最近の気になるニュース(人事労務編)

人事労務の情報を新聞報道等からチョイスしてお送りしています。さらに最近読んだ本やお気に入りの音楽を紹介しています。

働いていない理由(ジョブカフェ・サポートセンター発表①)

2005年10月27日 | Weblog
 10月20日のジョブカフェ・サポートセンター発表によると
『ジョブカフェ・サポートセンターは全国20箇所のジョブカフェモデル地域で若者の就職サポートに携わる224人を対象に、アンケートを実施した。
 ①働いていない最大の理由は「自信がない15.9%」「行動力不足15.9%」「コミュニケーション力不足10.5%」②就職するためにもっとも大事な支援は「行動促進17.7%」「動機付け16.7%」「自己分析15.8%」自分に自信がなく行動力に欠ける。おとなしい消極的な若者像が浮かんでくる。就職経験があってもなくても、豊かな時代に育ったゆえにたくましさに欠ける部分や、それほど真剣に取り組まなくても経済的に困らない状況に甘えている面などが指摘できる。実際、求人票を見ても「この仕事は自分にできるかどうかわからない」と最初から尻込みする若者が多く、キャリアカウンセラーが「やってみないとわからないよ」と背中を押さないと動かないケースが非常に多い。』
「ジョブカフェ・サポートセンター」とは
全国20箇所のジョブカフェモデル地域を支援する組織。各地域の成果や事例などの共有と紹介、ジョブカフェ理解促進のための広報、ジョブカフェで働く人たちのサポートなど、ジョブカフェ成功のための各種支援を行っている。 次号に続く。 

時間外手当、基本給に含む場合もありか?

2005年10月21日 | Weblog
10月20日の朝日新聞によると
 『モルガン・スタンレー証券会社(東京)に勤めていた男性が、時間外手当を支払うよう同社に求めた訴訟で、東京地裁は19日、「一定の条件下では、時間外労働の対価は基本給に含まれて支払われたと言える」との判断を示し、請求を棄却する判決を言い渡した。
判決によると、原告は98年に入社。就業規則上の労働時間は平日の午前9時~午後5時半だったが、02~04年には毎日、午前7時半ごろからミーティングに参加していた。原告は解雇された後の04年、時間外手当計約800万円の支払いを求めて提訴した。 』
 判決理由として①給与決定方法は会社に与えた利益などによって決まっていた。
②原告は労働時間を自分の判断で決めていた。③基本給が月額183万円を超えており、時間外手当を基本給に含める合意をしても今回のケースでは労働者の保護に欠ける点はない。とのこと。
 判決のポイントは、基本給が183万円という破格の金額だからではないでしょうか。これが20万円や30万円では認められないでしょう。この判決はあくまでも例外中の例外と考えた方がいいでしょう。普通のサラリーマンにはやはり、残業手当が別途必要ということなのです。もし、基本給の中に残業手当を含めるなら、その根拠を示す必要があります。

管理監督者の問題

2005年10月14日 | Weblog
 過去の判例(大阪地判 s61.7.30)を見るとレストランの店長は「管理監督者ではない」としています。以下の理由によるものです。
『コック、ウエイター等の従業員6、7名程度統括し、ウエイターの採用にも一部関与し、店長手当(2~3万円)の支給を受けていたが、タイムレコーダーにより出退勤の時間が管理されて出退勤の自由がない。また、仕事の内容も店長の職務にとどまらず、コックはもとよりウエイター、レジ係、掃除等全般に及んでいることから、店舗の経営者と一体的な立場にあるとはいえず、管理監督者の地位には当たらないというべきである。』
管理監督者は経営者と一体的な立場の者をいい、①実態上の職務内容、責任・権限がふさわしいか(名前だけではないか)、②勤務態様の実態は他の従業員と同じではないか、③その地位にふさわしい基本給、役付手当、賞与の支給率等優遇されているか、などが、チェックポイントです。皆さんの会社はどうですか?


マクドナルド店長、管理者か?

2005年10月11日 | Weblog
10月4日の毎日新聞によると、
 『群馬県在住の店長、高野広志さんが4日、東京都内で記者会見した。「実態は管理職ではないのに管理職とされ、残業代が支払われないのは労働基準法違反」などとして、同社を相手に2年間の未払い分計五百数十万円の支払いを求め、来月にも提訴することを明らかにした。月70~100時間の残業があるにもかかわらず、時間外手当が支払われていないといい、店長に昇格する前に比べ、年収が約300万円も減ったという。
 労働基準法は時間外勤務に対する割増手当の支払いを企業側に義務付けているが、管理監督者は適用除外。』
 過去の判例(大阪地判 s61.7.30)を見るとレストランの店長は「管理監督者ではない」としています。次回は管理監督者の問題を掘り下げたいと思います。
   

日本マクドナルド、賃金不払いは22億円

2005年10月09日 | Weblog
9月30日の共同通信によると、
『 日本マクドナルドホールディングスが、社員やアルバイトの勤務時間を誤って算定、賃金が不払いとなっていた問題で、同社は30日、不払いは延べ約10万人で22億円になると発表。アルバイトらの勤務時間について、以前は30分単位で把握し端数を切り捨てていたのを1分単位で計算、賃金を支払うことに改めたことで新たに支払い負担が生じた。退職者も含め03年8月にさかのぼって支払うが、新たに支払うことになる賃金は04年以前分が11億4300万円、05年分は10億5700万円。』
 これで35億円の純利益が5000円まで減少するらしいです。この端数切捨ての問題は一般的にどの企業でも多かれ少なかれやっていると思います。同業者ばかりでなく、パートアルバイトを使用する会社はこの問題に頭を痛めているのではないかと思います。
皆さんの会社は何分単位ですか?

派遣労働者実態調査結果③苦情及び要望

2005年10月03日 | Weblog
過去1年以内に苦情を申し出たことがある派遣労働者は22.9%となっている。
 苦情の主な内容をみると、「賃金」が28.0%と最も多く、次いで「業務内容」21.9%、「就業日・就業時間・休憩時間・時間外労働・休暇」14.7%、「人間関係・いじめ」13.5%の順となっている。
派遣元への要望のある派遣労働者の割合は66.4%となっている。このうち、要望の内容をみると「賃金制度を改善してほしい」が61.6%と最も多く、次いで「継続した仕事を確保してほしい」33.5%、「福利厚生制度を充実してほしい」22.9%の順となっている。
  派遣先への要望のある派遣労働者の割合は、55.6%となっている。このうち、要望の内容をみると「正社員として雇用してほしい」が33.0%と最も多く、次いで「指揮命令系統を明確にしてほしい」24.7%、「派遣契約期間を長くしてほしい」22.9%の順となっている。
『正社員になりたい』というところが派遣労働者の本音なんでしょうか。やむを得なく派遣労働者を選択している実情を垣間見ることができました。