最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

労働契約法施行(3月1日より)

2008年02月29日 | Weblog
【労働契約法施行】
3月1日から労働契約法が施行されました。就業形態が多様化し、労働者の労働条件が個別に決定・変更されるようになり、個別労働紛争が増えています。この紛争の解決の手段としては、平成18年から労働審判制度が施行されるなど、手続面での
整備はすすんできました。しかし、このような紛争を解決するための労働契約についての民事的なルールをまとめた法律はありませんでした。
このような中で、昨年12月に「労働契約法」が制定され、労働契約についての基本的なルールがわかりやすい形で明らかにされました。
これにより、紛争が防止され、労働者の保護を図りながら、個別の労働関係が安定することが期待されます。

ただし、この法律は罰則がなく、監督官庁から指導もないため、努力義務的なもの
と考えていいと思います。早急に対応するべき事項ではありません。
詳しくはこちらをどうぞ
↓ ↓ ↓
http://www-bm.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/index.html


パートタイム労働法改正

2008年02月25日 | Weblog
4月からパートタイム労働法が改正されます。
【改正パートタイム労働法の概要】
1.労働条件の文書交付・説明義務
労働条件を明示した文書の交付等の義務化(違反の場合は過料あり等)
労働条件の書面による明示項目
 ①労働契約の期間
 ②就業の場所及び従事すべき業務
 ③始業・終業時刻、所定時間外労働の有無、休憩時間、休日・休暇等
 ④賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期
 ⑤退職(解雇の事由を含む。)
 ⑥昇給・退職手当・賞与の有無(*)
 (*平成20年4月より明示が義務化されました。労働契約書に明示
   していない事業所様は項目を挿入してください)
2.均衡のとれた待遇の確保の促進
・「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」に対する待遇の差別的
 取扱いの禁止
・すべての短時間労働者に対し、通常の労働者と均衡のとれた待遇の
 確保措置の義務化   
3.通常の労働者への転換の推進
  通常の労働者への転換を推進するための措置を義務化
4.苦情処理・紛争解決援助
 ・苦情を自主的に解決するよう努力義務化
 ・紛争解決援助の仕組みの整備
詳しくはこちらをどうぞ
↓ ↓ ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1.html


マック賃金訴訟⑥「常識から外れている」 連合会長がマクドナルドを批判

2008年02月18日 | Weblog
2月18日の朝日新聞によると、
『連合の高木剛会長は17日、名古屋市で会見し、店長を残業代の出ない管理職扱いしている日本マクドナルドについて「店長に残業代を認めた東京地裁の判決は当たり前(の内容)なのに、控訴したマクドナルドの判断は常識から外れている」と批判した。日本法人に抗議しても効果がないとして、他国の労組に反対運動を呼びかけ、米国本社にも直接抗議する方針を示した。
 高木会長は、「名ばかり管理職」が横行するなかでマクドナルドの問題が注目されていると指摘。「日本の経営トップといえども、労働問題は米国本社の指導のもとで対応しているようだ。米国本社に直接働きかけるため、私が行ってもいい」と述べた。マクドナルドは各国で、労働条件の低さや労組との交渉を嫌う傾向が問題になっているといい、「世界的な抗議活動を呼びかけていきたい」と語った。
 連合の民間企業に対する国際的抗議活動は極めて異例で、この問題では譲れないという姿勢をアピールする狙いがある。』
 同社社長は、長に時間外手当を支払わないのは違法とした東京地裁の判決について、「就労時間に関係なく、ある成果を求められるのが管理職」で制度を変更するつもりはないとの姿勢を示しています。さらに、店長を管理職扱いにする理由について、幅広い店舗運営に「責任があるため」と語り「管理職でなくなれば、熱意ある店長が失望する」と説明しました。何とも苦しい言い訳である。店長といっても大した権限もなく、責任だけが重いだけなのではないか。今後の裁判を見守りたい。

派遣元、派遣先双方に賠償命令 東京地裁

2008年02月15日 | Weblog
2月13日の毎日新聞によると、
『製缶会社で勤務中に労災事故死した飯窪修平さん(当時22歳)の両親=山梨県南アルプス市=が、雇用主の人材派遣会社と製缶会社などに計1億9200万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は13日、両社に約5170万円の支払いを命じた。山田俊雄裁判長は「飯窪さんと実質的に使用従属の関係にあった」と直接雇用関係のない製缶会社にも安全配慮義務違反を認めた。
 判決によると、飯窪さんはテクノアシスト相模(神奈川県相模原市)に雇用され、大和製罐の東京工場(同)で缶のへこみなどを検査していた03年8月、高さ89センチの作業台から転落し頭を強く打って同11月に死亡した。
 判決は「飯窪さんが大和製罐の設備で作業している上、実質的に同社の指示のもとに労務を提供していた」と判断。その上で、大和製罐は柵などの転落防止措置を施さなかったと認定し、雇用主のテクノ社にも同様に安全配慮義務違反を認めた。』
ただ、業務形態が、労働者を派遣する「偽装請負」だったとする原告側の主張については、判断を示さなかった様子です。
派遣だから、何でも派遣元だけが責任をとり、派遣先は関係ないというわけではありません。派遣先でも、安全対策を取る責任があります。

