英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・用例研究 269 <不定詞 13 知覺動詞とともに>

2024-10-07 | 用例研究

[用例研究 269] 〈不定詞13  知覺動詞とともに〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1990 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Oh-oh!  I didn’t realize this place was so expensive.

2  Let’s leave.

2  But the Tuttles saw us come in.

3  Don’t worry, I’ll think of something to say on the way out.

4  We left the lawn mower out and we think it’s going to rain.

 

[解説]

・Oh-oh!:

・so expensive: 「とつても高いな」。soは、強調の意味ではveryを上囘る強さをもつ語で、感情をこめて使はれることがあります。

 

・Let’s leave.: let usの縮約形であるlet’sは原形不定詞を伴ひ「~しよう」「~しませう」などの勸誘や提案を表はします。

・the Tuttles: 「Tuttle一家」「Tuttle夫妻」

・the Tuttles saw us come in: <知覺動詞+O+原形不定詞>のかたちでは原形不定詞が置かれます。このかたちをとる動詞にはsee / watch / look at(主にアメリカ)/ hear / listen to(主にアメリカ)/ feel などがあります。

□參考例文:

  I felt my house shake.

  私は家が搖れるのを感じました。

 

□參考例文: 受動態にした場合to-不定詞になる例です。なほ、watch / look at / listen to/feelなどはふつう能動態で用ゐます。

  He was seen to enter the office.

  彼は事務所に入るのを人に見られました。

  She was heard to say that she disagreed.

  彼女が反對だと言ふのが聞こえました。

 

・think of: 「~を思ひ(/考へ)つく」

・on the way out: 「外へ向ふ途中に」

 

[意味把握チェック]

1 「あらら。ここがとつても高いつてことがわかつてなかつたな」

2 「出よう」

2 「でもTuttle夫妻に私たちが入るところを見られたわ(/ Tuttle夫妻が私たちが入るところを見たわよ)」

3 「心配ないさ。出る途中に言ふことを何か考へておくよ」

4 「芝刈機を外に置いたままでね、で、雨が降りさうだと思ふんだ」

 

[笑ひのポイント]

・「言ひわけの拙さ」でせうか。


・用例研究 268 <不定詞 12 使役動詞とともに>

2024-09-30 | 用例研究

[用例研究 268] 〈不定詞12  使役動詞とともに〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1992 King Features Syndicate Inc.)

 

1  How’d your dad get you to cut the grass?

1  I live here!  Why shouldn’t I help out?

2  Yeah, but how’d he get you to do it?

2  Mom and dad work hard... They shouldn’t have to do everything.

3  I know, but how’d he make you do it?

3  I love them!  I like to make them happy!

4  But how...

4  No movie for me tonight unless I cut the grass!!

 

[解説]

・How’d: =How did

・get you to cut the grass: 「君に柴刈りをさせる」。使役動詞make / have / letは原形不定詞を置きますが、getはtell やaskといつた動詞と同樣に、(目的語とto-不定詞を並べ)目的語に働きかけて何らかの動きをさせるといつた働きをしてゐると考へられます。getを用ゐる場合は「(説得などにより何とか)Oに~させる」といふ意味と解されるでせう。

□参考記事: 下線部をクリックしてご利用ください。

・用例研究115(Dec. 24, 2012)<get+O+to-不定詞>

 

・Why shouldn’t I help out?: 修辭疑問文です。「なんで手傳ふべきでないんだ?」といふ疑問のかたちで「當然手傳ふべきだ」といふ意味を傳へてゐます。

・help out: 「(人が仕事で忙しかつたり困つてゐる時に)手傳ふ」

 

・how’d he make you do it?: 「彼はどうやつて君にそれをさせたのですか」。<make+O+原形不定詞>の使役表現は「(無理にでも強制的に)Oに~させる」といふ意味になります。

□參考例文:

Oh, Mother, I hate this dress.  Please don’t make me put it on.

ああ、お母さん、このドレス嫌ひよ。私に無理に着させないで。

□參考例文: 受動態になるとto-不定詞が使はれます。

I was made to go against my will.

私は意に反して行かされました。

 

□参考記事: その他の使役動詞の例です。下線部をクリックしてご利用ください。

・用例研究53(Oct. 24, 2011)<have+O+原形不定詞>の使役表現は「(當然してもらへることを)Oに~してもらへるやうにもつていく」といふ意味になります。

・用例研究49(Oct. 3, 2011)<let+O+原形不定詞>の使役表現は「(相手がしたがつてゐることを許可して)Oに~させてやる」といふ意味になります。

 

[意味把握チェック]

1 「お父さんはどうやつて君に芝刈りをさせるやうにもつていつたの」

1 「ぼくはここで暮してるんだ1手傳ひして當然だらう?」

2 「うん、でも彼はどうやつて君にそれをやつてもらふやうにしたの?」

2 「母さんと父さんは仕事を頑張つてるんだ…すべてやらなくちやならないつてことには(當然)ならないさ」

3 「わかるよ、でも彼はどうやつて君にそれをやらせたの?」

3 「ぼくは彼らが好きなんだ。彼らを喜ばせたいんだよ」

4 「でも、どうやつて…」

4 「芝を刈らないかぎり(/柴刈りをしないと)ぼくには今夜映畫無しなんだ!!」

 

[笑ひのポイント]

・近所の子Elmoの執拗な追求に根負けして、眞相を隱しおほせることができませんでした。Alexanderは、ガールフレンドのCourtneyと映畫を觀に行く小遣ひを得るべく手傳ひをしてゐたのでせう。


・用例研究 267 <不定詞 11 SVOに説明補足>

2024-09-23 | 用例研究

[用例研究 267] 〈不定詞11  SVOに説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1995 King Features Syndicate Inc.)

