築く
しかし、持久戦模様となり単なる1歩損に終わりそうな気配で、秘策が空を切った感が………
普通に指していたのでは、1歩得の歩を活かして攻め込まれるか、1歩足らない弱点を突かれて盛り上がられ“中押し負け”となってしまうか……1日目からずっと指しにくさを抱えていた羽生竜王が、普通に指し続けるという我慢を重ね、ビハインドを拡大させず維持し続けた。(先手の攻め筋を考えながら陣形を固め、中押し負けにならないように十数手先の僅かな反撃の筋を残して、8筋の歩を伸ばしつつ飛車銀を繰りかえる)
その辛抱に、佐藤名人は先制攻撃をせざるを得なくなった。それは無理な仕掛けではなく、有効な仕掛けで4四に歩の楔を打ち込めたのは大きそう。それでも、羽生竜王が丁寧に対応し、ダメージを最小に留め、反撃のチャンスも出てきた。少なくとも、一方的に攻められたり、中押し負けはなくなった。
その後も巧みに切り換えし、4四の楔を除去し、2筋の玉頭の攻めも緩和して、逆に中央を制圧する気配も出てきて、逆転ムード。
≪頃は良し≫と寄せに行ったのが△7八歩成~△7七とだった。
………しかし、△7七とを放置しての▲1三歩成が鮮烈だった。
これが厳しさの点では△7七とを上回り、守勢に回らざるを得なくなってしまった。
おそらく、図の▲1三香成を△同玉と取っておけば、形勢はまだ羽生竜王が僅かに良かったのだろうが、意に反して攻め込まれ、時間切迫、辛抱し続けた疲労の中では、勝つのは困難だった。(△1三同玉には▲2三歩成△同金▲1四歩△同玉▲1五歩△1三玉▲1四銀と先手の猛攻を受け続けなければならない)
二日間耐え続けた疲労感、敗北の残念さ、名人位奪回ならずの虚脱感の腹いせ?ではないけれど、勝敗の分岐点として図を挙げさせていただく。
ここで羽生竜王は△7八歩成としたが、△5六歩と取り込んだ方が良かったように思う。
一見、角筋を通すと▲4四角と角交換され、先手の攻めに威力を与えてしまいそうだが、▲4四角の瞬間、△5七歩成▲同金△同桂成が利き、▲同玉に△4四金と手を戻せば、先手玉の危険度が半端ない。
なので、△5六歩には▲同銀右と取ることになるが、そこで△5五歩と蓋をし、▲4七銀と下がらせる。一見無意味に思えるが、手順に先手の攻めのとっかかりである5六の歩を除去し4四の角が安定させておいて、△1五歩と手を戻しておけば、後手の勝ちやすい将棋だったはず……
本局は名局と言ってよいのではないだろうか。
名人位復位はならなかったのは非常に残念だが、フラストレーションがMAXの第4局、第5局のような敗局でなく、ここまで指して負けたのなら、仕方がない。
棋聖位防衛に向けての足掛かりになると思いたい。
“7四歩取らせ戦法”……飛車で歩を取らせその間に陣形的優位を築く
しかし、持久戦模様となり単なる1歩損に終わりそうな気配で、秘策が空を切った感が………
普通に指していたのでは、1歩得の歩を活かして攻め込まれるか、1歩足らない弱点を突かれて盛り上がられ“中押し負け”となってしまうか……1日目からずっと指しにくさを抱えていた羽生竜王が、普通に指し続けるという我慢を重ね、ビハインドを拡大させず維持し続けた。(先手の攻め筋を考えながら陣形を固め、中押し負けにならないように十数手先の僅かな反撃の筋を残して、8筋の歩を伸ばしつつ飛車銀を繰りかえる)
その辛抱に、佐藤名人は先制攻撃をせざるを得なくなった。それは無理な仕掛けではなく、有効な仕掛けで4四に歩の楔を打ち込めたのは大きそう。それでも、羽生竜王が丁寧に対応し、ダメージを最小に留め、反撃のチャンスも出てきた。少なくとも、一方的に攻められたり、中押し負けはなくなった。
その後も巧みに切り換えし、4四の楔を除去し、2筋の玉頭の攻めも緩和して、逆に中央を制圧する気配も出てきて、逆転ムード。
≪頃は良し≫と寄せに行ったのが△7八歩成~△7七とだった。
