最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

求人の年齢制限を禁止…改正雇用対策法、10月1日に施行

2007年09月29日 | Weblog
9月23日の読売新聞によると、
『企業が労働者を募集・採用する際に年齢制限を設けることを原則禁止する改正雇用対策法が10月1日に施行される。ハローワークでの求人だけでなく、民間の職業紹介や求人広告でも、「年齢の壁」が取り除かれる。中高年や30歳を超えた年長フリーターなどの就職機会を広げる狙いだ。
 募集や採用時の年齢制限をなくすことは従来、企業の努力義務だった。改正法では、「年齢にかかわりなく、均等な機会を与えなければならない」と明記され、法的義務となる。違反した場合、罰則はないものの、ハローワークが指導、勧告して是正を求める。
 例外的に年齢制限が認められるのは、合理的な理由がある場合だけだ。具体的には、定年が60歳である企業が「60歳未満」と明記したり、演劇の子役として「10歳以下」に限定して募集したりする事例に限られる。』
行政がそこまで関与する必要があるのかと、疑問に思います。
 ハローワークでの求人では、「年齢不問」は50・8%と半数程度です。実際は、企業側が書類選考や形だけ面接をして不採用(本人には年齢を理由とはいわないが)しているケースも多いようです。いわゆる「暗黙の年齢制限」です。求人者と求職者は無意味な時間と費用を使うのです。10月以降こういう現象が増えるでしょう。これって変じゃないですか?

「サービス残業」ヤマト運輸に是正勧告 大阪南労基署

2007年09月23日 | Weblog
9月23日の朝日新聞によると、
『宅配便大手「ヤマト運輸」(本社・東京都)が集配業務をするドライバーにサービス残業をさせていたとして、大阪南労働基準監督署から労働基準法違反(賃金未払い)で是正勧告を受けていたことがわかった。同社は勧告内容を認めており、「未払い賃金は支払う」としている。
 ヤマト運輸によると、ドライバーの労働時間は、商品の配達状況などを記録する携帯端末「ポータブルポス(PP)」で管理。ドライバーがPPの電源を入れた時を「出勤」とし、電源を切った段階で「退勤」としている。
 また、9月23日の読売新聞によると、『同社は、ドライバーにコンピューター端末「ポータブルポス(PP)」を携帯させ、出勤・退勤時刻を記録、管理しているが、給与計算の基となる勤怠記録が実際の端末記録と異なり、労働時間が短くなっていたケースが判明。記録改ざんの疑いもある。』と報じている。
大阪南労働基準監督署は、関西支社管内の全従業員約2万2000人の過去2年間の労働実態を調査のうえ、未払い賃金を支払うよう是正指導したようです。ヤマト運輸広報課の話だと「一部の集配所でタイムスケジュール通りに勤務をしなかったのが原因で、会社として指示していない」との話です。このコメントの真意はわかりませんが、運輸業では、近年の原油値上がりで経営難の企業が多くあります。交通渋滞があれば、即残業手当にはね返ります。企業としては頭の痛い問題です。

企業年金連合会(厚生年金基金)、124万人分未払い 計1544億円(朝日新聞)

2007年09月06日 | Weblog
9月6日の朝日新聞によると、
『転職などで厚生年金基金を短期間で脱退したり、基金が解散したりした会社員の年金資産を引き取って運用、給付を行う「企業年金連合会」(加藤丈夫理事長)は5日、連合会が管理している60歳以上の受給資格者の年金記録400万人分のうち、3割強にあたる124万人分が本人から受給の請求が行われずに未払いになっていることを発表した。06年度末時点での未払いの年金は総額1544億円に達する。企業年金についても、多くの持ち主不明の「宙に浮いた年金」の存在が明らかになったことで、年金不信がさらに高まるのは必至だ。
 申請漏れの内訳は、基金を中途脱退した人の記録が117万人、1378億円。1人あたり平均の給付漏れの総額は11.8万円。基金解散に伴うものが7万人、166億円で平均23.7万円。124万人中、3万6000人はすでに死亡していると推計している。
連合会は、厚生労働省が指導・監督する民間団体。現役世代を含め2400万人分の記録を管理し、資産総額は13兆2000億円。会社員が勤務先の厚生年金基金から退職・脱退などをした際、元の基金の代わりに記録の管理や年金の支払いを行っている。』
厚生年金基金は厚生年金より支給漏れの可能性は高いです。そもそも、本人が厚生年金基金に加入していた、という意識が低いからです。加入していたのがわかっていても、どこに請求すればいいかわからないのが実情です。厚生年金基金から個人の年金資産が連合会に移管される際も、連合会からはがき1枚の通知が送られるだけで、連合会が自分の年金資産を管理していることさえ知らず、申請していないケースが多数あると思います。
本人の請求があって支給するという申請主義だから、このようなことが起こるのは当然のことだと思います。
不安な方は、企業年金コールセンター(0120・458865、平日9時~21時、土日祝日9時~17時)で確認したほうがいいでしょう。

