最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

最低賃金では人は生活できません(青森毎日新聞より)

2006年06月27日 | Weblog
6月27日の毎日新聞(青森)によると
『県労働組合総連合(苫米地宣広議長)は今月1日から、時給608円という全国最低の最低賃金で本当に生活できるのかを調べるため、専従職員4人による1カ月間の「最低賃金生活体験」を行っている。
 最低賃金の引き上げを目指している県労連は「最低賃金では人間らしい生活は送れない」との主張を実証しようと、1日から30日までの「生活体験」に踏み切った。1カ月の生活費は、時給608円で22日間(1日8時間)勤務したと想定して計算。賃金10万7008円、手取り額9万4227円とした。住居費は青森市の標準生計費を基に、一律2万1820円に設定した。
 中間結果によると、40代の男性は、食事の回数を減らして空腹をコーヒーでごまかしながらも、19日までの食費は2万1796円にのぼった。残額は3万8351円。「ストレスが蓄積していく。これは最低賃金体験ではなく人体実験だ」と感想を漏らした。
 20代男性の主食は、特売で買った冷や麦。飲み物はペットボトルに水を入れ、ジュース替わりにしているという。一方、30代女性は残額が既に4504円。家族と同居しているため食費を極端に削れず、「まだ携帯電話代を引いておらず、車のガソリンもなくなってきた」とほとんどギブアップ状態だ。』
 笑うに笑えない話です。青森県の最低賃金は時給608円で沖縄、岩手などと並び最下位です。一番高いのが東京で時給714円です。身をもって体験して、最低賃金の引き上げを訴えた青森県労働組合総連合には拍手を送りたいです。あっぱれ!


労基署大ポカ、実名入り文書を告発者の会社に置き忘れ(読売新聞より)

2006年06月24日 | Weblog
 6月23日の読売新聞報道によると、
『東京都港区の三田労働基準監督署が、サービス残業が行われていることを訴える内部告発の投書をきっかけに、同区内の卸売り会社に労働基準法違反の疑いで調査に入った際、告発者の実名入り投書を会社に置き忘れ、告発者が会社側にばれてしまうという重大ミスを犯していたことが23日、わかった。
 東京労働局によると、残業代の不払いを訴える投書が同労基署に届き、従業員2人のタイムカードの写しの提供も受けた。これに基づき5月23日、卸売り会社に調査に入った際、労基署職員が投書やタイムカードの写しを置き忘れてしまった。翌日、卸売り会社側からの連絡でわかった。』
なんという失態!告発者の今後の会社での立場はいかに。

ケンタッキーにも労組(朝日新聞より)

2006年06月22日 | Weblog
 6月22日の朝日新聞によると、
 『日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の店長らが同社初の労働組合を立ち上げ、21日、会社側に労働条件改善などを盛った要求書を出して交渉を申し入れた。
 現在のメンバーは20人で、横浜市の店舗で店長を務める濱口徳之委員長(45)をはじめ神奈川県内の店長が中心。背景には、サービス残業や休日出勤を事実上余儀なくされる店長らの負担増があるという。
 濱口委員長は「会社が成長した最大の理由はカーネル・サンダース秘伝のスパイスではなく、現場で働く社員のサービス残業。現場の様々な問題を会社側と対話し解決するには労組をつくるしかないと考えた」と話す。』
ファストフード業界ではマックが労組を発足し、連合に加盟しました。それに対してケンタッキーはどの団体にも属さず単独で活動するようです。店長クラスのサービス残業・休日労働の不満が多いようです。労組結成は同業他社も追従するかもしれません。


会社員の夏休み平均7.9日 ちょっと長め(朝日新聞より) 

