ジャンル 映画
観覧日 2023年 5月6日
ロシアへ行ったときの日曜日、なにもやることがなくなにげにテレビをつけると、古い時代のコメディ映画をやっていることがよくあった。ロシア語を完全に理解することはできないので、笑ったり楽しめたということではないのだが、のどかな喜劇だなという印象があった。
ロシアで抜群の人気を誇るという今回の70年代につくられたソ連の喜劇映画は、そんなことを思い出せてくれた。なんともしょぼいタイムマシーンで、こともあろうかイワン雷帝が現代にやってきて、現代の泥棒と住宅の管理人が入れ替わり、その時代に飛んで、イワンになりすますという、設定自体が、とにかく馬鹿馬鹿しい。シチュエーションコメディとか、そんな練られた状況設定ではなく、かなり荒っぽい状況設定のなかで、あとは馬鹿馬鹿しいことが次々と起こるのだが、これが笑えるのである。不条理の笑いでもないし、風刺でもない(多少はあるが、それがメインではない)、とにかく笑わざるを得ないことが次々におこる、映画だからエンディングはあるのだが、オチというほどのものではない、この喜劇の不思議な作劇術にすっかりやられてしまった。ロシア式?ソ連式なのか・・・意外にくせになるかもしれない。