1月31日、世界銀行は、「カンボジア国別経済覚書: 回復する開発 カンボジアの成長モデルの多角化戦略」と題する報告書を発表しました。1995年から2019年までのカンボジアの平均GDP成長率は7.7%に達していますが、2020年はマイナス3.1%、2021年は2.2%に落ち込みました。その原因の主なものはもちろん新型コロナですが、カンボジアの輸出品・輸出市場・資金源等が偏っていたことも外的ショックの緩和がうまくいかなかった背景となっているとしています。具体的には、縫製品、履物、コメ、キャッサバ、観光の5品目だけで輸出の80%を占めています。輸出先も、米国とEUだけで合計69%となっています。また、資金源も、外国直接投資と政府開発援助に頼っており、総資本形成の72%を占めています。更に、労働生産性の低さが課題であることに加え、最近は全要素生産性が低下していると指摘しています。
この状況に対する対策として、生産性の向上、輸出の多様化、国内投資の振興をあげています。生産性の向上については、労働者への教育・訓練投資だけでなく、企業の生産性を向上させるためのビジネス環境の改善、高付加価値産業へのシフトを促進するための政策等が必要としています。輸出の多様化については、国際バリューチェーンを活用した製造業振興、農産品の付加価値向上、輸出競争力の向上等をあげています。国内投資の振興については、国内投資を支える貯蓄の振興が必要だとしています。そのために、高い金利の預金振興、金融機関へのアクセス改善、金融デジタル化の促進、預金口座や金融商品に関するコスト改善等が必要としています。更に、長期定期預金の振興、預金保護制度、金融リテラシーの向上、国債関連法令の整備等にも言及しています。
生産性向上や国際競争力の向上に加え、国内での貯蓄振興を提言した点が注目されます。日本の高度成長期にも投資資金不足が課題となり、銀行の融資を支えるために国を挙げて貯蓄を振興していました。日本の経験をこの分野でも活かす機会があるものと見られます。
(写真は、カンボジアの商業銀行最大手のACLEDA銀行)
世界銀行の新聞発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2022/01/31/productivity-
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この状況に対する対策として、生産性の向上、輸出の多様化、国内投資の振興をあげています。生産性の向上については、労働者への教育・訓練投資だけでなく、企業の生産性を向上させるためのビジネス環境の改善、高付加価値産業へのシフトを促進するための政策等が必要としています。輸出の多様化については、国際バリューチェーンを活用した製造業振興、農産品の付加価値向上、輸出競争力の向上等をあげています。国内投資の振興については、国内投資を支える貯蓄の振興が必要だとしています。そのために、高い金利の預金振興、金融機関へのアクセス改善、金融デジタル化の促進、預金口座や金融商品に関するコスト改善等が必要としています。更に、長期定期預金の振興、預金保護制度、金融リテラシーの向上、国債関連法令の整備等にも言及しています。
生産性向上や国際競争力の向上に加え、国内での貯蓄振興を提言した点が注目されます。日本の高度成長期にも投資資金不足が課題となり、銀行の融資を支えるために国を挙げて貯蓄を振興していました。日本の経験をこの分野でも活かす機会があるものと見られます。
(写真は、カンボジアの商業銀行最大手のACLEDA銀行)
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