英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・44 群馬大學 2014 (6) 5パラ

2014-07-28 | 出題英文讀解

     (10) The written language presents a SYNOPTIC view.  It defines its universe as product rather than as process.  (  B  ) we are talking about a triangle, the layout of a house, or the organisation of a society, the written language (11) encodes it as a structure or, alternatively, as a chaos - but either way, as (12) a thing that exists.  In principle we can freeze it, attend to it, and take it in as a whole.  The cost of this perspective may be some simplifying of the relationship among its parts, and a lesser interest (13) in how it got the way it is, or in where it is going next.

【設問】

10.下線部(10)はどのようなことを言っているのか、本文に即して日本語で説明しなさい。

11.下線部(11) encode の意味を以下から一つ選び、その記号を書きなさい。

ア.To convert linguistic symbols into ideas in order to learn language.

イ.To try to understand the meaning of a word, phrase, or sentence.

ウ.To turn an idea into linguistic symbols as part of communication.

12.下線部(12) a thing that exists を文中の一語で書き換えなさい。

13.下線部(13) in how it got the way it is, or in where it is going next を同じ意味になるよう3語で書き換えるとすれば、in the の後にはどのような語が入るか、本文中の一語で答えなさい。

16.( A )~( D )に当てはまる最もふさわしい語を以下からそれぞれ選び、その記号を書きなさい。

a. Similarly     b. Whether     c. Although     d. Furthermore

 

 

5.1  The written language presents a SYNOPTIC view.

 

[意味把握チェック]  5.1 書き言葉は概觀的な(概要を捉へるやうな)な觀方を提示する。

 

5.2  It defines its universe as product rather than as process.

 

[意味把握チェック]  5.2 書き言葉は、書き言葉で記述した世界を、(進行中の)過程としてといふよりは、どちらかと言へば(できあがつた)結果として明示する。

 

[語句]

5.2      ~ rather than …      …よりはむしろ~

 

5.3  Whether we are talking about a triangle, the layout of a house, or the organisation of a society, the written language encodes it as a structure or, alternatively, as a chaos - but either way, as a thing that exists.

 

[意味把握チェック]  5.3 論じてゐるのが三角形についてであれ、家の間取についてであれ、社會の機構についてであれ、書き言葉はそれを構築されたもの(/構造的なもの)として、或は場合によつては渾沌として、記號化する(/言語といふ記號に換へる)-(構築されたもの、渾沌の)いづれにしても、在る(/實在する)ものとして記號化するのである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・讓歩節〈whether ~ or …〉: 「~であるにせよ、…であるにせよ」。ここでは3つ竝べられてゐます。

 

5.4  In principle we can freeze it, attend to it, and take it in as a whole.

 

[意味把握チェック]  5.4 原則として、私たちはそれ(/書き言葉で記號化されたもの=在るもの)を(書き言葉で)固定し、關心を向け、全體として把握する(/取込む)ことができる。

 

[語句]

5.4     in principle                (細部はともかく)原則として/概ね

5.4     attend to ~                ~に關心を向ける/~に注意を拂ふ

5.4     take ~ in/take in ~     ~を含める/~をとりいれる/~を考慮に入れる  (※ in は副詞で、語順は「強-弱-強」のリズムで決まります。代名詞は一般に弱く發聲されますから、ここでは take it in の語順となります。~部分が名詞だと兩方の語順が見られます)

 

5.5  The cost of this perspective may be some simplifying of the relationship among its parts, and a lesser interest in how it got the way it is, or in where it is going next.

 

[意味把握チェック]  5.5 この觀方の代償は、その部分間の關はり(/關係性)を幾分か單純化すること、また、それが現状に立ち到つた事情、或はその後の姿(/次にどうなるか)についての關心が低下することかもしれない。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・some simplifying ~と a lesser interest ~とが補語として竝んでゐます。

 

 

【設問】

10.下線部(10)はどのようなことを言っているのか、本文に即して日本語で説明しなさい。

【設問の考へ方】

※パラグラフ先頭に掲げた記載を、同じパラグラフで説明してゐますから、このパラグラフの内容を要約すると解答が得られます。本文中の5.2の「結果」、5.3の「記號化」、5.4「全體把握」などを盛りこんで要約文を作ります。

  解答例の(カッコ)部分は不要だと思ひますが、解答欄のスペースに應じて多少の調整が必要になるかもしれませんからつけ加へてみました。

【解答例】

・書き言葉は概觀的な觀方を提示する。それは、切り取つた世界を結果として明示し、在るものとして記號化し、私たちが全體として理解することを可能にする觀方であ(り、在るものの部分間關係の單純化と、過程への關心の低下を伴ふ可能性があ)る。

11.下線部(11) encode の意味を以下から一つ選び、その記号を書きなさい。

ア.To convert linguistic symbols into ideas in order to learn language. (言語習得のために、言語(といふ)記號を思念に轉換すること)  ※普通に考へれば、例へば、英語の例文の頭に「*」がついてゐれば「文法に反してゐる(ungrammatical)」ことを意味します。* が a linguistic symbol、その表はす idea が「文法に反してゐる」といふことになります。しかし、選擇肢を本文の主題と關聯させて讀むと、ここではもう少し廣い意味で symbols を使つてゐるやうにも思はれ、上述のやうに(カッコ)を加へてみました。

イ.To try to understand the meaning of a word, phrase, or sentence. (語、語句、文の意味を理解しようとすること)

ウ.To turn an idea into linguistic symbols as part of communication. (意志傳達の一部として、思念を言語(といふ)記號に變へること)

【解答】

・ウ

12.下線部(12) a thing that exists を文中の一語で書き換えなさい。

【解答】

・product

13.下線部(13) in how it got the way it is, or in where it is going next を同じ意味になるよう3語で書き換えるとすれば、in the の後にはどのような語が入るか、本文中の一語で答えなさい。

【解答】

・process

16.( A )~( D )に当てはまる最もふさわしい語を以下からそれぞれ選び、その記号を書きなさい。

a. Similarly     b. Whether     c. Although     d. Furthermore

【解答】

・b


・44 群馬大學 2014 (5) 4パラ

2014-07-25 | 出題英文讀解

     Of course, there are individual differences in learning style - (6) some learn more through the ear, others through the eye.  And there are differences in teaching style; a teacher may be (7) more at home in one or the other medium.  But above and beyond (8) these differences are the different world views that are embodied in speech and writing.  (9) Put from the learner’s point of view: reading / writing and listening / speaking are different ways of learning because they are different ways of knowing.

