最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

<裁判員制度>来年の候補者数2万8000人 東京地裁算定

2008年08月29日 | Weblog
8月16日の毎日新聞によると、
『来年5月にスタートする裁判員制度で、東京地裁は15日、来年1年間に必要な管内(23区と島しょ部)の裁判員候補者数を2万8000人と算定した。有権者257人に1人が候補者名簿に掲載されることになる。
 地裁によると、07年までの5年間に起訴された裁判員制度対象事件のうち、事件数の減った06、07年を除く3年間の平均から、年間の対象事件数を359件と想定。1事件あたり100人を呼び出す前提で算定した。制度開始は年の途中が、初年のため余裕を持って1年分の8割を確保することにした。東京都の残りを管轄する地裁八王子支部は、同様の方法で来年1年分の裁判員候補者を5800人と算定した。
 地裁は18日に管内自治体の選管に割当数を通知。各選管は選挙人名簿から候補者をくじ引きで選んで10月15日までに地裁にリストを送る。候補者に選ばれた人には11月下旬~12月上旬までに知らせが届く。』

都内最低賃金27円上げ766円へ、でも生活保護費に届かず

2008年08月26日 | Weblog
8月25日の読売新聞によると、
『厚生労働省東京労働局は25日、都内の最低賃金(時給ベース)を27円引き上げ、766円とする方針を決めた。
 東京地方最低賃金審議会の答申を受けたもので、来月公示し、今年10月19日から実施する。引き上げ額は1991年以来、17年ぶりの高水準。
 改正最低賃金法の施行を受けて大幅増となったものだが、都内では現在、最低賃金が生活保護費より時給ベースで80円下回っており、同労働局は「段階的に解消したい」としている。道府県の最低賃金の改正は、来月までに出そろう。』

派遣の労災急増5885人、3年間で8倍に…厚労省調査

2008年08月22日 | Weblog
8月21日の読売新聞によると、
『派遣労働者の労働災害(労災)が急増している実態が、厚生労働省が行った全国調査で明らかになった。
 2007年に労災に遭った派遣労働者は04年の約8倍の5885人で、被災した全労働者のうち派遣労働者の占める割合も年々増加している。また、7割が製造業での事故で、そのなかで経験年数1年未満のケースが6割以上を占めた。調査結果は、派遣労働者の待遇改善を目指す法改正議論にも影響を与えそうだ。
 07年の製造業について経験年数をみると、1か月以上3か月未満が28・7%と最多。次いで1年以上3年未満が21・5%だった。年代では、30歳代が29・0%、20歳代が26・9%で若者の被災が目立った。』
製造業は、安全管理が徹底されていないと労災事故に繋がりやすい。特に派遣労働者への安全管理はおろそかになりがちです。そもそも製造業への派遣は必要なのか、と疑問を感じます。

厚生年金記録改ざん「組織的だった」、元社保事務所職員が証言

2008年08月20日 | Weblog
2008年8月19日の読売新聞によると、
『厚生年金の加入記録の改ざん問題を巡り、元社会保険事務所職員の男性が19日、衆院第1議員会館で開かれた民主党厚生労働部門・総務部門合同会議に出席し、「改ざんは収納率を上げる手段として組織的に行われていた」と述べた。
 証言したのは、2年前まで滋賀社会保険事務局に勤務していた尾崎孝雄さん(55)。尾崎さんは、同県内の社会保険事務所に勤めていた約10年前、保険料を滞納している事業所の保険料負担を低く抑えて社保事務所の収納率を上げるため、職員らが〈1〉保険料算定基準となる標準報酬月額を改ざんする〈2〉事業所が営業を続けているのに休業などと偽って「全喪届」という脱退届を出させる--などの不正を行ったと証言。』
 私は似たような場面に何度も出くわしました。
保険料を滞納している事業主は、社保から呼び出しがあります。その際、事業主に支払予定表を出させます。その支払が出来ないときは、上記(1)のような措置をとります。社会保険料を滞納している事業所は、役員報酬の支払いも滞っています。そこで役員の標準報酬月額を遡って最低標準報酬(当時9万8千円)まで下げます。社保の言い分では「賃金台帳上、役員報酬の記載があっても、実際報酬がわずかにしか出ていないのだから実態に合わせて、最低標準報酬(当時9万8千円)に下げますよ」ということでした。ただし、役員以外の従業員の標準報酬を下げることはありませんでした。
「休業」を理由に社会保険の事業所の喪失は公然と行われていました。その結果、事業主は社会保険料の負担をゼロにしていました。収納率を上げたい社保と保険料負担を減らしたい事業主との思惑が一致したわけです。
社保主導で行われていたかどうかは分かりませんが、黙認していたことは事実だと思います。