 

1  So this is going to be a retirement party for your chief executive officer?

1  Yes, that’s correct.

2  And we want it to be lavish.

2  The very best of everything!  Money is no object.

3  He must’ve been a great officer.

3  Nope.

3  His inefficiency cost our company a fortune.

4  It’s only because he’s leaving that we can afford parties like this.

 

[解説]

・chief executive officer: 會社役員の名稱で「最高經營責任者」。頭文字をとつてCEOと表示されることがあります。

 

・we want it to be lavish: 第五文型(SVOC)の文で、to be lavishがitについて説明を補足してゐます。「それが豪勢であつてほしい」旨を傳へてゐます。

  SVOに不定詞句が續くかたちはSVOOとSVOCとの兩方にまたがりますが、いづれであれSVOまででは不足する情報や説明を不定詞句が補つてゐると受け止めればスムーズに讀み進められる(/聽きとれる)と思ひます。

□參考例文: SVOCと解される例文です

  I believe war to be fundamentally bad.

  戰爭は根本的に惡であると私は信じてゐます。

□參考例文: SVOOと解される例文です。

  My mother told me to eat more vegetables.

  母は私にもつと野菜を食べるやうにと言ひました。

  I would like you to stay here.

  あなたにここに留まつてゐてほしいのです。

 

・very best: veryが最上級bestを強調してゐます。

 

・must’ve been~: =must have been~。「~であつたにちがひない」

・nope [noup]: =no。pの音は脣を閉ぢたままで破裂しません。yep [jep] =yes も同じです。

 

・It’s only because he’s leaving that we can afford parties like this: <It is ~that…>の強調構文で、~部分が強調され、文の殘りを…部分に置きます。

  onlyはbacause~の節を修飾してゐます。「ただ~だから」「~だからこそ」

□參考例文: 副詞節が強調される例文です。

  It was not until I came to Japan that I learned it.

  日本に來て初めて私はそれを知つたんです。

□參考例文: onlyが節を修飾する例です。

  It is right only because it is customary.

  それはただ慣例だから正しいのです。

 

[意味把握チェック]

1 「それぢゃこれはあなたがたの最高經營責任者の退職パーティになるんですね」

1 「ええ、その通りです」

2 「で、パーティは豪勢な(/贅澤な)ものにしてほしいんです」

2 「とびきり最高のものにね!經費は考慮の對象外です(/いくらかかつてもかまひません)」

3 「きつと偉大なCEOだつたんでせうね」

3 「いいえ」

3 「彼が無能な(/彼の非效率の)所爲でうちの會社は大金を費やしたんです(/大損害を蒙つたんです)」

4 「こんなパーティを開ける(/開く餘裕がもてる)のも、彼が退くからこそなんです」

 

[笑ひのポイント]

・逆の展開で笑ひを誘ひます。


・用例研究 266 <不定詞 10 疑問詞に説明補足>

2024-09-16 | 用例研究

[用例研究 266] 〈不定詞10  疑問詞に説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 2001 King Features Syndicate Inc.)

 

1  I’ve been watching Mr. Bumstead making things in his shop.

1  Good for you, Elmo.

2  Are you learning to do lots of things with tools?

2  Yeah.

3  But mainly I’m learning what not to do.

 

[解説]

・I’ve been watching Mr. Bumstead making...: 現在完了進行形で、「今までずつと見物してきた」旨を傳へてゐます。<watch~―ing>は「~が―してゐるのを注意深く見る」。

・shop: a place where things are made or repaired(物が作られたり修繕される場所)

・good for you: used in order to say that you approve of something that someone had  done(誰かが行つた何かのことを是認すると言ふために使はれる)

 

・what not to do: <疑問詞+不定詞>のかたちでは、疑問詞について不定詞句が説明を補足します。ここでは不定詞の否定のため直前にnotが置かれてゐますから、「何をすべきでないか」を教はつてゐるといふことになります。

□參考例文: <疑問詞+不定詞>が主語の位置に置かれた例文です。

  Where to live is not as important as how to live.

  どこに住むかといふことは、いかに生きるかといふことほど重要ではありません。

□參考例文: <疑問詞+不定詞>が補語の位置に置かれた例文です。

  The problem was where to set up the tent.

  問題はどこにテントを張るかでした。

□參考例文: <疑問詞+不定詞>が前置詞の後に置かれた例文です。

  I thought about who(/whom)to invite to the party/

  私はパーティに誰を招くかについて考へました。

□參考例文: whetherがこのかたちで使はれることがあります。<whether+不定詞>が直接目的語の位置に置かれた例文です。

  Tell me whether to trust him or not.

