今回のテーマは
Ⅰ 同一犯による連続殺人事件だと思われたが、実は無関係な殺人事件だった(第三者の偽装工作によって思い込まされた)
Ⅱ 被害者とその周辺を丁寧に検証するのが、捜査の基本
……テーマについては面白かったと思うが、そのテーマを推し進めようとして、強引な展開・設定が多く見られた。
①同一犯による犯行に見せかけるために偽物の警察バッジを口に含ませ、腕に切り傷を刻んだが、最初の犯行が1年前、第2の犯行が半年前……気の長い偽装工作だ
②第2の偽装により“連続殺人”とミスリード出来たが、第1の犯行の時点に於いては思い込みがないので、死体の移動の工作が完璧であったとしても、銃殺なので暴力団にたどり着けそうだ。
まあ、署長がたどり着かないように誤誘導したと考えられるが……
③2つの事件を未解決の状況にもかかわらず、まったく悪びれず偉そうな所轄の捜査陣
④班長のヒント(米国のミステリー小説云々)によって、いきなり閃く浅輪(井ノ原快彦)だったが、“同一犯による犯行”についての違和感をもっと顕わにしてほしかった。例えば、「犯行手段がバラバラ」とか(一応、プロファイルではもっともらしい理屈をつけていたが)、「警察に対する挑戦(警察バッジを口に含ませる)にしては、犯行間隔が長い」とか…
⑤テーマⅡを強調するため、新人の新藤(山田裕貴)の心理や行動を利用したが、おかげで“イラツキ度”が倍増してしまった
⑥偽装工作を実行犯の前で行うのは、署長にとってリスクが大きすぎ
第1話「一万年の殺人」(初回拡大SP)
第2話「花嫁消失」
第3話「殺人都市計画」
第4話「床下の白骨死体」
第5話「殺人ハーモニカ」
第6話「赤い花の殺意」
第7話「殺しの紙幣」
第8話「無限大の殺人」
【ストーリー】番組サイトより
板橋区内の公園で、75歳の女性が後頭部を殴打されて殺害されているのが見つかった。臨場した直樹(井ノ原快彦)は、遺体の口が不自然に膨らんでいるのに気づく。なんと被害者の口の中にあったのは、ニセモノの警察バッジ。犯人は警察を挑発しているのだろうか…!?
実は、この管内では被害者の口から警察バッジが見つかる殺人事件が過去2件、発生していた。そのため、見村岳(笠兼三)をはじめとする所轄署の刑事たちは同一犯による犯行と見て、“連続殺人犯X”を追いはじめる。
直樹ら特捜班は捜査の応援に入るが、見村たち所轄は特捜班には非協力的。署長の佐野真一郎(伊藤洋三郎)によると、前回の事件の際、本部からやってきた管理官の指揮に従ったせいで初動捜査が出遅れた苦い経験があるという。佐野はノンキャリアながら実力だけで警視まで昇進した人物で、そんな彼から改めて協力を依頼された直樹らは、過去の2件の事件も含め、手分けして一から捜査を行うことにする。
3件目の事件を追う直樹と新藤(山田裕貴)は、身寄りのない被害者が孤独にひっそりと暮らしていたことを確認するが、部屋の中で気になるものを見つけて…!?
また、志保(羽田美智子)と村瀬(津田寛治)は2件目の女性殺人事件を、青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)は最初に起きた男性の殺人事件をそれぞれ洗い直す。
連続殺人事件として捜査をしない特捜班に、人のいい佐野もさすがに苛立ちを見せはじめるが…やがて直樹ら特捜班の地道な捜査が衝撃の真実にたどり着く!
