最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

パナソニック子会社の雇用義務認めず=解雇男性が逆転敗訴-偽装請負訴訟・最高裁

2009年12月18日 | Weblog
12月18日の時事通信によると、
『パナソニック子会社の工場で働いていた元請負会社社員の男性が、「偽装請負」を内部告発した後に不当解雇されたとして、直接雇用の確認などを求めた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)であった。同小法廷は、訴えをほぼ認めた二審大阪高裁判決の一部を破棄し、同社の雇用義務を認めず、直接雇用や未払い賃金支払いの訴えを退けた。男性側の実質的逆転敗訴が確定した。』雇用義務はない?詳細が知りたいです。 

企業年金 積み立て不足21.5兆円 新会計基準なら顕在化も(産経新聞)

2009年12月17日 | Weblog
12月17日によると、
『社員の退職金や企業年金の支払いに積み立てる資産の運用利回りが予定利回りを下回り、多くの企業で「積み立て不足」が深刻化している。昨秋のリーマン・ショック以降の株価低迷が直撃したためだ。日本航空では約8千億円の退職給付債務のうち約3900億円の積み立て不足が生じ、経営再建の“足かせ”となっているが、決して日航だけの問題ではない。
 大和総研によると、主要上場企業278社の年金積み立て不足額は、20年度決算期(主に21年3月期)の合計で約21兆5千億円。前年同期に比べて7兆2千億円も増えた。
 21年3月期の年金積み立て不足額のうち、企業が負債として計上しているのは約13兆円。残る約8兆5千億円は一度簿外に出され、将来的に分割で償却する事実上の“簿外債務”となっている。こうした存在が認められたのは企業年金の運用が長期にわたるため、退職給付債務と年金資産に差額が出ても「いずれ埋まる」とされたからだ。
 しかし、大和総研の岩田豊一郎シニアファイナンシャルアナリストは「今後、差額が埋まる保証はない。企業規模に比べて簿外債務が大きい場合、財務体質に懸念が残る」と話す。
 バブル崩壊後の低金利を背景に、多くの企業は企業年金の予定利回りを5%以上の高利回りから引き下げたが、削減対象の主役は現役社員の年金だ。日航のように、OBの年金は高利回りのまま維持されたケースが多い。企業年金の給付削減には厚生労働省の認可や現役社員とOBそれぞれの3分の2以上の同意が必要で、こうしたハードルの高さも削減を阻む一因だ。
 年金資産の運用損失の増大だけでなく、将来の支給額に対し、どれくらいの年金資産が確保できているかを示す「積立比率」も低下している。19年3月期の81%から21年3月期には61%と、日本企業の財務体質の弱体化が浮き彫りとなっている。
 企業会計の世界的な物差しとなる国際会計基準が導入された場合、早ければ24年3月期にも不足額の一括処理が求められる公算が大きい。これまでの“簿外債務”を決算の貸借対照表に計上することが義務付けられる可能性もある。
 岩田氏は、「事業の継続性や財務体質に影響を与えない範囲で企業年金制度を適正化することや保守的な資産運用が必要だ」と話している。』
 積み立て不足が1年で1.5倍?に膨らむなんて。278社で21兆5千億円ということは、1社当たり755億円????

激安スーパーを書類送検 長時間労働で女性過労死

2009年12月04日 | Weblog
12月3日の産経新聞によると、
『生鮮食品などの激安商品を売りに大阪府内でスーパーを展開している「スーパー玉出」(本店・大阪市西成区)の東淀川店で、従業員18人に法定時間を超える労働をさせたなどとして、淀川労働基準監督署は3日、同社と同社社長(65)、同社元顧問の社会保険労務士(53)を労働基準法違反(長時間労働)などの容疑で大阪地検に書類送検した。従業員1人は長時間労働のため過労死したとして、労災認定されている。同社が同法違反容疑で立件されるのは初めて。
 同署によると、同社は平成19年7月29日~同9月29日の間、従業員18人に対し、労使協定を結ばないまま1カ月平均約120時間の時間外労働をさせるなどしたとしている。
 このうち50代の女性従業員は同9月30日、同店で商品の陳列作業中、突然くも膜下出血を発症して倒れ、意識不明のまま約1カ月後に死亡した。死亡する直近2カ月間で、約280時間の時間外労働をしていた。
 一方、社会保険労務士は、同署に対し、同店従業員のタイムカードなどの提出を拒んだとしている。
 同社は大阪府内で55店舗を展開。12年1月以降、時間外労働などで労働基準監督署から計11回の監督指導を受けており、同署は「時間外労働は全社的な問題」と指摘している。 
 同社の管理本部は「時間外労働などの事実はあったが、指摘された内容は現在、全社的に監督指導に従って是正している」とコメントしている。』
 気になったのが、「社労士がタイムカードなどの提出を拒んでいる」という点です。事業主の利益を守ろうとしたのでしょうか。そもそも社労士に提出を拒む権限があるのでしょうか。同業者として立ち位置を確認させられる記事でした。






