最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

独立行政法人で残業代未払い 労基署が是正勧告(朝日新聞)

2007年08月25日 | Weblog
 8月25日の朝日新聞によると、
『車検業務を国から委託されている自動車検査独立行政法人の中部検査部(名古屋市中川区)が、40代の男性職員の昨年の残業手当の一部を支払わなかったなどとして、名古屋南労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。男性は7月、過重勤務により抑うつ状態になったなどとして、同法人を相手取り、慰謝料など約555万円の支払いを求め名古屋地裁に提訴した。
同法人によると、2月に同労基署から、男性の06年4~12月分の残業手当の一部が未払いなうえ、超過勤務を1年360時間までなどと定めた労使協定にも違反しているとして是正勧告を受けた。
男性は国土交通省中部運輸局から出向し、06年度は同検査部の管理課係長だった。同検査部は、同期間の男性の超過勤務は385時間で、うち139時間が未払いだったとして約39万円を支払った。』
残業不払問題は、民間ではよくある話ですが、独立行政法人ではめずらしいケースです。
過重労働でうつ病を発症して提訴する例が増えていますが、9ヶ月で超過時間385時間というと、1ヶ月平均43時間ぐらい。一時的に業務が集中することがあったとしても、残業が多いとは言えない時間数ではないかと思います。これで従業員側が勝訴すると、うつ病の従業員を抱える多くの民間会社は、青ざめるのではないかと思います。判決を見守りたいと思います。

フルキャストを事業停止へ 港湾業務で違法派遣 厚労省(朝日新聞)

2007年08月07日 | Weblog

8月3日の朝日新聞によると、
 『厚生労働省は、人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)に対し、3日に事業停止命令を出す方針を固めた。労働者派遣法で禁止されている港湾荷役業務に、労働者を派遣していたとみられる。これまでも禁止業務への派遣を繰り返しており、全事業所が事業停止の対象となる可能性が高く、一定期間新たな派遣ができなくなるため経営に影響が出そうだ。
フルキャストは日雇い派遣業界で、グッドウィル(東京都港区)と並ぶ大手。東証1部上場で、06年9月期の連結売上高は901億円。登録スタッフは累計174万人で、1日当たり約1万2000人を派遣しているという。厚労省は事業停止命令と同時に、スタッフの雇用対策や再発防止策の作成を指示する。』
昨年8月の偽装請負事件に端を発し、派遣会社の法令順守の必要性が問われています。
労働者派遣法による事業停止命令は、大阪労働局が昨年10月、大手人材会社「コラボレート」(現在グッドウィル・グループの傘下)に出ました。 労働局をなめると、こういうしっぺ返しがくるのです。
フルキャストは日雇労働者を数多く抱えています。その中には帰る家もなく、インターネット喫茶で寝泊りしている労働者たちもかなりいるのではないかと思います。その人たちの今後の生活はどうなるのでしょうか。