【設問】

6.下線部(6) some learn more through the ear, others through the eye について、省略されている語句を補って書き直しなさい。

7.下線部(7) more at home とはどのような状態を示しているのか、日本語で説明しなさい。

8.下線部(8) these differences を日本語で具体的に説明しなさい。

9.下線部(9)を日本語にしなさい。

 

 

4.1  Of course, there are individual differences in learning style - some learn more through the ear, others through the eye.

 

[意味把握チェック]  4.1 もちろん、學習法は人により違ひ(/個人差)がある-耳を通して(聽くことにより)一層多くを學ぶ人もゐるし、目を通して(讀むことにより)一層多くを學ぶ人もゐる。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・some と others とが對比的に使はれてゐます。others のあとに learn more を補つて讀みます。

 

[語句]

4.1     of course                    もちろん/當然

 

4.2  And there are differences in teaching style; a teacher may be more at home in one or the other medium.

 

[意味把握チェック]  4.2 そして教へ方に(人により)違ひがある。(例へば/つまり)ある教師は(音聲か、文字かの)いづれかひとつの意志傳達媒體(で指導すること)に一層熟達してゐるかもしれない。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・one でふたつのうち一方を指定し、(定冠詞 the を伴ふ)the other でのこるひとつを指定します。(※ another だと他にも何かあることを豫感させます)

 

[語句]

4.2     be at home in(/with) ~             ~に精通してゐる/達者である

 

4.3  But above and beyond these differences are the different world views that are embodied in speech and writing.

 

[意味把握チェック]  4.3 しかし、かうした相違に加へて、話すことに於いてまた記すことに於いて具現化される、世界についての異なつた觀方(/異なる世界觀)がある。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・倒置: 副詞句 above and beyond these differences のあとがVSの順になつてゐます。

 

[語句]

4.3     above and beyond ~  ~に加へるに/~のほかに

 

4.4  Put from the learner’s point of view: reading / writing and listening / speaking are different ways of learning because they are different ways of knowing.

 

[意味把握チェック]  4.4 學習者の見地(/觀點)から言ふと(/表現されるなら)、「讀み書き」と「聽き話す」とは異なる學び方である、兩者は異なる知り方だ(/知識の得る方法がちがつてゐる)から。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・put は「ある状態に位置させる」の意味から轉じて、to put it in other words (「他の言葉に言ひ換へれば」)に於けるやうに、「表現する」「述べる」「説明する」といつた意味合ひで使はれてゐるのではないかと思ひます。ここは過去分詞で始まる分詞構文で、「條件」の意味で用ゐてゐるやうに見えます。

□參考例文

44.4.4  Simply put, it means that Buddhism is not a religion, but a kind of philosophy.

       簡單に言ふと、佛教は宗教ではなく、一種の哲學だといふことです。

 

 

【設問】

6.下線部(6) some learn more through the ear, others through the eye について、省略されている語句を補って書き直しなさい。

【解答例】

・some learn more through the ear, others learn more through the eye

7.下線部(7) more at home とはどのような状態を示しているのか、日本語で説明しなさい。

【解答例】

・指導に一層熟達してゐる状態を示してゐる。

・指導に際して、音聲使用か文字使用かに一層精通してゐる状態を示してゐる。

8.下線部(8) these differences を日本語で具体的に説明しなさい。

【解答例】

・音聲と文字のどちらを選ぶかで生れる、學び方と教へ方の違ひ。

・音聲媒體か文字媒體かの選擇で生ずる、學習者の特性による學習法の相違と指導者の熟達度合による指導法の相違。

9.下線部(9)を日本語にしなさい。

【解答例】

・4.4の[意味把握チェック]參照。

 


・英文讀解のヒント (8) 《SV it ~ to-不定詞/節》; 形式目的語

2014-07-23 | 英文讀解のヒント

英文讀解のヒント (8) 《SV it ~ to-不定詞/節》; 形式目的語

1  次の英文を音讀または默讀しながら意味をとらへ、下線部(1)、(2)については意味を日本語で言つて、または書いてみませう。(※讀み方がわからない語はあとで辭書で調べておきませう)

  (1) The Internet has made it much easier – and more entertaining – to slack off at the office.  In a widely cited survey from 2005, people said that the Net was their favorite way to waste time at work.  Businesses have responded by trying, in various ways, to restrict access.  One study found that half of all companies block access to Facebook and Twitter.  Other companies cut off online shopping sites and YouTube.  (2) And many companies have an “acceptable use policy,” making it clear that when you’re supposed to be finishing your business reports you should not be watching that excellent new video of a dog howling along to its own piano-playing.

