最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

改正パートタイム労働法【平成20年4月1日変更】

2007年10月29日 | Weblog
少子高齢化、労働力人口減少社会で、パート労働者が能力を一層
有効に発揮することができる雇用環境を整備するため、パートタ
イム労働法が改正されます。
(1) 雇い入れの際は、労働条件を文書などで明確にする。
① 一定の労働条件について明示が義務化されます。
労働基準法により労働条件の明示が文書の交付によって義務づ
けられている事項に加え、一定の事項(昇給、退職手当、賞与
の有無)について、文書の交付等による明示が義務化されます。
→違反の場合は過料(10万円)に処せられます。
② 待遇の決定に当たって考慮した事項について説明することが義
務化されます。
雇い入れ後、パート労働者から求められたとき、待遇を決定す
る に当たって考慮した事項を説明することが義務化されます。
《説明義務が課せられる事項》
労働条件の明示、就業規則の作成手続、待遇の差別的取扱い、
賃金の決定方法、教育訓練、福利厚生施設、正社員への転換
を推進するための措置

(2) パート労働者の待遇は働き方に応じて決定する。
 「正社員と同視すべきパート労働者」の待遇を差別的に取り扱う
  ことが禁止されます。
正社員(通常の労働者)と同視すべきパート労働者(正社員と職
務(仕事の内容や責任)が同じで、人材活用の仕組み(人事異動
の有無や範囲)が全雇用期間を通じて同じで、かつ、契約期間が
実質的に無期契約となっているパート労働者)のすべての待遇
(賃金、教育訓練、福利厚生等)について、パート労働者であるこ
とを理由に差別的に取り扱うことが禁止されます。


最近のセクハラ報道(4件)

2007年10月22日 | Weblog
①中央大講師がセクハラで解雇=女子学生に、卒業後も
10月20日の朝日新聞によると、
『中央大学は20日、女子学生へのセクハラ行為などを理由に商学部の男性専任講師(30)を懲戒解雇したと発表した。女性は卒業後も被害を受けており、今年4月に知人を介して大学側に訴えていた。
 大学によると、男性講師は2005年秋から2007年春まで、女性にセクハラ行為を続けていた。定員十数人の少人数授業を受け持ち、受講していた女性と知り合い、その後個人研究室で性的関係を持ったという。』 

②調教師からセクハラ行為、名古屋競馬の山本茜騎手が提訴
10月20日の読売新聞によると、
 名古屋競馬の山本茜騎手(24)が、所属していた厩舎(きゅうしゃ)の男性調教師(48)からセクハラ行為を受けたとして、この調教師を相手取り、550万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こしていたことが20日、わかった。
 訴状などによると、山本騎手は2003年に、この調教師の厩舎に見習いとして所属。05年10月に騎手デビューしたが、これまで調教師から抱きつかれるなど、たびたびセクハラ行為を受けた。
 今年1月には、調教師の自宅に呼ばれ、全裸になった調教師に、山本騎手も服を脱ぐよう求められたこともあったという。これを拒否するなどしたことから、今年5月、厩舎の変更を余儀なくされたとしている』。

③女性教員にキス、校長を諭旨免職 大阪市教委
10月10日の産経新聞によると、
『部下の女性教員にセクシュアルハラスメント(性的いやがらせ)行為をしたとして、大阪市教委は10日、鶴見区内の市立小学校の男性校長(58)を諭旨免職処分にした。
 市教委によると、校長は9月11日午後10時半すぎに部下の女性教員と阿倍野区内の路上を歩いていた際、ビル建物の陰で女性教員を抱き寄せ、キスをするなどしたという。
 校長はこの日、メールで部下の女性教員を呼び出し、同区内の居酒屋で飲酒を伴う食事をしていた。その後の帰宅途中にセクハラ行為に及んだという。
 翌日、女性教員の様子がおかしいため、同僚教員が聞いたところ、セクハラ行為が発覚した。女性教員は以前から校長に悩み事を相談するなどしていた。校長は事実を認めたうえで「軽率な行為だった」と話しているという。
 市教委の基準では、セクハラ行為は停職または減給処分だが、今回は校長という役職だったことを重くみて諭旨免職処分にした。』