2006年06月17日 | Weblog
6月16日の朝日新聞によると、
 『会社員の今年の夏休みは、平均7.9日で昨年(7.7日)よりちょっぴり増えそうなことが、16日、厚生労働省のまとめで分かった。7日以上を予定している企業は全体の3分の2で、製造業では約8割に上る。同省では「夏バテ解消に、有給休暇などを利用してぜひ休養を」と呼びかけている。
 全国の主要企業1330社を対象に調査し、1104社から回答を得た。7月から8月に3日以上の連続休暇を予定しているのは全体の91.8%と昨年並みだった。』
 休日が多くなることはいいことですが、 その分仕事がたまることを危惧しているサラリーマンも多いことも事実です。ヨーロッパ諸国のバカンスが2週間とか1ヶ月のような長期休暇はまた夢の夢でしょうか。日本人ってつくづく働くのが好きな国民なんですね。

男性へのセクハラ禁止へ 改正均等法成立(朝日新聞より)

2006年06月16日 | Weblog
6月16日の朝日新聞によると、
 『一見性別とかかわりなく見える基準が、結果的に一方の性に不利益になる「間接差別」の禁止や、女性だけでなく男性へのセクハラ防止を企業に義務づけることなどを盛り込んだ改正男女雇用機会均等法が15日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。来年4月施行に向け、今後、省令や指針づくりに入る。
 間接差別については、改正法では省令で三つ((1)募集・採用時の身長・体重・体力要件(2)総合職採用時の全国転勤要件(3)昇進時の転勤経験要件)の禁止を挙げる「限定列挙」方式を取った。
  また、これまで女性に限ってきた性差別を、男性でも禁じる。これにより企業は、男性へのセクハラ防止対策も義務づけられるほか、事務職や看護師などの職種で、男性を理由に採用しないことも禁じられる。セクハラ防止策も、企業の配慮義務から、企業が措置をとる義務へと強化した。  
  また、妊娠・出産などを理由にした正社員からパートへの変更、有期雇用者の契約更新をしないなどの不利益扱いも禁止。これまでは禁止のみの規定だった妊娠・出産を理由にした解雇については、妊娠中や出産後1年以内は「無効」とした。』
 妊産婦の解雇制限は労働者から見ればいいことだと思います。「看護師の職種で男性を理由に採用しないことを禁じる」ということまで法律が関与する必要があるのか疑問です。
 

夫婦の子育て問題を考える!

2006年06月15日 | Weblog
先日、国立社会保障・人口問題研究所は「家庭動向調査」の結果を発表しました。
調査結果の概要(HPより抜粋)は以下のとおりです。
『1. 夫婦の役割関係(妻の家事時間と夫妻の家事分担度)
①妻がフルタイムで働いていても、夫の2割程度は全く家事をしない。
②子どもが1歳未満でも、夫のほぼ1割は全く育児をしない。
2.夫婦の共通行動
①夕食をいつも一緒にする夫婦は、30歳代40歳代の家庭では6割前後である。  
②よく心配や悩み事を夫に相談する割合は20歳代で54%、30歳代で44%程度である。
③家計の分配や管理・運営は妻が主に行う割合が7割弱を占めている。また、育児や子どもの教育についての決定を、主に夫が行う家庭は少ない(3.4%)。
3.家族に関する妻の意識
①「夫は仕事、妻は家庭」という性別役割分業について、賛成派が11.2ポイント低下し、過半数を切った(41.1%)。
②「夫も家事や育児を平等に分担すべき」の肯定派は6.1ポイント増し、8割を超えた(82.8%)。
③「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たずに育児に専念した方がよい」の賛成は前回に比べ7.2ポイント低下したが、それでも8割程度(82.9%)が肯定している。』
 先日、あるテレビを観ていたら、細木数子さんが、「男と女は役割が違うの。小さい子供を育てるのは母親の役目なの。母親は、子供が小さいうちは仕事をしないで子育てに専念しなさい。子供が大きくなったら働けばいいのよ。」というようなことを言っていました。賛否両論あると思いますが、「妻がフルタイムで働いていても、夫の2割程度は全く家事をしない」「子どもが1歳未満でも、夫のほぼ1割は全く育児をしない」というのは言語道断! 世の中のお母さん、もっと怒りましょう。




