最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

内定取り消しの企業名公表、「2年連続」など悪質さ基準に

2008年12月29日 | Weblog
12月29日の読売新聞によると、
『厚生労働省が雇用対策の一環として検討してきた、新卒者の就職内定を取り消した企業名を公表する基準の原案が28日、明らかになった。
  原案では、公表の基準として〈1〉2年連続して内定取り消しを行った〈2〉同一年度に10人以上の内定を取り消した〈3〉事業規模の縮小を余儀なくされていると明らかに認められない〈4〉取り消し理由について学生に十分な説明をしていない〈5〉内定を取り消した学生に対し就職支援を十分に行っていない--の5項目を定めた。このうち一つでも該当する場合に公表する。
 ただ、「同一年度10人」の項目に関しては、内定を取り消した学生に関連会社を仲介するなど、就職支援を積極的に行っている場合は公表を免除する規定も併記する方向で調整している。
 今年すでに内定取り消しを行った企業に、この基準を適用するかどうかについては「内定取り消しという行為を問題とするか、内定取り消し状態になっていることを問題とするかによっても違うので、今後決める」(厚労省幹部)としている。』


内定取り消し続出 各大学が「留年・出直し就活」支援 

2008年12月28日 | Weblog
12月28日の産経新聞ニュースによると、
 『世界的な金融危機で、大学生の就職内定取り消しが相次ぐ中、留年することで、改めて「新卒」として出直し、就職活動を目指す学生に授業料を減免するなどの形で支援する動きが各大学に広がっている。大学生にとって、厳しい年末年始になりそうだが、各大学では「学生の不安が少しでも軽くなれば」と話している。
 就職活動は新卒が有利とされるため、内定を取り消された学生の中にはあえて1年間留年して、「もう一度、新卒として就職活動したい」という希望も想定される。今回の措置は、そうした学生の希望に応えるものだ。』
現在の大企業の新卒大量入社システムの根底にあるのは、新卒至上主義です。この企業の採用姿勢を変えない限り、学生を自ら留年させてしまう原因になっていると思います。
留年しないと、この新卒大量入社システムに乗れないのですから、学生は気の毒です。
卒業して1年経った人と留年した人にどこに違いがあるのか?企業の採用姿勢に違和感を感じます。

内定取り消し、全国で769人=不動産、製造業で突出-厚労省

2008年12月26日 | Weblog
12月26日の時事通信ニュースによると、
 『景気悪化で企業から採用内定を取り消された来春の新卒者が全国で769人に上ることが26日、厚生労働省の調査で分かった。
 調査によると、内定を取り消した企業(支社レベルなどを含む)は172社。産業別にみると、不況色の強い不動産業が197人、製造業が187人、サービス業が136人などとなっている。地域別では、首都圏を含む「南関東」の335人が突出。次いで九州が145人と多かった。
 取り消しは大学生(短大、専修学校などを含む)が632人(155社)と前回調査時から人数、企業数とも倍増。高校生は137人(47社)で人数が4.7倍、会社数が3倍に拡大した。』

採用内定取消の指針(厚生労働省)

2008年12月20日 | Weblog
採用内定取消の指針が厚生労働省から発表されています。

(1)事業主は、採用内定を取り消さないものとする。
(2)事業主は、採用内定取消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講ずるものとする。なお、採用内定の時点で労働契約が成立したと見られる場合には、採用内定取消しは労働契約の解除に相当し、解雇の場合と同様、合理的理由がない場合には取消しが無効とされることについて、事業主は十分に留意するものとする。
(3)事業主は、やむを得ない事情により、どうしても採用内定取消し又は入職時期繰下げを検討しなければならない場合には、あらかじめ公共職業安定所に通知するとともに、公共職業安定所の指導を尊重するものとする。この場合、解雇予告について定めた労働基準法第20条及び休業手当について定めた同法第26条等関係法令に抵触することの無いよう十分留意するものとする。なお、事業主は、採用内定取消しの対象となった学生・生徒の就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、採用内定取消し又は入職時期繰下げを受けた学生・生徒からの補償等の要求には誠意を持って対応するものとする。