名ばかり管理職:電話相談に5時間で130件

2008年02月12日 | Weblog
2月12日の毎日新聞によると、
 『店長など管理職の肩書が付くだけで残業代などが支払われない問題で日本労働弁護団は11日、「名ばかり管理職110番」を実施した。日本マクドナルドに対し、店長に残業代を支払うよう命じた東京地裁判決を受けて行い、約5時間で130件が寄せられた。
 東京都の金型製造の男性(19)からは、高卒1年目で管理職にされ、基本給13万円に1万円の手当が付き、毎日2時間以上の残業代は出ていないとの相談があった。茨城県のコンビニ店長(42)は定時にタイムカードを押してから残業、休日出勤の際はタイムカード自体は押さずに働いていると訴えた。店長になり年収が下がった。
 千葉県の女性の夫は、建設・土木関連の仕事で現場監督をしていたが、月5万円の役職手当だけで、月110時間残業し、今年1月に過労が原因で自殺したという。男性は妻に「おれが死んだらタイムカードを見たら分かる」と伝えていた。
 弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「『名ばかり管理職』が予想以上に存在することが分かりあぜんとした。残業代不払いもそうだが、長時間労働を強制する下地になっている。企業は従業員の命を削るような働かせ方はいいかげんにやめるべきだ」と話している。
 労働弁護団による電話相談は毎週火、木曜日の午後3~6時(03・3251・5363)。』

⑤マック訴訟:セブン-イレブン、店長に残業代 

2008年02月09日 | Weblog
2月8日の朝日新聞によると、
『大手コンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンは、管理職としている店長に3月から残業代を支払う方針を明らかにした。東京地裁が1月、日本マクドナルドに対し店長への残業代支払いを命じたことを踏まえた対応。大手コンビニではローソンやファミリーマートなどが既に店長に残業代を支払っており、セブン―イレブンの対応が注目されていた。地裁判決を受け、今後も制度を変更する企業が出てくる可能性がある。
セブン―イレブンの関係者は「制度変更は、1年前から検討してきた。残業代を払うことで店長はメリハリのある働き方ができるし、会社も残業時間の把握を通じ、店長の働き方も分かるようになる」と説明している。
同社の直営店に勤務する約500人が対象となる。管理職としての位置づけは変えないが、「店長手当」を減らす代わりに、残業代をすべて支払うことにする。同社は残業時間の短縮に取り組むことで人件費の増加を抑えたい、としている。
外食産業での対応は、なお分かれており、ロイヤルホストを展開するロイヤルホールディングスが「待遇に見合っている」などとして店長に残業代を支払っていない。
東京地裁判決を受けた日本マクドナルドも残業代を支払う考えはないとして控訴した。原田泳幸会長兼社長は朝日新聞の取材に「店長は今でも管理職で、自分の判断で残業時間を管理できるから『みなし労働』にはあたらない」と語っていた。』

④マクドナルド賃金訴訟:「管理職制度変えぬ」 原田社長「店長ら失望する」

2008年02月08日 | Weblog
2月8日の毎日新聞によると、 
『日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸会長兼社長は7日開いた決算会見で、店長を管理職扱いとして時間外手当を支払わないのは違法とした東京地裁の判決について、「就労時間に関係なく、ある成果を求められるのが管理職」と述べ、制度を変更するつもりはないとの姿勢を示した。
 原田会長兼社長は、店長を管理職扱いにする理由について、幅広い店舗運営に「責任があるため」と語り「管理職でなくなれば、熱意ある店長が失望する」と説明した。また、店長の給与水準は平均716万円であることを明かし「水準は業界トップ」と主張、不当な労働実態との指摘を否定した。
 7日発表した07年12月期連結決算は、売上高が前期比11・1%増の3950億円、営業利益は同126・7%増の167億円だった。昨年11月に賞味期限切れの原料使用問題が発覚したが「メガマック」など新商品が好調で、影響は軽微だった。』
「管理職でなくなれば、熱意ある店長が失望する」???理解に苦しみます。
店長は、働いた分だけ給与をもらいたいのではないかと思います。