残業の抑制に「割増賃金」最低基準を引き上げへ

2006年06月13日 | Weblog
6月10日の読売新聞によると
 『政府は10日、一定時間以上の残業に対する割増賃金の最低基準を引き上げる方針を固めた。現行の25%を40%程度にすることを検討している。
賃金の増加が残業の抑制につながり、労働条件の改善となることを狙っている。早ければ、来年の通常国会に労働基準法改正案を提出する考えだ。
同法は、「1日8時間または週40時間を超えた労働」を残業とし、通常勤務より少なくとも25%割り増しした賃金を支払うよう規定している。しかし、米国では50%の割増賃金を義務づけており、欧米より低い割増率については、「企業が安易に残業を命じる状況を招き、過労死がなくならない原因ともなっている」と見直しを求める声が出ている。
政府は同法改正で、一定時間までは25%の割増率を維持し、それを超える長時間残業には40%程度を適用する「2段階方式」を採用する考えだ。残業の合計が月35時間を超えたところから割増率を引き上げる案が浮上している。』
 労働時間の多寡によって給与を払うシステムは今の時代にあっているのか、甚だ疑問です。今回の法律改正により、割増賃金を払わない企業が増えたり、違法なサービス残業の温床になる可能性があります。


やっぱりパート・アルバイトは不利?

2006年06月10日 | Weblog
6月9日の共同通信ニュースによると
『経済産業省、厚生労働省、文部科学省は9日、2006年版「ものづくり白書」(ものづくり基盤技術の振興施策)を閣議に提出、了承された。
製造業で働くパートや契約社員などの非正社員は、正社員に比べて能力開発機会が少ないと指摘。多くの若年の非正社員が、単純な繰り返し作業に従事している現状を踏まえ、技術の蓄積や将来の能力形成に懸念を示した。
白書は業務外の職業訓練は、正社員への実施率が59・8%に達しているのに対し、非正社員は20・2%にとどまっている、との厚労省の調査結果を紹介。製造業の能力開発が正社員と非正社員で、大きな格差が出ていると強調した。』
非正社員の38%が勤務先で正社員になることを望んでいますが、正社員登用制度がある企業は44%しありません。パート・アルバイトでいることは給与の差だけではなく能力開発も困難な状況で、格差が広がっていきます。
若いうちに安易にフリーター(パート・アルバイト)を選択すると、能力開発もないまま時が経ち、そのうち正社員になる道も閉ざされます。ステップアップできず、時給1000円程度で自分の貴重な時間を切り売りすることになるのです。若いうちなら体が丈夫だからいいのですが、その状態で40歳台、50歳台になることを考えると、怖いものがあります。
若者よ、自分の人生の戦略を真剣に考えよ!手遅れになる前に。


景気回復しても増えるのは非正社員ばかりだった?

2006年06月05日 | Weblog
6月4日の産経新聞によると
『景気回復に伴って雇用環境が改善する中で、この1年で増えた雇用者のうち、9割以上が非正社員であることが3日、総務省の調査でわかった。この結果、雇用者全体に占める非正社員の割合は3分の1にまで拡大し、とくに25~34歳層の増加が顕著になっている。企業は固定費の増加につながる正社員の増員には依然として慎重な姿勢を示している格好であり、厚生労働省では企業に対して中途採用を含め、新卒以外にも若者層の正規雇用を求めていく方針だ。
 非正社員の賃金は正社員の6割程度と低く、税金や社会保険料の納付も低水準にとどまる傾向がある。また、雇用形態も不安定で、結婚や出産をためらう傾向が指摘されている。少子高齢化で国の財政が逼迫(ひっぱく)する中で正規雇用の拡大は大きな課題といえる。』
正社員になることが「勝ち組」?と言われている昨今で、景気回復しても正社員が増えていない現実が浮き彫りになりました。