  彼を信頼していいのかどうか教へてください。

 

□参考記事: 下線部をクリックしてご利用ください。

・用例研究 12 how to  Jun. 6, 2011

・用例研究 30 how to  Aug. 1, 2011

・用例研究 50 how to  Oct. 10, 2011

・用例研究 75 what to  Mar.16, 2012

・用例研究 130 where to/what to  Sep. 16, 2013

 

※<why to-不定詞>はまれにしか使はれません。

 

[意味把握チェック]

1 「Bumsteadさんが作業場でものを作つてゐるのをよく見てたんだ」

1 「感心ね、Elmo」

2 「道具を使つてたくさんのことをするのを習つてる(/教はつてる)の?」

2 「うん」

3 「でも主として何をすべきでないかを習つてるんだけどね(/大概は何をしなければ良いかを教はつてるんだけどね)」


・用例研究 265 <不定詞 9 too~に説明補足>

2024-09-09 | 用例研究

[用例研究 265] 〈不定詞 9  too~に説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1992 King Features Syndicate Inc.)

 

1  It’s no use ... I’ll never get this.

1  Sure you can!  Now just press the mode one key...

2 It’s no use!  I’m too old to understand these new-fangled methods of  communication!

3  Boss, even an old-fashioned, stick-in-the-mud dimwit like you can, ah...

4  Now here’s a method of communication I do understand!!

 

[解説]

・It’s no use: 「埒があかない」「無駄だ」。(of) no useは「役に立たない」。useは名詞で發音は [ju:s]です。

・get: I’ll neverに續いてゐるので、「何らかの結果を得る」「習得する」の意味ではないかと思ひます。

 

・I’m too old to understand~: <too~to-不定詞(…)>「~すぎて…できない」。too~は「あまりに~過ぎて」といふ意味で、これに不定詞を續けると、限度を超えてゐて何かをすることができないといふ否定的なニュアンスがもたらされます。その否定的な内容について不定詞句が説明を補足することになります。この場面では、齡をとりすぎてゐてどうなのか?→「コミュニケイション方法を理解できない(/わからない)」と説明を補ふわけです。

 

□參考例文: 形容詞が使はれる例です。

 Life is too valuable to waste.

  = Life is so valuable that we must not waste it.

 人生はあまりにも貴重であつて、無駄に費やしてはなりません。

□參考例文: 副詞が使はれる例です。

  It’s raining too hard for me to go out.

  雨がひどすぎて私は外に出られません。

□參考例文: 形容詞が名詞を伴ふ例です。

  She has too many students in the class to give them individual attention.

  彼女のクラスは生徒の數が多過ぎてひとりひとりへの目配りができません。

 

[参考記事]

・用例研究94  too~to-不定詞  Jul. 9, 2012

 

・new-fangled: 「新流行の」

 

・stick-in-the-mud: 「舊弊な」

・dimwit: 「薄のろ」

 

・here : ここではthisと似た意味で使はれてゐます。

□參考例文:

  Here’s the cake my wife baked.

  これは家内が燒いたケーキです。

・do understand: <do/does/did+動詞の原形>は動詞を強調する表現です。

 

[意味把握チェック]

1 「埒があかんぞ…ワシにはできん(/わからん/習得は無理だらう)」

1 「きつとできますつて!さあ、モード1のキーを押すんです…」

2 「どうにもならん!ワシは齡をとりすぎてこんな新流行のコミュニケイション方法は理解できん!」

3 「社長、あなたみたいな時代遲れで舊弊な薄のろでも、アワワ…」

4 「さあ、これがワシによくわかるコミュニケイション方法だ!!」


・用例研究 264 <不定詞 8 ~enoughに説明補足>

2024-09-02 | 用例研究

[用例研究 264] 〈不定詞 8  ~enoughに説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1998 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Boss, I came to work without one cent on me...Could you lend me ten bucks?

1  Why, of course...That’s just the sort of thing I’m here for...

2  You’ve known me long enough to know you can always count on J. C. Dithers.

3  Let’s see...Ten dollars at 17% interest...Let’s see now...

 

[解説]

・Why: 間投詞で意外、驚きなどを表はして發する。「おや」「まあ」

・That’s just the sort of thing I’m here for.: 假に、I’m here for the sort of thing.といふ文にしてみると「私はその種のことのためにここにゐるんだ」と解せます。假に、前置詞for(「~のために」)の目的語であるthe sort of thingをまづ言つて、その説明としてwhich I’m here for / for which I’m here と續けると「私がここにゐる目的であるその種のこと」と解せます。文頭のthatはDagwoodの依頼を受けてのことばですから、「借金の申し込みは、私がここにゐる目的であるその種のことだ」と言つてゐるわけです。ここでは「そんなことのためにワシはここにゐるんだ」としてみました。

□參考例文: thing(s) which を關係代名詞whatで言ふ例です

  That’s what I’m here for.

  それが私がここにゐる目的です(/そのために私がここにゐるんです/それが私の役割です)。

 

・You’ve known me long enough to know~: 「君は~を知るに十分なほど長く私を知つてきてゐる」。long / enoughは副詞です。「十分に長く」と言つて、さらに「何に十分なのか」について不定詞句で説明を補足してゐます。

  形容詞にenoughと不定詞句が續く用例については次のリンク先を參照してください。

□参考記事: 用例研究113(Dec. 7, 2012)

 

□參考例文: 形容詞としてのenoughに名詞と不定詞句が續く例です。いづれの場合も不定詞句が説明を補足してゐることに變はりはありません。

He doesn’t earn enough money to live on.