初任給10年ぶり1000円増加 今春の新卒者 経団連調査

2007年09月04日 | Weblog
9月4日産経新聞によると、
『日本経団連が3日発表した今春新卒者の初任給調査によると、大卒事務系の平均は対前年比1354円増の20万5074円、短大卒事務系が同1041円増の17万2577円と、10年ぶりに1000円を超える伸びとなった。伸び率は大学院修了事務系で0・56%、大卒事務系で0・66%となり、前年の上昇率に比べてすべての学歴でほぼ倍増した。企業業績の回復に加え、少子化で人材確保に向けた条件の改善が進んでいる状況を浮き彫りにした。』
【平成19年度の初任給水準】
大学院修了事務系 22万3131円(0.56)
大学院修了技術系 22万4478円(0.60)
大学卒事務系   20万5074円(0.66)
大学卒技術系   20万6579円(0.58)
高専卒技術系   18万1853円(0.67)
短大卒事務系   17万2577円(0.61)
高校卒事務系   16万1273円(0.60)
高校卒現業系   16万2753円(0.61)
 ※カッコ内は前年比伸び率%
日本経団連は、今回の初任給引き上げの原因を以下のように分析しています。「優秀な学生の確保のための魅力向上に加え、企業業績の回復に伴う社員給与の引き上げが進み、これまで据えおかれていた初任給にも調整が及んだ」
景気は回復しているようですが、中小企業の初任給引き上げはまだ先のようです。

雇用保険法が変わります!(平成19年10月1日施行)

2007年09月01日 | Weblog
雇用保険法が変わります!(平成19年10月1日施行)
1 雇用保険の受給資格要件が変わります。
これまでの週所定労働時間による被保険者区分(短時間労働者以外の一般被保険者/短時間被保険者)をなくし、雇用保険の基本手当の受給資格要件を一本化します。
原則として、平成19年10月1日以降に離職された方が対象となります。
【旧】一般被保険者⇒6か月 
   短時間労働被保険者(週所定労働時間20~30時間)⇒12か月
【新】雇用保険の基本手当を受給するためには、週所定労働時間の
   長短にかかわらず、原則、12か月の被保険者期間が必要。
   ※ ただし、倒産・解雇等により離職された方は、6か月で可。

2 育児休業給付の給付率が50%に上がります
○ 給付率を休業前賃金の40%から50%に引き上げます。
○ 平成19年3月31日以降に職場復帰された方から平成22年3月31日までに育児休業を開始された方までが対象となります。
【旧】 休業期間中 30% + 職場復帰後6か月 10%
【新】 休業期間中 30% + 職場復帰後6か月 20%

3 教育訓練給付の要件・内容が変わります
○ 本来は「3年以上」の被保険者期間が必要である受給要件を、当分の間、初回に限り「1年以上」に緩和します。
○ また、これまで被保険者期間によって異なっていた給付率及び上限額を一本化します。
○ いずれの措置も、平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始された方が対象となります。
【旧】 被保険者期間3年以上5年未満 20%(上限10万円)
    被保険者期間5年以上      40%(上限20万円)
【新】 被保険者期間3年以上      20%(上限10万円)
    (初回に限り、被保険者期間1年以上で受給可能)