セクハラ、不払い当たり前? キャバ嬢“労組”結成のナゼ(zakzakより)

2009年12月03日 | Weblog
12月2日のzakzakニュースによると、
『キャバクラで働く女性に対する賃金未払いや、従業員らからのセクハラなどが深刻な問題になっているとして、東京のキャバクラに勤務していた女性らが中心となり、待遇改善を求めて労働組合「キャバクラユニオン」(仮称)を結成することが分かった。東京の個人加盟労組「フリーター全般労組」の分会として発足、今月中にも準備委員会を都内で開く。
 キャバクラ嬢らによる労組結成について、連合は「聞いたことがない」と話す。経営者との団体交渉などを通じ、待遇改善などを目指すほか、女性たちが安心して働けるよう、支援や相談に応じる窓口としても機能させたいとしている。
 フリーター労組によると、今年に入ってキャバクラ嬢らから賃金未払いなどの相談が相次いで寄せられた。「指定した日に客を呼べなければ罰金数万円」「15分遅刻で罰金1000円」など、労働基準法(制裁規定の制限)に違反するとみられる例も多いという。女性たちが個別に交渉するのは限界があるとして、専門分会として立ち上げる方針を固めた。
 結成の中心となっている元キャバ嬢も、賃金未払いや男性従業員からの悪質なセクハラを受けたとして、東京都の労働委員会に救済を申し立てた。「さまざまな悪条件も“夜の世界では当たり前”と店や同僚から言われた。キャバ嬢たちが泣き寝入りしないよう労組を支援の窓口にしたい」と話しているという。
 キャバクラ評論家、木村和久氏は、キャバ嬢らの労働実態について、「罰金はおろか、最近では毎月の出勤回数の下限を設けて、これに達しなければ給与を支払わない悪質な経営者もいる。店によっては、入店時に何十ぺージもある契約書にサインさせることで、劣悪な労働条件を強引に承諾させるところもあり、条件面で泣き寝入りしているキャバ嬢は非常に多い」と語る。
 そのうえで、「若い女の子たちの人気職業にランクされるなど裾野が広がり、景気が悪くても確実に需要がある業界だけに、労組結成は歓迎したい。客の立場としても、女の子たちがより元気に生き生きと仕事してくれたほうが楽しいに決まっています」と言う。
 一方、都内のキャバクラ経営者は「従業員をいいようにコキ使う実態は糾弾されてしかるべきですが、女の子側も権利を主張する以上、一般企業並みに出勤時間や出勤日は厳守すべき。この部分があいまいで、突然音信不通になる女の子が多かったことが、悪質な経営者につけいるスキを与えていた」と話す。
 夜の世界で働く女性たちの労組結成は、欧米ではオーソドックス。日本では1956年1月、売春防止法制定に反対した東京の赤線地区で働く女性らが「東京女子従業員組合」を結成。4月には「全国接客女子従業員組合連盟」が結成され、全国の赤線地区従業員約200人が参加したのが初という。』
なかなか興味深い記事です。
「全国接客女子従業員組合連盟」というのは初めて聞きました。


 


一澤帆布の従業員、未払い賃金支払い求め提訴

2009年12月02日 | Weblog
12月1日の朝日新聞によると、
『兄弟間で相続争いがあった布製かばんの老舗(しにせ)「一澤帆布(はんぷ)工業」(京都市東山区)の従業員ら7人が1日、同社に対し未払い賃金の支払いや地位確認を求め、京都地裁に提訴した。同社は現在、三男夫妻が経営しているが、7月から営業を停止し、従業員ら約30人を自宅待機させていた。
 訴状によると、従業員らは基本給が4割カットされるなどの労働基準法違反行為があり、うち契約社員1人は従来の半年ずつの契約が更新されず10月末で雇い止めされた、などとしている。
 01年の先代会長の死後、株の大半を三男の一澤信三郎氏夫妻に譲るとした遺言書と、長男信太郎氏に譲るとした遺言書があることが発覚。一時は長男が同社を経営したが、今年6月に、長男に譲るとした遺言書を「無効」とする判決が最高裁で確定した。
 信三郎氏は「経営から3年半離れていた間に一澤帆布の物づくりは変わってしまい、再開のめどが立たない。誠実に対応してきたつもりなので残念だ」と話している。
 信三郎氏は、同社とは別に「一澤信三郎帆布」も経営している。』
 労働基準法では、休業の際、平均賃金の6割を支払えば問題ありませんが、民事上では労働者側が10割(全額)を請求できる権利があります。