彼は生活できるだけのお金(/暮しを立てるのに十分なお金)を稼いでゐません。

 

・count on~: 「~をあてにする」「~に頼る」

 

・let’s see: 「ええと」「どれどれ」。最後のnowは間をおくやうなことばで、あまり意味はないやうに思ひます。

 

[意味把握チェック]

1 「社長、1セントも持たずに仕事に來たんです…10ドル貸してもらへないでせうか」

1 「おやおや、もちろんだよ…そんなことのためにワシはここにゐるんだ…」

2 「J. C. Dithersはいつも頼りになるとわかるほどに長く(おまへは)ワシを知つてるんだ(/長い知合ひなんだ)」

3 「どれどれ…10ドルに17%の利子で…ええと…」

 

[笑ひのポイント]

・強慾なDithers社長の面目躍如といつたところでせうか。親切ではあるが決して甘くはないDithers社長の人柄と、能天氣でお人好しのDagwoodの當惑顏が笑ひを誘ひます。長年の知合ひとしながらも、社長の行動は豫測できなかつたことがうかがへます。


・用例研究 263 <不定詞 7 形容詞に説明補足>

2024-08-26 | 用例研究

[用例研究 263] 〈不定詞7  形容詞に説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1994 King Features Syndicate Inc.)

 

1  I’m anxious to see if our audiences noticed that we switched to a healthier popcorn oil.

2  The movies are just letting out, Boss.

3  Well, let’s go find out.

4  I think they noticed.

 

[解説]

・I’m anxious to see: 形容詞anxiousには① very worried about something(「何事かについてすごく心配して」) ② feeling strongly that you want something to happen(「何かが起きることを切望して」) の意味がありますが、ここは後者の意味で、何を「切望して」ゐるのかについての説明を不定詞の句が補足してゐます。ここでは「~かどうか知りたくつてたまらない」のでせう。

□參考例文: ②の意味で、不定詞句が續く例です。

  The Moores are anxious to adopt a child.

  Moore一家(/夫妻)は子どもを養子に迎へることを切望してゐます。

□參考例文: ②の意味で、前置詞句が續く例です。

  Company directors were anxious for a meeting.

  會社の取締役たちは會合を強く望んでゐます。

□參考例文: ①の意味で、前置詞句が續く例です。

  June’s anxious about the results of her blood test.

  Juneは血液檢査の結果を心配してゐます。

□參考例文: 不定詞句が形容詞に説明を補足してゐる例です。

  The older managers were slow to accept the new technology.

  年輩の部長たちは新しい技術を受け入れるのが遲かつた。

 

[参考リンク]

・用例研究241 (Dec. 28, 2020) では、不定詞句が形容詞afraidについて説明補足してゐる例を扱つてゐます。

 

・if~: 「~かどうか」。接續詞として間接疑問文を導き、ask / see / know / wonder などの動詞の目的語となります。

・audiences: 「(映畫、演劇、催しなどの)觀客」。スポーツの觀客はspectatorsを用ゐます。audienceはふつう集合的に用ゐる名詞ですが、ここでは個々の觀客を意識して複數形にしてゐるのかと思ひます。

 

・let out: 「(授業、會合などが)終る」。現在進行形にして「未來の豫定」を表はしてゐます。

 

・go find out: goのあとにand或はtoが省略されてゐると考へられます。find outは「確かめる」「つきとめる」ほどの意味で使つてゐます。

 

[意味把握チェック]

1 「健康に良いポップコーンの油に切り換へたことに、うちの觀客が氣づいたかどうか知りたくてたまらないんだ」

2 「映畫が丁度終らうとしてるところですよ、支配人(/部長)」

3 「さてと、行つて確かめよう(/確かめに行かう)」

4 「氣づいたんだと思ひます」

 

[笑ひのポイント]

・「健康に良い食べものは美味しくない」もしくは「美味しいものは健康に良くない」といつた眞理の一面をついて、納得の笑ひを生んでゐるのではないかと思ひます。


・用例研究 262 <不定詞 6 名詞に説明補足>

2024-08-19 | 用例研究

[用例研究 262] 〈不定詞 6  名詞に説明補足〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 2000 King Features Syndicate Inc.)

 

1  It’s getting late, Boss... Let’s call it quits.

1  Okay, I’m tired, too... Time to head for home.

2  Wait!  Let’s get a quick bite, come back, work a little more, sack out in the office, and be ready for an early start tomorrow!

3  I snore.

3  Perfect!   So do I!

 

[解説]

・call it quits: 「(續けてゐたことを)終りにする」

□參考例文:

  Let’s call it quits for today.

  今日はこれくらゐで終りにしようよ。

・Time to head for home: timeと言つておき、どういふtimeであるのかを不定詞句が説明を補足します。「家に向ふ時分だ」といふわけです。timeの前にIt’s(/It is)を補つて解しても良いでせう。

(※文法書では不定詞の形容詞的用法と分類・説明されます。)

□參考例文: withが添へられてゐるので書く道具を指してゐます。

  Do you have anything to write with?

  何か書くもの(/道具)を持つてゐますか。

□參考例文: (同格・内容説明: 「看護師になるといふ意嚮」)このタイプは名詞的用法と分類されることがありますが、要は前の名詞の説明補足だと捉へておけば意味は傳はります。

  My daughter had just announced her intention to be a nurse.

