最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

「店長」と「名ばかり管理職」のその後

2009年08月28日 | Weblog
①「名ばかり管理職」訴訟で和解 マクドナルドと元店長4人
8月26日の共同通信ニュース
『日本マクドナルドの元店長4人が在職中に権限も裁量もない、いわゆる「名ばかり管理職」として扱われ、残業代を支払われなかったのは不当として、同社に未払い残業代など計約1700万円を求めた訴訟は26日、東京地裁で和解が成立した。関係者によると、マクドナルド側が一定額の支払いに応じる意向を示したとみられるが、和解条項は非公表。同社は「詳細についてはコメントできない」としている。』
②すかいらーく店長に残業代 名ばかり管理職を解消
8月7日の共同通信ニュース 
『外食大手のすかいらーくが、グループのファミリーレストラン店長ら約3300人に4月から残業代の支払いを始めていたことが、7日分かった。店長を管理職から外し、残業代を支払わない「名ばかり管理職」の問題を解消した。日本マクドナルドなどに続き、大手外食、流通チェーンの多くが是正したことになる。すかいらーくは新たに導入した人事制度で、店長から法律上の管理職である「管理監督者」の肩書を外した。』

NTTグループ、厚生年金保険料一部未納(朝日新聞)

2009年08月24日 | Weblog
8月22日の朝日新聞によると、
『NTTグループが03年までの6年余に、社員ら4千人近くの給与や賞与から厚生年金保険料の個人負担分を天引きしながら、一部を国に納めていなかったことがわかった。会社の事務処理ミスが原因とみられるという。そのままだと社員らの年金受給額が減ってしまうため、NTT側は今年6月までに、総務省の年金記録確認第三者委員会に一括して年金記録の訂正を申し立てた。
 関係者によると、NTTグループの主な会社の社員らが加入するエヌ・ティ・ティ厚生年金基金(現エヌ・ティ・ティ企業年金基金)が厚生年金の代行部分を国に返す「代行返上」のために基金と国の年金記録を照合したところ、4千人近くの記録に食い違いが判明。うち約20人分は国に全く記録がなかったという。
 基金によると、97年4月の基金設立から代行部分の一部返上が認可される直前の03年8月まで6年余の基金加入者らの記録を照合(03年時点の加入者は約26万人)。食い違いの大半は保険料算定の基礎となる標準報酬月額で、賞与額や加入期間のずれもあった。国に記録がなかったのは短期間で退職した契約社員だった。昇給で標準報酬月額が増えた場合などに、会社が国に出す変更届に誤りや漏れがあり、国が会社に請求する保険料が過小になったとみられる。増額された実際の給与を元に会社が社員から天引きした保険料の一部は、そのまま社内にプールされたという。
 NTT側は、住所が分からない一部の退職者を除く大半の社員らから委任状を取り、今年6月までの半年間に3回、第三者委員会に訂正を申し立てた。認められれば、会社は未納分の保険料を追納し、社員らは本来の年金が受給でき、「減額になる人は1人もいない」としている。 』
 年金記録が正しくないのは、社会保険庁だけのせいにされていますが、実は、企業の事務処理上のミスでも起こりえます。大企業でさえこのようなミスがあるのですから一般企業でも同じようなことが起きていると思います。従業員は年金定期便をチェックする必要があると思います。ただ、標準報酬までチェックできません。給与明細書でチェックするのがいいのですが、そのためには、給与明細書を各自保管しなければいけません。国は、企業が個人のデータを長期保管するシステムを作ったほうがいいのではないかと思います。現行では、個人情報保護法があるので、それもできません。紙ベースである必要はありません。電子データ化して保管すれば、そんなに困難ではないと思います。

日清食品、管理職“サバイバル研修” チキンラーメンで無人島を生き抜け

2009年08月18日 | Weblog
8月18日の産経新聞によると、
『食品大手の日清食品ホールディングスは、26日から2泊3日で、グループ会社の若手管理職社員を対象にして、瀬戸内海の無人島で生活させる“サバイバル研修”を実施する。
 対象は、日清食品で7月に課長職に昇格した13人に、明星食品などグループ会社4社の管理職4人を加えた40歳前後の17人。
 この研修では「チキンラーメン」と水、小麦粉、ビニールシートしか持たされない。まきをひろって火をおこして手作りの道具で調理し、ビニールシートで寝泊まりするなどのサバイバル生活を強いられる。
 同社では若手管理職の心身を鍛えるため、平成15年からこの研修を開始。17年までは無人島で、18年から20年までは埼玉県の山中で研修を実施してきた。今回、研修効果を検証した結果、山中よりも条件がより過酷な無人島に研修場所を戻したという。』
 昔、富士山で新人研修で流行りました。これもなかなか面白いかもしれません。座学より役に立ちそうです。

中国人実習生、初の過労死申請 残業最大180時間

2009年08月17日 | Weblog
8月7日の朝日新聞によると、
『日本の技術を学ぶために来日し、茨城県のめっき加工会社で働いていた中国人技能実習生、蒋暁東(チアン・シアオトン)さん(当時31)が昨年6月、急性心不全で亡くなったのは、長時間労働が原因による過労死だとして、蒋さんの遺族の代理人が7日、鹿嶋労働基準監督署に労災申請した。支援する弁護団によると、外国人研修・技能実習生の過労死で労災を申請するのは全国初だという。
 弁護団によると、蒋さんは05年12月に来日。1年目の研修生のときには、残業が制度上禁止されているにもかかわらず月に約100時間の残業をした。技能実習生となった2年目以降は残業時間は月150時間を超え、多い月で180時間に達した。
 タイムカードの記録では、連日午前7時半ごろに出勤し、午後9時前後までの勤務。月の休日は2日ほどしかなかった。昨年6月の深夜、就寝中に急死した。持病はなかったという。蒋さんは生前、中国の家族に電話で「残業が多くて疲れる」と話していた。
 弁護団の指宿昭一弁護士は「研修生・実習生の脳・心臓疾患による死亡の多くは過労死だと思われる。しかし、遺族が海外にいるため相談できず、これまで表面化しなかった。厚生労働省に徹底調査を求めたい」と話した。国際研修協力機構(JITCO)によると、08年度に死亡した外国人研修・技能実習生は計34人で、前年度より13人増えて過去最多。死因は脳・心臓疾患が最も多く、16人となっている。』