[用例研究 203] 〈where〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 1999 King Features Syndicate Inc.)
1 Thanks.
1 How come you never bring any letters to me?!
2 But Elmo, you don’t live here.
2 You don’t bring me any letters where I do live!
3 Listen, Elmo, when Mr. Beasley does start bringing you mail, all you’ll be getting is bills.
3 I don’t want Bill’s! I want my own!
[解説]
1
・How come(~)?: 「なぜ」の意味で why よりも口語的で、しばしば驚きを表はして問ひかけられます。~部は平敍文の語順になります。
□參考例文:
203.1 How come you didn't call me?
どうして電話をくれなかつたんですか。
2
・where~: 「~するところに(/で)」「~するところはどこでも」。場所を表はす副詞句を導く接續詞とみるのがふつうですが、關係副詞とする書物もあります。where の前に省略されてゐるのが名詞だけの場合は「先行詞省略の關係副詞」とみられ、〈前置詞+名詞〉が省略されてゐる場合は接續詞とみられるやうです。ここは後者でせう。(※ 文法書・辭書參照の便宜のため一應説明してゐますが、實際の運用面では where が兩樣に(/どちらの文體でも)使へるといふだけのことです)
□參考例文: 〈前置詞+名詞〉が省略されてゐる例です。
203.2 Put it back where it was.
それを元あつた場所に戻しなさい。
□參考例文: 名詞だけが省略されてゐる例です。「用例研究 194」で紹介した例文です。
203.3 New York is where he grew up.
ニューヨークは彼が育つた場所です。
・do live: 〈do/does/did+動詞原形〉は動詞を強調する文體です。主語や時制に應じて助動詞 do のかたちが變化します。3コマめの does start も同じ用法です。
□參考例文: 過去形 called を強調した例です。
203.4 Believe me. I did call you this morning.
信じてよ。本當に今朝君に電話したんです(から)。
3
・does start: 同上
・all you’ll be getting is~: 「君が手に入れることになりさうなのは~だけだ」。 all は「すべて」の意味で單數扱ひです。
□參考例文: 名詞が續く例です。
203.5 All I want is love.
私はほしいのは愛だけです。
□參考例文: 不定詞句が續く例です。口語ではしばしば (to) が省略されます。
203.6 All you have to do is (to) wait here.
ここで待つてゐさへすればいいんです。
・bills: 「請求書」。
・Bill’s / my own: それぞれの後に、直前の mail が省略されてゐるのでせう。Bill 宛の郵便ではなく、自分の郵便が欲しいと主張してゐます。
[意味把握チェック]
1 「ありがたう」
1 「どうしてぼくにはちつとも手紙を持つて來てくれないの」
2 「でも Elmo、君はここに住んでゐないよ」
2 「實際にぼくが住んでゐるところに全く手紙を持つて來てくれないよ!」
3 「ねえ Elmo、Beasley さんが君に郵便を實際屆け始めるときに君が手に入れることになりさうなのは請求書だけだよ」
3 「ぼくは Bill の(郵便)は欲しくない!自分自身の(郵便)が欲しいんだ!」
[笑ひのポイント]
・音が共通の bills と Bill’s で生じた誤解が笑ひを生んでゐます。