最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

<セクハラ>派遣先に賠償命令 使用者責任を認定…奈良地裁

2010年06月16日 | Weblog
6月15日の毎日新聞によると、
『派遣されていた工場で上司にセクハラされたとして、東京の人材派遣会社の女性社員が、菓子メーカー「味覚糖」(大阪市)などに慰謝料など約700万円を求めた訴訟の判決が15日、奈良地裁であった。一谷好文裁判長は上司に対する使用者責任を認め、同社に77万円の支払いを命じた。派遣会社への請求は棄却した。専門家によると、派遣社員へのセクハラで、派遣先への賠償命令は異例。
 判決などによると、女性は05年12月に奈良工場(奈良県大和郡山市)に派遣され、あめの袋詰めや検品などを担当。07年9月ごろから、上司のサブリーダーに携帯電話の番号を教えるよう何度も求められ、「エッチしよう」などと言われたり、体を触られたりした。女性は08年6月、抑うつ神経症診断され、現在も休職中。同年12月に提訴した当日、上司は自殺した。女性は09年7月に労災認定を受けた。
 判決は、派遣会社への賠償請求について、味覚糖側に女性の要望を伝えるなどセクハラ対策を講じていたなどとして棄却した。
 派遣労働者へのセクハラ訴訟で派遣先の責任が認められたのは、日本航空に対する東京地裁判決(03年8月)などわずかしかない。』
雇用主(派遣会社)に賠償命令が出ず、指揮命令者である派遣先に損害賠償命令が出ました。派遣先は、ほかの会社(派遣会社)の社員ということで対応しなかった可能性があります。派遣先にも苦情対策・セクハラ対策を講じる義務があるということでしょう。



「出張先でアダルトサイト」過労死訴訟の証拠に遺族抗議アサヒコムより

2010年06月15日 | Weblog
6月14日のアサヒコムによると
『大阪府内の男性会社員(当時37)の遺族が起こした過労死認定訴訟で、被告の国が生前の男性の業務用パソコンの閲覧履歴を調べ、「出張先でアダルトサイトを見ていた」とする書面とサイトの画像を証拠として大阪地裁に提出した。これに対し遺族側が「争点とは関係なく、嫌がらせ的な立証だ」と抗議。裁判長も撤回を求めたが、国は応じていない。
 訴状などによると、男性は大手金属メーカー社員だった2004年5月、自宅で急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなった。遺族側は、直前6カ月間の時間外労働は月平均89時間余りで、国の過労死認定基準(2カ月以上にわたって月平均80時間以上)を超えていたと指摘。月の半分以上は出張で関西と関東・九州を往復し、過重勤務で過労死したとして、労災と認めなかった労働基準監督署の処分の取り消しを求めて昨年5月に提訴した。
 遺族側の訴えに対し、国側は「出張に伴う移動時間を差し引いた場合、男性の時間外労働は過労死認定基準を下回っていた」と反論。このため、訴訟の最大の争点は、出張の際の移動時間を労働時間ととらえるかどうかに絞られた。
 ところが、国側は、男性が出張先に持参していた会社のパソコンの閲覧履歴を会社側から提出してもらい、亡くなる数日前に九州の宿泊先で閲覧したとするアダルトサイトのわいせつ画像など計約60枚を印刷。昨年11月、「男性は宿泊先でパソコンを仕事以外に使っていた」とする主張を裏付けるための証拠として地裁に提出した。
 この証拠提出に対し、宿泊先でパソコンを使った時間については労働時間に加算するよう求めていない遺族側は「出張にかかる移動時間を労働時間とみるかどうかが主な争いになっている今回の訴訟と、パソコンの閲覧履歴は無関係。サイトの内容をのぞき見的に暴く必要性もまったくない」として、国側の対応に抗議する意見書を地裁に提出した。
遺族側代理人の高橋徹弁護士によると、地裁の中村哲(さとし)裁判長は今月1日に開いた弁論準備手続き(非公開)で、国側に画像を撤回するよう口頭で伝えた。だが、国側は「今後立証していく上で必要だ」との考えを示し、応じなかったという。
 国側の訴訟窓口として、今回の訴訟の主張や立証を担う大阪法務局の担当者は朝日新聞の取材に「『宿泊先でパソコンを仕事で使うことがあった』とする遺族側主張への反論として画像を出した」と文書で回答。さらに「当初はサイトのアドレスだけだったが、地裁から『アドレスだけではサイトの内容がわからない』として閲覧の詳しい内容を明らかにするよう求められたので、画像を提出した」としている。』
 被害者遺族の感情を逆なでする行為です。いやがらせとしか思えません。



「2010年サラリーマンの小遣い調査」新生フィナンシャル

2010年06月12日 | Weblog
6月8日新生フィナンシャル株式会社のプレスリリースがありました。
「2010年サラリーマンの小遣い調査」
*平均小遣いは40,600円、昨年比5,000円のダウンで3年連続の減少
*昼食代はワンコイン500円に。弁当持参もさらに増加傾向

『 2010年調査による「サラリーマンの平均小遣い額」は、昨年の45,600円から一挙に5,000円ダウンして40,600円となりました。昨年から今年にかけての昇給の有無について尋ねたところ、56.8%が「なかった」と回答。昇給が「なかった」が「あった」を逆転した昨年の比率をさらに上回りました。勤労統計調査によると今年に入ってようやく所得が向上する動きが見られるものの、これまでの給与の伸び悩みやボーナスの削減などの影響を受け、家庭内での不断の支出 “仕分け”が進み、サラリーマンのお小遣い額は3年連続の減少となりました。
30年にわたる当調査結果からは、サラリーマンの小遣い額が日経平均株価に追随する傾向がうかがえます。平均小遣いの過去最高額は76,000円で、バブル期の1990年に記録しました。その後、上下はあったものの、この20年間で35,000円近く下がったことになります。』

『昼食代は昨年より90円減でワンコイン500円に。持参弁当も15%増加。アフター5も抑え気味。小遣いの使い道として、歴年ほぼすべての年代が一番にあげる「昼食代」。2010年は昨年よりも90円の大幅ダウンとなり、ついに500円になりました。昼食代は2001年の710円から減少傾向が続き、今年は過去10年間で最も低い金額となりました。
1週間の昼食回数を5回としたときの形態をたずねたところ、「弁当持参」が1.5回で昨年の1.3回を上回り、「コンビニなどの弁当」「社員食堂」「外食」を抑えて、昨年に引き続きトップでした。一方でお昼の「外食」の頻度は昨年の1.1回から0.9回に減少。また、アフター5の飲食についても、昨年の1ヶ月に3.3回から2.9回に減少し、こちらも3年連続ダウンとなりました。1回当たりの飲み代も、今年は昨年より1,000円近く下がり4,190円でした。長引くデフレ傾向の中で昼食代、飲食代そのものの値段が下がったことが考えられるとともに、サラリーマンの節約志向がいっそう強まった結果といえるかも知れません。』

 外食産業が苦しいわけですよ。お弁当が、390円とか売っていますが、中身は大丈夫かと心配になりつつも手を伸ばしてしまいます。