ゲスト:佐野真一郎………伊藤洋三郎
見村 岳………笠 兼三
脚本:徳永富彦
監督:細川光信
Ⅰ 同一犯による連続殺人事件だと思われたが、実は無関係な殺人事件だった(第三者の偽装工作によって思い込まされた)
Ⅱ 被害者とその周辺を丁寧に検証するのが、捜査の基本
……テーマについては面白かったと思うが、そのテーマを推し進めようとして、強引な展開・設定が多く見られた。
①同一犯による犯行に見せかけるために偽物の警察バッジを口に含ませ、腕に切り傷を刻んだが、最初の犯行が1年前、第2の犯行が半年前……気の長い偽装工作だ
②第2の偽装により“連続殺人”とミスリード出来たが、第1の犯行の時点に於いては思い込みがないので、死体の移動の工作が完璧であったとしても、銃殺なので暴力団にたどり着けそうだ。
まあ、署長がたどり着かないように誤誘導したと考えられるが……
③2つの事件を未解決の状況にもかかわらず、まったく悪びれず偉そうな所轄の捜査陣
④班長のヒント(米国のミステリー小説云々)によって、いきなり閃く浅輪(井ノ原快彦)だったが、“同一犯による犯行”についての違和感をもっと顕わにしてほしかった。例えば、「犯行手段がバラバラ」とか(一応、プロファイルではもっともらしい理屈をつけていたが)、「警察に対する挑戦(警察バッジを口に含ませる)にしては、犯行間隔が長い」とか…
⑤テーマⅡを強調するため、新人の新藤(山田裕貴)の心理や行動を利用したが、おかげで“イラツキ度”が倍増してしまった
⑥偽装工作を実行犯の前で行うのは、署長にとってリスクが大きすぎ
第1話「一万年の殺人」(初回拡大SP)
第2話「花嫁消失」
第3話「殺人都市計画」
第4話「床下の白骨死体」
第5話「殺人ハーモニカ」
第6話「赤い花の殺意」
第7話「殺しの紙幣」
第8話「無限大の殺人」
【ストーリー】番組サイトより
板橋区内の公園で、75歳の女性が後頭部を殴打されて殺害されているのが見つかった。臨場した直樹(井ノ原快彦)は、遺体の口が不自然に膨らんでいるのに気づく。なんと被害者の口の中にあったのは、ニセモノの警察バッジ。犯人は警察を挑発しているのだろうか…!?
実は、この管内では被害者の口から警察バッジが見つかる殺人事件が過去2件、発生していた。そのため、見村岳(笠兼三)をはじめとする所轄署の刑事たちは同一犯による犯行と見て、“連続殺人犯X”を追いはじめる。
直樹ら特捜班は捜査の応援に入るが、見村たち所轄は特捜班には非協力的。署長の佐野真一郎(伊藤洋三郎)によると、前回の事件の際、本部からやってきた管理官の指揮に従ったせいで初動捜査が出遅れた苦い経験があるという。佐野はノンキャリアながら実力だけで警視まで昇進した人物で、そんな彼から改めて協力を依頼された直樹らは、過去の2件の事件も含め、手分けして一から捜査を行うことにする。
3件目の事件を追う直樹と新藤(山田裕貴)は、身寄りのない被害者が孤独にひっそりと暮らしていたことを確認するが、部屋の中で気になるものを見つけて…!?
また、志保(羽田美智子)と村瀬(津田寛治)は2件目の女性殺人事件を、青柳(吹越満)と矢沢(田口浩正)は最初に起きた男性の殺人事件をそれぞれ洗い直す。
連続殺人事件として捜査をしない特捜班に、人のいい佐野もさすがに苛立ちを見せはじめるが…やがて直樹ら特捜班の地道な捜査が衝撃の真実にたどり着く!
ゲスト:佐野真一郎………伊藤洋三郎
見村 岳………笠 兼三
脚本:徳永富彦
監督:細川光信
私の好きな徳永富彦の脚本だったので期待していたのですが、期待が大きかっただけに残念でした。
ストーリー中、新藤(山田裕貴)が「これは連続殺人ですよね?」とやたら連発するので、「ああ、これは連続殺人じゃないんだな」と予想できてしまいました。黒幕が署長だというのも見え見えでした。
個人的には、あれだけ特捜班を敵視していた見村刑事が、あっさりと特捜班に協力したのが疑問でした。しかも、黒幕が署長だという話をそう簡単に受け入れられるものでしょうか。
ちなみに、見村刑事を演じた笠兼三さん。苗字をみて、ひょっとしたらと調べてみたら、名優・笠智衆さんのお孫さんなのですね。
徳永富彦氏の脚本は“虚構”や“立体的構造”が特徴ですね。
『9係』に於いては、3組(青柳ペア、志保ペア、倫太郎ペア)が全く独立して捜査を行う事が多いです(元々、その傾向が強いが、氏の脚本では特に)。
署長黒幕は元敏腕刑事で、しかも、特捜班に協力的に振る舞っていたのも、「見え見え」の要因ですね。
>見村刑事を演じた笠兼三さん。苗字をみて、ひょっとしたらと調べてみたら、名優・笠智衆さんのお孫さんなのですね。
改めて観ると、智衆さんそっくりですね。