英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

TOKYO エアポート ~東京空港管制保安部~ 第6話「究極の選択-1人の命vs200人の命」

2012-11-23 10:48:34 | ドラマ・映画
面白かった管制(究極の選択)の前半部分が、後半のグダグダな話で台無しになってしまった。

 ターミナルレーダー室での指示は、不謹慎かもしれないが、将棋に似ていると思った。
 個々の航空機の状態を考え、着陸の順番を考える。この手段を採った場合、他機への影響も考え、大局的に判断して優先順位を決める。将棋も局部の損得を考え、その局部のどれがより重要かを考える。一見、どちらを先にしても同じに思えても、手順前後が取り返しのつかなくなる事も多い。
 それはともかく、「大臣ひとりと一般人200人の命、どちらを採るか」(自明のような気がするが)、また、「重量オーバーの機体の着陸で滑走路が使用不能になったらどうなるか」、「燃料を投棄した場合どういう事態が発生するか」などの瞬時の判断をしていく緊迫のシーンは面白かった。
 後半、この近藤の判断が問題視されて云々、というのは、観ているほとんどの視聴者は先のシーンで、予想はしたと思うが、それを実際に問題視したのは、上層部や政府ではなく報道だった。
 それが情報不足からの誤った報道ではなく、大臣の命だけを重要視した歪んだ報道一辺倒で、あまりにも不自然。
 管制部長・田辺と口論になるシーンは必須としても、その後、「近藤は間違っていない」の台詞の繰り返しで冗長感が強かった。近藤の台詞「当たり前だ」を引用したい。それなら、レーダー室から管制塔に管制を移して着陸シーンまで描いて欲しかった。
 主人公・香織はまったく存在価値がなかった。もちろん、まだ、一人前ではないようなので、今回の場合はそれでもいいのだが、それならそれで、「余計なことはするな」(by結城主幹管制官)である。
 「どちらが正しいんでしょうか?」(効率、安全、どちらを重視するかでも口論する近藤と竹内に)……ただ投げ掛けただけの台詞で結論はなし
 「どうするんですか?」(政府専用機は燃料陶器の許可を求めてきた時、近藤に)……会話の流れを考えると必要のない台詞
 「近藤さんっ」(専用機の機長からの強いリクエストを退けた時)……ただ呼びかけただけで、香織が具体的な意見を持っていたわけではない
 「こんなことで管制卓に立てないなんて、近藤さんは何も間違ったことはしていないのに」(別室で結城主幹と氷室先任管制官に対して)……キミが言わなくても分かっている
 「近藤さんの指示は正しかったと思います」「私たちは何が正しかったか知っています。私たちは必ず、近藤さんを管制官として復帰させてみせます。近藤さん、頑張ってください」……この状況で近藤に何をどう頑張れというのだ。「耐えてくれ」という方が即している。「偉くなったもんだな」(by近藤)、ほんとそうだ!

 「篠田、頑張れよ。いい管制官になれ」……死亡フラグ?(笑)あっ、辞表を出したのか。

 今回の話は、主人公・香織の見せ場はほとんどない。それでいいと思うが、そこを無理やり香織の台詞や行動を挿入していて、それが鼻に付いてしまう。
 それにしても、締まりの悪いロッカーだ。

【ストーリー】番組サイトより
篠田香織(深田恭子)は管制官としての昇格をかけた試験を控え、「敷島珈琲」で近藤幸宏(要潤)、山下佑司(瀬戸康史)、岡本哲治(長谷川朝晴)に様々なシチュエーションにおける管制の意見を聞いていた。いつまでもコーヒーを飲まない面々に苛立ちを募らせる敷島貴志(野間口徹)だが、香織は話を終えると早々に店を出ていく。途中、復帰して初出勤となる本上圭介(平岡祐太)を出迎え、言葉をかけると自らも羽田空港へ向かう。

国土交通大臣の栗山(橋爪淳)が管制塔の視察にやってきた。案内役を頼まれた香織は、矢野元治(梶原善)と共に施設や仕事を説明していく。案内が終わると、会議室に移り、結城昇(時任三郎)と氷室一生(別所哲也)との空港運営についての話し合いが始まった。栗山は、管制官の労働環境の改善を訴える結城の意見に耳を傾け、改めて話を聞く約束をする。

午後になり、国際会議へ出席するため首相と栗山が政府専用機でオーストラリアに出発した。政府専用機は無事に離陸したものの、空港付近は強風のためと、着陸機からオイル漏れがあったことで、1本を除いた滑走路が一時閉鎖になっていた。

数十分後、メディカルエマージェンシーにより政府専用機が羽田に引き返してくることになった。同じタイミングで1機の旅客機からエンジントラブルによる緊急着陸の要請が入る。滑走路が1本しかなく、共に一刻を争う中、ターミナルレーダー室で指示を出すことになった近藤は…。
コメント
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