書名 「黄金町マリア 横浜黄金町路上の娼婦たち」
著者 八木澤高明 出版社 亜紀書房 出版年 2015
野毛に長年通っている人間にとって黄金町のちょん間と呼ばれた高架下の売春飲み屋と大岡川沿いの立ちんぼの娼婦はなじみ深いものである。あの界隈を酔いにまかせて歩き、またよく大岡川の川沿いで声をかけられたものである。まさに悪場所の雰囲気ムンムンの通りだった。それがある日忽然となくなった。あのアホ市長中田の一声で取り締まりが行われ、街が消えた。いまはアートの街になっている。それからはほとんど行くことはない。
この街で生きていた外国人娼婦を追ったルポである。魅力的なテーマだと思うし、著者はタイやコロンビアまで訪ね、娼婦たちのその後、エイズで亡くなった娼婦の両親にまで取材をしている。ただあの傑作永沢光夫の「AV女優」を読んでいるから、それと比べてしまうと、薄いなあというのが正直な感想である。娼婦の何を知りたかったのか、それが見えてこない。著者のインタビューに答える娼婦たちもまだ本音を言っていない気がする。それを知っているからフォローの取材をしたのかもしれないが・・・
むしろ黄金町の色街がなくなってからの後日談の方がそこで蠢いていた人たちの生きざまが浮かんでくるような気がした。特にこれもずっと気になっていた「黄金劇場」というストリップ小屋のストリッパーと照明さんの話は面白かった。そういえば黄金劇場も摘発されて店がしまってからずいぶん経つ。がんばってまた再開しますからという貼り紙があったが、いまはもうない。
著者 八木澤高明 出版社 亜紀書房 出版年 2015
野毛に長年通っている人間にとって黄金町のちょん間と呼ばれた高架下の売春飲み屋と大岡川沿いの立ちんぼの娼婦はなじみ深いものである。あの界隈を酔いにまかせて歩き、またよく大岡川の川沿いで声をかけられたものである。まさに悪場所の雰囲気ムンムンの通りだった。それがある日忽然となくなった。あのアホ市長中田の一声で取り締まりが行われ、街が消えた。いまはアートの街になっている。それからはほとんど行くことはない。
この街で生きていた外国人娼婦を追ったルポである。魅力的なテーマだと思うし、著者はタイやコロンビアまで訪ね、娼婦たちのその後、エイズで亡くなった娼婦の両親にまで取材をしている。ただあの傑作永沢光夫の「AV女優」を読んでいるから、それと比べてしまうと、薄いなあというのが正直な感想である。娼婦の何を知りたかったのか、それが見えてこない。著者のインタビューに答える娼婦たちもまだ本音を言っていない気がする。それを知っているからフォローの取材をしたのかもしれないが・・・
むしろ黄金町の色街がなくなってからの後日談の方がそこで蠢いていた人たちの生きざまが浮かんでくるような気がした。特にこれもずっと気になっていた「黄金劇場」というストリップ小屋のストリッパーと照明さんの話は面白かった。そういえば黄金劇場も摘発されて店がしまってからずいぶん経つ。がんばってまた再開しますからという貼り紙があったが、いまはもうない。
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