(16 九州大學 2012 1パラ; 2012年4月20日掲載)

 

2  下線部の解説

2.1  下線部(1)は第五文型(SVOC)で、その動詞 make の目的語を假に it と置いて補語を續け、あとから to-不定詞句で it の内容を説明してゐます。

■諳誦例文

8            You make it difficult to refuse.

              そんな風に言はれると斷れないよ。

□參考例文

※補語が名詞のケースです。不定詞の否定は直前に not や never を置きます。

8.2         I make it a rule never to be late for appointments.

              私は約束には決して遲れないことにしてゐる。

 (追記)

不定詞の意味上の主語を置いた例文を追加しておきます。

□參考例文: for~ で置く例です。

8.3   The inflammation of his knee made it difficult for him to walk.

                 膝の炎症のため彼は歩くのが困難になりました。

□參考例文: 人物評價を表はす形容詞と不定詞が用ゐられる場合は of~ となります。

8.4   Everyone thought it very foolish of you to climb the mountain without a guide.

                 ガイドなしでその山に登るなんて、君はとても愚かだとみんな思ひましたよ。

2.2  下線部(2)の分詞構文部分は第五文型(SVOC)のかたちになつてゐます。make の目的語を假に it と置いて補語を續け、あとから that 節で it の内容を説明してゐます。

■諳誦例文

9            We believed it possible that he would be successful.

              私たちは、彼がたぶん成功するだらうと信じてゐた。

□參考例文

※ thatが省略されることがあります。

9.2         I take it for granted (that) they'll marry.

              もちろん二人は結婚するものと思つてゐる。(~を當然のことと思ふ)

※本ブログではまだ出て來てゐませんが、that節以外の名詞節が眞目的語になることもあります。

9.3         I should like to make it clear to you why I acted as I did.

              私が何故あのやうな行動をとつたのか、あなたにはつきり言つておきたい。

2.3  下線部(2)のやうに that のあとに節を插入するケースはよく見かけられるものです。that のあとに接續詞が續きますので見分けは容易ですが、他の品詞から轉用された接續詞(例へば once/provided など)の場合は讀み難いことがあります。この文の場合、that 節の主語は you といふことになります。

 

3  意味把握チェック

  (1)インターネットは、職場で息拔きをすることをずつと容易に-そして一層樂しいものに-してきてゐる2005年以來廣く引合ひに出される(2005年實施の)調査研究では、インターネットは勤務中に時間つぶしをする方法として人氣があるとのことであつた。(/インターネットは仕事中に時間を空費するお好みの方法であると囘答されてゐた)。企業はさまざまな方法で(インターネットへの)接續を制限しようとすることで對應してきた。ある研究によると、全企業の半數が Facebook や Twitter に接續できないやうにしてゐる。他にインターネットの買物サイトや YouTube に接續できないやうにしてゐる企業もある。(2)そして多くの企業が「許容使用方針」を持ち、業務報告を書き了へることが要求されてゐるときには、犬が自分のピアノ演奏に合はせて鳴くよくできた新作ビデオを觀てゐるべきではないといつたことを明らかにしてゐる。

 

4  意味把握チェックの下線部(1)、(2)を參考にして、元の英文に戻してみませう。

 

※下線部以外の解説については上記日付のブログ記事をご參照ください。畫面右の Back Numbers で該當の月・年をクリックし、Calendar で該當日をクリックしてご利用ください。


・44 群馬大學 2014 (4) 3パラ

2014-07-21 | 出題英文讀解

     (4) At the same time in their practice teachers have always shown recognition of the learning potential of the spoken language, because they have expected their pupils to listen to them.  (  A  ) they have assigned a certain place to speech in their classroom activities.  In part, this has been determined by the pattern of speech roles that the spoken language sets up: it is quicker and more effective to check whether a student knows the answer by asking a question orally in class than by setting a written test every time.  But there is more to it than that.  Anyone who teaches has a sense of what is communicated by speaking and what is communicated by writing; and (5) the two are not identical.  If we start with the general notion of learning through language, then some learning takes place more effectively through the spoken language and some through the written.

【設問】

4.下線部(4)を日本語にしなさい。

5.下線部(5) the two are not identical とはどのようなことなのか、the two が指し示しているものがわかるように日本語で説明しなさい。

16.( A )~( D )に当てはまる最もふさわしい語を以下からそれぞれ選び、その記号を書きなさい。

a. Similarly     b. Whether     c. Although     d. Furthermore

 

 

3.1  At the same time in their practice teachers have always shown recognition of the learning potential of the spoken language, because they have expected their pupils to listen to them.

 

[意味把握チェック]  3.1 同時に、(教育)實踐においては教師たちは學習における話し言葉の潛在的可能性について常に認識してきた。何故なら教師たちは生徒が自分の話をよく聽いてくれることを期待してきたからである。

 

[語句]

3.1

 

at the same time

同時に/それでも

 

3.2  Furthermore they have assigned a certain place to speech in their classroom activities.

 

[意味把握チェック]  3.2 さらに教師たちは教室での活動で話すこと(/スピーチ)に一定の役割を付與し(/當て)てきた。

 

3.3  In part, this has been determined by the pattern of speech roles that the spoken language sets up: it is quicker and more effective to check whether a student knows the answer by asking a question orally in class than by setting a written test every time.

 

[意味把握チェック]  3.3 このことは、一つには、話し言葉が掲げる、話しの役割パターンによつて決まつてきた。(例へば、)生徒が答がわかつてゐるかどうかは、毎囘筆記試驗を設定するより、授業で口頭で質問して確認するはうが早いし效果がある。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・前半の抽象的な記述を、:(コロンを打つた)後半の具體的な記述でわかりやすく説明してゐます。

 

[語句]

3.3

 

in part

或る程度/いくぶん/一つには

3.3

 

set up ~

~を起こす/~を揚げる/~を掲げる

3.3

 

every time

いつでも/常に

 

3.4  But there is more to it than that.

 

[意味把握チェック]  3.4 しかし(教室での話しの役割は)それにとどまらない(/それ以上のことがある)。

 

3.5  Anyone who teaches has a sense of what is communicated by speaking and what is communicated by writing; and the two are not identical.

 

[意味把握チェック]  3.5 教へる人は誰でも、話すことで(音聲により)傳はることと、書くことで(文字により)傳はることとのちがひがわかつてゐるし、兩者は同じではない。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・what は關係代名詞で、設問5の觀點にもなつてゐます。關係代名詞 what については、2012年6月27日付の拙稿に解説や例文があります。(※畫面右の Back Numbers で該當の月・年をクリックし、Calendar で該當日をクリックしてご利用ください)

 

3.6  If we start with the general notion of learning through language, then some learning takes place more effectively through the spoken language and some through the written.

