竜王戦は渡辺竜王が3勝0敗。第1局、第2局はワンサイド、第3局は接戦でしたが結局渡辺竜王の勝ち。終盤、▲4七角と指していれば勝負はどう転ぶか分からなかったようです。(局後の検討では後手の勝ち)
結果はともかく、竜王位に挑戦するのだから、▲4七角ぐらいは指していただきたいものです。
第一局の△2三金が話題になっていますが、羽生三冠との将棋を見ていると、渡辺竜王はこういう指し方が多く、たとえば一昨年の第六局で、△2三金~△1四金~△2三玉~△4五銀と先手の攻め駒を責めながら上部に厚みを作っていった将棋を思い出します。同期の第2局も同じ感覚です。
なので、△2三同金の可能性は高いと見ていました。
それはともかく、『明日対局』を読み終えました。
内容は面白かった部類に入ります(上から目線)。
2003年4月に始めた『若手棋士の日記』『渡辺明ブログ』をもとに、注釈と挿絵を加えて再編集したもので、巻頭に15ページほどのインタビューも加えられている。
私は、おそらく、氏のブログは2006年の竜王戦(対佐藤棋聖)あたりから読んでいて、読みながら「ああこういう記事もあったなあ」という感じで読み返しています。意外と覚えているものですが、注釈が加えられていて、氏の現在の感覚や思考との差も感じられ面白かったです。奥様が描かれたイラストも、本質をついていて、しかも、味があって面白いです。
文章の量は2007年度辺りから減り始め、2009年度からは極端に少なくなっています。これは、2008年9月8日でコメント欄を終了したことに呼応しているように思います。
コメント欄が乱れ始めた2007年春辺りからコメント欄の終了を考えていたそうで、当時の状態を考えると仕方がないと思います。ただ、ファンの声が聞けて、竜王ブログの大きな要素であっただけに残念でした。
なんとなく、この頃から、竜王のブログへの思いも薄くなってきたように思うのは考え過ぎなのでしょうか。
この本というか竜王のブログを読むと、将棋界全体を視野に入れ、ファンの視点からも考えていて、氏の懐の深さには感心します。また、周囲への気遣いや義理堅さ、素直で柔軟な感性、合理的な考え方も感じられます。
さらに、対局のポイントの局面の解説(指し手や思考方法・過程)もかなり正直に書かれています。
『明日対局』を読んで、渡辺竜王に対して新たな感じたことがあります。ブログを欠かさず読んでいても気がつきませんでしたが、こうして1冊の本で集約して読むと(と言ってもほぼ3週間かかりましたが)、今まで感じなかった事に気がつきました。
それは、ちょっと文章にするのは気が引けますが……「将棋に対する探求心・好奇心がほとんど感じられない」ことなのです。
タイトルを取る事や棋界の第一人者となることへの意欲や、勝利への意志は非常に感じますが、将棋への好奇心は感じられません。将棋を指していて楽しいとか面白いという感情が感じられないのです。
私の読解力が足りず、こんな事を思ったのは、私だけのような気がしますが、全部読んだ後、「あれ?」という不思議な感覚に襲われ、その理由を考え、行きついた結論がこれなのです。
もちろん、渡辺竜王がそういう感覚を表に出さないだけかもしれませんし、渡辺竜王に限らず、棋士というプロなのでそういう感情は捨てる、或いは、表に出さないものなのかもしれません。(でも、羽生三冠や佐藤王将は楽しそうに見えるのですが)
結果はともかく、竜王位に挑戦するのだから、▲4七角ぐらいは指していただきたいものです。
第一局の△2三金が話題になっていますが、羽生三冠との将棋を見ていると、渡辺竜王はこういう指し方が多く、たとえば一昨年の第六局で、△2三金~△1四金~△2三玉~△4五銀と先手の攻め駒を責めながら上部に厚みを作っていった将棋を思い出します。同期の第2局も同じ感覚です。
なので、△2三同金の可能性は高いと見ていました。
それはともかく、『明日対局』を読み終えました。
内容は面白かった部類に入ります(上から目線)。
2003年4月に始めた『若手棋士の日記』『渡辺明ブログ』をもとに、注釈と挿絵を加えて再編集したもので、巻頭に15ページほどのインタビューも加えられている。
私は、おそらく、氏のブログは2006年の竜王戦(対佐藤棋聖)あたりから読んでいて、読みながら「ああこういう記事もあったなあ」という感じで読み返しています。意外と覚えているものですが、注釈が加えられていて、氏の現在の感覚や思考との差も感じられ面白かったです。奥様が描かれたイラストも、本質をついていて、しかも、味があって面白いです。
文章の量は2007年度辺りから減り始め、2009年度からは極端に少なくなっています。これは、2008年9月8日でコメント欄を終了したことに呼応しているように思います。
コメント欄が乱れ始めた2007年春辺りからコメント欄の終了を考えていたそうで、当時の状態を考えると仕方がないと思います。ただ、ファンの声が聞けて、竜王ブログの大きな要素であっただけに残念でした。
なんとなく、この頃から、竜王のブログへの思いも薄くなってきたように思うのは考え過ぎなのでしょうか。
この本というか竜王のブログを読むと、将棋界全体を視野に入れ、ファンの視点からも考えていて、氏の懐の深さには感心します。また、周囲への気遣いや義理堅さ、素直で柔軟な感性、合理的な考え方も感じられます。
さらに、対局のポイントの局面の解説(指し手や思考方法・過程)もかなり正直に書かれています。
『明日対局』を読んで、渡辺竜王に対して新たな感じたことがあります。ブログを欠かさず読んでいても気がつきませんでしたが、こうして1冊の本で集約して読むと(と言ってもほぼ3週間かかりましたが)、今まで感じなかった事に気がつきました。
それは、ちょっと文章にするのは気が引けますが……「将棋に対する探求心・好奇心がほとんど感じられない」ことなのです。
タイトルを取る事や棋界の第一人者となることへの意欲や、勝利への意志は非常に感じますが、将棋への好奇心は感じられません。将棋を指していて楽しいとか面白いという感情が感じられないのです。
私の読解力が足りず、こんな事を思ったのは、私だけのような気がしますが、全部読んだ後、「あれ?」という不思議な感覚に襲われ、その理由を考え、行きついた結論がこれなのです。
もちろん、渡辺竜王がそういう感覚を表に出さないだけかもしれませんし、渡辺竜王に限らず、棋士というプロなのでそういう感情は捨てる、或いは、表に出さないものなのかもしれません。(でも、羽生三冠や佐藤王将は楽しそうに見えるのですが)