最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

過労で発症、2億円弱賠償命令=元レストラン店長、残業月200時間-鹿児島地裁

2010年02月17日 | Weblog
2月16日の時事通信ニュースによると、
『鹿児島県鹿屋市の元レストラン店長松元洋人さん(35)が「低酸素脳症」を発症し、意識不明で寝たきりになったのは、長時間の時間外労働が原因として、松元さんと両親が、レストラン経営会社「康正産業」(鹿児島市)を相手に計約3億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は安全配慮義務違反と発症との因果関係を認め、未払いの残業代を含め計約1億9500万円の支払いを命じた。
 原告側代理人によると、損害賠償額は約1億8700万円で、過労をめぐる訴訟では最大規模という。賠償額には、寝たきりになった時点から46年分の介護費用も含まれている。』
 残業時間200時間ということは月360~370時間勤務になると思います。
週一日の休みとしても1日14時間以上勤務です。不払残業が問題になっていますが、過重労働の問題は従業員の健康にかかわる大問題です。場合によっては命に係る重大な問題です。事業主はもっと自覚するべきだと思います。

3月からの健康保険料が発表になりました(協会けんぽ)。

2010年02月16日 | Weblog
2月12日、協会けんぽから
平成22年3月以降の保険料が発表になりました。
大幅なアップです。驚きました。

健康保険は都道府県ごとに保険料率が変わります。
東京ですと、
健康保険
8.18%→9.32%
介護保険(全国共通)
1.19%→1.5%

健保料介護保険料合わせると、
9.37%→10.82%
です。

30万円ですと、
健保料介護保険料合わせて
(旧)30万円×9.37%÷2=14,055円(従業員・事業主同額)
(新)30万円×10.82%÷2=16,230円(従業員・事業主同額)

2,175円×12か月=26,100円(年間)
賞与が出た場合は別途。

デフレ時代でこのアップは大きいです。

3月分の保険料は4月支給の給与から控除になります。

http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,131,586.html


日通元社員自殺、上司発言がうつの一因と認定 大阪地裁2010年2月15日21時8分

2010年02月16日 | Weblog
2月15日のアサヒコムのよると、
『日本通運(本社・東京)の男性元社員(当時56)が首つり自殺したのは上司から退職を迫られたのが原因として、妻ら遺族3人が同社に慰謝料など計約5千万円の賠償を求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であった。田中敦裁判長は、上司の発言が男性の精神状態を悪化させた一因と認定し、同社が安全配慮義務を怠ったとして慰謝料など約330万円の支払いを命じた。
 遺族側は、男性が生きていれば得られたはずの収入(逸失利益)2千万円余りも求めたが、判決は、上司の発言と自殺との直接の因果関係まではないとして退けた。
 判決によると、男性は2004年春に関西空港支店に配属され、貨物の仕分けなどを担当。持病のC型肝炎の治療で入院した後の同7月、通院しながら職場に復帰したいと上司に伝えた際、「自分から身を引いたらどうか」と退職を勧められた。そのころからうつ病を発症し、06年11月に自宅で自殺した。』
 会社としては、病気で完全に労務が提供できないので、退職を勧めたのでしょう。
 遺族としては不服な判決でしょうが、一方会社や総務担当者の立場を考えたら、酷な判決にような気もします。
 


全健国保に個人事業所装い加入 組合本部が誘導か(朝日新聞)

2010年02月15日 | Weblog
2月13日の朝日新聞によると、
『ずさんな会計処理や無資格加入が問題になった全国建設工事業国民健康保険組合(本部・東京、森大(もり・ひろし)理事長)で、原則では加入できない株式会社などの法人事業所が、個人事業所を装って加入している事例が大量にあることが分かった。組合本部が偽装加入を誘導してきたという証言もあり、組合は結果的に国からの手厚い補助金を不当に受け取っていたことになる。
 偽装した個人事業所が大量に見つかったのは札幌市周辺。社員をグループ分けして架空の個人事業所の従業員にしたり、法人であることを隠すため届け出の事業所名から「株式会社」などの表記を外したりしていた。
 組合関係者が札幌市内の組合員について調べたところ、従業員の分割で個人事業所を装った疑いがあるケースは300近く、法人隠しの疑いがあるのも600社近くにのぼったという。
 約40人の社員がいる建設会社の場合、この会社の下に5人以下の「グループ」を九つ作っていた。事業所名は従業員の氏名を使って「○○工業」「××建設」などと命名していた。
 個人加入が原則の国保組合と異なり、法人や事業主を除き5人以上の従業員がいる個人事業所には、事業主負担がある協会けんぽ(旧政府管掌健保)への加入が義務づけられている。偽装は事業主負担を逃れるための工作とみられる。組合の元幹部は「本部が考え出した方法だ。支部長会議で説明した」と組合主導を認めている。東京や福岡でも個人事業所として加入している法人の例があり、全国的に不正が横行している可能性がある。
 法人などには協会けんぽとセットで厚生年金にも加入義務があり、いずれも月々の保険料を事業主と従業員で折半する。小規模の個人事業所であれば、全建国保と国民年金のセットが選択でき、いずれも事業主負担がない。
こうした協会けんぽや厚生年金の加入義務は、1997年に厳格化され、法人事業所などは、原則として組合を脱退することになった。
 協会けんぽについては加入を免除する例外規定があり、国保組合に残ることができたが、厚生年金への加入は避けられない。そのため、個人事業所の偽装は97年から急速に広がったという。
 組合には、国庫から補助金が出ており、08年度で約240億円。本来は協会けんぽに加入しなければならない人が、個人事業所の従業員として全建国保に加入していることによって、国は組合に対して余分な補助金を出していることになる。』
 これは建設業者が社会保険の事業主負担をなくすための脱法行為です。組合自体が誘導していたのは悪質極まりないことです。