米国プロパガンダに乗せられる、ミャンマー産経記事
2007/09/27映像ジャーナリトの長井さんが射殺された1年目を受けて、各紙では「ミャンマー」問題ついて特集した。
産経新聞では、ワシントン配信員が米国の立場で米英の利益擁護を弁護するようにミャンマー軍事政権を強く非難している。
だから、アウン・サン・スー・チー氏の自宅軟禁とその政治的な立場、主張に関しても歴史的な経緯、現実を無視して単純に軍事政権を非難するという事をやっている。
その上、米メリーランド州に本部を構える亡命政権、「ビルマ連邦国民連合政府」(NCGUB)に取材して説明させている。そこに視点か欠けているというのは、その「ビルマ連邦国民連合政府」(NCGUB)の運営にはどこから金が出ているか追求していないところだ。
日本は、ODAと称してわずかな援助を行っていたが、昨年の「長井さんの射殺事件」を受けて中止してしまった。結果、いわゆる西側の援助国は消滅し日本の発言権も失ってしまった。
即ち、「長井さんの射殺事件」というのは、日本、ミャンマーに取っても重大事件だったし、互いに大きな利益を消失した。
利益を得たのは反ミャンマー軍事政権側でしかないというのはどういう事なのか、検討したのだろうか。
さて、読売新聞2008/09/26より3日連続・上・中・下と「一年後のヤンゴン」と称してミャンマーとその軍事政権の現状について「現地ヤンゴンに入ってルポ」している。
ルポは、稲垣収一氏。
その中で、上・中では現在のミャンマー軍事政権での政情、上「偽りの民主化」中「生活苦 誰も助けてくれない」と現状分析をして、下「スー・チーさん不在のNLD結成20年」と実は、アウン・サン・スー・チー氏の政治的欠点を指摘している。
アウン・サン・スー・チー氏というのは、元々日本などの経済援助を反対して強く日本を非難していた人物だ。
要するに、国民がどんなに飢え苦しんでも、今の軍事政権が潰れればそれでよいと言う姿勢は常に一貫している。
なぜならスー・チー氏は大金持ちで食うに困らないからだ。
ところが軍事政権というのは、北朝鮮の将軍様とは全く違う。
実は、現実を見て国民を豊かにしたいと思っている政権である。
そこを外国の謀略組織が金を使って暴動を起こさせたという感覚を持っているのが今の軍事政権である。
だから、サイクロン直撃後、救援物資を搭載した米英仏の軍艦を拒否する様なことになった。それは、外国軍隊による軍事制圧、そうでなくとも反政府組織に金銭その他の謀略を警戒してのことであることは間違いない。
たとえば、日本だったらすんなり受け入れた筈だろう。
それだけ、軍事政権は欧米の介入を危険視している。
それで、読売新聞では、アウン・サン・スー・チー氏の影響について、在ヤンゴン外交筋の評論として、「NLDの非現実的な対応批判」している。
一方、国外の民主運動家の言として「スー・チーさんは政治・社会の現実との接触を断たれ、判断は硬直化している」として指摘しいると述べている。
事実、ヤンゴンの学生は「完全な自由を今すぐ手にしてはいけない。混乱をきたすだけだから‥‥」とある程度の政治と経済の安定を望んでいる。
そして、そのアウン・サン・スー・チー氏のかたくなな一面は、かってヤンゴン入りしたガンハリ国連事務総長特別顧問との面会を拒否していることからも分かるというものだ。
現地取材したものの現実と米国から、欧米的な観念に導かれた記事とどちらが正しいのか‥‥‥
米英国が軍事政権を嫌悪し、英国の代理人であるアウン・サン・スー・チー氏を押すのは良く分かる。しかし、現実問題それがよいのか考えてみる必要があるだろう。
何と言っても、英国は占領したとき隣国の王妃と王女を奴隷として売り飛ばした実績のある国だ。
東南アジアでは、欧米は侵略国としてしか接していないという現実よく目を見極める必要がある。