英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

假定法の讀み方 (6) 「as if 假定法過去」

2011-06-01 | 英文法ミニ解説

2  as if・假定法過去」型: ≪直説法 as if 過去形.

 

【諳誦例文】

S.2  He speaks as if he were an expert.

彼はまるで專門家であるやうな口のきき方をする。

     ※實際には專門家ではないことがわかつてゐる状況で述べられてゐます。

         expert →アクセント注意 發音注意

 

2.1  このかたちは直説法と假定法の兩方で使はれます。

直説法の場合は、「實際にそのやうになりさうだ」「おそらくさうだらう」といふ意味で用ゐます。

[例文]  as if・直説法

    2.1  It looks as if it’s going to rain.

     雨が降りさうな空模樣だ。

 

假定法過去の場合は、上の諳誦例文のやうに「主節の動詞と同時の事柄について、事實としてさうではないことがわかつてゐる状況」で述べられるものです。

 

2.2  as if as though と置き換へても同じ意味になります。

[例文]  as though 假定法過去(下線部)

  2.2  He spoke as though he knew all about our plans when in fact he knew nothing about them.

       彼は實際には何も知らないのに私たちの計畫のことを何でも知つてゐるかのやうに話した。

 

2.3  口語では、主語が1人稱單數、3人稱單數のとき、were の代はりに was が使はれることがあります。

 

2.4  假定法では時制の一致が起こりませんから、前の直説法の動詞が過去形であつても假定法過去のかたちは變化しません。諳誦例文を例にとつてみませう。(このとき were は、主節の動詞と同時の思ひを述べてゐます。)

2.4  He spoke as if he were an expert.

     彼はまるで專門家であるやうな口のきき方をした。

 

[用例]  as if 假定法過去

(BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

 

1  Bumstead! Don’t you remember what you said you’d do if I ever turned the company over to you?!

you’d = you would

turn over (會社など)を人に讓る / まかせる

   ムス 覺えてゐないのか、もしワシがお前に會社をまかせるとしたらお前がするだらうと言つた内容(こと)を?!

2  You told me you’d treat it as if it were your own!!

  you’d = you would

   「お前は、會社を自分の會社(であるか)のやうに扱ふ(だらう)と言つたんだぞ」

2  Then what’s the problem?

   「それぢや何が問題なんです?」

3  If it were my company, this is exactly what I’d be doing.

  I’d = I would

   「もしこの會社が自分の會社であれば、私は全く今の通りにしてるでせう」(←これが、正に私がしてゐるであらうことです)

 

【ユーモア】

  社員の moraleを高めるのに苦勞してゐる經營者とグータラ社員とのやりとり。あの手この手をつかつても簡單には經營者の思ひどほりにはゆかないこと、社員のたくましい?對應が笑ひを誘ひます。

  兩者の思ひや行動の落差が笑ひを生み出してゐます。

 

 


假定法の讀み方 (5) 出現パターンなど

2011-06-01 | 英文法ミニ解説

  假定法は、以下の①~③をおさへるとわかりやすくなるやうに思ひます。

 

  ① 假定法は、動詞、助動詞などを使ふシステムのひとつと考へること

  ② 假定法のシステムでは、多くの場合、直説法(システム)の動詞、助動詞を借りて、時制を變へて用ゐたり、時制のない不定詞(原形)を用ゐること

  ③ 假定法が使はれる文にはパターンがあり、それぞれのパターンにおける動詞等の使ひ方により表はす意味が決まること

 

  ①②についてはこれまで説明して來ました。直近の「假定法の讀み方(3)(4)」で③のパターンのひとつ、

1 if・假定法過去」型: ≪if 過去形, would* 原形.

を解説したところです。

今後、このブログでは、毎週水曜日にすこしづつ③項を解説してゆきます。はじめに最も基本となる10のかたちを紹介します。その後に、いくつか追加・應用の項目を記してゆく豫定です。

 

  最も基本となる10のかたちとは、以下のやうなもので、とかく混亂しがちな假定法をできるだけすつきりと覺えることを優先して竝べてみたものです。右側の≪≫でそれぞれのかたちを示し、「假定法のシステム」で動詞、助動詞等を用ゐる部分に下線を施してゐます。

 

1  if・假定法過去」型: ≪if 過去形, would* 原形.

2  as if・假定法過去」型: ≪直説法・as if 過去形.

3  wish・假定法過去」型: ≪wish (that) 過去形.

4  if・假定法過去完了」型: ≪if had 過去分詞, would* have 過去分詞.

5  as if・假定法過去完了」型: ≪直説法 as if had 過去分詞.

6  wish・假定法過去完了」型: ≪wish (that) had 過去分詞.

7  ifshould」型: ≪if should 原形, would* 原形 / will* 原形.≫

8  ifwere to」型: ≪if were* to原形, would* 原形.

9  propose」型: ≪propose * that 原形*.

10  It is desirable」型: ≪It is desirable * that 原形*.

 

11 以降は追加・應用篇となります。英文を讀む際に必要と思はれる假定法の用法を紹介し、必要に應じて諳誦例文を添へる豫定です。