  娘は、看護師になるつもりだと告げたところでした。

 

・head for~: 「~に向ふ」

 

・get a quick bite: 「輕く何かをつまむ」「輕食をとる」

・sack out: (informal) to go to sleep(米俗)「床につく」「寢入る」

 

・So do I: <so+V+S>は「強・弱・強」のリズムで發聲されますので、so とIとの意味が強調されます。「私もさうだ」

 

[意味把握チェック]

1 「遲くなつてますよ、社長…終りにしませうよ」

1 「ああ、ワシも疲れたよ…家に向ふ時刻だな」

2 「待て輕く何か食べて、戻り、もう少し仕事をして、オフィスで寢て、明日の早い(仕事)開始に備へようぢやないか

3 「ボクは鼾をかきますよ」

3 「完璧だワシもさうなんだ

 

[笑ひのポイント]

・社長の提案を思ひ直させようとしましたが、うまく切りかへされたところにをかしみが生じます。Dagwoodは更なる苦境に陷ることになります。


・用例研究 261 〈不定詞 5 be+to-不定詞〉

2024-08-12 | 用例研究

[用例研究 261] 〈不定詞5  be+to-不定詞〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1991 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Look, everyone.  This is my new business phone.

2  It’s not to be used for personal calls.

2  Okay, Mom.  Yes, Dear.

3  See, there’s a business call coming in now!

4  What’s that about Lauren, Tootsie?!  Tell me everything!

 

[解説]

・It’s not to be used for personal calls: be動詞のあとにto-不定詞が置かれてゐます。

  不定詞は、これから先のことを表はすことが多いやうです(さうでない場合もあります)。これからする豫定のこと、するべきこと、する可能性があることなどを、指し示して聞き手に傳へます。その意味合ひはひろく漠然としてゐますが、これからの何らかの行爲や状態を指し示してゐるものとして、置かれる位置や文脈、前後の状況を加味しつつ、話者の意圖を推察してやると意味の把握が容易になります。

 

  <be+to-不定詞>は、かうした不定詞の特徴が色濃く反映される表現です。用例研究260での「補語として」と同樣に、主語に關して何らかの情報・説明を補ふはたらきをしてゐることに變はりはありません。上の漫畫のやうに曖昧でわかりにくい場合もあります。手がかり、ヒントとして「豫定」「義務・命令」「可能」「意圖」「運命」といつた意味の項目が役立つかもしれません。

 

  2コマめのせりふでは「個人的な電話には使はれるべきではない(義務・命令)」、「使ふことはできない(可能)」乃至は「使ふことは許されない(許可)」といつた内容を家族に傳へてゐるやうに見えます。[意味把握チェック]では「私的な電話には使はないのよ」としてみました。

 

□參考例文: 「豫定」を表はしてゐるとみられる例です。

  We are to meet at the art museum tomorrow.

  私たちは明日美術館で會ふことになつてゐます(/會ふ豫定です)。

□參考例文: 「義務・命令」を表はしてゐるとみられる例です。

  You are to finish this homework by tomorrow morning.

  この宿題は明朝までに仕上げるんですよ。

□參考例文: 「可能」を表はしてゐるとみられる例です。

  This exit is not to be used except in case of emergency.

  この出口は非常時以外は使へません。

  Not a sound was to be heard.

  物音ひとつ聞こえませんでした。

□參考例文: 「意圖」を表はしてゐるとみられる例です。

  If you are to get there by lunchtime, you had better start now.

  晝食時までにそこに着くつもりなら、もう出發したはうが良いですね。

□參考例文: 「運命」を表はしてゐるとみられる例です。

  He was never to return to his hometown.

  彼は二度と故郷に戻ることはありませんでした。

 

  ブログ準備中に偶然Three Bells(邦題「谷間に三つの鐘が鳴る」)が流れてきました。The Brownsが歌ふ1959年のヒット曲です。美しいメロディに耳を傾けてゐると、

♬ And there twenty years thereafter Jimmy was to meet his love

  といつた歌詞が聞こえてきました。「そしてそこで20年後Jimmyは愛する人に出會ふこととなつた」といふところでせうか。

 

・see: understandの意味で、何かを説明してゐる際に用ゐる表現かと思はれます。You see から轉じたものでせうか。

・there’s a business call coming in: <there+be動詞+名詞+分詞>の形では名詞がどんな状態であるのかを分詞が表はします。ここでは「仕事の電話が入つてきてゐる」といふことになります。

 

[意味把握チェック]

1 「みんな、見て、これが私の新しい業務用電話よ」

2 「私的な電話には使はないのよ」

2 「わかつたよ、ママ」(Alexander、Cookieの返答)

2 「ああ」(Dagwoodの返答)

3 「ほらね、今仕事の電話が入つて來てるわ」

4 「Laurenが何ですつて、Tootsie?! すべて聞かせて(/私に話して)!」

 

[笑ひのポイント]

・catering businessの相棒Tootsieからの電話ではあるのですが、内容は仕事ではなく共通の友人についてのできごとを傳へるといふ私的な電話でした。

 

□参考記事: リンクをはつておきますので、下の記事名をクリックして御利用ください。

・假定法の讀み方 8 「if・were to」型(Jul. 13, 2011)


・用例研究 260 〈不定詞 4 補語として〉

2024-08-05 | 用例研究

[用例研究 260] 〈不定詞4 補語として〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 2001 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Uh-oh, here comes that moocher who never buys anything!

