デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

幻の大連

2008-04-16 15:39:14 | 買った本・読んだ本
書名 「幻の大連」
著者 松原一枝 出版社 新潮社(新潮新書) 出版年 2008年 定価 700円(税別)

奥付の著者紹介を見たら、著者は1916年生まれというから、92歳になる。それにしてもよくこれだけ昨日のことのように、大連の思い出を書けるものである。それも実に機微に富んだ筆致で、みずみずしく描く。あの時代の大連が蘇ってくるようである。確かに日本が侵略して無理やりにつくった国家のなかの束の間の時なのかもしれないが、そこで暮らしたものにしかわからない時代の雰囲気が漂う。川島芳子や甘粕正彦などと実際に触れた人々の意外な素顔も描かれている。戦争末期日本から取材で大連にわたる船で偶然乗り合わせた甘粕とのエピソードだった。船上で親しく会話を交わしたのは、甘粕のボディーガードのような男だったのだが、彼は甘粕がフランスに行ったときも一緒だったという。実に興味ぶかいエピソードである。

満足度 ★★★

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『論座』5月号

2008-04-16 15:02:53 | 買った本・読んだ本
このところ愛読している『論座』なのだが、今月号も面白い。特集はゼロ世代の言論。ゼロ世代という言葉自体なじみがなかったのだが、要は70年代とか80年代とかいうのと同じで、2000年代ということのようだ。このところ頭角を現している若い世代の批評家たちの発言をまとめているのだが、特徴的なのが、彼らがネット世代であるのにもかかわらず紙のメディアを舞台に発言をしていることである。これについてはまったくのノーマークであったが、「エクスポ」(http://unknownmix.exblog.jp/7045234/)とか、「フリーターズフリー」、「思想地図」という雑誌を自らつくり、そこで盛んに自分の意見を発言するだけでなく、クロスさせる場として機能させているということに非常に関心をもった。ネットが主流になるなかでほとんど埋もれてしまった感がある論壇を、批判しつつ、新たな論壇の地平を切り拓こうとしている。これは注目していいのではないだろうか。そういえば朝日新聞の文化欄でも、こうした新しい潮流について紹介されていた。
いま閉塞状況を打ち破ろうとするその意志と、あえて紙のメディアをつくり、そこで発信するだけでなく、クロスさせるという熱い姿勢には共感をもった。「アートタイムス」という不定期の雑誌を発行している身なので、非常に参考になった。面白かったのは「世界」を発行していた現岩波書店の山口社長のインタビュー記事。この新しい流れに対して「発表する場がないから自分で媒体を作るということ自体はいいのですが、「誰が読むのか」を常に意識していかなければ長続きしない」という発言であった。
そういえば我が「アートタイムス」の編集長の横山君ももしかしたら、ゼロ世代ということになるかもしれない。
この特集以外にも連載記事の吉坊が聞く芸の世界は、立川談志がゲスト。最初は軽くあしらう風がだんだん本気になってきて、この若造なんかやるじゃんみたいなどころが見えて面白かった。
満足度 ★★★★

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マーシャ退院

2008-04-16 10:59:19 | お仕事日誌
このところの日課、DHLの追跡。ウクライナの方は、キエフまで届いているようなので、今日中には届くだろう。カザフの方はフランクフルトにいる。明日かな・・・
モスクワから依頼されていた夏の会場の図面と金さんにリトルの公演ビデオを送るために郵便局へ。お気に入りのビートルズの時計の修理を頼んでいる時計屋から何の連絡もなく1カ月半すぎた。おやじさん病気なのだろうか。郵便局に行ったついでに見たら、やはりシャッターが閉まっている。
ウクライナの荷物がひとつプロブレマだったのだが、カーゴでなんとかなりそう。
今日はマーシャが退院する日。3週間ちょっとだったが、本人が一番ほっとしているだろう。
18時に会社を出て、麻布十番で、アートフレンドの企画部長として神さんを支えてきた木原さんの親戚の方とお目にかかる。木原さんの親戚の方もこの本を読んでくれ喜んでいたということを知らされ、ほんとうに良かったと思う。
23時すぎに帰宅。

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