「入道様の国造りは、まこと、お父の目指した国造りと同じなのか」(小兎丸)
「お母は、まだ、計りかねておる」(桃李)
「わしは最後まで計りかねておった、清盛入道が器を。あの方は、この国の宝か、それとも災いか。この戦に我が身を投じた今もって、分からぬのだ」(源頼政)
「上へ上へではなく、横へ横へと広がっていく世を造りたい。それが兄上の志であったはず。
かように人々の思いを蔑ろにした強引な遷都の末に、そのような世が来るとは、到底思えませぬ」(頼盛)
「そのような世を見せてやるというておるのが、分からぬのかあっ!」
(頼盛以下、皆、沈黙…)
「遷都は、まこと為さねばならぬ事であったのか」(高倉上皇)
「朕はまこと飾り物に過ぎぬ」(高倉上皇)
「我が父の、横へ横へと広がる国造り、まだ途上でございます」(徳子・建礼門院)
「本妻が居っては、側めの白拍子が出入りしにくかろう。たったおひとりで、あれだけの務めをなさっておられるのじゃ。お側めの一人や二人、おらぬ筈はあるまい」(時子)
「武士の世………あの方の目指してこられた武士の世とは何なのじゃ。
武士の世とは、こうして…平家ばかりがよい思いをする国造りの事なのかっ!」(頼朝)
「これが、お手前の面白う生きることにござりまするか?お手前の目指した武士の世にござりまするか?」(西行)
「西行、そなたには分からぬ。そなたにも、誰にも……はははははは……」
「よいかぁ、わしに逆らう者は、皆、死罪と心得よ!
ここはわしの世じゃ。武士が頂に立つ世じゃ。
わしの目にしか見えん、わしの国を造るのじゃ。
すべてを手に入れ、復讐するのじゃぁ!」
(目が見えていないようで、ふらつきさまよう)
(仏御前に手を掛けようとし、拒絶され)
「殺せぇ!」
(家来が集まり、仏御前に矢を射ようとする)
このシーンが舞子(清盛の母)の最期のシーンとダブる
「何をしておる。………やめよぉお~っ!」(盛国)
「んん~ん、ぅんんん~む」
「助けてくれ、誰か、助けてくれぇ。
暗闇ばかりじゃ。ここからの眺めは…果てしない暗闇。
手に入れても、手に入れても…光には…光には…届かぬ」
頼朝の挙兵を聞き、暗闇の中、ある一点を目指す。
そして、刀にたどり着く。刀に抱きつきながら
「くう~~~ん、くう~~~ん」
刀を手にし、立ち上がる清盛……清盛を暗闇から脱出させたのは頼朝の挙兵だった
西行、頼盛、頼朝、時子……すべての者に理解できない清盛の国造り。
前回ラストのナレーションのように暗闇の中をさまよう清盛だった。
権力の頂点から眺めは暗闇だった。
権力に溺れ、暗闇に囚われてしまった清盛の表現は見事だった。
しかし、暗闇から救ったのは頼朝だったというのには、納得できない。
確かに、ドラマ的にはライバル、平家を滅亡に追いやる頼朝が適切だとは思うが、伊豆でのほほんとしていた頼朝ではおかしい。
清盛を立ち直らせるのは、ずっと清盛に従い支えてきた盛国でなければならないのではないだろうか!