1  Today I’m ready for her!

2  I’d like to sample your tuna salad and the cheesecake.

2  Our new policy is to charge $1 for every sample!

3  In that case, I’ll take my business elsewhere!

 

[解説]

・uh-oh [ʌ́ òu]: (間投詞: 自分が間違へたときや何か良くないことが生じたと氣づいたときに發せられます)

・here comes~: 「(人に注意を向けさせる時に用ゐて)ほら~が來たよ(/來るよ)」

・moocher [mu:tʃər]: 「たかり屋」

 

・Our new policy is to charge~: Our new policyはと切り出し、その内容を不定詞句で(指し示して)説明してゐます。ここでは不定詞句が補語の位置に置かれ、補語の役割、つまり主語について説明を補ふはたらきをしてゐます。→「うちの新方針は、サンプルそれぞれに1ドルを請求するといふもの(/請求すること)なんです」

□參考例文:

  My desire is to spend more time with young people.

  私の希望は若者と一緒にもつと長い時間を過ごすことです。

□參考例文: 動詞seemの場合も似た構造になります。

  The line of waiting people seemed to be endless.

  待つてゐる人たちの列は果てしなく續いてゐるやうでした。

□參考例文: 不定詞句が目的語の補語のはたらきをしてゐると考へられる例です。

  I thought him to be an excellent choice.

  彼はすばらしい選り拔きの人物だと私は思ひました。

 

・in that case: 「その場合には」

・take one’s business elsewhere: 「仕事を他所に囘す」。ここのtakeは「持つて行く」の意味で使はれてゐます。

 

[意味把握チェック]

1 「あらら、何も買はないあの集り屋が來たわよ

1 「今日は準備(/備へ)ができてるわ

2 「ツナサラダとチーズケーキを試食用(/見本)にほしいんだけど(/いただくわ)」

2 「うちの新しい方針で、すべての試食用(/見本)それぞれに1ドルをいただきますね

3 「さう來るんなら、うちの取引(/仕事)は他所に囘すわッ

 

[笑ひのポイント]

・悔し紛れの負け惜しみ(のせりふ)が、唖然とした笑ひを誘ひます。讀者は、彼女がよその店で同樣の振舞に及ぶと豫想することでせう。


・用例研究 259 <不定詞 3 目的語として>

2024-07-29 | 用例研究

[用例研究 259] 〈不定詞 3  目的語として〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1994 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Dad, I want to get one of my ears pierced.

2  No son of mine is ever going to have an earring!!

3  But all my friends are doing it...

4  Dad, please, I just want to be different like everybody else.

 

[解説]

・to get~: 動詞wantの目的語の位置に不定詞句が置かれ、目的語となつてゐます。「耳の片方に(earringイアリングのための)穴をあけること」を望んでゐます。

□參考例文: 不定詞句が第五文型(SVOC)の目的語になる場合に、形式目的語 it を置いてわかりやすい文にした例です。

  I thought it possible to solve the problem.

  私はその問題を解決することが可能だと思ひました。

□參考例文: 不定詞が前置詞の目的語になることはふつうはありませんが、exceptの意味でbutを用ゐる場合に不定詞が目的語のはたらきをすることがあります。この場合、不定詞は自然に生じる精神的・感情的反應(involuntary mental or emotional reaction)を表はすものになります。

  I couldn’t help but laugh at his talk.

  私は彼の話に笑はずにはをれませんでした。

(※文法書では、かうした不定詞の用法を「名詞的用法」と分類してゐます。)

 

・get one of my ears pierced: <使役動詞get+目的語+過去分詞>の構造で「~させる」「~してもらふ」といつた意味を表はします。ここでは「耳の片方を穴があけられてゐる(状態)にさせる(/にしてもらふ)」→「耳の片方に穴をあけてもらふ」。

 

・No son of mine~: noといふ強い否定語を伴ふ主語で始まる文であり、かなり強い響きを以て父親の意思を傳へてゐるやうです。「私の息子はイアリングなんて決してつけようとはしないぞ」→「私の息子にはイアリングなんて決してつけさせないぞ」

 

・to be~: 一コマめと同樣に、不定詞句が動詞wantの目的語となつてゐます。

 

[意味把握チェック]

1 「父さん、ボク片方の耳に穴をあけてもらひたいんだ」

2 「私の息子はイアリングなんて決してつけようとはしないぞ」

3 「でも友達はみんなやつてるよ…」

4 「父さん、お願ひだよ。ボクは他のみんなと同じやうに違つて(/變はつた恰好をして)ゐたいだけなんだ」

 

[笑ひのポイント]

・「皆と同じやうに違つてゐたい」といふ矛盾が笑ひを誘ひます。

  集團における同調志向や、個性的であらうとしても、それが多數に及べば忽ち凡俗に陷つてしまふといふ、流行の一側面への諷刺と捉へることもできるかもしれません。


・用例研究 258 <不定詞 2 主語 / 眞主語として>

2024-07-22 | 用例研究

[用例研究 258] 〈不定詞 2  主語 / 形式主語として〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1997 King Features Syndicate Inc.)