 

[意味把握チェック]  3.6 學習の一般的概念(/廣い意味での學習)について、言語を通して(/言語の觀點から)(議論を)始めるなら、その際には、ある學習は話し言葉を通して行なふと一層效果があがるし、ある學習は書き言葉を通して行なふと一層效果があがるのである(/話し言葉で一層效果的に行なはれる學習もあるし、書き言葉で一層效果的に行なはれる學習もある)。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・省略: 後の some のあとに learning takes place more effectively が、written のあとに language が省略されてゐます。

・start と through language が離れてゐるため learning through language (「言語を通じた學習」)と解することもできるやうに思はれます。筆者の意圖はどちらだつたのでせうか。

 

 

【設問】

4.下線部(4)を日本語にしなさい。

【解答例】

・3.1 項參照。

5.下線部(5) the two are not identical とはどのようなことなのか、the two が指し示しているものがわかるように日本語で説明しなさい。

【解答例】

・話すことで(音聲により)傳はることと、書くことで(文字により)傳はることとは同じではない、といふこと。

16.( A )~( D )に当てはまる最もふさわしい語を以下からそれぞれ選び、その記号を書きなさい。

a. Similarly(副詞: 同樣に)     b. Whether(接續詞: ~かどうか)     c. Although(接續詞: ~にも拘らず)     d. Furthermore(副詞: その上に)

※ Similarly と Furthermore が可能ですが、意味の上では Furthermore が自然です。

【解答例】

d


・44 群馬大學 2014 (3) 2パラ

2014-07-18 | 出題英文讀解

     Traditionally the first task of the school has been to ensure that children (1) can read and write.  Once a child is literate, it is assumed that he or she can use written language as a tool for learning, in the same way that he or she has always learnt through spoken language.  In fact, until recently it would never have been expressed like (2) that; the spoken language was given little or no recognition in educational thinking, and was certainly not thought of as a (3) vehicle of learning.  Even today, though speech has been given a place in the classroom, it is seen more as a skill desirable in itself (the need to be articulate, or ‘orate’, to get on in life) than as essential equipment for learning other things.

【設問】

1.下線部(1) can read and write とほぼ同じ意味で使われている形容詞を一語、本文中から拔き出しなさい。.

2.下線部(2) that は何を指しているのか、日本語で答えなさい。

3.下線部(3) vehicle とほぼ同じ意味で使われている語を、同じパラグラフから一つ選んで書きなさい。

 

 

2.1  Traditionally the first task of the school has been to ensure that children can read and write.

 

[意味把握チェック]  2.1 傳統的に學校の最初の任務は、(過去から現在に到るまで)子どもたちが讀み書きできるやうに保障することである。

 

2.2  Once a child is literate, it is assumed that he or she can use written language as a tool for learning, in the same way that he or she has always learnt through spoken language.

 

[意味把握チェック]  2.2 いつたん子どもが讀み書きできるやうになると、男子でも女子でも書き言葉を學習の手段として使へるものと決めてかかる、子どもが話し言葉で常に學んできたのと同じやりかたで。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・preparatory it(形式主語): 眞主語はthat 節です。

・the same way について、「どんなやりかたであるか」を that ~が説明してゐます。

 

[語句]

 2.2 は「證據や客觀性を顧慮することなく、本當だと思ふ」ことを意味します。ここでは「決めてかかる」としてみました。

 

2.3  In fact, until recently it would never have been expressed like that; the spoken language was given little or no recognition in educational thinking, and was certainly not thought of as a vehicle of learning.

 

[意味把握チェック]  2.3 實際のところ、最近までは話し言葉がそんな風に表現されることは決してなかつたであらう。(つまり)話し言葉は、教育に關はる考察(/思索)では、殆ど或は全く認識さられてをらず、學習の手段とみなされることは確かになかつた。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・〈would have 過去分詞〉は假定法過去完了の歸結節に多く見られるかたちです。例へば、過去の事實と異なる事態を假定して、その結果について「~であつたらう(に)」「~しなかつたであらう(に)」といつた内容を述べるかたちです。(※この型の假定法過去完了については、本ブログ2011年6月15日付の記事に解説や例文があります)

  ここでは、最近の事實として「話し言葉で學ぶ」といつた言及があつた、或は最近では「話し言葉で學ぶ」ことが眞實として受け容れられてゐる、といふことが想定できます。それ以前であつたなら(/最近までは until recently )、「それがそのやうに表現されることは決してなかつたであらう」と述べてゐるわけです。副詞句 until recently に條件が仄めかされてゐると考へられます。(※いろいろな條件の示し方については、2011年8月17日付の拙稿に解説や例文があります)

 

[語句]

2.3     in (point of) fact      實のところ/要するに

2.3     think of ~ as …      ~を…とみなす/~を…と考へる

 

2.4  Even today, though speech has been given a place in the classroom, it is seen more as a skill desirable in itself (the need to be articulate, or ‘orate’, to get on in life) than as essential equipment for learning other things.

 

[意味把握チェック]  2.4 (課業としての)スピーチ(/「話し方」)は教室で役割(/地位)が與へられてきたものの、今日でも、話し言葉は、他のことがらを學ぶ大切な技能といふよりはむしろそれ自體望ましい技能(うまく生きてゆくため明確に話す、つまり「演説口調で話す」必要がある)とみられてゐる。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・〈more ~ than 〉: 「…といふよりはむしろ~」

□參考例文

These shoes are more pretty than comfortable.

