英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『平清盛』 第44話「そこからの眺め」

2012-11-11 21:40:09 | ドラマ・映画
「いかがにござりますか?そこからの眺めは」
…………国の頂に立った清盛に対して祇園女御が問いかけた言葉
この問いは、清盛が病に倒れ死の淵にいる時、白河法皇が清盛に掛けた言葉「そちはまだ知らぬ。のぼりきったその果ての景色を」という言葉を引き継いでの言葉である。
 白河法皇の物の怪の血を引き継ぐ清盛が、ついに国の頂に立ちどんな景色を見たのだろうか?それは白河法皇と同じ景色だったのだろうか?
 暗転……何も見えないと言う事なのだろうか?タモリが出てきそうなエンディングだった。
 祇園女御の言葉の合間に、後白河法皇の不敵な笑みが挿入されていたが、後白河法皇も同じ景色を見ていたと言う事なのだろうか。


あまりにも非業な重盛の死
 今回、前半部分に重盛の死が描かれていた。清盛には自分の心が伝わったようだが、後白河法皇は重盛の心がまったく響いていないようで、死の淵に居る重盛をいたぶる非道ぶり。
 脚本家的には「清盛と後白河法皇との板挟み」で、ドラマを通して観れば、清盛、後白河法皇だけでなく、腹違いの弟たちに気を使い、義兄・成親に足を引っ張られ、できた妻を思いやりと、周囲に気を配ってばかり。誠実な性格ゆえ、心が休まらない一生であった。
 最後は、命を懸けて守った後白河院にトドメを刺された。

 重篤な重盛に、双六遊びを無理強いしていたぶる後白河法皇(『ライアーゲーム』より非道だ)。その様を、清盛に見せつける。これは、ふたりが若き頃、重盛を賭けて双六をしたことに掛けている(賭けは一方的に後白河法皇が持ちかけた)

 この脚本家さん、かなり以前に伏線を張っておいて、それを回収し、昇華させるのが得意。
 それにこだわり過ぎて、登場人物を駒のように扱い過ぎて、その心情が描かれなかったり、一貫性がなくなってしまうと言う本末転倒さが残念であるが、今回は見事だった。


 残念だったのは、私の勉強不足だと思うが、
後白河法皇、高倉天皇、清盛の権力関係がよくわからない。
後白河法皇は摂関家の所領や重盛の領地を没収。清盛は対立勢力を解官。それぞれが、強引にしていた。
 清盛は、東宮の祖父としての権力を持っていたと考えればよいのだろうか?
 でも、ふたりとも、かなり強引に事を進めていた。朝廷での権力や法的根拠は?


 それはともかく、見応えがあった今回。
 重盛の死と清盛がついに国の頂に立ったという出来事、この二つが一話(一週分)になってしまったのは勿体ないと思うのは、贅沢な不満なのであろうか。


【ストーリー】番組サイトより
後白河法皇(松田翔太)と清盛(松山ケンイチ)のはざまで、心労を重ねていた嫡男・重盛(窪田正孝)は病の床に伏す。そして清盛の娘で摂関家に嫁いでいた盛子が病死。平家に暗雲がたちこめる。清盛が厳島参詣で都を離れているすきに、後白河法皇は関白・基房(細川茂樹)と手を組み、盛子の所領を没収、重盛にも魔の手をのばす。一方、平家では重盛の代わりを誰にするか論議になっていた。時忠(森田剛)は時子(深田恭子)の息子・宗盛(石黒英雄)を推すが、反対する者も多く一門は分裂の危機を迎える。そんな中、後白河法皇は重盛を見舞い、無理難題を押しつけ苦しめる。そこに現れた清盛は怒り法皇をどう喝するが、重盛はすでに死の淵にいた。
コメント
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