書名 『二十世紀のパリ』
著者 ジュール・ヴェルヌ 翻訳 榊原晃三
出版社 集英社 出版年 1995
死後90年経って発見された幻の原稿ということで当時はかなり話題になったらしい。タイトルが、「二十世紀のパリ」、19世紀に生きていたヴェルヌが20世紀のパリを舞台とした未来小説を書いていたとそのタイトルだけが知られていたのだから、これが見つかったということで、話題にならないはずがない。ただ序文を読むと、この原稿はヴェルヌを見いだした編集者エッツェルが、これを読んでかなりダメだしをだし、というか出版はできないとかなり辛辣に批判していたらしい。
評者たちはこの書が予言していことが、見事に当たっているというので驚嘆しているが、実際は編集者が言うようにかなり凡庸な内容の本であったといえる。科学というか技術がなによりも重要視され、芸術が軽んじられてしまうということを根幹にもってきているその内容自体が、まず暗く、カタルシスがない、他のヴェルヌの小説と比べたらまったく展開力もないし、わくわく感もない、科学・技術に対するペシズムが根底にあるせいなのかもしれないが、かなり期待外れの作品であった。
著者 ジュール・ヴェルヌ 翻訳 榊原晃三
出版社 集英社 出版年 1995
死後90年経って発見された幻の原稿ということで当時はかなり話題になったらしい。タイトルが、「二十世紀のパリ」、19世紀に生きていたヴェルヌが20世紀のパリを舞台とした未来小説を書いていたとそのタイトルだけが知られていたのだから、これが見つかったということで、話題にならないはずがない。ただ序文を読むと、この原稿はヴェルヌを見いだした編集者エッツェルが、これを読んでかなりダメだしをだし、というか出版はできないとかなり辛辣に批判していたらしい。
評者たちはこの書が予言していことが、見事に当たっているというので驚嘆しているが、実際は編集者が言うようにかなり凡庸な内容の本であったといえる。科学というか技術がなによりも重要視され、芸術が軽んじられてしまうということを根幹にもってきているその内容自体が、まず暗く、カタルシスがない、他のヴェルヌの小説と比べたらまったく展開力もないし、わくわく感もない、科学・技術に対するペシズムが根底にあるせいなのかもしれないが、かなり期待外れの作品であった。