④親会社に賠償命令=NBAニックスのセクハラ裁判
10月3日の時事通信によると、
『米プロバスケットボール協会(NBA)、ニックスの元女性職員アヌカ・ブラウン・サンダースさん(44)が、アイザイア・トーマス社長(現監督兼任)からセクハラ(性的嫌がらせ)を受けたことなどを理由に訴えていた裁判で、当地の米連邦地裁は2日、チームを運営するマディソン・スクエアガーデン社の親会社のケーブルビジョン・システム社と同社社長のジェームズ・ドーラン氏に対し、賠償金計1160万ドル(約13億3400万円)の支払いを命じる裁定を下した。トーマス社長の賠償責任については陪審員の意見不一致により無効審理となった。
チームのマーケティング担当副社長を務めていたブラウンさんは2004年1月にトーマス社長のセクハラを告発。直後に不当解雇されたと主張した。同社長は一貫して無実を主張している。』 

最近のパワハラ報道(2件)

2007年10月20日 | Weblog
①上司の叱責、「パワハラ状態」=自殺過労死を労災認定-保険審査会
10月18日の時事通信社によると、
『盛岡市の自動車部品販売会社「日産部品岩手販売」に勤務していた男性=当時(31)=が自殺したのは、過重なノルマや上司の強い叱責(しっせき)などが原因として、労働保険審査会は18日までに、盛岡労働基準監督署長などが出した遺族補償給付の不支給処分を取り消した。審査会は「売り上げ目標も高く、叱責による心理的負担はパワーハラスメント(職権を背景とした嫌がらせ)を受けているような状況」と認定した。
 裁決書などによると、男性は1996年に入社。99年8月に盛岡営業所に配属されたが、営業経験がないにもかかわらず厳しいノルマが課され、休日出勤も強いられた。さらに上司の営業部長から、ノルマ不達成などを理由に、毎日のように「辞表を書け」「やる気があるのか」などと叱責され、重度のストレスが原因で、同年12月に自殺した。』 

②上司の暴言と自殺の因果関係認める 東京地裁判決
10月15日の朝日新聞
『上司から「お前は給料泥棒だ」「目障りだから消えてくれ」などと言われ続けた会社員が自殺した。暴言が自殺の引き金になったかどうかが争われた訴訟の判決で、東京地裁は15日、自殺と暴言との因果関係を認め、会社員の死を労災と認める判断を示した。渡辺弘裁判長は「心理的負荷は、人生でまれに経験する程度に強度だった」と指摘した。被告の国側は「自殺は業務によるものではない」と主張していた。
 原告側によると、パワーハラスメント(職権を利用した嫌がらせ)を原因とする自殺を労災と認めた司法判断は初めて。代理人弁護士は「これまで上司の暴言も『指導上の範囲だ』とされ、労災認定から放置されてきたことに一石を投じる判決だ」としている。
 03年3月に自殺した医薬品販売会社「日研化学」(現・興和創薬)の男性社員(当時35)の妻が、労災に対する給付金を不支給とした静岡労働基準監督署の処分を取り消すよう求めていた。
 判決などによると、男性は静岡県沼津市などで病院への営業などを担当。02年4月に営業成績の改善を図るために赴任した係長が、同年秋ごろから男性に暴言を浴びせたほか、相談に応じないなどのパワーハラスメントを繰り返した。
 渡辺裁判長は、係長が「お前は会社を食い物にしている。給料泥棒だ」「存在が目障りだ。お願いだから消えてくれ」「車のガソリン代がもったいない」「どこへ飛ばされようと、おれはお前が仕事をしないやつだと言いふらしたる」などと発言したと認定し、「言葉の内容自体が過度に厳しい」などと指摘。』

過労死報道より(2件)

