書名 「僕はずっと裸だった(前衛ダンサーの身体論)」
著者 田中泯 写真 岡田正人 出版社 工作舎 出版年 2011
先日久しぶりに泯さんと会ったときに、これが最初で最後になるだろう、初めて自分で書いた本だといっていただいたのがこの本。桃花村がある地元山梨日日新聞に連載していた文をまとめたものというから、エッセイ風に書いたものかと思ったら、なんのなんのやはり田中泯らしく、裸の自分、さらには踊りに正面からぶつかって書いた、尖った文の数々が、先年亡くなった泯さんの影のようだった写真家岡田正人の写真とともにまとめられた。
裸、子ども、大地、空気、川の流れ、森、宇宙と次から次へと連想が広がりにつつ、大地にしっかり足を踏みしめ、摺り足しながら、自然というか見えないものと対峙しようとしている、そんな泯さんの踊りが、そのままこの本の筆致になっている。見えないものを見えるようにして描くのではなく、見えないものをそのまま見えないものとして感じるなかで、どう世界とつながっていくのか、そんなことを自分の身体を通して探し続ける、その永遠の放浪者ともいえる精神の軌跡が描かれているといっていいのかもしれない。
著者 田中泯 写真 岡田正人 出版社 工作舎 出版年 2011
先日久しぶりに泯さんと会ったときに、これが最初で最後になるだろう、初めて自分で書いた本だといっていただいたのがこの本。桃花村がある地元山梨日日新聞に連載していた文をまとめたものというから、エッセイ風に書いたものかと思ったら、なんのなんのやはり田中泯らしく、裸の自分、さらには踊りに正面からぶつかって書いた、尖った文の数々が、先年亡くなった泯さんの影のようだった写真家岡田正人の写真とともにまとめられた。
裸、子ども、大地、空気、川の流れ、森、宇宙と次から次へと連想が広がりにつつ、大地にしっかり足を踏みしめ、摺り足しながら、自然というか見えないものと対峙しようとしている、そんな泯さんの踊りが、そのままこの本の筆致になっている。見えないものを見えるようにして描くのではなく、見えないものをそのまま見えないものとして感じるなかで、どう世界とつながっていくのか、そんなことを自分の身体を通して探し続ける、その永遠の放浪者ともいえる精神の軌跡が描かれているといっていいのかもしれない。