[用例研究 272] 〈不定詞16 「判斷の根據」について説明補足〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake ©2003 King Features Syndicate Inc.)
1 You’re nice to have me for dinner while Cora’s away.
1 It’s our pleasure, Mr. Dithers.
2 Thanks again for the great dinner... I’ll see you tomorrow night.
2 What’s tomorrow night?
3 Leftovers.
[解説]
1
・You’re nice to have me for dinner: You’re niceと切出し、相手を「親切だ」「思ひやりがある」と評價・判斷してゐます。次いで、不定詞句to have me for dinner~と述べてゐます。兩者の關はりから、「判斷の根據」について説明を補足してゐると考へられます。つまり食事に私を招いてくれてあなた(方)は思ひやりがある」と感謝の氣持を傳へてゐるわけでせう。
文法書では不定詞の副詞的用法として解説されます。
□參考例文: 人物評價の形容詞が、「判斷の根據」を表はす不定詞を伴ふ場合、=で示した例文のやうな言ひ方もできます。
You were careless to make such a mistake.
= It was careless of you to make such a mistake.
そんな間違ひをするなんて、君は不注意でしたね。
□參考例文: 上記の二番めの例文のやうに、人物評價の形容詞につづく不定詞句が「判斷の根據」を述べてゐる例です。(參照: 用例研究 221 Jun. 22, 2020)
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 1996 King Features Syndicate Inc.)
・It’s our pleasure: 「どういたしまして」。ここは夫婦としての返しでour pleasureとしてゐます。自分だけでしたらIt’s my pleasureとなります。
[意味把握チェック]
1 「Coraの留守中にディナーに招いてくれて親切だね(/思ひやりに感謝してるよ)」
1 「どういたしまして、Dithersさん」
2 「すばらしいディナーにもう一度禮を言ふよ…明日の晩にまたな(/會はう)」
2 「明日の晩つて?」
3 「(今夜の)殘りもの(をいただくの)だよ/さ」
[笑ひのポイント]
・Dithers社長の厚かましさが笑ひを誘ひます。またBlondieの料理の腕前と親切さへの讚嘆も讀者は感じとつてゐることでせう。