書名 「幻の大連」
著者 松原一枝 出版社 新潮社(新潮新書) 出版年 2008年 定価 700円(税別)
奥付の著者紹介を見たら、著者は1916年生まれというから、92歳になる。それにしてもよくこれだけ昨日のことのように、大連の思い出を書けるものである。それも実に機微に富んだ筆致で、みずみずしく描く。あの時代の大連が蘇ってくるようである。確かに日本が侵略して無理やりにつくった国家のなかの束の間の時なのかもしれないが、そこで暮らしたものにしかわからない時代の雰囲気が漂う。川島芳子や甘粕正彦などと実際に触れた人々の意外な素顔も描かれている。戦争末期日本から取材で大連にわたる船で偶然乗り合わせた甘粕とのエピソードだった。船上で親しく会話を交わしたのは、甘粕のボディーガードのような男だったのだが、彼は甘粕がフランスに行ったときも一緒だったという。実に興味ぶかいエピソードである。
満足度 ★★★
著者 松原一枝 出版社 新潮社(新潮新書) 出版年 2008年 定価 700円(税別)
奥付の著者紹介を見たら、著者は1916年生まれというから、92歳になる。それにしてもよくこれだけ昨日のことのように、大連の思い出を書けるものである。それも実に機微に富んだ筆致で、みずみずしく描く。あの時代の大連が蘇ってくるようである。確かに日本が侵略して無理やりにつくった国家のなかの束の間の時なのかもしれないが、そこで暮らしたものにしかわからない時代の雰囲気が漂う。川島芳子や甘粕正彦などと実際に触れた人々の意外な素顔も描かれている。戦争末期日本から取材で大連にわたる船で偶然乗り合わせた甘粕とのエピソードだった。船上で親しく会話を交わしたのは、甘粕のボディーガードのような男だったのだが、彼は甘粕がフランスに行ったときも一緒だったという。実に興味ぶかいエピソードである。
満足度 ★★★