………しかし、△7七とを放置しての▲1三歩成が鮮烈だった。
これが厳しさの点では△7七とを上回り、守勢に回らざるを得なくなってしまった。
おそらく、図の▲1三香成を△同玉と取っておけば、形勢はまだ羽生竜王が僅かに良かったのだろうが、意に反して攻め込まれ、時間切迫、辛抱し続けた疲労の中では、勝つのは困難だった。(△1三同玉には▲2三歩成△同金▲1四歩△同玉▲1五歩△1三玉▲1四銀と先手の猛攻を受け続けなければならない)
二日間耐え続けた疲労感、敗北の残念さ、名人位奪回ならずの虚脱感の腹いせ?ではないけれど、勝敗の分岐点として図を挙げさせていただく。
ここで羽生竜王は△7八歩成としたが、△5六歩と取り込んだ方が良かったように思う。
一見、角筋を通すと▲4四角と角交換され、先手の攻めに威力を与えてしまいそうだが、▲4四角の瞬間、△5七歩成▲同金△同桂成が利き、▲同玉に△4四金と手を戻せば、先手玉の危険度が半端ない。
なので、△5六歩には▲同銀右と取ることになるが、そこで△5五歩と蓋をし、▲4七銀と下がらせる。一見無意味に思えるが、手順に先手の攻めのとっかかりである5六の歩を除去し4四の角が安定させておいて、△1五歩と手を戻しておけば、後手の勝ちやすい将棋だったはず……
本局は名局と言ってよいのではないだろうか。
名人位復位はならなかったのは非常に残念だが、フラストレーションがMAXの第4局、第5局のような敗局でなく、ここまで指して負けたのなら、仕方がない。
棋聖位防衛に向けての足掛かりになると思いたい。
なでなで・・・・」
・・・・ちが~う(笑)
慰めにきたのに
実際何を書いたらいいのかわからないのですが、
羽生先生の場合
そもそもがプレイオフになることを
想定してなかったような気がするので、
(豊島くんか久保さんが決めて
くれたのなら、そもそも・・・・)
準備不足はしょうがないような気が
するんですよね。
そこに(勝率なんか度外視で)
準備万端?で待ち構えているようにみえる
佐藤名人・・・・。
ある意味、2-4でも凄いと思うんですよ。
ええ・・・・。
う~ん・・・・でも、名人戦での100期みたかった
なぁ~~~~。
それにしても、タイトル99期って、
タイトル3冠王を33年と同義語でしょ。
(あってるかな?)
空前絶後です。ええ。
羽生先生の功績なので、普通に
論じていますが、
異常なことは間違いもなく、
ある意味人外な記録です。
ただただ感嘆するばかりで、
なんというか・・・・。
この時代に生まれてこれただけでも
ほんと感謝ですね。
ではではっ。
確かに、名人挑戦権はあきらめていた状態ではありました。
しかし、準備不足というより、相性を含めた力の差を感じました(勝った2局はギリギリ勝ったという内容で第2局、第4局は完敗)。
ただ、2年前と比べると、完敗感はなく、徐々に天彦将棋を把握しつつある気がします。
>そこに(勝率なんか度外視で)準備万端?で待ち構えているようにみえる佐藤名人・・・・。
確かに、名人戦開幕前は負けが込んでいました。その件についてインタビューで、「今後を見据えての実験的な指し方(戦法)をしていたので、それほど気にはしていなかった」というような趣旨のコメントをしていました。
まあ、これは、名人戦に向けてというモノではなく、今後将来を見据えた鍛錬というような意味だと感じました。
>う~ん・・・・でも、名人戦での100期みたかったなぁ~~~~。
名人戦で100期達成となれば最高でした。それは叶いませんでしたが、ならば、竜王戦で藤井七段を迎え撃って、100期達成という劇的な展開も考えられますが、無冠になる可能性も大なので、棋聖位防衛で充分です(豊島八段も手強いですが)。
とにかく、無冠は避けたいです。
いろいろお気遣いくださり、ありがとうございました。