書道家Syuunの忘れ物

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本当は日本には対岸の火事だった・リーマン・ブラザーズの破綻

2008-09-17 23:35:43 | 日本の経済議論
本当は日本には対岸の火事だった・リーマン・ブラザーズの破綻

大消費国日本の現状を無視する金融当局の無作為による悲劇

17日朝のフジテレビ系「とくダネ!」では、前日のリーマン・ブラザーズの破綻について解説していた。
そこで、日本の影響として「円高」、「株安」。
その「円高」の影響について、「海外旅行が安くなる」、「ガソリンが安くなる」など輸入に関するものを述べたあと、やおら日本は輸出国ですから輸出企業に影響があるとかとステレオタイプに終始した。
高度成長期の様に日本が貧しく、安い円を利用して米国にものを売った時代というのは過ぎ去った。今やそんな時代ではないだろう。
この考えは、高度成長期の成功体験が忘れられない経団連の爺様と同じだ。

だから、円高になれば「銀行の自己資本比率の分子(自己資本)が株安多少下がろうともで、分母(リスク資産)が上がる」から、金融機関は貸しだしを強化することが出来ると言うことすら知らない。
最近ものを買ったことがない爺様は知らないかもしれないが、スクーター、バイクの生産はホンダは中国、ススギは台湾生産だ。
デジカメは、中国、マレーシア、ベトナム、インドネシア、台湾‥‥と日本製は高付加商品、又は初期ロットしかない。
車は、今基本的に現地生産で、米国ではローカルコンテンツ法によってほとんどの部品まで現地生産だ。
現地生産というのは中国、EUその他でも多く、日本から直接輸出するというのは特別に付加価値の高いもの。

液晶など日本に工場があると言っても、安い製品は台湾、韓国のSamsonだったりするからやはり付加価値製品。
その他、輸出製品も日本でしか出来ない高度な部品でしかない。
こう見てくると、「輸出企業に影響」があるというのは間違いないとしても、高度成長時とは様変わりしている。
すなわち日本の企業というものは今や世界的企業だ。
そして、米国がダメなら、あとの大消費国というのは日本しかないと言うのが事実である。

逆に、円高になれば海外生産している日本製品が日本で安く買えるというもの。
海外に工場がある企業ほどメリットは高い。
だから、経済評論家にマスコミがステレオタイプに「輸出企業に影響があるのでは」と言っても、誰もそうだとは言わない。
言うのは、円換算すれば減益になりますと言う程度。
日本のマスコミ、経団連の爺様達というのは、今や日本の現状を全く知らないで批判するという愚かなことになった。
このことが本来の日本という立場を無視して、単に株・金融に関する限り「日本売り」という事にしてしまった大きな原因がある。
ここに桐山秀樹著「M&A残酷物語―その時、あなたはどうする (中公新書ラクレ 278) 」というのがある。



この中の冒頭、今年春先の日本の現状について「日本パッシング」の話や「JAPAiN」と揶揄された「政治も経済も大きな問題を抱えたまま、解決できないでいると皮肉られる始末」と日本の地盤沈下、「日本売り」が書かれている。
この時期、日本が直面していたのは「円キャリー取引」でこれは今も継続して続けられいてる「日本パッシング」そのままなのだが、誰も手を打たないというのは不思議なものなのである。
そして、日本経済の本質というものは本来日本国内で消費されている。
米国がダメなら日本国内で安く売るしかないと言うのが現状だ。
そして、日本人というのは米国人に似ていて、良いものが安ければ要らないものでも買ったりするのだ。‥‥関西人は別として。
そして、日本国内で売れれば、生産拡大によって値段が下がり、又日本で広まっているという宣伝効果から今度は東南アジアに売れる。
実際はそんなものだ。そして、それは銀座にブランドショップが乱立している理由でもある。今まで、米国でなんでも買ってくれた米国が瀕死の重傷になれば、あとの望み日本しかない。
政治家や官僚、学者が憧れる北欧、EUはものを買ってくれる消費国ではない。
中国とて、買えるのは富裕層というほんの一握り。しかも株で損をしている中国富裕層に購買力はない。
要するに、日本が売られるというのは日本国内にカネがなく、ほとんど米国など利子が高い国に投資されたことによる。
米国のサブプライムローンというものは、高金利だ。
これが順調なら高い利子が付けられるというものだった。
実態を見てみればも詐欺と同じだが。

日本が再生するためには、散々言うように利上げしかない。

実は、あのリチャード・クー氏(野村総合研究所 主席研究員)が、日経・Biz Plusコラム
‥‥第11回「なぜ米政府はサブプライムで銀行救済に乗り出さないのか」(2008/09/16)‥‥
の中で日本の「ゼロ金利政策、低金利政策について」失敗であった(ある)と口を滑らせている。

 「この場合、民間がお金を借りようとしているのであれば、銀行の貸出金利を高くしておいて、調達コストを下げてやる。すると、この差がそのまま利益になるから、これを何年か続ければ、銀行の自己資本は強化されていく。米国で起きた中南米債務危機の解決方法は、まさにこのやり方だった。」
「また、日本の場合も十数年間、バブル崩壊で資産価格が下がって借金だけが残り、その結果、企業部門が一斉に借金返済に回るという状況が続いた。企業の年間の借金返済額は多いときで30兆円を超えていた。これは日本のGDPの6%分に相当する。
 日本はこの時期ゼロ金利だったが、それでも企業は借金返済をやっていた。だから、貸出金利を高くして、資金の調達コストを下げて、利ざやを銀行に稼がせるという方法は、日本ではとても使えなかったのである。」                

日銀というのはなんと愚かな集団である事よというものだ。