ナレーション(頼朝)が、その特権を行使して、勝手に一文付け加えたのかと思っちまったぜ。
西光の言った「復讐」を認めてしまっているのも不満(ドラマを振り返ると、清盛に復讐心は感じられず、復讐よりは私欲が妥当)
相変わらず過去の出来事(伏線)を回収するのがうまい。
今回は、仏御前に矢を向けるシーンと舞子の最期のシーンをダブらせていた。
日本一不幸の似合う女優・木村多江、画的には映えるが、ただ美貌で清盛に寵愛されるだけの今回のドラマの仏御前では彼女は役不足(彼女の実力では勿体ない)。
久しぶりの平家笑劇場
「今しばらく、ご滞在なさっては」(知盛)
「早うお帰りになりたい理由があるのであろう」(時忠)
「とっとととっととと時忠ぁ!」(清盛)
(時忠、にやにや)
「何でござりますか?」(時子)
「むろん、新しき都造りにござります」(盛国)
ただ、前回の流れからすると、まともそうな清盛は余分だった。
義朝を見限り、清盛に付いた頼政。
清盛の器を最後まで計りかねていた。見限ったわけでなく、感情に従った決断だった。
不遇な以仁王、最後に頼政を気遣っていた。
良いシーン、いえ、このシーン好きかも。
【ストーリー】番組サイトより
不遇の皇子・以仁王(もちひとおう・柿澤勇人)が諸国の源氏に宛てた平家打倒の令旨が、伊豆の源頼朝(岡田将生)にも届いた。頼朝は源氏が再び立ち上がり、平家を攻めるときが迫っていると感じつつも、戸惑いを隠せない。そんな中、使者の源行家(江良潤)は、この挙兵には頼政(宇梶剛士)も参じていると伝える。時政(遠藤憲一)らに鼓舞され、頼朝はついに戦支度を始める。
そのころ清盛(松山ケンイチ)は、福原の新都建設計画に没頭していた。そのかたわらにはいつも、仏御前(木村多江)がいた。それまでちょう愛をうけていた祇王(尾上紫)と祇女(花影アリス)はすっかり取り残されていた。その姿を見ていた亡き兎丸の子・小兎丸(高杉真宙)は、清盛の目指す国づくりに疑念を抱く。
5月、以仁王の館にいた源頼政(宇梶剛士)は、上洛した清盛から呼び出される。よもやたくらみが露見したかとおののく頼政に、清盛は楽しげに福原遷都の計画を聞かせる。そして、亡き源義朝(玉木宏)とともに目指した武士の世をつくるため、協力を請うのだった。
その後、清盛は体調を崩した息子・知盛(小柳友)を見舞う。病床に伏していた知盛は、近ごろ馬が駆け回る音がよく聞こえると告げる。そのひと言が発端となり、清盛は以仁王のたくらみを知ることになる。露見したことを知った以仁王はすぐさま園城寺に難を避け、頼政もあとを追った。頼政までが以仁王側についたことを知った清盛は激怒する。平家側の厳しい追討から逃れ続け疲労困ぱいする以仁王と頼政。頼政は宇治川で奮戦するが敗走。やがて頼政は自害、以仁王も討ち死にし、全国に拡大する前に以仁王の乱はあっけなく終わった。
頼朝は神妙な面持ちでその知らせを聞きながら、己の初陣・平治の乱のことを生々しく思い出していた。そして、心の中で何かが騒ぐのを感じるのだった。
乱が鎮まった後、清盛は遷都計画をさらに急ぐ。誰もが反対するなか、内裏が出来上がらぬうちに遷都を強行。安徳天皇や高倉上皇(千葉雄大)、徳子(二階堂ふみ)らは福原にうつった。本当に遷都する必要があったのかと疑問をぶつける高倉上皇に、清盛はすべてを任せるよう諭す。
評判の悪い遷都のうわさは伊豆にも届いた。頼朝は東国武士たちの不満の声が高まっていることも聞き、清盛の目指した武士の世とは何なのかと、ふつふつと疑念がわきあがってくる。