男性職員が男性職員の太もも触り、減給処分 熊本県(朝日新聞)

2008年08月12日 | Weblog
8月12日の朝日新聞によると、
『熊本県は11日、男性職員にセクハラ行為をしたとして県宇城地域振興局の課長補佐級男性職員(57)を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とした。また、上司の監督責任を問い、振興局の部長と副部長を文書訓告、課長を口頭訓告とした。処分された職員は「親しみを込めたスキンシップのつもりだった。申し訳ない」と話しているという。
 県人事課によると、この職員は07年11月~今年2月、職務中に同じ職場の男性職員1人の手を触ったり、太ももに手を置くなどの行為を計4回したという。被害者は07年11月から振興局の上司に相談したが、行為がなくならないため、今年4月、潮谷義子知事(当時)あての手紙を送り、被害が発覚した
 県人事課の田崎龍一課長は「相談を受けた上司は当初『男同士なので』という軽い考えがあったようだ。(セクハラの)認識が足りなかったかもしれない。セクハラ防止の徹底を呼びかける」と話した。』
「親しみを込めたスキンシップのつもりだった。」と本人は供述していますが、本人の自覚は、野球の監督がマウンド上の投手のお尻をポンポン叩くような程度のものと思ったのでしょうか。
 セクハラは女性だけが被害者とは限りません。同性へのセクハラというは、異性へのセクハラより性癖の異様さを感じます。こわー。

労働基準監督署の勧告・指導項目と企業の対応策

2008年08月01日 | Weblog
(1)労働基準監督署の勧告・指導項目
 ①就業規則変更届の届出
 ②労働条件の書面明示
 ③協定届の提出(36協定、1年単位の変形労働時間制に関する協定届等)
 ④労働者名簿の調製
 ⑤労働時間把握の方法(出勤簿・タイムカード等)
 ⑥賃金台帳の記載(時間外・休日・深夜労働時間数その他)
 ⑦割増賃金の支払(時間外・休日・深夜労働)
 ⑧管理監督者の適正範囲
 ⑨健康診断の実施
 ⑩時間外労働時間数が長い労働者に対する産業医等の保健指導
 ⑪その他
 産業医・衛生管理者選任、衛生委員会設置、定期健康診断結果報
 告書提出(常時50名以上の労働者を使用している事業者)

(2)企業側の対応
1.就業規則関係
①就業規則の見直しを定期的に行う。
・法的に不備はないか、実態とあっているか、慣行で行われていることはないか、
正社員以外の就業規則も含めて定期的に内容の見直しを行う。
②従業員代表の意見を必ず聴く
③労働基準監督署への届出を遅滞なく行う。
④届出内容を従業員に周知する(見やすい場所へ掲示)。

2.契約関係
①雇用契約書(労働条件通知書)を作成する。
②更新にあたって事前に面接し、更新するかを決定し改めて雇用契約書(労働
条件通知書)を作成する。
③雇用継続の期待をもたせる言動は言わない。

3.届出書関係
届出書は定期的に労働基準監督署へ提出する。
・36協定、1年単位変形労働時間制に関する協定届、みなし労働協定届等
・定期健康診断結果報告書等

4.労働時間管理関係
①始業及び終業時刻の確認及び記録方法は、使用者自らの現認又はタイ ムカ
ード、ICカード等の客観的な記録を原則とし、自己申告制は例外 と考える。
② 現行の仕事の進め方も含めて見直しや業務体制や業務指示の在り方を考える。
③サービス残業を行った労働者も、これを許した現場責任者も評価しない人事考
課制度にする。
④労働時間を適正に把握するための責任体制の明確化とチェック体制の整備
⑤賃金台帳に時間外・休日・深夜労働時間数その他を記載する。
⑥36協定の「限度基準」を超える場合、36協定に特約条項を設ける。
⑦1ヶ月80時間を超える残業をさせない。
⑧時間外労働時間数が長い労働者に対する産業医等の保健指導

5.管理職の範囲
①経営方針の決定に参画し、労務管理上の指揮権限を有しているか
②出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有
 する地位にあるか否か
③職務の重要性に見合う十分な役付手当等が支給されているか否か
④賞与について一般労働者に比べて優遇措置が講じられているか否か

6.賃金関係
①実態に応じた時間外・休日・深夜手当を支給する。
②管理監督者は役付手当の金額が妥当か検討する。
③場合によっては給与体系の見直しをする。
(給与の減額が生じる場合、従業員の同意を得る)