「いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ」と古森氏がアメリカのオバマ政権に対して警告する。古森氏と言えば、米国在住で「アメポチ」として米国を非難しないので有名だった。
しかし、ここでこの古森氏が米国に対して「注意を促す」というのは余程のことであろう。
この著書では、民主党政権のオバマ大統領のリベラル姿勢が、二期目に入って上院議員時代に逆戻りしはじめていると警告している。
米国のリベラルと日本のリベラルとの違いは、米国のリベラルというのが「大きな政府」、「社会主義化傾向」を示すものである。
「社会主義化傾向」であるから当然従来の事柄に対して種々の規制を行うのに対して、「同性愛」や「避妊中絶」には自由を主張する。
そして、オバマ政権では高所得層への増税を主張している。これで年間所得25万ドル以上の世帯への所得税を33%から38%・・・と引き上げる措置を就任早々の2009年1月に予算案に盛り込んだという。
年間所得25万ドルというのは、日本では大会社の社長でも年収数億円ということは希であるから高いように思われる。
しかし、日産のゴーン社長やSONYの元外人社長など軽く億単位の年収をもらっていることから見れば、米国での成功者の年間所得25万ドルは安いかもしれない。
米国の場合、元々「アメリカン・ドリーム」という思想があって、成功すれば高額な所得と豊かな暮らしが保証された。
「オバマケア」という国民皆保険制度やおよそ年収2500万円の収入に対する所得税などは、日本から見れば、既に行われている。(日本1,800万円超-40%)
すると日本というのは既に米国から見れば「社会主義国」なみと言うわけである。
こういうリベラルという面に対して、米国の古き良き時代「アメリカン・ドリーム」や「アメリカン・ウェイ・オブ・ライフ」と小さな政府、規制のない社会を標榜するのが保守派である。
そして、保守派というのは共和党系であって、既に米国下院では共和党に過半を占められてしまっている。(2011年の中間選挙)
第二期目の選挙では、民主党と共和党とは得票率で実は僅差で、小生の考えでは既に拮抗していると思われる。
要するに米国では、オバマ大統領の政策は米国民の半分が指示していないか無関心であることであろう。
ここで表題の「いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ」というのは、オバマ政権というのが完全に内向きになっていると言うことである。
そしてその影響は軍事費の削減に現れていて、海外展開している米軍の規模を縮小している。
(4年間で800億ドル国防予算削減)
これによって、日本の防衛や安全保障は米国に任せておけば良いという時代は曲がり角に来ていると主張する。
オバマ大統領の「アメリカらしさ」の放棄はこういう安全保障にまで波及している。
(第3章 日米同盟が変わる)
こういうことで、オバマ大統領は直接には言及していないけれど、尖閣諸島で軍事衝突が起きても米国は手出しをしないというスタンスを取っていると思われる。
それは、中国寄りとも言えるし「パンダハガー」という、中国に米国製品を買ってもらうという市場としての価値を求めている。
こんなことから見ると「太平洋戦争」前夜のルーズベルト大統領の民主党、今の米国民主党とは全く変わっていないと言うことがよく分かる。
そうであるならば、未だに先の戦争の戦後体制と日本は「悪い国」という概念の固定を押しつけてくることは間違いない。
ところが日米同盟を強固にして、尖閣諸島防衛もしっかり守ると言うものでないことが弱いところでもある。
米国が守ってくれないのに、米国の言うことを逐次聞いていては国が守れないというのは当たり前のことで、先の「安倍首相の靖国参拝」と言うことが絡んでくる。
いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ (幻冬舎新書)
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こういうふうにオバマ政権というのは、米国の意見の半分を代弁しているというだけ。
それでいて、日本の防衛に関しては及び腰であるなら日本としてもそれなりの立場を取らなければならない。
そして、小生が考えるところに寄れば「安倍首相の靖国参拝」は、米国政府に関する踏み絵だったのではないかと思う。
米国大使にキャロライン・ケネディ氏を任命して、ついこの前まで新聞雑誌、テレビなどが人気を煽っていたりしていた。
中には「ケネディ・ファション」が流行るかもしれないと「アメポチ」ぶりを表すマスコミもあった。
しかし、公式行事でのドレスコードも守れないだけでなく「靖国問題」での無能さを露呈してしまった。
その一方で、この「いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ (幻冬舎新書) 」に見るマスコミ問題を見ると、米国は間違いなく日本国民の民意を見誤ったのではないかと思う。
それは、駐日アメリカ合衆国大使館のFacebookが抗議で炎上していると言うことからも明らかである。
そして、日本のマスコミは、米国の報道機関などを引用したりしているのだが、この米マスコミは、完全に民主党寄りで米国の実情を伝えていない。
こんなふうにして、米国が核の傘どころか日本そのものも守ってくれないのではないかと言う疑惑を警告したと言うのが、この「安倍首相の靖国参拝」の意義なのではないかと思われる。
★米国は、日本の国民世論を読み違えたことに気づいて、既に「靖国問題」での報道を修正している。
それと共に、日本は有力な同盟国であると言うことも再度強調している。
(2014/01/01現在)
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