「用例研究」のうち關係詞に關はるものをリストにしてみました。扱つた英文に應じて採り上げてきたため、順は整つてをらず補完すべき項目もあるやうに思はれます。引き續き10囘程度關係詞關聯の「用例研究」を掲載いたします。
(※ 關係代名詞や關係副詞は後ろの節を前の名詞につなげたり、前の名詞についての説明を附け足すはたらきをします。日本語には無いものであるし、限定用法の場合は和譯すると語順が變はることもあつて、わかりにくいところがあります。このため本ブログでは、「關係詞の讀み方 (1)~(15)」(2012年5月16日~2012年8月22日・毎週水曜日掲載)を連載したり、馴れることが讀解や發信を容易にすると考へ、「用例研究」として英語漫畫23作品を紹介してきたところです。)
[用例研究]〈關係詞關聯〉
1 on which 前置詞+關係代名詞 Mar. 11, 2011
2 what 關係代名詞 Apr. 11, 2011
22 what 關係代名詞 Jul. 1, 2011
25 which 關係代名詞の繼續用法 Jul. 11, 2011
57 where 關係副詞 Nov. 11, 2011
65 what 關係代名詞+插入節 Dec. 30, 2011
66 where 關係副詞 Jan. 6, 2012
85 of which 前置詞+關係代名詞 May 16, 2012
89 whose 關係代名詞: 所有格 Jun. 13, 2012
93 who-who 疑問詞+關係代名詞 Jul. 4, 2012
97 whoever 複合關係代名詞 Aug. 8, 2012
106 what 關係代名詞 Oct. 8, 2012
111 whatever 複合關係代名詞 Nov. 12, 2012
175 關係代名詞の二重限定 Jun. 17, 2019
176 關係代名詞+插入節 Jun. 24, 2019
177 whoever① Jul. 1, 2019
178 whoever② Jul. 8, 2019
179 whatever① Jul. 15, 2019
180 whatever② Jul. 22, 2019
181 wherever① Jul. 29, 2019
182 wherever② Aug. 5, 2019
183 whenever① Aug. 12, 2019
184 whenever② Aug. 19, 2019
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[用例研究 185] 〈who〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 2004 King Features Syndicate Inc.)
1 The next person who hands me a bad report is fired!!!
2 What’s that, Bumstead?!
2 Nothing, sir.
3 I’d like to send this the slowest way possible.
[解説]
1
・關係代名詞 who: The next person who hands me a bad report is fired!!! といふ文で person が限定修飾される名詞(先行詞)であり、who が關係代名詞です。續く節 hands me a bad report is fired では主語がブランクになつて(欠落して)ゐます。who を介して先行詞とうしろの節はつながり、「次の、私にまづい報告を手渡す人は馘首される」→「次にわしにまづい報告を(提出)したやつはクビだ」といつた意味が傳はつてくるわけですが、この「つながる事情」にはわかりにくいところがあります。日本人にとつては who が續く節の主語のはたらきをしてゐると考へると扱ひやすいのではないでせうか。(※ 關係詞使用時の英語國民の實際の意識はすこしちがつてゐるのかもしれません。例へば、關係代名詞や關係副詞は疑問詞とおなじ姿ですし、それらを省略できるケースや that の使用範圍を考へると日本人にはわかりにくい意識がはたらいてゐるのではないかと…。)
□參考例文: 特定の醫師が念頭にあるため冠詞が the になつてゐます。
185.1 The doctor who saw me said that there was nothing wrong.
私を診察してくれた醫師はどこも惡いところはないと言つた。
□參考例文: 一般論であり、特定の教師は念頭になく先行詞の冠詞が a になつてゐます。
185.2 Students generally like a teacher who understands their problems.
生徒達は一般に自分の問題を理解してくれる教師を好む。
□參考例文: Those who~ とするのは「~の人々」です。
185.3 Those who live in the suburbs spend much of their lives travelling to and from work.
郊外に住む人々は仕事の往き還りに多くの時間を費やす。
□參考例文: whose の例です。worked for~ のつながりがあります。
185.4 The people for whose benefit he worked never appreciated his effort.
彼の仕事の恩惠を受けた人々は彼の勞にまつたく感謝しなかつた。
□參考例文: 前置詞の目的語に whom の節が續く例です。あらたまつた印象があります。
185.5 The people with whom I work are all very friendly.
仕事仲間はみなとても友好的である。
□參考例文: who が目的格で用ゐられてゐる例です。whom を who として、前置詞を關係代名詞節の後ろに囘すと185.5のやうなあらたまつた印象がなくなります。
185.6 A girl who I used to go out with lives near here.
以前私がデートしてゐた女の子がこの近くに住んでゐます。
繼續用法(non-identifyng relative clauses )については 「關係詞の讀み方(8)」 (2012年7月4日付)をご參照ください。
2
・sir: 目上の人に對して敬意をこめて用ゐることばですが、ここは自分に都合の惡い状況に陷つたため、思はずへりくだつてしまつたやうに見えます。
3
・the slowest way possible: 最上級や all / every などに possible を添へると「できるかぎりの~」といふ意味になります。このかたちについては 「英文讀解のヒント(46)」 (2016年3月23日付)をご覽ください。
[意味把握チェック]
1 「次にわしに惡い(/まづい)報告を(提出)したやつはクビだ」
2 「それは何だ、 Bumstead」
2 「何でもありません、社長」
3 「これを可能なかぎり最も遲い方法で送りたいんですが」(Post Office: 郵便局)
[笑ひのポイント]
・惡い報告をしなければならない Dagwood は、ふつうとは逆の依頼、郵便局員が首をひねるやうなお願ひをする羽目になつてしまひました。