この靴は履き心地が良いといふよりは見映えが良い。

※この意味で使ふ場合は more がそのまま置かれ prettier とはなりません。

 

[語句]

2.4     see ~ as …               ~を…とみなす/~を…と思ふ

2.4     in itself                       本來/それ自體/本質的に

2.4     get on in life              何とか(うまく)やつていく/暮らしてゆく/出世する

 

 

【設問】

1.下線部(1) can read and write とほぼ同じ意味で使われている形容詞を一語、本文中から拔き出しなさい。

【解答】

・literate

2.下線部(2) that は何を指しているのか、日本語で答えなさい。

※(2) that は前文2.2の一部(he or she has always learnt through spoken language)を指してゐるやうに見えます。2.3 の a vehicle of learning や2.4 の essential equipment for learning other things ともつながる記述です。

【解答例】

・子どもがいつも話し言葉を通して學ぶといふこと。

・話し言葉が子どもの學習の手段として常に使はれるといふこと。

3.下線部(3) vehicle とほぼ同じ意味で使われている語を、同じパラグラフから一つ選んで書きなさい。

【解答】

・tool


・44 群馬大學 2014 (2) 1パラ

2014-07-14 | 出題英文讀解

     Most of what we learn, we learn through language.  This is true even of our commonsense knowledge, all that we learn before, and outside of, our schooling; but it is especially true of educational knowledge.  Language is so central to the whole of the educational process that its role was never even talked about, since no-one could conceive of education without it.

 

 

1.1  Most of what we learn, we learn through language.

 

[意味把握チェック]  1.1 私たちが學ぶことの大部分は、言語を通じて學ぶのである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・learn の目的語(most of what we learn)が前に置かれてゐます。

 

1.2  This is true even of our commonsense knowledge, all that we learn before, and outside of, our schooling; but it is especially true of educational knowledge.

 

[意味把握チェック]  1.2 このことは、私たちの常識的な知識、言ひ換へれば、學校教育を受けるまへと學校外で學ぶ全て(の知識)にも當てはまるのだが、(學校)教育で學ぶ知識には特に當てはまる。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・言ひ換へのコンマ: all that we learn before, and outside of, our schooling は our commonsense knowledge を角度を變へて言ひ換へたものでせう。

・before our schooling and outside of our schooling を縮めて述べたと考へるとわかりやすいかもしれません。

 

[語句]

1.2

 

be true of ~

~に當てはまる

 

1.3  Language is so central to the whole of the educational process that its role was never even talked about, since no-one could conceive of education without it.

 

[意味把握チェック]  1.3 言語は教育の全過程に對してあまりに中心的なものであるから、その役割については語られることさへなかつた、言語拔きの教育など誰も想像することができなかつたから。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・〈so ~ that 〉: 「非常に~なので…」

□參考例文

The explosion was so small that no one even noticed it.

爆發はあまりにも小さくて、だれひとり氣づきもしなかつた。


・44 群馬大學 2014 (1) 全文

2014-07-11 | 出題英文讀解

  2014年に群馬大學で出題された問題です。月曜日と金曜日に、パラグラフ毎に解説して參ります。

 

次の英文を読んで、下の設問に答えなさい。

     Most of what we learn, we learn through language.  This is true even of our commonsense knowledge, all that we learn before, and outside of, our schooling; but it is especially true of educational knowledge.  Language is so central to the whole of the educational process that its role was never even talked about, since no-one could conceive of education without it.

     Traditionally the first task of the school has been to ensure that children (1) can read and write.  Once a child is literate, it is assumed that he or she can use written language as a tool for learning, in the same way that he or she has always learnt through spoken language.  In fact, until recently it would never have been expressed like (2) that; the spoken language was given little or no recognition in educational thinking, and was certainly not thought of as a (3) vehicle of learning.  Even today, though speech has been given a place in the classroom, it is seen more as a skill desirable in itself (the need to be articulate, or ‘orate’, to get on in life) than as essential equipment for learning other things.

     (4) At the same time in their practice teachers have always shown recognition of the learning potential of the spoken language, because they have expected their pupils to listen to them.  (  A  ) they have assigned a certain place to speech in their classroom activities.  In part, this has been determined by the pattern of speech roles that the spoken language sets up: it is quicker and more effective to check whether a student knows the answer by asking a question orally in class than by setting a written test every time.  But there is more to it than that.  Anyone who teaches has a sense of what is communicated by speaking and what is communicated by writing; and (5) the two are not identical.  If we start with the general notion of learning through language, then some learning takes place more effectively through the spoken language and some through the written.

     Of course, there are individual differences in learning style - (6) some learn more through the ear, others through the eye.  And there are differences in teaching style; a teacher may be (7) more at home in one or the other medium.  But above and beyond (8) these differences are the different world views that are embodied in speech and writing.  (9) Put from the learner’s point of view: reading / writing and listening / speaking are different ways of learning because they are different ways of knowing.

     (10) The written language presents a SYNOPTIC view.  It defines its universe as product rather than as process.  (  B  ) we are talking about a triangle, the layout of a house, or the organisation of a society, the written language (11) encodes it as a structure or, alternatively, as a chaos - but either way, as (12) a thing that exists.  In principle we can freeze it, attend to it, and take it in as a whole.  The cost of this perspective may be some simplifying of the relationship among its parts, and a lesser interest (13) in how it got the way it is, or in where it is going next.

     (14) The spoken language presents a DYNAMIC view.  It defines its universe primarily as process, encoding it not as a structure but as constructing - or demolishing.  In the spoken language, phenomena do not exist; they happen.  They are seen as coming into being, changing, moving in and out of focus, and as interacting in a continuous onward flow.  The cost of this perspective is that we may have less awareness of how things actually are, at a real or imaginary point in time; and a lessened sense of how they stay that way.

