5月26日のzakzakニュースによると
『「名ばかり店長」の「名ばかり残業代」に揺れる日本マクドナルド(東京、原田泳幸社長)が、全国の直営店のフランチャイズ(FC)化を強力に推進していることが26日分かった。一部店長を対象にした説明会で明らかにしたもので、数年以内にFC店比率を現在の3割から7割に引き上げる方針という。直営店長は1年の期限で出向扱いとなるが、本体に戻っても直営店長ポスト自体が大幅に減っていくのは確実。社員として残るか、FC店長への転身か、“究極の選択”を迫られる。「マック残酷物語」の第2章となるのか。
「これは、人件費削減を目的とした事実上の退職勧告ですよ。われわれが地元勤務の確約と引き換えにFC店長へ移籍すれば、『名ばかり残業代』問題も一気に解消。現在係争中の未払い残業代の裁判も終結させることができますから」
夕刊フジの取材に応じた現職店長は、マック側の本音をこう解説してみせた。
「本社は手始めに、今年中に直営300店のFC化を計画しているそうです。勝てる見込みのない高野さんの裁判を続けているのは、ここで敗訴が確定してしまえば、他の店長が同じ訴えを起こした場合にも、同じように過去に遡って残業代を払わざるを得なくなり、総額は200億円になるともいわれています。店長たちが退職してFCに移籍すれば、今後の巨大リスクを一気に軽減できるということです」(先出店長)
FC店長に転籍すれば、身分は会社員から個人事業主となり、売り上げ不振が続けば本社との契約打ち切りという事態も免れない。このプレッシャーに耐えきれず、都内の一部FC店では昨年11月、サラダの賞味期限偽装が発覚した。社員として残ったとしても、1年後の復帰時には、もともと勤務していたエリアの直営店が激減し、地方勤務を強いられる可能性もある。
現在のマックは、直営2665店に対し、FC1071店(いずれも4月末)で、先出の店長が言う通り「7対3」の比率。昨年4月には、24時間店舗が1000店を突破し、全店売上高4941億4900万円と年間レコードを更新した。しかし、それを支える店長たちの残酷物語はまだまだ続きそうな気配だ。
マック店長を支援する「東京管理職ユニオン」(東京)の設楽清嗣書記長は「(FC戦略は)ハンバーガー収入ではなく、ロイヤルティー収入をメーンとする業態変更で、退職者への“のれん分け”どころか、『店長つき店舗売却』というビジネス戦略に過ぎない。新賃金制度もFC戦略の第一の眼目で、店長間の格差拡大による労働条件切り下げが、投資家へのアピールに役立つとしか考えていない」と、不信感を表明している。』