最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

過労死で「日本海庄や」に7800万円賠償命令 休日など対策なし

2010年05月26日 | Weblog
5月25日の産経新聞によると、
『全国チェーンの飲食店「日本海庄や」に勤務していた吹上元康さん=当時(24)=が過労で死亡したのは、過重な労働を強いた企業の安全配慮義務違反として、両親が同店を経営する「大庄」(東京)と同社の社長らに慰謝料など約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。大島眞一裁判長は「労働時間について配慮していたものとは全く認められない」として原告側の主張を認め、同社などに約7800万円の支払いを命じた。
 判決理由で、大島裁判長は元康さんの勤務先が1カ月300時間を超える長時間労働が常態化されていたことをあげ「企業は元康さんの生命や健康に配慮すべき義務を負っていたにもかかわらず、休憩や休日を取らせておらず何ら対策を取っていなかった」と指摘。「月80時間」の時間外労働をしなければ給与が差し引かれる当時の同社の給与体系についても「労働時間が長くならないように適切な措置を取る体制をとっていたといえない」と述べた。
 判決などによると、元康さんは平成19年4月に入社。「日本海庄や」石山駅店(大津市)に配属されたが、同年8月11日未明、自宅で就寝中に急性心不全で死亡した。死亡までの約4カ月間の時間外労働は、月約100時間前後と過労死の認定基準(月80時間超)を上回っており、大津労働基準監督署に労災認定された。』
 80時間時間外労働しなければ、給与が差し引かれるというのは、長期時間労働が前提なのでしょう。同業他社のみならず、長時間労働が常態の会社は早急な対応が必要です。犠牲者が出る前に。

協会けんぽ支援へ、健保組合が負担肩代わり 救済法成立

2010年05月12日 | Weblog
5月12日のアサヒ・コムのよると、
『中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)などの医療保険の救済法が12日、参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。協会けんぽの財政支援のため、大企業のサラリーマンらの健康保険組合(健保組合)や公務員らの共済組合に負担の肩代わりを求めることが柱。国庫補助も増やして、保険料率の上昇を抑える。
 財政悪化により、協会けんぽの保険料率(労使折半)は2010年度に全国平均が8.2%から9.9%に急増する試算になった。これを抑制するには国庫支援だけでは賄えないため、3年間の特例措置として健保組合が年間500億円(今年度は330億円)、共済組合が350億円(同230億円)を負担。これらにより、協会けんぽの保険料率は全国平均で9.34%に抑えられる。
 また、保護者が保険料を滞納して「無保険」となった子どもの救済策として、短期保険証の交付対象を高校生世代(現行は中学生以下)にまで拡大する。市町村が運営する国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料を軽減する措置も盛り込まれた。』
 3月に実施された協会けんぽの保険料の急激な上昇は目を疑いました。
 国は中小企業をいじめるなと言いたい!
 国債発行してこども手当を出すよりも、社会保障の充実を図ってほしい。




<退職強要>「入社9日で」 24歳男性、労働審判申し立て

2010年05月10日 | Weblog
5月9日の毎日jpによると、
『大学院を修了して4月にベンチャー企業に就職したばかりの男性(24)が、電話応対のミスなどを理由に退職を強要されたとして、社員の地位確認と3年分の給与支払いを同社に求める労働審判を東京地裁に申し立てた。男性は試用期間中の入社9日目に退職届を書かされたという。
 申し立ては4月26日付。申立書などによると、男性は大学院在学中の昨年5月、神戸市に本店を置くITコンサルタント会社に内定。4月に入社し東京本社に配属されたが、社内試験の成績や電話応対の仕方を理由に「落ちこぼれ」などと大声で叱責(しっせき)され、反省文を連日書かされた。
 9日夕、男性を個室に呼び出した上司は約2時間にわたって「給料だけもらって居座るのか」と迫り、自己都合を理由とする退職届を書くよう指示した。
 男性は「反省文を突き返されたり怒鳴られたりの毎日で身も心もぼろぼろだった。反論しても聞き入れてもらえず、あきらめて従うしかなかった」と話す。今後は福岡県の実家に戻って就職活動を再開する予定だが「入社直後の退職が採用に悪影響を及ぼすのでは」と不安を漏らす。
 代理人の吉原政幸弁護士も「密室で圧力をかける行為などは明らかに違法。男性は新卒という就職機会を逸することになった」と批判する。これに対し同社は「コメントすることはない」としている。【市川明代】
 ◇試用期間中解雇、相談増え
 長引く不況を背景に、民間の労働相談窓口には、試用期間中の解雇や退職勧奨に関する訴えが増えている。担当者は「新卒の就職は厳しく、問題のある企業を見抜くのも難しくなっている。試用期間中でも正当な理由のない解雇は無効。理不尽な目に遭ったら泣き寝入りせず相談してほしい」と呼び掛けている。
 NPO法人「労働相談センター」(東京)には「『適性がない』と解雇を言い渡された」「退職届を書けと言われた」といった相談が4月だけで約10件あった。
 若者の労働相談を受けている「POSSE」(同)にも訴えが相次ぐ。新宿区のIT企業では入社1年未満の4~5人が、トイレ掃除ばかりさせられたり中学生のドリルを解かされるなどし、退職に追い込まれたという。
 これらのNPOは「こうした企業は不況を背景に十分な採用計画を立てないまま内定を出し、気に入らない人間から切っているのではないか。労働者を育てる気構えがなく、気に入らなければ取り換えようという風潮が広がっている」と分析している。【市川明代】』
 こういった会社は、自社の必要とする人材(期待する人材)像が見えていないし、記事にもあるように育てる気がそもそもないように感じます。