2007年10月11日 | Weblog
①自殺会社員を労災認定=三菱電機から出向「気分障害」-失踪1年半後、遺体で発見
10月10日の時事通信社によると、
『三菱電機社員だった男性=当時(33)=が出向中に自殺したのは過労が原因として、三田労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが10日、分かった。男性は会社を出たまま失踪(しっそう)し自殺、約1年半後に見つかった。
 代理人で過労死弁護団全国連絡会議幹事長の川人博弁護士は「失踪から発見まで時間の空白があり、証言や証拠を収集しにくい困難な状況の中、労災認定を得たのは大きな意義がある」としている。
 遺族側によると、男性は1996年に三菱電機に入社。2003年10月に東芝三菱電機産業システム(東京都港区)に出向したが、同12月2日に失踪し、05年4月28日、山梨県上九一色村(現富士河口湖町)の青木ケ原樹海で発見された。今年1月に両親が労災申請していた。
 男性は三菱電機で主に配電機器製品の技術営業を担当していたが、出向後は設計も担当。深夜までの勤務や休日出勤が常態化し、徹夜勤務も繰り返していた。失踪前1カ月間の時間外労働は、遺族側の計算では約178時間に達したが、会社側の勤務表は月25時間となっていた。
 労基署は、失踪前3カ月間の時間外労働は月約97時間から約110時間に上ったと認定。本人の体重が減っていたことに加え、落ち込んでいた様子だったとの証言から、認定理由について、過労が原因で精神障害の一種である「気分障害」を発症していたと考えられると説明したという。』 

②残業140時間、過労死で賠償命令=8300万円、薬剤師の両親勝訴-名古屋地裁
10月5日の産経新聞によると、
『東海地方でドラッグストアを展開する「スギヤマ薬品」(名古屋市千種区)に勤めていた薬剤師杉山貴紀さん=当時(24)=が死亡したのは、長時間労働による過労が原因として、静岡県大井川町に住む杉山さんの両親が同社を相手に慰謝料など約2億600万円の支払いを求めた訴訟の判決が5日、名古屋地裁であり、多見谷寿郎裁判長は計約8300万円の支払いを命じた。
 多見谷裁判長は、杉山さんが死亡する前の1カ月間の時間外労働は約138時間にも上り、休日も2日しかなかったと指摘。「必要な睡眠時間の確保も難しく、疲労が過度に蓄積していく状態だったにもかかわらず、会社側は適切な措置を怠った」として、過労死を認定した。』 

サービス残業代227億円=是正指導で1679社支払い-06年

2007年10月06日 | Weblog
10月5日の時事通信社によると、
 『厚生労働省は5日、過労死や過重労働の温床となっているサービス残業について、2006年度の調査結果を発表した。それによると、各地の労働基準監督署からサービス残業の是正を指導され、100万円以上の残業代を支払った企業は1679社と調査を始めた01年度以降で最高を記録。支払総額は227億1485万円(前年度232億9500万円)に上った。
 是正指導を受けた企業が最も多かったのは製造業の430社。支払った残業代では、金融・広告業が69億8902万円で首位だった。』
1企業での最高支払額は、金融・広告業の12億3100万円だそうです。
企業数の増加した原因として、厚労省は「労働者の中で、『残業代はきっちりと支払ってもらう』という意識が向上し、不払いがあれば、監督署に申し立てをする人が増えたことが増加の一因ではないか」と分析しているようです。
監督署へ申し出る人が増えたのは、権利意識というより、企業に対する不信感が大きいのではないかと思います。