 

1  I’m in the mood for something light and not too filling.

1  Try the fruit salad platter.

2  Great call!  That was a nice, light lunch.

2  See how easy it is to eat sensibly?

3  You want another one?

3  Yeah, but make it quick!  My lunch hour is nearly over.

 

[解説]

・in the mood for~: 「~を望むこころ持ち(/氣分)で」

・filling: 形容詞で「お腹をいつぱいにする」「滿腹にする」

 

・call: ここでは「決斷」「選擇」の意味で使つてゐます。

 

・See how easy it is to eat sensibly?: It is easy to eat sensibly.(「賢く食べることは容易である」)から變化させた文です。「賢く食べることがどんなに易しいかわかりますよね」と理解を求め、念を押してゐるやうに見えます。

  下線部の文では、主語をit(preparatory subject)で始めてまづ「容易である」と言明し、あとから不定詞句で何が容易であるかを説明してゐます。(※文法書ではitを「形式主語」「假主語」、不定詞句を「眞主語」と説明し、かうした不定詞の用法を「名詞的用法」と分類してゐます。)

  一般論として述べるやうな場合に不定詞句を主語にすることがありますが(やや古めかしい印象がある)、現代の英語ではit(preparatory subject)で始めることが多いやうです。

□參考例文: 不定詞句を主語として一般論として述べる例です。

  To practise regularly is important.

  It is important to practise reguarly.

  きちんと(/定期的に)練習することが重要である。

(Michael Swan, Practical English Usage. 3rd ed. [Oxford: Oxford University Press, 2005], p.265 .)

 

  1958年頃The Teddy BearsやThe Springfieldsが歌つたTo know him(,) is to love himといふ曲のタイトルでは不定詞句が主語と補語のはたらきをしてゐます。「彼を知ることは彼を愛すること」→「彼を知ると好きになつてしまふ」。邦題はたしか「会ったとたんに一目ぼれ」でした(/「つのる想い」とも)。

  歌詞の中でもJust to see him smile makes my life worthwhile (「彼がほほゑむのをただ見ることがわたしの人生を意義あるものにする」→「彼がほほゑむのを目にするだけで私に生きてゐる甲斐が生まれる」)とあり、不定詞句が主語の位置に置かれてゐます。

 

・make it quick: 「急いで」「はやくしてくれ」

 

[意味把握チェック]

1 「何か輕いもの、あまりお腹がいっぱいにならないものが食べたい氣分なんだ」

1 「大皿盛りのフルーツ・サラダを食べてみては」

2 「すばらしい選擇だつたよ(/大正解だつたよ)。美味しくて輕いランチだつたな」

2 「適切に食べる(/分別ある食事)つてどんなに簡單かわかりますよね」

3 「もうひとつ欲しいんですか」

3 「ああ、でも急いでくれよ。ランチの時間が終りさうなんだ」

 

[笑ひのポイント]

・Dagwoodにとつて「分別ある食事」は容易ではないやうです。

 

[参考]: 下線部をクリックすると關聯記事が出ます。

  ・用例研究220  2020.6.15: it is ~ to-不定詞(…)

 ・用例研究223  2020.7.6: it takes ~ to-不定詞(…)

  ・用例研究224  2020.7.13: it costs ~ to-不定詞(…)

 


・用例研究 257 〈不定詞 1 不定詞とは〉

2024-07-15 | 用例研究

[用例研究 257] 〈不定詞 1  不定詞とは〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1991 King Features Syndicate Inc.)

 

1  Then you’ll help me with my catering business?

2  Of course!  Best friends always stick together.

2  I’m glad to hear you say that.

3  I’ll expect you to back me up when I break the news to Dagwood.

4  But there comes a time when best friends must part.

 

不定詞とは:

  2コマめのto hear / say、3コマめのto backは不定詞と呼ばれます。これらは、主語の數や人稱などによつて形が變はる定形動詞と異なり、主語によつて形を定められないので不定詞と呼ばれます。不定詞は、歴史的には動詞を名詞に使ふ用法から始まり、それが次第に多樣な使はれかたをするやうになつたものと思はれます。

  文中に現はれるかたちでいへば、

 ・to-不定詞  <to+動詞の原形>

 ・原形不定詞  <動詞の原形のみ>

 ・代不定詞  <toのみ>

 ・完了形の不定詞  <to have+過去分詞>

 ・進行形の不定詞  <to be+現在分詞>

 ・受動態の不定詞  <to be+過去分詞>

  などがあります。

  不定詞は、文中でさまざまな位置に置かれ、さまざまなはたらきをします。便利なので多用されますが、動詞との紛はしさや意味の曖昧さ・多樣さで困ることがあります。不定詞に對應するには、

  ・「不足してゐる情報・説明を補ふ」ものと受けとめる

  ・話し手・書き手の言はんとするところを文脈・前後關係から察する

  のが有效かと思ひます。

  toはもともとは「~へ」といふ方向を表はす前置詞に由來してをり、方向性や到達點を指し示すことがあります。そのため、不定詞には

  ・「これからすること」や目標・目的を(漠然と、また一般論として)示す

  といつた一面があります(※ 不定詞ではtoが本來の意味を失ひ記號化してゐる場合もあります)。

  大學入試での不定詞對策としては、上記の性質を念頭に、

  ・基本例文を暗記する

  のが有效だと思ひます。基本的な出現パターンは30通り内外にをさまります。出會つた英文を、基本例文に還元して解するとわかりやすく、また發信(英作文など)も容易になるのではないかと思ひます。

(※拙ブログの「用例研究」では、しばらくの間、不定詞の用例を紹介し、解説をしてゆく豫定です。)

 

[解説]

・stick together: 「互ひに協力する」「仲がよい」

・I’m glad to hear you say that : 「うれしい」と言ひ、續く不定詞句がその「感情の原因」を説明してゐます。「あなたがさう言ふのを聞いて嬉しく思ふ」といふわけです。この用法については後日 [用例研究271] で解説いたします。

  hear you say~は知覺動詞のあとに目的語と原形不定詞が續くかたちです。この用法については後日 [用例研究269] で解説いたします。

 