     We emphasised earlier that (15) these different properties are inherent in spoken and written language, in whatever form the text is actually presented to us.  It is not because a written text is itself a fixed and static object that it represents things in this way; even if we never saw the text, and only heard it read aloud, it would still have the effect of a piece of written language.  (  C  ), spoken language is spoken language even if it is presented to us in the form of a transcription, as text in writing.  (  D  ) the special features of each variety clearly derive in the first place from the (  ア  ) and the functions it serves, once it has evolved the variety becomes independent of the (  イ  ) and can be transposed into the other form.  We can all learn to talk in written language, and even (though this is harder) to compose conversation.     [764 words]

  (Halliday, M.A.K. (1985). Spoken and Written Language より抜粋. 一部書き換え・削除)

 

 

 

 

設 問

1.下線部(1) can read and write とほぼ同じ意味で使われている形容詞を一語、本文中から拔き出しなさい。.

2.下線部(2) that は何を指しているのか、日本語で答えなさい。

3.下線部(3) vehicle とほぼ同じ意味で使われている語を、同じパラグラフから一つ選んで書きなさい。

4.下線部(4)を日本語にしなさい。

5.下線部(5) the two are not identical とはどのようなことなのか、the two が指し示しているものがわかるように日本語で説明しなさい。

6.下線部(6) some learn more through the ear, others through the eye について、省略されている語句を補って書き直しなさい。

7.下線部(7) more at home とはどのような状態を示しているのか、日本語で説明しなさい。

8.下線部(8)these differences を日本語で具体的に説明しなさい。

9.下線部(9)を日本語にしなさい。

10.下線部(10)と下線部(14)はそれぞれどのようなことを言っているのか、本文に即して日本語で説明しなさい。

11.下線部(11) encode の意味を以下から一つ選び、その記号を書きなさい。

ア.To convert linguistic symbols into ideas in order to learn language.

イ.To try to understand the meaning of a word, phrase, or sentence.

ウ.To turn an idea into linguistic symbols as part of communication.

12.下線部(12) a thing that exists を文中の一語で書き換えなさい。

13.下線部(13) in how it got the way it is, or in where it is going next を同じ意味になるよう3語で書き換えるとすれば、in the の後にはどのような語が入るか、本文中の一語で答えなさい。

14.下線部(15)の内容を本文に即して日本語で説明しなさい。

15.( ア )( イ )には同一の単語が入ります。最もふさわしいものを以下から一つ選び、その記号を書きなさい。

a. culture     b. medium     c. significance     d. history     e. pattern

16.( A )~( D )に当てはまる最もふさわしい語を以下からそれぞれ選び、その記号を書きなさい。

a. Similarly     b. Whether     c. Although     d. Furthermore


・英文讀解のヒント (7) 《It ~ 節》; 強調構文

2014-07-09 | 英文讀解のヒント

英文讀解のヒント (7) 《It ~ 節》; 強調構文

1  次の英文を音讀または默讀しながら意味をとらへ、下線部については意味を日本語で言つて、または書いてみませう。(※讀み方がわからない語はあとで辭書で調べておきませう)

     In addition, cities are being revived as places to live.  People like to spend time with similar people for play as well as work.  It is not just the financial but also the dating markets of London and New York that are much deeper and more active than in the provinces.  Cities are not just good places to produce services but the best places to consume them.  The income of consumers in rich economies is spent mainly not on more stuff ―― computers, TVs, even clothes, all of whose prices are dropping in any case ―― but on personal services: eating out, gyms, facial treatments, movies and theatres.  This gives a natural advantage to cities, because the more other people there are, the more likely it is that such services will be provided.

( 一橋大學 2013 12パラ; 2013年11月15日掲載)

 

2  下線部の解説

2.1  この文は〈It is ~ that …〉のかたちで、「強調構文」と呼ばれます。文の一部を前に出し、早く相手に傳へて印象を強くする言ひ方です。強調されてゐる~の部分( not just the financial but also the dating markets of London and New York )に〈not just ~ but also …〉(「ただ~ばかりでなく…も」)のかたちが組み込まれた結果、It is と that の間が長くなり讀みにくくなつてゐます。

  強調構文は It is/was で始め、次に強調する語句を置き、文の殘り部分を that のあとに置きます。ただし、~の位置に動詞を置くことはできません。be動詞は、原則として、元の文の時制に一致させますが、過去のことであつても is が使はれるケースもあります。場合によつては It must have been ~といつたやうに助動詞が使はれることもあります。また that が省略されることがあります。

  本ブログでは強調構文を十數囘扱つてきました。大方は〈It is ~ that …〉のかたちでしたが、人間が強調されて that の代はりに who が使はれたケース(成蹊大學5パラ; 2013年4月26日掲載)、疑問詞が強調されたケース(關東學院大學9パラ; 2012年10月19日掲載)もありました。

■諳誦例文

  7        It is what you do that counts, not what you say.

            大切なのは君の行動であつて、君の言葉ではない。

□參考例文

※人間が強調され、that の代はりに who が用ゐられたケース、時を表はす副詞句で when が用ゐられたケースです。

  7.2    Was it you who told John about the accident?

          ジョンに事故のことを話したのは君かい?

 ※副詞節が置かれるケースです。7.4 は「~してはじめて…」といつた譯文になることが多いのですが、これも強調構文のひとつです。

  7.3    It wasn't until I went to work that I discovered how important school is.

          仕事をするやうになつてはじめて學校がどんなに大切かを知つた。

  7.4    It was because he was ill that we decided to return.

          私たちが引き返さうと決めたのは、實は彼が病氣になつたからだ。

※疑問詞を強調する場合は、疑問詞を先頭に置き、is/was it と疑問文の語順として that 文の殘り部分と續け、最後に疑問符をつけます。

  7.5    Whose fault is it that the window is open?

          窗が開いてゐるのは誰の責任か?

