英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・用例研究 158 <假定法-條件節省略④>

2018-12-24 | 用例研究

[用例研究 158] 〈假定法-條件節省略④〉

 

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  This proposal you wrote is horrible!  You butchered it!

1  Could you have written it better?

2  I don’t have to do things better than you!  I’m the boss!

3  Boy, I sure wish I had a good answer for that one!

 

[解説]

1

・butcher: 「~を(へまをやつて)だいなしにする」

・Could you have written it better?: 〈助動詞の過去形+have+過去分詞〉のかたちは假定法過去完了の歸結節に多く見られます。ここは疑問文になつてゐます。條件節がありませんが、主語 you に條件が仄めかされてゐるやうにも見えます。條件を補つてみると、例へば「あなたなら」とか「もしあなたが(ぼくの)代はりに書いたなら」でせうか。それで「あなたは提案書をもつとうまく書けたでせうか」と問ふことになります。

□參考例文:主語に條件が仄めかされてゐる例文です。

          A true friend would have acted otherwise.

            本當の友達ならさうはしなかつたでせう。

            ※ if s/he had been a true friend の意味が主語にこめられてゐます。

□參考例文: could の例文で、條件節がうしろにつくケース。

       You could have caught the train if you had hurried.

       もしあなたが急いでゐたら列車に間に合つたのに。

□參考例文: could の例文で、had が短縮形になるケース。

      If he'd run a bit faster, he could have won.

      彼がもう少し速く走つたら、勝てただらうに。

3

・boy: 間投詞で「まあ」「おや」「やれやれ」などの意味。

・I sure wish I had a good answer: had が假定法過去の動詞として使はれてゐます。實際には「うまい囘答がない」のですが、「持つてゐればなあ」と事實と異なる願望を述べてゐます。

□參考例文:

     I wish I were a billionaire.

  私が億萬長者であればなあ。

  このかたちは 「假定法の讀み方 (7)」 (2011年6月8日掲載)で解説し、例文を紹介してゐます。(※ 參照するには下線部をクリックしてください)

・one: 前出の answer の言ひ換へです。that one は2コマめの社長の囘答を指してゐます。「あの囘答に對するうまい囘答(/應答)があればなあとホント思ふよ」

・sure: 副詞として使つてゐます。「確かに」「ほんたうに」「全く」

 

[意味把握チェック]

1 「おまへの書いた提案書はひどいもんだな。だいなしにしたな」

1 「あなたなら(/社長なら)もつとうまく書けたでせうかね」

2 「わしはおまへより上手に物事を處理しなくていいんだ。わしはおまへの上司なんだぞ(/わしが社長なんだからな)」

3 「やれやれ、あの囘答に對してうまい囘答があればなあとホント思ふよ(/チェッ、あの應答にうまく切り返せればなあ)」

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