3

・I’ll expect you to back me up~: I’ll expect youと言ひ、そのあとに不定詞句が置かれてゐます。「あなたが私を支へてくれるのを期待するわ」と述べてゐます。このかたちについては、後日 [用例研究267] で解説いたします。

・back~up / back up~: 「~を支へる」。代名詞のmeが中に入つて強・弱・強のリズムを形成してゐます。

・break~: ここでは「~を知らせる」「~を打ち明ける」の意味で使はれてゐます。何かまづい出來事について知らせるニュアンスを含んでゐます。

 

・when: whenは關係副詞でwhen~が前のa timeを説明してゐます。

 

[意味把握チェック]

1 「それぢや私の配食の仕事を手傳つてくれるのね」

2 「もちろんよ。親友はいつだつて團結(/協力)するものだわ」

2 「あなたがさう言ふのを聞いてうれしいわ」

3 「Dagwoodに打ち明けるときあなたが私を支へて(/支持して)くれるのを期待するわね」

4 「でもね、親友も別れなくてはならない時が來る(も)のよ」

 

[笑ひのポイント]

・Tootsieの御都合主義が笑ひを誘ひます。Blondie は得意な料理の腕前をいかしてパーティなどへの配食事業を始めようとしてゐますが、その意嚮を夫のDagwoodに打ち明けるに際して難しさを感じてゐるやうです。


・用例研究 256 〈接觸節 / 接續詞 where〉

2024-07-08 | 用例研究

[用例研究 256] 〈接觸節 / 接續詞where〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1990 King Features Syndicate Inc.)

 

1  It’s not fair!  Every fall half the leaves I rake are from other yards.

2  I hear that we’re getting strong, gusty winds tonight.

3  I’ll wait till tomorrow...maybe they’ll all blow back where they came from.

4  Well, there’s another idea that didn’t pan out!

 

[解説]

1

・half the leaves I rake: 「ぼくの掃く葉の半分」。I rakeが前のthe leavesを説明してゐます。名詞のあとに節を追加して説明を加へる場合、この節は「接觸節」と呼ばれます。關係代名詞の省略と解することもできます。

 

・I hear (that) S V(~): 「~ださうだ」「~と話に聞いてゐる」

 

・where they came from: 「元のところに」。接續詞whereは「~するところに(/へ/で)」といふ意味を表はします。關係副詞whereの前にto the place(前置詞+先行詞)が省略されてゐると解する觀方もあります。

□參考例文:

  Put it back where it was.

  それを元の場所に戻しなさい。

 

・pan out: 「(話)(計畫などが)うまくいく」

 

[意味把握チェック]

1 「フェアぢやないよな(/公正とは言へないね)。毎年秋にぼくが掃く葉の半分はよその庭から來てるんだからな」

2 「今夜は強くて激しい風が吹くらしいな(/吹くといふ話だ)」

3 「明日まで待たう…たぶん風が(葉を)すつかり元のところへ吹き戻してくれるかも」

4 「さてと、うまくいかなかつたアイデアがまたひとつ、か」

 

[笑ひのポイント]

・吹き戻してくれるどころか、玄關前に吹き寄せられてゐました。目論見と逆の結果が招かれたので、讀者の笑ひが生まれます。物事はさうさう期待通りには運ばないもの、といふ共感・納得感も笑ひに含まれてゐさうです。


・用例研究 255 〈What do you think of ~ ?〉

2024-07-01 | 用例研究

[用例研究 255] 〈What do you think of ~ ?〉

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  © 1992 King Features Syndicate Inc.)

 

1  What do you think of this dress, Honey?

1  Too expensive.

2  And what do you think?

2  You should definitely buy it.

3  Sold!

4  See how important a second opinion is?

 

[解説]

・What do you think of ~ ?: 「~をどう思ひますか」。think (of)を使つて意見や感想を求める場合はwhatを用ゐます。この場合howを用ゐると思考そのものの過程を問うてゐるやうな印象を與へます。

  howを用ゐて意見、感想を訊ねるには How do you like~? が使へます。(↓)

  (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake  ©2001 King Features Syndicate Inc.)

 

2

・definitely: =without any doubt

 

・Sold: 原形はsellです。店員の立場に立つて「賣れましたよ」と言つてゐるのでせう。

□參考例文:

  The book sold a million copies.

  その本は百萬部賣れました(/ミリオンセラーです)。

 

・See how important a second opinion is?: このseeは「~がわかる」の意味で、「セカンド・オピニオンがどれほど大事かわかりますよね」と(疑問のかたちで)納得を求めてゐるのでせう。

:how important a second opinion is: 間接疑問文のかたちで、平敍文の語順になつてゐます。

 

[意味把握チェック]

1 「このドレスどう、あなた」

1 「高過ぎるよ」

2 「(店員に訊ねて)どうかしら」

2 「是非とも(/間違ひなく/絶對に)買ふべきですね」

3 「賣れましたよ!」

4 「セカンド・オピニオンつて大事よね(/どれほど大事かわかりますよね)?」

 

[笑ひのポイント]

・salesclerkにセカンド・オピニオンを求める、といふ機轉と意外さ、歸結の豫測が笑ひを誘ひます。