請負契約のバイク便ドライバーも労働者 厚労省通達

2007年10月03日 | Weblog
9月28日の朝日新聞によると、
『バイク便会社と個人で請負契約を結んで働くバイク便ドライバーについて、厚生労働省は28日、一定の条件のもとに労働者と認める通達を全国の労働局に出した。バイク便ドライバーは労働者ではないとして労災保険が適用されない事例が相次いでいたが、労働者なら労働法令が適用され、労災保険や雇用保険の対象にもなる。厚労省はバイク便会社にも、条件を満たすドライバーに労災保険などを適用するよう指導していく。
 常に交通事故の危険にさらされるバイク便ドライバーが、仕事でけがをしても労災が出ないのは問題だとして、連合東京が厚労省に労働者かどうかの判断を求めていた。
 厚労省は、バイク便ドライバーの実態を調査。(1)時間・場所を拘束され、仕事の依頼を拒否できない(2)仕事のやり方の指揮命令を受ける(3)勤務場所や時間を出勤簿で管理されている(4)仕事を他の人に委託できない――などの条件に当てはまれば労働者とみなすべきだと判断した。
 個人請負の問題に詳しい鎌田耕一・東洋大教授によると、90年代から、企業が社会保険料の負担などをきらい、労働契約を請負や委託に切り替える例が目立ち始めたという。「実態は労働者と同様で『偽装雇用』と言わざるを得ないケースも多く、きちんと労働法を適用する必要がある」と鎌田教授は話している。』

地域別最低賃金額平均14円アップ!

2007年10月01日 | Weblog
平成19年度地域別最低賃金時間額答申状況
答申最低賃金時間額【円】引上げ額【円】(発効予定年月日)
北海道 654 (644)  10 (平成19年10月19日)
青 森 619 (610)  9 (平成19年10月31日)
岩 手 619 (610)  9 (平成19年10月28日)
宮 城 639 (628)  11 (平成19年10月20日)
秋 田 618 (610)  8 (平成19年10月28日)
山 形 620 (613)  7 (平成19年10月25日)
福 島 629 (618)  11 (平成19年10月19日)
茨 城 665 (655)  10 (平成19年10月20日)
栃 木 671 (657)  14 (平成19年10月20日)
群 馬 664 (654)  10 (平成19年10月19日)
埼 玉 702 (687)  15 (平成19年10月20日)
千 葉 706 (687)  19 (平成19年10月19日)
東 京 739 (719)  20 (平成19年10月19日)
神奈川 736 (717)  19 (平成19年10月19日)
新 潟 657 (648)  9 (平成19年10月19日)
富 山 666 (652)  14 (平成19年10月20日)
石 川 662 (652)  10 (平成19年10月21日)
福 井 659 (649)  10 (平成19年10月19日)
山 梨 665 (655)  10 (平成19年10月28日)
長 野 669 (655)  14 (平成19年10月21日)
岐 阜 685 (675)  10 (平成19年10月19日)
静 岡 697 (682)  15 (平成19年10月26日)
愛 知 714 (694)  20 (平成19年10月25日)
三 重 689 (675)  14 (平成19年10月27日)
滋 賀 677 (662)  15 (平成19年10月25日)
京 都 700 (686)  14 (平成19年10月25日)
大 阪 731 (712)  19 (平成19年10月20日)
兵 庫 697 (683)  14 (平成19年10月31日)
奈 良 667 (656)  11 (平成19年10月25日)
和歌山 662 (652)  10 (平成19年10月20日)
鳥 取 621 (614)  7 (平成19年10月21日)
島 根 621 (614)  7 (平成19年10月19日)
岡 山 658 (648)  10 (平成19年10月26日)
広 島 669 (654)  15 (平成19年10月28日)
山 口 657 (646)  11 (平成19年10月28日)
徳 島 625 (617)  8 (平成19年10月21日)
香 川 640 (629)  11 (平成19年10月21日)
愛 媛 623 (616)  7 (平成19年10月25日)
高 知 622 (615)  7 (平成19年10月26日)
福 岡 663 (652)  11 (平成19年10月28日)
佐 賀 619 (611)  8 (平成19年10月28日)
長 崎 619 (611)  8 (平成19年10月21日)
熊 本 620 (612)  8 (平成19年10月25日)
大 分 620 (613)  7 (平成19年10月20日)
宮 崎 619 (611)  8 (平成19年10月27日)
鹿児島 619 (611)  8 (平成19年10月26日)
沖 縄 618 (610)  8 (平成19年10月28日)
全国加重平均額 687 (673) 14  
括弧書きは、平成18年度地域別最低賃金額