福原の清盛を西行(藤木直人)が訪れると、清盛は仏御前のために祇王と祇女を踊らせる座興を行った。そのむごい仕打ちを見た西行は、昔の清盛や義朝と将来を語り合った思い出を話し、おもしろき世をつくりたいと願った清盛の世とはこれかと問い詰める。そこへ頼盛(西島隆弘)が急報として、高倉上皇の政治を摂政・基通に託したいという願いと、都を京へ戻したいという声が高まっていることを告げた。
逆上し自分を見失った清盛はすべてを自分の思いどおりにするのだとわめき散らし、恐怖からその場を逃げ出そうとする仏御前を、射殺させようとする。それはかつて清盛の母(吹石一恵)が殺された姿に重なる光景だった。清盛はうなされたように自分が暗闇の中にいることを告げて助けを求めた。さらにそこへ、忠清(藤本隆宏)が頼朝の挙兵を知らせにとびこんできた。清盛は自らの剣を握りしめ、武士らしい闘志を込めた表情に一変した。頼朝の挙兵こそ、清盛が暗闇を抜け出すきっかけになったのである。清盛の体に流れる武士の血が、久方ぶりに騒ぎ始めていた。
「お母は、まだ、計りかねておる」(桃李)
「わしは最後まで計りかねておった、清盛入道が器を。あの方は、この国の宝か、それとも災いか。この戦に我が身を投じた今もって、分からぬのだ」(源頼政)
「上へ上へではなく、横へ横へと広がっていく世を造りたい。それが兄上の志であったはず。
かように人々の思いを蔑ろにした強引な遷都の末に、そのような世が来るとは、到底思えませぬ」(頼盛)
「そのような世を見せてやるというておるのが、分からぬのかあっ!」
(頼盛以下、皆、沈黙…)
「遷都は、まこと為さねばならぬ事であったのか」(高倉上皇)
「朕はまこと飾り物に過ぎぬ」(高倉上皇)
「我が父の、横へ横へと広がる国造り、まだ途上でございます」(徳子・建礼門院)
「本妻が居っては、側めの白拍子が出入りしにくかろう。たったおひとりで、あれだけの務めをなさっておられるのじゃ。お側めの一人や二人、おらぬ筈はあるまい」(時子)
「武士の世………あの方の目指してこられた武士の世とは何なのじゃ。
武士の世とは、こうして…平家ばかりがよい思いをする国造りの事なのかっ!」(頼朝)
「これが、お手前の面白う生きることにござりまするか?お手前の目指した武士の世にござりまするか?」(西行)
「西行、そなたには分からぬ。そなたにも、誰にも……はははははは……」
「よいかぁ、わしに逆らう者は、皆、死罪と心得よ!
ここはわしの世じゃ。武士が頂に立つ世じゃ。
わしの目にしか見えん、わしの国を造るのじゃ。
すべてを手に入れ、復讐するのじゃぁ!」
(目が見えていないようで、ふらつきさまよう)
(仏御前に手を掛けようとし、拒絶され)
「殺せぇ!」
(家来が集まり、仏御前に矢を射ようとする)
このシーンが舞子(清盛の母)の最期のシーンとダブる
「何をしておる。………やめよぉお~っ!」(盛国)
「んん~ん、ぅんんん~む」
「助けてくれ、誰か、助けてくれぇ。
暗闇ばかりじゃ。ここからの眺めは…果てしない暗闇。
手に入れても、手に入れても…光には…光には…届かぬ」
頼朝の挙兵を聞き、暗闇の中、ある一点を目指す。
そして、刀にたどり着く。刀に抱きつきながら
「くう~~~ん、くう~~~ん」
刀を手にし、立ち上がる清盛……清盛を暗闇から脱出させたのは頼朝の挙兵だった
西行、頼盛、頼朝、時子……すべての者に理解できない清盛の国造り。
前回ラストのナレーションのように暗闇の中をさまよう清盛だった。
権力の頂点から眺めは暗闇だった。
権力に溺れ、暗闇に囚われてしまった清盛の表現は見事だった。
しかし、暗闇から救ったのは頼朝だったというのには、納得できない。
確かに、ドラマ的にはライバル、平家を滅亡に追いやる頼朝が適切だとは思うが、伊豆でのほほんとしていた頼朝ではおかしい。
清盛を立ち直らせるのは、ずっと清盛に従い支えてきた盛国でなければならないのではないだろうか!