2.2  比較級の強調: much は比較級(ここでは deeper と more active)を強調してゐます。比較級を強調する語句には他にfar / a lot / still /even などがあります。

 

3  意味把握チェック

  その上、都市は生活の場として蘇りつつある。人々は仕事ばかりでなく遊びでも同類の人々と共に(時間を)過ごしたがる。地方(で)よりずつと奧が深く活溌なのは、ロンドンやニューヨークの金融市場だけでなく人々の會合市場もである。都市はサービス(/もてなし/お世話)を生み出すのにただ適した場所だといふだけでなく、サービスを消費する(/受ける)のに最適の場所なのである。裕福な(經濟状態にある)消費者の收入は、主にはもつと多くの持ち物――コンピュータ、テレビ、それに衣類さへ(それらの價格すべてがどんな事情にせよ下落してゐる)――にではなく、個人向けのサービスに費やされる、例へば外食、室内運動、顏の手入れ、映畫や觀劇など。このことで當然都市は有利になる、なぜなら(他)人が多くゐればゐるほど、それだけ餘計にそのやうなサービスが供給されることになりさうだからである。

 

4  意味把握チェックの下線部を參考にして、元の英文に戻してみませう。

 

※下線部以外の解説については2013年11月15日付のブログ記事をご參照ください。畫面右の Back Numbers で該當の月・年をクリックし、Calendar で該當日をクリックしてご利用ください。


・43 慶應義塾大學 2013 (8) 7パラ

2014-07-07 | 出題英文讀解

     But then there are (E) the other cases: patients with complicated stories or medical histories; cases where the symptoms are less suggestive, the physical exam unrevealing, and the test results misleading; and cases in which the narrative of disease strays off the expected path, where the usual suspects all seem to have alibis, and the diagnosis is elusive.  For these, the doctor must put on his or her deerstalker*and unravel the mystery.  It is in these instances that medicine can rise once again to the level of an art and the doctor-detective must pick apart the tangled threads of illness, understand which questions to ask, recognize the subtle physical findings, and identify which tests might lead, finally, to the right diagnosis.

[NOTES]

deerstalker

a cap with two peaks, one in front and one behind, and two pieces of cloth which are usually tied together on top but can be folded down to cover the ears.

(Sherlock Holmes is often depicted wearing a deerstalker.)

 

【設問】

8 下線部分(E)について、医師は具体的にどのように対処すべきであると筆者は言っているか、70字程度の日本語でまとめなさい。

 

 

7.1  But then there are (E) the other cases: patients with complicated stories or medical histories; cases where the symptoms are less suggestive, the physical exam unrevealing, and the test results misleading; and cases in which the narrative of disease strays off the expected path, where the usual suspects all seem to have alibis, and the diagnosis is elusive.

 

[意味把握チェック]  7.1 しかし一方では、他のケースもある。つまり、複雜な(/やつかいな)訴へか病歴のある患者(のケース)で、(例へば、)症状がそれほどわかりやすくなく、からだの檢査でもあきらかにならず、それに檢査結果が誤解を招くやうなケース、さらには病氣の(經過に關はる)話が豫期される道筋を外れ、そこでふつう疑はれる病氣がすべて否定されるやうに思はれ、(その結果)診斷がうまく確定できないケース(である)。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・やや長めの文ですが、〈主文:名詞句;名詞+關係副詞節;名詞+關係代名詞節+關係副詞節〉といふ構造になつてゐます。:(コロン)の後に下線部の内容を具體的に記し、;(セミコロン)の後に具體例をふたつ竝べてゐるやうに見えます。

  the physical exam と the test results のあとに be動詞を補つてみるとわかりやすいかもしれません。

 

[語句]

7.1

 

but then

しかし一方では/同時に

 

7.2  For these, the doctor must put on his or her deerstalker*and unravel the mystery.

 

[意味把握チェック]  7.2 これら(のケース)に對して、醫師は彼または彼女の鳥打帽をかぶり、なぞを解かなければならない。

 

[語句]

7.2      put on ~/put ~ on   ~を身につける/~のふりをする

 

7.3  It is in these instances that medicine can rise once again to the level of an art and the doctor-detective must pick apart the tangled threads of illness, understand which questions to ask, recognize the subtle physical findings, and identify which tests might lead, finally, to the right diagnosis.

 

[意味把握チェック]  7.3 かうした例に於いてこそである、醫學がもう一度藝(術)の域に高まることが可能となり、探偵(のやうな觀察力と推理力をもつ)醫師が入り組んだ病氣の絲をほぐし、どの質問をするべきかを心得(/理解し)、微妙なからだの所見を認め(/を認識し)、どの檢査をすれば最終的に正しい診斷に到るかを見分け(/識別し)なくてはならないのは。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・preparatory it(強調構文): in these instances が前に置かれて強調されてゐます。殘りの部分には二つの節が置かれ、後のはうの主語は the doctor-detective で、動詞が四つ竝んでゐます。must は四つの動詞すべて(pick / understand / recognize / identify)にかかつてゐます。

 

[語句]

7.3

 

once again

もう一度

7.3

 

lead to ~

(事が)(ある結果:~)に到る

 

 

[NOTES]

deerstalker

a cap with two peaks, one in front and one behind, and two pieces of cloth which are usually tied together on top but can be folded down to cover the ears.

(Sherlock Holmes is often depicted wearing a deerstalker.)

