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「国難の正体」の本は、昨年の12月発刊のものである。この本がなかなか買えなくてやっと買ったら3刷になっていた。
この著者の馬渕睦夫氏は元外交官で、その外交官経験と公開されている書簡、回顧録というものを読み解いて本書を書いているという。
従って、
第一章・戦後「世界史」の正体
第二章・超大国「アメリカ」の正体
のここまでは秀逸で、
○冷戦、○中華人民共和国建国の謎、○朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争等の裏というものを当時の為政者の回顧録などから明らかにしている。
特に中華人民共和国建国の謎などを読むと憤懣もので、中共がよくも蒋介石軍に勝って建国したと言うものである。
日本が降伏したあと、米国のマーシャル参謀総長が蒋介石軍に武器援助をせず停戦させ、八路軍(共産党軍)が満州に攻め込んで立て直すまで待たせた。
そこに米国が武器援助して蒋介石軍が負けたのだという。
朝鮮戦争にしても、当時国務長官だったマーシャル元参謀総長は、マッカーサーが連隊長にするのにも使い物にならなくてお払い箱にした大佐だったという。
それが何十人抜きで参謀総長、元帥にまでなった。
歴史(朝鮮戦争の映画も)を見て制空権を握っているのに、勝てないというのはおかしなものだったと思っていた。
この「国難の正体」を見れば、なるほどと納得するものがある。
それはベトナム戦争もそうである。北ベトナム軍が降伏する寸前まで追い込まれてあと一息と言うところで、米軍が撤退したというのはよく覚えていることである。
これにも当然裏があったと読み解いている。
国難の正体――日本が生き残るための「世界史」
こんなふうにして、第1章、2章は本を置くことができないくらい面白い。
しかし、第三章の「日本」の国難の正体に来ると何だか徐々に論点がぼけてくる。
日本人には「回顧録」を書くという習慣がないからだろうか。
この回顧録を書くというのは、後年になって歴史の闇を明らかにしておく為政者の義務であるという。
だから、あのマリーアントワネットの首飾り事件でさえ、首謀者の一人である伯爵夫人は回顧録を書いて英国で出版しているほどである。
それで日本では戦後の闇というのがなかなか分からない。
そのときの為政者が回顧録を書いて、戦後政治の闇を明らかにしておけば今大分違ったろうが、あの英国人のようだった白洲次郎にしても回顧録を残したという話は聞いていない。
それで第三章の<「日本」の国難の正体> は歯切れが悪い。
そうであるならばどこから「国難の正体」を引くかといえば、西尾幹二著の「憂国のリアリズム
この「国難の正体」では、日本国難の正体の一部として、日本の戦後利得者を示している。
この戦後利得者は、いわゆる言論検閲を行った人達であった。
これが戦争直後の日給で1,000円、月給に直すと30,000円という途方もない給与で5,000人もいたという。しかもすべて国民からの税金でまかなっていた。
(馬渕氏によると、月額1,000万円に相当するという・・・1年で億万長者)
この人たちが日本の中枢に入り込んで、独立後も戦後体制を維持したという。
昔の欧州の映画を見ると、占領されてそのときの占領軍に協力した人達というのはフランスのビシー政権のように独立後は徹底的に排除された。
ところが日本では、そういうことが全くなかったと言うのが不思議だと子供の頃に歴史教科書を読んで思っていた。
考えてみれば、占領憲法である日本国憲法をそのままに、占領体制を維持してきたと言うのが戦後利得者であった。
要するに国民を延々と騙し続けてきたのが彼らだということである。
この部分は、本書「国難の正体」でも田母神問題として馬脚を現したと書かれている。
以前に映画「マトリックス」を見て、全く日本そっくりだと驚いたことがあった。
主人公「ネオ」が覚醒したのと同じように国民はネット情報によって、覚醒しつつある。
もう後戻りはできないが、このことから日本の「国難の正体」とは日本の政府官僚機構、政界、マスコミという日本人そのものになってしまっていることが分かる。
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