試行の一環として、先に掲載したGeneral structure of an essay の解説を記します。今囘は第1パラグラフで、青字の英文が原文になります。原文につけた數字、例へば1.5は、第1パラグラフの5つめの文を指します。なほ、譯例には、敢て英語のまま殘した部分があります。
General structure of an essay
essayの一般的構造
1.1 Much of your college writing will be in the form of five-hundred-word essays ― papers of several paragraphs that support a single point.
【語句】
・essay: ここでは大學などで課す「小論文」といつた意味で捉へるとよい。
・paper: 論文、レポート。college writing, essay などとも近い意味でせう。
・point: (小論文で主張したぃ中心的な)考へ、主眼點、要點。
【譯例】
大學での書きものの多くは500語essay - ひとつのpointを支へるいくつかのパラグラフ(段落)から成る文書 - の形式になる。
1.2 An essay typically consists of an introductory paragraph, three supporting paragraphs, and a concluding paragraph.
【語句】
【譯例】
essayは、典型的なところでは、導入パラグラフ、3つの支持パラグラフ、結論パラグラフから成る。
1.3 The central idea, or point, developed in an essay is called a thesis statement rather than, as in a paragraph, a topic sentence.
【語句】
・-, or …: -つまり…。別の言葉に言ひ換へて説明してゐる。
・thesis: an opinion or statement put forward and supported by reasoned argument (Longman Dictionary of Contemporary English)
・as; 接続詞。(前置詞句の前に置かれて)~やうに、~やうな
【譯例】
essayで展開される中心的な考へ、つまりpointは、パラグラフにおける(やうな)topic sentence といふよりはむしろthesis statementと呼ばれる。
1.4 A thesis appears in the introductory paragraph, and the specific support for the thesis appears in the paragraphs that follow.
【譯例】
thesisは、導入パラグラフで現はれ、續く數パラグラフに、そのthesisの明確な支持(の論述)が現はれる。
1.5 The supporting paragraphs allow for a fuller treatment of the evidence that backs up the central point than would be possible in a single-paragraph paper.
【語句】
allow for ~
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~を可能にする、~をもたらす (make possible, provide)
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【解説】
・than: 「擬似関係代名詞」と呼ばれるもので、比較級とともに用ゐられます。than以下の節の主語の省略と考へることもできるでせう。文法書では、関係代名詞の章に、as, but とともに説明されます。
・例文
She didn’t give her son more money than was necessary.
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彼女は息子に必要以上のお金を與へなかつた。
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・in a single-paragraph paper には假定の意味が込められてゐて、「もしパラグラフひとつのpaperなら」の意味です。その假定を受けるかたちで「~であらう」といふ意味の would be ~ が置かれてゐます。
文法書では「假定法」の章に説明があります。副詞句に條件の意味が含まれるケースになります。
【譯例】
その(複數の)支持パラグラフにより、中心的pointを支持する論據の扱ひを、パラグラフひとつのpaperに比して、一層念入りに行ふことが可能になる。