(前後にふたつの庇があり、いつもは上に結ばれてゐるが耳を覆ふために下すことができる二片の布部をもつ帽子。シャーロック・ホームズはしばしば deerstalker をかぶつた姿で描かれる)

 

 

【設問の考へ方】

・設問では「医師は具体的にどのように対処すべき」かを問うてゐます。この質問に答へる文體で記します。

・下線部(E)については直後に説明が展開されます(7.1)。cases に the がついてゐますから、6パラで述べた routine 以外の殘りの場合について紹介されてゐることがわかります。

・7.2 以降にどうしたら良いかが記されてゐますが、比喩的な記述が含まれてゐます。出題者の氣持になつてみれば、比喩が實際の醫療の場で意味するところを理解し、それを踏へて實際に醫師が實施すべきことがらを理解してゐるかどうかを觀たいのだと推察されます。

・醫師が爲すべきことは、具體的には7.3の下線部に記されてゐます。これを70字前後にまとめることが解答の最小要件でせう。字數に餘裕があれば、「探偵のやうな能力(例へば、觀察力と推理力)」や「病氣に(忍耐強く)向合ふ姿勢」に言及するのが適切かと思ひます。

【解答例】

・醫師は、患者にどの質問を問ふべきかを理解し、微妙なからだの所見を認識し、どの檢査をすれば最終的に正しい診斷に到るかを識別すべきである。(66字)

・醫師は探偵のやうな觀察力と推理力を以て病氣と忍耐強く向合ひ、患者に問ふ質問を心得、微妙な身體所見に氣づき、最終的に正しい診斷に到る檢査を識別すべきである。(77字)


・43 慶應義塾大學 2013 (7) 6パラ

2014-07-04 | 出題英文讀解

     Usually, the diagnosis is routine.  The patient’s story and exam suggest a likely suspect, and the technology of diagnosis rapidly confirms the suspicion.  A doctor with an elderly patient complaining of a fever and cough might well suspect pneumonia, and this suspicion can be quickly checked with an X-ray.  A man in his fifties has chest pain that radiates down his left arm and up to his jaw, and electrocardiography* or a blood test bears out the suspicion that he is having a heart attack.  This is the bread and butter of medical diagnosis ―― cases where cause and effect tie neatly together and the doctor can almost immediately explain to the patient and his / her family what the problem is and, usually, how it arose.

[NOTES]

electrocardiography

the measurement of electrical activity in the heart and its recording as a visual trace (on paper or on an oscilloscope screen), using electrodes placed on the skin of the limbs and chest

 

設問 

7  According to the sixth paragraph, which of the following statements is not true?

  (A)  The process of reaching a diagnosis is generally not particularly complicated.

  (B)  A preliminary diagnosis can usually be quickly confirmed with technology.

  (C)  Certain signs in certain patients clearly point to specific medical conditions.

  (D)  Although doctors can usually identify illnesses, they cannot normally tell what caused them.

 

 

6.1  Usually, the diagnosis is routine.

 

[意味把握チェック]  6.1 普通、診斷は型どほりに爲されるものである。

 

[語句]

6.1

 

routine

[アクセント注意]([ru:tí:n])

 

6.2  The patient’s story and exam suggest a likely suspect, and the technology of diagnosis rapidly confirms the suspicion.

 

[意味把握チェック]  6.2 患者の話と檢査によつて疑はれる病氣が示唆され、診斷技術によつて疑ひがすばやく裏づけられる。

 

6.3  A doctor with an elderly patient complaining of a fever and cough might well suspect pneumonia, and this suspicion can be quickly checked with an X-ray.

 

[意味把握チェック]  6.3高齡の患者が熱と咳を訴へるなら、醫師が肺炎を疑ふのは道理であらうし、この疑ひはX線寫眞で即座に確認することが可能である。

 

[語句]

6.3     might well                 ~するのももつともだ(※ may well より控へめ)

 

6.4  A man in his fifties has chest pain that radiates down his left arm and up to his jaw, and electrocardiography* or a blood test bears out the suspicion that he is having a heart attack.

 

[意味把握チェック]  6.4 五十代の男性に左腕から顎にかけて廣がる胸痛があれば(/あるなら)、心電計か血液檢査で心臟發作(/心臟痲痺)であるといふ疑ひが實證される。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・同格: the suspicion と that he is having a heart attack とが竝べ置かれ、後者が前者を説明してゐます。

 

[語句]

6.4     bear out ~/bear ~ out               ~を支持する/~を實證する

 

6.5  This is the bread and butter of medical diagnosis ―― cases where cause and effect tie neatly together and the doctor can almost immediately explain to the patient and his / her family what the problem is and, usually, how it arose.

 

[意味把握チェック]  6.5 これが醫療診斷の基本である――因果がきれいに結びつき(/きちんと一致し)、醫師が患者やその家族に對して、問題が何なのか、そして通例どのやうに發症したのかをすぐにも説明できるケースである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・ダッシュ記號のあとの cases~ は the bread and butter of medical diagnosis の説明ですが、第7パラグラフの cases と對比させてゐます。

・where~の關係副詞節は cases について説明してゐます。

 

[語句]

6.5     tie together                一致する/合ふ

 

 

[NOTES]

electrocardiography

the measurement of electrical activity in the heart and its recording as a visual trace (on paper or on an oscilloscope screen), using electrodes placed on the skin of the limbs and chest(脚部と胸部の皮膚に置かれた電極を用ゐた、心臟に於ける電流測定と、(紙またはオシロスコープ畫面での)目に見える軌跡記録)

 

 

【設問】

7  According to the sixth paragraph, which of the following statements is not true? (第6パラグラフによると、次に述べてゐることのうちでどれが正しくないか)

○○(A)  The process of reaching a diagnosis is generally not particularly complicated. (診斷に辿り着く過程は普通は特に複雜なものではない)※ 6.1 やパラグラフ全體と矛盾しない言明です。

○○(B)  A preliminary diagnosis can usually be quickly confirmed with technology. (豫診は通例科學技術ですばやく確認される)※ 6.2、6.3、6.4 から引きだせます。

○(C)  Certain signs in certain patients clearly point to specific medical conditions. (ある患者のある兆候は醫學上の特定の状況を明確に指し示す)※ 6.2前半でこのことを示唆し、6.3、6.4 でかういふ事例を紹介してゐます。

×××(D)  Although doctors can usually identify illnesses, they cannot normally tell what caused them. (通例醫師は病氣を特定できるが、通常は何が病氣を引き起してゐるか(/病氣の原因)はわからない)※ 6.5 に反します。

【解答】

D