ナレーション(頼朝)が、その特権を行使して、勝手に一文付け加えたのかと思っちまったぜ。
西光の言った「復讐」を認めてしまっているのも不満(ドラマを振り返ると、清盛に復讐心は感じられず、復讐よりは私欲が妥当)
相変わらず過去の出来事(伏線)を回収するのがうまい。
今回は、仏御前に矢を向けるシーンと舞子の最期のシーンをダブらせていた。
日本一不幸の似合う女優・木村多江、画的には映えるが、ただ美貌で清盛に寵愛されるだけの今回のドラマの仏御前では彼女は役不足(彼女の実力では勿体ない)。
久しぶりの平家笑劇場
「今しばらく、ご滞在なさっては」(知盛)
「早うお帰りになりたい理由があるのであろう」(時忠)
「とっとととっととと時忠ぁ!」(清盛)
(時忠、にやにや)
「何でござりますか?」(時子)
「むろん、新しき都造りにござります」(盛国)
ただ、前回の流れからすると、まともそうな清盛は余分だった。
義朝を見限り、清盛に付いた頼政。
清盛の器を最後まで計りかねていた。見限ったわけでなく、感情に従った決断だった。
不遇な以仁王、最後に頼政を気遣っていた。
良いシーン、いえ、このシーン好きかも。
【ストーリー】番組サイトより
不遇の皇子・以仁王(もちひとおう・柿澤勇人)が諸国の源氏に宛てた平家打倒の令旨が、伊豆の源頼朝(岡田将生)にも届いた。頼朝は源氏が再び立ち上がり、平家を攻めるときが迫っていると感じつつも、戸惑いを隠せない。そんな中、使者の源行家(江良潤)は、この挙兵には頼政(宇梶剛士)も参じていると伝える。時政(遠藤憲一)らに鼓舞され、頼朝はついに戦支度を始める。
そのころ清盛(松山ケンイチ)は、福原の新都建設計画に没頭していた。そのかたわらにはいつも、仏御前(木村多江)がいた。それまでちょう愛をうけていた祇王(尾上紫)と祇女(花影アリス)はすっかり取り残されていた。その姿を見ていた亡き兎丸の子・小兎丸(高杉真宙)は、清盛の目指す国づくりに疑念を抱く。
5月、以仁王の館にいた源頼政(宇梶剛士)は、上洛した清盛から呼び出される。よもやたくらみが露見したかとおののく頼政に、清盛は楽しげに福原遷都の計画を聞かせる。そして、亡き源義朝(玉木宏)とともに目指した武士の世をつくるため、協力を請うのだった。
その後、清盛は体調を崩した息子・知盛(小柳友)を見舞う。病床に伏していた知盛は、近ごろ馬が駆け回る音がよく聞こえると告げる。そのひと言が発端となり、清盛は以仁王のたくらみを知ることになる。露見したことを知った以仁王はすぐさま園城寺に難を避け、頼政もあとを追った。頼政までが以仁王側についたことを知った清盛は激怒する。平家側の厳しい追討から逃れ続け疲労困ぱいする以仁王と頼政。頼政は宇治川で奮戦するが敗走。やがて頼政は自害、以仁王も討ち死にし、全国に拡大する前に以仁王の乱はあっけなく終わった。
頼朝は神妙な面持ちでその知らせを聞きながら、己の初陣・平治の乱のことを生々しく思い出していた。そして、心の中で何かが騒ぐのを感じるのだった。
乱が鎮まった後、清盛は遷都計画をさらに急ぐ。誰もが反対するなか、内裏が出来上がらぬうちに遷都を強行。安徳天皇や高倉上皇(千葉雄大)、徳子(二階堂ふみ)らは福原にうつった。本当に遷都する必要があったのかと疑問をぶつける高倉上皇に、清盛はすべてを任せるよう諭す。
評判の悪い遷都のうわさは伊豆にも届いた。頼朝は東国武士たちの不満の声が高まっていることも聞き、清盛の目指した武士の世とは何なのかと、ふつふつと疑念がわきあがってくる。
福原の清盛を西行(藤木直人)が訪れると、清盛は仏御前のために祇王と祇女を踊らせる座興を行った。そのむごい仕打ちを見た西行は、昔の清盛や義朝と将来を語り合った思い出を話し、おもしろき世をつくりたいと願った清盛の世とはこれかと問い詰める。そこへ頼盛(西島隆弘)が急報として、高倉上皇の政治を摂政・基通に託したいという願いと、都を京へ戻したいという声が高まっていることを告げた。
逆上し自分を見失った清盛はすべてを自分の思いどおりにするのだとわめき散らし、恐怖からその場を逃げ出そうとする仏御前を、射殺させようとする。それはかつて清盛の母(吹石一恵)が殺された姿に重なる光景だった。清盛はうなされたように自分が暗闇の中にいることを告げて助けを求めた。さらにそこへ、忠清(藤本隆宏)が頼朝の挙兵を知らせにとびこんできた。清盛は自らの剣を握りしめ、武士らしい闘志を込めた表情に一変した。頼朝の挙兵こそ、清盛が暗闇を抜け出すきっかけになったのである。清盛の体に流れる武士の血が、久方ぶりに騒ぎ始めていた。