最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

過重労働に関する記事(産経新聞)

2011年09月30日 | Weblog
9月21日の産経新聞によると、
『松江労働基準監督署は21日、従業員5人に1日につき最大13時間の違法残業をさせたとして、労働基準法違反の疑いで、電気通信工事会社シーネット=群馬県大泉町=と社長の男性(42)ら2人を書類送検した。5人のうち1人の埼玉県川口市戸塚、山田宗司さん=当時(23)=は4月14日、宿舎に中型トラックで帰る途中、ダンプカーと衝突する交通事故を起こし死亡。松江労基署が事前の労働状況を調査し、発覚した。送検容疑は4月11~13日、島根県安来市発注の光回線を住宅に引き込む工事で、1日8時間を超え3~13時間の残業をさせた疑い。現場責任者の男性(63)が指示し、社長は違法残業を知っていながら止めなかった。』

9月30日の産経新聞によると、
『大阪府茨木市の名神高速道路で6月、大型トラックが渋滞の車列に突っ込み6人が死傷した事故で、大阪府警高速隊が道交法違反(過労運転下命)容疑で、トラックの運転手が勤務していた運送会社「ランドキャリー」(名古屋市)を書類送検していたことが29日、分かった。
 送検容疑は6月12日午後、丹羽潤被告(42)=自動車運転過失致死傷罪で公判中=が連続勤務による過労で正常に運転できない恐れがあると認識しながら、愛知県から兵庫県たつの市への建材の運搬などを指示した、としている。』

車は、便利だけれど、時に人の命を奪う凶器になります。車を運転させる事業主は健康管理の重要性をもっと認識すべきだと思います。




日本マクドナルドが定年制を復活 「成果主義」思惑はずれ若手育たず(J-CASTニュース)

2011年09月26日 | Weblog
9月25日のJ-CASTニュースによると、
『日本マクドナルドは2012年1月から、60歳定年制を復活する。同社は年功序列の人事・賃金制度の廃止など、成果主義の人事体系を目指しており、その一環として06年に定年制を廃止していた。
 いったん定年制を廃止したものの、復活するケースは非常にめずらしいという。
 日本マクドナルドの正社員は約3400人で、現在の平均年齢は35.5歳。今回、定年制の復活と同時に65歳までの再雇用制度を導入。高年齢者雇用安定法に対応し、雇用継続を希望する社員の健康や能力を判断して年間契約で雇用することにした。
 定年制の復活について、同社は「若手社員を伸ばしていく企業文化を根づかせていくため、年功序列を廃止するなど、実力主義への意識を高めようとしたなかで、定年制を廃止すべきと考えたが、時期尚早だった」と説明する。
 定年制の廃止は、ベテラン社員の経験やノウハウ、スキルが活かされるメリットがある。しかし同社によると、経験豊かなベテラン社員が自身の成果をあげることを優先してしまい、若手社員の育成が疎かになってしまったという。ベテラン社員のもつノウハウなどの若手社員への伝承がうまく進まなかったと反省している。
 6年前の廃止時には、「定年制の廃止は20~30歳代の社員のため、実力本位の意識を高めるのが狙い」(原田泳幸会長兼社長)と話し、年齢ではなく、実力本位であることを会社が明確にすることで「若手のモチベーションが高まるはず」としていた。
 ところが、「ベテランが職務に取り組むうえで、仕事の成果と人材育成のバランスのとり方が難しく、仕事の優先順位が崩れてしまった。(定年制を復活することで)人を育てていく企業文化を再度築き上げる」と話している。』
 失敗を失敗と認め、一度廃止した定年制を再度復活させたマクドナルドの決断は、「さすが」というしかない。自分の失敗を認めたがらない企業が多い中、この英断にあっぱれ!


「まじで無理」新入社員が過労自殺(産経新聞)

2011年09月07日 | Weblog
9月5日の産経新聞によると
『自動販売機に清涼飲料水を補充する仕事をしていた兵庫県尼崎市の男性=当時(27)=が、入社約4カ月後の平成20年8月に過労自殺したのは、繁忙期の猛暑にかかる負担への配慮がなかったためとして、両親が男性の勤務先だった大阪市住之江区の運送会社に対し、約8280万円の損害賠償を求める訴えを7日に大阪地裁へ起こすことが4日、関係者への取材で分かった。
 大阪西労働基準監督署は22年6月、自殺1カ月前の時間外労働(残業)が100時間を超えていたなどとして、労働災害(労災)を認定。運送会社の代理人弁護士は産経新聞の取材に「安全配慮義務違反はなかったと考えている。提訴されれば、きちんと主張して争いたい」と話している。
 訴えによると、男性は20年4月に入社後、大手飲料メーカーの清涼飲料水を積んでトラックを運転し、ノルマとして1日15台前後の自販機を巡回、商品を補充していた。ほかに自販機の故障や客からの苦情があれば対応しており、出発前の洗車や帰社後の商品搬入なども業務だった。
 気象庁によると、20年7月の31日間のうち、大阪では最高気温30度以上の真夏日が24日間、35度以上の猛暑日は5日間あった。男性の両親に対し、会社関係者は「商品が一瞬で売れ、全員くたくただった」と明かしたという。』




オリンパス訴訟:社員側逆転勝訴「配置転換は人事権乱用」(毎日新聞)

2011年09月01日 | Weblog

8月31日の毎日新聞によると、
『上司による取引先社員の引き抜き行為を社内のコンプライアンス窓口に通報したところ、不当な配置転換を命じられたとして、精密機器メーカー「オリンパス」(東京都新宿区)社員の浜田正晴さん(50)が、同社側に配転先で働く義務のないことの確認などを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は31日、浜田さん側逆転勝訴の判決を言い渡した。鈴木健太裁判長は「配転は業務上の必要性と無関係で、人事権の乱用」と述べ、事実上の報復人事にあたると判断した。
 1審・東京地裁(10年1月)は、浜田さんの通報について「異動による浜田さんの不利益はわずかで配転命令は報復目的ではない」と指摘。コンプライアンス窓口の担当者が上司に連絡したことも「浜田さんの承諾があり、社内規定に反しない」などとして、浜田さん側の主張を全面的に退けた。これに対し、高裁は「浜田さんの承諾はなかった」として社内窓口の守秘
義務違反を認定。さらに配転について「上司が内部通報に反感を抱いて行ったもの」と指摘し、通報者に不利益となる扱いを禁じた社内規定に反すると判断した。
 さらに配転後の勤務状況について、「達成が難しい業務目標を設定し、(浜田さんが)できないことをもって極めて低い評価をした」と指摘。2度目の配転以降、新入社員同様の学習とテストを受けるだけの状態に置いた点も「50歳となった原告への嫌がらせにあたり、違法だ」と批判した。こうした点から、会社と上司に対し、配転による賞与減額分と慰謝料など220万円の支払いを命じた。
 判決によると、浜田さんは07年6月、「上司の行為は信頼失墜を招く」として社内の窓口に通報したが、窓口担当者は浜田さんの氏名と通報内容を問題の上司を含む複数の同社幹部に連絡。その後、浜田さんは別部署に異動となり、1審判決を控えた昨年1月以降も2度の配転を命じられた。』
 労働者側が勝訴したとはいえ、220万円の支払命令はあまりに低すぎるような気がします。