ソニー、最大リストラ 正社員波及 士気に影響 IBM、パナソニックも視野

2008年12月10日 | Weblog
12月10日の産経新聞によると、
『ソニーが9日発表した構造改革策は、全世界で正社員8000人のほか、同じ規模の派遣社員らを削減して計1万6000人を超す大規模なリストラとなる。ソニーが正社員を含めた大規模な人員削減に踏み込むことは、世界的な景気後退の深刻さを物語っている。同時に、人員削減の対象には日本も含まれるため、国内の雇用情勢にも大きな影響を与えるのは必至で、電機・IT(情報技術)業界では大企業でも正社員を含めたリストラの波が本格的に押し寄せることが懸念される。(塩原永久)
 日本の電機・IT業界では、平成13年のITバブル崩壊以降、多くの大手企業がリストラを含む経営体質強化に取り組んできた。
 ただ、最近では、正社員の削減を実施したのはパイオニアや沖電気工業といった中堅メーカーが中心だった。また、東芝の半導体事業や、日立製作所のプラズマテレビ用パネル製造子会社など、大手では、派遣社員をはじめとする非正規労働者を対象としていた。厚生労働省の調査では、非正規の人員削減は来年3月までにその数は3万人に達する見通しだ。
 しかし、リストラの対象は正社員にも及んでおり、日本IBMは定年まで勤めた社員への援助制度を廃止することで、正社員を1000人規模で削減することを検討している。パナソニックも、不採算事業の整理などの構造改革費に1300億円を計上し、人員削減も視野に入れた具体案を詰めている。』
 「ついに正社員まで、リストラの波が来たか!」という感じです。派遣社員の雇止めに関して、対岸の火事のように観ていた正社員も、明日はわが身と不安になっていると思います。寒い年末になりそうです。

内定取り消し学生に100万円を提示 日本綜合地所

2008年12月10日 | Weblog
2008年12月10日の朝日新聞によると、
 『マンション分譲大手の日本綜合地所(東京都港区)に内定を取り消された大学生らが9日、加入した東京東部労組の関係者らとともに同社と初の団体交渉を行った。同社はこれまで学生らに示していた補償額を増額させ100万円を提示したが、学生らは納得せず交渉は決裂。同社は11日に再回答を行う。
 団交に臨んだのは男子学生3人。同労組や学生らによると、出席した総務部長ら4人が冒頭に謝罪。「留年して再度就職活動をせざるを得ない学生もいる」として、補償金の額をこれまで示していた42万円から100万円に増額する提案をした。
 だが、留年した場合の学費や生活費、資格取得のための教材費や交通費、精神的な苦痛に対する慰謝料などを考えると「とても納得できない」として学生らは拒否。同社が「生活費については補償の必要はない」という認識を示したこともあり、話は最後まで平行線をたどったという。
 再び就職活動を始めているという学生らは「全く誠意が感じられずがっかりした」として不信感を募らせた。』
 一般的には内定は、労働契約が成立したものとして解釈しているようです。解約の場合は解雇予告手当が必要になります。それが不当解雇だとすると、さらに話しがややっこしくなります。企業側の止む得ない対応もわかるし、内定を取り消された学生の気持ちも理解できます。難しい問題です。
内定取消した他企業も戦々恐々と見守っていると思います。

<すき家>残業代未払い問題で書類送検へ 仙台労基署

2008年12月07日 | Weblog
12月6日の毎日新聞によると、
 『外食産業大手・ゼンショー(本社・東京都)が展開する牛丼チェーン「すき家」の残業代未払い問題で、仙台労働基準監督署は、仙台市泉区の店舗で働くアルバイト3人に時間外労働分の未払い賃金があるとして、会社と賃金担当役員を労働基準法違反(賃金の不払い)容疑で近く仙台地検に書類送検する方針を固めた。
 調べでは、ゼンショーは06年、数回にわたり、元スイングマネジャー(実質的店長)ら22~41歳の男女3人に、残業や休日出勤などの時間外労働分の割増賃金計十数万円を支払わなかった疑い。
 3人は昨年10月、割増賃金の支払いを求めたが会社側は拒否。加入する労働組合「首都圏青年ユニオン」を通して、東京都労働委員会で行われた協議で、会社側は「3人との契約は業務委託契約で労働契約ではない」「うち1人は実質的店長で管理監督者のため時間外手当は発生しない」などと主張した。』


内定取消、派遣打ち切りについて

2008年12月04日 | Weblog
内定取消、派遣打ち切りについて、連日報道がされていますが、
2008年12月4日の読売新聞「よみうり寸評」の記事を紹介します。
『〈人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、 仇 ( あだ ) は敵なり〉--武田信玄の言葉。江戸初期の軍学書「甲陽軍鑑」がそう伝えている◆この話、江戸中期には浄瑠璃で「天の時、地の利は人の和にしかず、人は城、人は石垣……」と語られた。人間管理が巧みだった信玄は「大事なのは何よりも人間だ」と味方を励ました◆〈内定取り消し〉や〈派遣切り〉〈期間従業員・正社員の解雇〉にまで及んできた当節の人員削減など、冷えた雇用状況は「とんでもない話」というだろう◆景気悪化の影響で来春卒業予定の大学生や高校生のうち、先月25日現在で87社の331人が採用内定を取り消された。社会への入り口で早々に社会不信を若者に植え付けてしまう◆また10月~来年3月の半年間に失職したか、職を失うことが決まっている派遣社員や期間従業員など非正規労働者は3万人に上る。〈雇用の調整弁〉とは悲しくも非人間的に過ぎるネーミング◆人が石垣なら、粗末には扱えない。思慮もなしに取り外せば城は崩壊する。』
言い得て妙だと思います。